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本文

厚生文化常任委員会(こども未来部・健康福祉部・病院局関係)平成29年10月3日(火曜日)

1.開催日時

平成29年10月3日(火曜日)10時00分開始 15時49分終了

2.開催場所

402委員会室

3.出席委員

委員長:金井康夫、副委員長:大和勲
委員:南波和憲、委員:須藤昭男、委員:橋爪洋介、委員:伊藤清、委員:山崎俊之、委員:本郷高明、委員:井田泰彦

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)障害児(者)歯科医療体制整備について

橋爪委員
 今回の補正予算案に計上された歯科総合衛生センターの歯科診療ユニット1台の更新について、発注時期と設置時期はいつ頃になるのか。

武藤医務課長
 県歯科医師会からは年内に整備が可能と聞いている。議決後は速やかに交付決定などを行い、早急に整備できるようにしたい。

橋爪委員
 補正額351万円は、ユニット本体価格と設置費用の合計額か。

武藤医務課長
 設置費用も含め、歯科診療ユニット1台を更新するための予算額を計上している。

橋爪委員
 歯科総合衛生センターの運営については、医師を始めスタッフの方々が大変苦労されている。今回のように壊れてから更新するのでは、手続に半年以上かかり、障害児(者)の方々にマイナスの影響を及ぼすので、できれば壊れる前に対応していただきたいがどうか。

武藤医務課長
 障害児(者)への歯科診療が適切に提供できるよう、県歯科医師会と協議しながら、計画的な更新に努めて参りたい。

(2)抗インフルエンザウイルス薬の購入について

須藤委員
 抗インフルエンザウイルス薬の購入について、イナビル及びタミフルドライシロップの有効期限はどのくらいか。

中村感染症対策主監
 イナビルは8年、タミフルドライシロップは10年となっている。

須藤委員
 備蓄場所はどこか。

中村感染症対策主監
 非公開としている。

須藤委員
 非公開の理由は何か。

中村感染症対策主監
 セキュリティ確保のため非公開としている。

須藤委員
 これまでの薬の廃棄量はどのくらいか。また、使用した量はどうか。

中村感染症対策主監
 平成18年度購入分の81,700人分、19年度購入分の83,000人分の合計164,700人分のタミフルを廃棄済みである。また、これまでに1,300人分を使用しているのみである。

須藤委員
 使用率について把握しているか。

中村感染症対策主監
 使用については、極めて例外的なことであり、使用率は算出していない。

伊藤(清)委員
 抗インフルエンザウイルス薬の購入について、県の備蓄目標量は、どのくらいか。

中村感染症対策主監
 国の指針により、国民の45パーセントに相当する量を国と県とで備蓄することとされ、本県は363,000人分が目標量となっている。

伊藤(清)委員
 以前、タミフル投与後の異常行動等の報道があったが、安全性に問題はないか。

中村感染症対策主監
 診療に当たる医師が使用上の注意事項を遵守し、安全性に留意しながら処方していると認識している。

伊藤(清)委員
 タミフルドライシロップ(行政備蓄用)の購入単価は、通常購入するより安価になっているのか。

中村感染症対策主監
 市場流通価格より安価な全国一律の単価で購入することとなっている。

伊藤(清)委員
 国の指定とのことであれば、競争入札はあり得ないということで良いか。

中村感染症対策主監
 そのとおりである。

(3)保育士等キャリアアップ研修について

須藤委員
 保育士等キャリアアップ研修について、県内の研修受講対象者数は何人か。

森平子育て・青少年課長
 受講希望者数を調査していないが、対象者数を延べ1万人程度と推計している。

須藤委員
 現場から研修への参加が難しいとの声も上がっているが、どのように考えているか。

森平子育て・青少年課長
 処遇改善の要件であることを幼児教育・保育現場に説明し、対象者にはできるだけ参加していただきたいと考えている。研修実施時期等は、関係団体と協議しながら設定したい。

(4)東部児童相談所の移転整備について

井田(泰)委員
 東部児童相談所の移転及び一時保護所の新設整備について、平成29年度7月までの中央児童相談所に併設の一時保護所における定員超過の超過日数が86日とのことだが、定員超過人数は、どの程度か。

野村児童福祉課長
 定員は36人だが、多い時には52人保護し、15~16人くらいの超過となっている。

井田(泰)委員
 早急に整備をする必要があると思うが、今後のスケジュールでは、平成32年4月開設となっており、これはどんなに急いでもこの時期になってしまうのか。

野村児童福祉課長
 建築課と協議して設計を進めるが、急いでも完成は31年度末になる見込みである。

井田(泰)委員
 地元から継続使用の陳情書が出ているが、避難所としての代替地や桜の木はどうするのか。

野村児童福祉課長
 避難所は、防災計画に位置づけられたものではない。代替地は、市に対応していただくものと考えている。桜の木は地元が大事に育ててきたものであり、児童相談所の環境としても良いので、今後もしっかり管理していきたい。

(5)県立病院の損害賠償事案について

井田(泰)委員
 県立病院の損害賠償事案について、中心静脈カテーテルの入替えは、難易度の高い処置なのか。

大島心臓血管センター院長
 主に栄養補給を行うためのもので、通常の処置である。

井田(泰)委員
 再発防止策として、可能な限り複数の医師で対応することとしているが、医師の負担が増加するのではないか。

大島心臓血管センター院長
 この処置は、患者の状態が悪化しているときに行うもので、緊急の場合にはこれまでも複数の医師で対応していたため、特別負担が増えるものではない。

井田(泰)委員
 実施したのは不慣れな研修医だったのか。

大島心臓血管センター院長
 研修医ではない。経験がなかったわけではないが、見落としてしまったものである。

井田(泰)委員
 この患者は、ガイドワイヤーの遺残がなければどのくらいの期間で退院できたのか。

大島心臓血管センター院長
 7月に胃がんの手術を行い、7か月後に再発確認のためにCT検査をして発見されたものである。遺残がなければ再入院は不要だった。

(6)東部児童相談所の人材確保について

本郷委員
 東部児童相談所の人材確保について、専門職員が必要だが、どのように予定しているか。

野村児童福祉課長
 一時保護所は、保護児童と直接に関わる業務であり、経験や専門性のある職員の配置が望ましいと考えている。必要な人員を配置できるように、総務部と十分協議しながら、人材の確保に努めていきたい。具体的には、現在、ぐんま学園や児童相談所に配属されている職員の中から異動させたり、今後も福祉職を計画的に採用して適切な職員数を確保していきたい。

(7)東部児童相談所の移転整備について

山崎委員
 東部児童相談所の移転整備について、桜の木のオーナーに対する説明について、どう考えているか。

野村児童福祉課長
 桜の木は、地域の人が寄附して(オーナーになって)植栽されたと聞いている。基本的には全て残す方針であり、しっかり管理していきたい。区長会が保管しているオーナー名簿に具体的な住所地の記載はなく、直接連絡を取ることが難しい。オーナーへの説明については、区長会長等と相談して対応していきたい。

山崎委員
 運動広場としての継続使用や屋外トイレの移設はどう考えているか。

野村児童福祉課長
 来年の工事が始まるまでの間は使用可能と地元に説明している。屋外トイレの撤去義務は太田市にあるが、今後、区長会長等とも相談して対応していきたい。

山崎委員
 一時保護所が新設整備されると夜間管理が必要となるが、夜間管理体制はどうなっているか。

野村児童福祉課長
 宿直職員が常駐するので、緊急時にも対応できる。

山崎委員
 開所後に土地の一部を地元の運動場として使用させてもらえるのか。

野村児童福祉課長
 子どもの運動場として約2,000平方メートルを予定しており、地元から要望があれば、子どもの活動時間を勘案して使用できるように考えていきたい。

山崎委員
 地元に溶け込んだしっかりした施設を造ってもらいたいが、部長の考えはどうか。

中村こども未来部長
 地元の方も戸惑われたと思うが、しっかり説明して受け入れていただいている。以前、しろがね学園としてお世話になり、県としても愛着のある場所なので、今後も地元の方々と一緒に考え、地元に溶け込んだ施設としていきたい。

(8)脳脊髄液減少症について

山崎委員
 脳脊髄液減少症について、平成27年に採択された請願に対するその後の対応状況はどうか。

津久井保健予防課長
 平成27年の請願は、1ブラッドパッチ(硬膜外自家血注入)療法の医療保険適用、2国の研究班による周辺病態の解明、3患者・家族等に対する相談支援体制の確立についてであり、第3回前期定例会で採択となり、群馬県議会議長名で国に意見書が提出された。その後の対応状況であるが、1ブラッドパッチ療法は、平成28年4月から医療保険が適用され、また、2国の研究班による研究は、継続されている。さらに、3患者・家族に対する相談支援体制は、本県においては群馬大学医学部附属病院に設置している県難病相談支援センターで個別相談に応じており、年間100件以上の相談を受けている。

山崎委員
 県医師会との連携はどうか。

津久井保健予防課長
 平成28年1月に県難病相談支援センターが主催した医療講演会において、県医師会に後援してもらい、連携を図って対応している。

(9)各県立病院の現状と課題について

須藤委員
 各県立病院の現状と課題について伺いたい。

大島心臓血管センター院長
 県立病院の本来目的である心臓血管センターでしかできない治療は頑張っており、治療面では良い流れができている。しかし、新規患者は増えているものの、平均在院日数が減少しているため病床利用率が伸びないのが悩みである。

鹿沼がんセンター院長
 5月に電子カルテを入れ替え、入院制限をしていたことがあったが、9月に入り患者数は復調してきた。必要な科に医師が確保できないのが悩みではあるが、県内におけるがん治療の最後の砦として、東京まで行かなくても最先端の治療ができるようにしていきたい。また、入院支援センターの開設や患者の待ち時間を少なくする取組など、患者ニーズに応えた対応を行っているところである。さらに、医師事務作業補助の活用により、医師負担を軽減して、医師の本来業務の時間をしっかり確保していきたい。

赤田精神医療センター院長
 精神医療センターの柱は救急と司法精神医療である。どちらも強制的な入院であり、人権面もあるため経営的には自力での収益増が難しいと考えている。救急分野では群馬モデルが確立しており、しっかりと運用していきたい。職員の疲弊や患者からの暴力にも注意していきたい。

丸山小児医療センター院長
 小児医療センターは三次医療を担っており、重い、難しい、手間がかかる患者を扱っている。群馬県でも出生数が10年前と比較すると数千件減少しており、産科の患者の減少が著しいが、何とか病床利用率70パーセント以上を維持している。また、重症患者が多いため、ICUの所定入院期間を超えて入院せざるを得ない患者が多く、診療報酬上入院基本料が一般病床よりも減額してしまうケースがあり問題となっている。さらに、医師確保についても苦戦しているが、来年度は何とか確保できそうなメドが立ってきた。現在、駐車場の増設を行っており、混雑は緩和される見込みである。県内の重症患者は当院に集中しており、当院の存在意義は極めて大きいと考えている。

須藤委員
 県立病院への支援について要望はあるか。

大島心臓血管センター院長
 来年4月から卒後3~5年目の医師を対象とした新専門医制度が始まる。専門病院は自院でのプログラムを持てないため、医師確保に支障を来す恐れがある。そのような中で、必要な医師が確保できそうなときには一時的に定数を緩和して過員配置を可能にするなど柔軟な対応をお願いしたい。

鹿沼がんセンター院長
 医師の人材確保については重大な問題で、当院でも苦戦しているところであるが、引き続き県全体の問題として取組をお願いしたい。医療者の考える良い医療と患者の考える良い医療にはズレがある場合があり、当院ではエビデンスに基づいた一番良い医療を提供しているが、患者が自ら考える良い医療を求めて離れていくこともあり、歯がゆい思いをすることがある。そのような中、スタッフのモチベーションを高めながら頑張っていきたい。

赤田精神医療センター院長
 精神医療センターは救急分野での群馬モデルを確立しているが、病院のみならず地域、特にこころの健康センターや警察との連携が必要で、どこが弱くなっても成り立たないので、引き続き支援をお願いしたい。また、中堅医師は諸業務も多く、当直等で負担が大きくなっており援助ができればと考えている。最近の精神病院は個室化が主流であるが、当院は4人部屋であり、少しでも個室が増えると運用しやすい。

丸山小児医療センター院長
 医師確保が重要な問題である。医学生を見ていても女性の方が優秀であり、女医を活用していきたいが、短時間勤務への対応などの対策が必要だと考えている。

(10)ぐんま縁結びネットワークについて

須藤委員
 前回の委員会の際、「ぐんま縁結びネットワーク」等の婚活事業について、独身のカップルを結婚させることがゴールではなく、少子化対策の一環として実施している事業のため、事業の成果として出生数を質問したが、そのような追跡調査はしていないという答弁だった。その後、どのような調査ができたか伺いたい。

吉澤こども政策課長
 成婚者は、平成29年3月31日までの累計で88組である。登録者は結婚するとぐんま縁結びネットワークを抜けてしまうため、何人生まれているかは不明であるが、その後もつながりのある世話人に確認したところ、6組の方から全て1人ずつ生まれていた。しかし、それでは少なすぎるので統計的な計算を行うこととし、出生動向基本調査の夫婦調査から結婚持続期間別の数値を用いて計算すると、145人程度になる。また、合計特殊出生率を用いると130人程度生まれると推計できるので、将来的には88組から130~140人は生まれるであろうと考えている。なお、平成28年度の成婚組は18組であり、こちらからは29人程度生まれると推計している。

(11)住宅宿泊事業法について

須藤委員
 住宅宿泊事業法について、法施行に向けた県の対応状況はどうか。

中村食品・生活衛生課長
 国では、現在、法施行に向けた政省令のパブリックコメントを行っている。県としては、パブリックコメント終了後の国の対応等に係る情報収集に努めるとともに、市町村に対して説明会を開催し、宿泊事業の制限の必要性について意見を聴取することとしている。

須藤委員
 条例制定に対する県の考えはどうか。

中村食品・生活衛生課長
 条例で規制するには「地域」と「期間」を合わせて定める必要がある。「地域」は旅館業法の考え方が参考になるが、「期間」についてはよりどころとするものがなく、国に具体的な考え方を示すよう求めている。今後、条例制定の必要性について、近県の状況や市町村等からの意見を踏まえて早急に検討していきたい。

(12)手話通訳者の設置について

橋爪委員
 群馬県手話言語条例が制定され、その後、県内の各市町村においても順次、手話言語条例が制定されており、対応の早い市町村では手話通訳者が設置されていると聞いている。県庁や県立医療機関等に手話通訳者を設置してほしいという要望も出ていると思うが、今後の県における対応はどうか。

小林障害政策課長
 県における手話通訳者の設置については、地域生活支援事業の任意事業とされており、本県ではこれまで設置していない。しかし、聴覚障害者とのコミュニケーション確保は重要であることから、今年度からタブレットによる遠隔手話通訳サービスを開始することとし、現在準備を進めているところである。また、合同庁舎などでの窓口業務に従事する県職員向けに手話研修を実施するとともに、県が開催する講習会に手話通訳者を配置するための予算を確保している。今後も、手話施策実施計画に基づいた事業の充実を図っていきたい。

橋爪委員
 県立病院における手話通訳者の設置状況はどうか。

青木病院局長
 コミュニケーションが難しい患者の場合は付添いを通して意思疎通を図るなどしている。県立病院は基本的には紹介制であり、患者の状態は把握できていることが多い。聴覚障害者が飛び込みで来るのはレアケースと思われるが、障害に応じて適切なコミュニケーションをとることが重要と考えている。

橋爪委員
 レアケースであっても何らかの対応をしなければいけないと思う。本格的な導入に関しては、財政的課題、人的課題があると思うが、病院単位であれば当面タブレットによる遠隔手話通訳サービスで対応可能であると思う。病院長の裁量が大きくなったと聞くので、例えば各病院からそのような要望があれば、病院局として積極的に財政課に働きかけていただけるのか。

青木病院局長
 病院局においては、各病院長のマネジメントにより病院運営を行っているので、院長より医療を提供する上で手話通訳者の設置が必要であるとの要望があれば対応を検討していきたい。

橋爪委員
 団体要望でもあるので、自分が4病院の院長に話をするよりも病院局長の方から投げかけていただき検討してほしいがどうか。

青木病院局長
 定期的に病院長会議を行っているので、病院長としっかり話合いをしていきたい。

橋爪委員
 是非とも当事者の声を真摯に受け止めてもらいたく、よろしくお願いしたい。
 手話通訳者養成のために、どのような環境整備を行っているか。

小林障害政策課長
 群馬県聴覚障害者コミュニケーションプラザの手話通訳者養成研修において、これまでは昼間のみの開催であったが、平成28年度から夜間にも開催することとした。これにより、平成26年度の申込者は15人であったが、今年度は昼夜合わせて22人の申込みがされたところである。

(13)指導検査等の実施結果等について

伊藤(清)委員
 指導検査等の実施結果等について、社会福祉施設に対する指摘内容はどのようなものか。

荻原監査指導課長
 社会福祉施設に対する平成28年度の3件の指摘内容は、配置基準職員の不足、避難訓練の回数不足、感染症対策の不備である。

伊藤(清)委員
 障害者福祉施設に対する運営基準や利用料に関する指摘が増加しているとのことであるが、なぜ通知等で周知が行き届かないのか。

荻原監査指導課長
 県は、毎年度、集団指導(研修会)を施設やサービスの種別ごとに開催し、注意すべき点や誤りやすい点について周知に努めているが、それでもなお、周知が行き届かない要因の一つには、人材の定着の問題もあると考えている。

(14)障害者福祉施設における虐待について

伊藤(清)委員
 障害者福祉施設における虐待について、虐待の発生件数はどうか。

小林障害政策課長
 障害者福祉施設における利用者に対する虐待については、平成27年度は45件の通報があり、そのうち虐待認定に至ったものは9件であった。虐待認定の内訳は、身体的虐待が5件、心理的虐待が3件、性的虐待が1件であった。

伊藤(清)委員
 虐待事案について、どのように対応しているのか。

小林障害政策課長
 未然防止のほか再発防止が重要であるため、法人や施設に対して再発防止計画の策定や職員に対する教育を行うよう、必要に応じ監査指導課とも連携し、指導している。

伊藤(清)委員
 重大な事態に至らないよう、虐待を発見したら速やかに警察に通報できるようにしてもらいたい。

(15)O157による食中毒について

伊藤(清)委員
 O157による食中毒で女児が死亡した事案が発生し、いまだ原因究明に至っていないと思うが、県ではどのような対応をしているのか。

中村食品・生活衛生課長
 中核市である前橋市及び高崎市と感染症を所管する県の関係所属からなる緊急会議を3回開催し、情報共有と対策について検討するなど連携を図っている。また、二次汚染を含めた様々な観点から再発防止を図るため、特に総菜店に対する衛生管理指針を作成しているところである。

井田(泰)委員
 桐生地域において、過日、O157の発生事案が報道されていたが、感染源の特定はできたのか。

中村感染症対策主監
 現在、桐生保健所において調査中であり、特定はできていない状況である。

(16)市町村が設置する病院について

伊藤(清)委員
 先ほど、県立病院の課題についての質問に対し、医師不足であるという答弁があったが、安中市の公立病院においても医師不足により非常に厳しい経営状況に置かれている。市町村が設置する病院等に対して、県が必要な助言・指導を行うためには状況の把握が必要となるが、どのように行っているのか。

武藤医務課長
 県内の基幹病院に出向き、院長や事務長等、病院幹部の方々と意見交換を行っている。なお、先月、公立碓氷病院にも伺い、医師確保や看護師確保などの課題について話し合ったところである。

伊藤(清)委員
 公立碓氷病院が策定した新公立病院改革プランでは累積赤字が過大となっており、これを解決するためには医師の確保が必要と思われる。こういった公立碓氷病院の状況をどのように捉えているか。

武藤医務課長
 公立碓氷病院は、安中市原市地区における地域包括ケアの中心的な役割や、へき地診療所の運営など、安中地域で重要な医療を担っていると考えている。しかし、近年は、医師不足により、思うような医療の提供ができないことに加え、病床稼働率が低調で経営的にも厳しい状況が続いている。こうした中、公立碓氷病院では、昨年度末に策定した「新公立病院改革プラン」に基づき「経営効率化」や「地域医療構想を踏まえた役割の明確化」などの取組を進めている。また、県では、各地域で地域医療構想調整会議を開催し、将来の医療需要などの情報共有を図るとともに、地域で不足する病床機能への転換等について話し合っている。この議論は始まったばかりであり、今後、議論を深める中で、地域において公立碓氷病院が果たすべき役割の明確化や、他の医療機関との機能分担等を進め、併せて病院経営の安定化も図っていただきたいと考えている。

伊藤(清)委員
 県立病院での医師確保の状況を教えてもらいたい。

大島心臓血管センター院長
 群馬大学との関係を一番重視して行っているが、群馬大学も医師不足で希望する人員は派遣してもらえない。現在、循環器内科の医師は26人で半分以上は他大学等から確保している。今後も、群馬大学との関係を維持しつつ、他大学等からの医師確保にも努めていきたい。

鹿沼がんセンター院長
 群馬大学からの派遣が一番多いが、他大学への派遣依頼も積極的に行い、必要な医師の確保に努めている。しかし、必要な人員確保に至っていないことから、よい環境で仕事ができるとのアピールを行い、一人でも多くの医師確保に努めたい。

赤田精神医療センター院長
 3年に1度程度、病院独自で確保することはあるが、群馬大学からの派遣が中心である。学会でのアピールや病院見学会を実施しているが、採用には結びついていない。しかし、病院現場を見てもらうことが重要なので、今後も続けていく。

丸山小児医療センター院長
 すべて群馬大学から派遣してもらっている科もあるが、形成外科は昭和大学、心臓外科は北里や東大から派遣してもらうなど、様々な大学から医師確保を行っており、一般内科では、公募もしている。しかし、一部人気のある都会の病院に若い医師が集中する傾向がある。また、大学からの派遣でない医師が退職した場合には、補充ができないこともある。厳しい状況ではあるが、医師確保に努めたい。

(17)ひきこもり対策について

本郷委員
 ひきこもりの実態について全国調査も実施されているが、対象が若者に限られており、実際には内閣府の推計値よりはるかに多いと思う。全国調査でも把握は難しい状況であるが、県はどの程度把握しているか。

依田精神保健室長
 ひきこもりの実態については、内閣府の調査により全国的な推計値が出ているが、県独自の調査による把握は行っていない。

本郷委員
 ひきこもり支援センターの相談件数及び相談内容はどのような状況か。

依田精神保健室長
 ひきこもり支援センターは、平成26年6月にこころの健康センター内に設置した。相談件数は、平成26年が594件、27年が580件、28年が557件となっている。相談内容は、若年層の就学、就労に関する相談、50歳以上の方の親亡き後の生活相談などがある。また、一人の方が複数の内容を相談している場合もある。

(18)県立病院における栄養調理部門の委託について

本郷委員
 県立病院における栄養調理部門の委託について、調理師の採用や退職補充もなく、調理部門の外部委託が一部で開始されたと聞いている。委託はコストダウンにはつながっていないという話も聞くが、今後、調理部門についてはどのような方針で運営するつもりか。

志村病院局総務課長
 病院局では、平成27年度から、調理現場で働く職員も交えて、給食サービスの質の確保と採算性を考慮しながら、今後の調理部門の在り方を検討してきた。その検討の中、調理部門職員の雇用を維持しつつ、委託範囲を段階的に広げながら、費用削減が可能であると判断した。現在、精神医療センターでは7月から、小児医療センターでは10月から患者給食業務の一部委託を開始し、順調に推移している。今後は、2病院での導入状況を検証して、各病院の意向を確認しながら委託化を推進していきたい。

本郷委員
 民間会社は病院の調理委託をやりたがらず、費用面でも問題があるのではないか。

志村病院局総務課長
 県内の多くの病院では、調理業務を委託化しており、民間業者は受託している。費用面においても、開始時は人員配置上過大になるが、中長期的には費用削減の見込みである。

本郷委員
 調理部門の直営は行わず、調理師の新規採用は考えていないということでよいか。

志村病院局総務課長
 現状では、2病院とも一部委託である。今後、他の2病院も委託化を検討したい。当面、新規職員の採用は考えていない。

(19)医師確保対策について

本郷委員
 医師確保対策について、医師確保修学研修資金の貸付けに当たって、募集定員を超える応募があった際の対応はどうか。

江原医師確保対策室長
 修学資金の貸与に当たっては、個別面接による選考を実施しており、その結果により決定している。なお、年度によって、募集定員を下回ることもあり、その際は再募集を行っている。

本郷委員
 本県の特徴的な事業である「ティアニー先生のケースカンファレンス」と「レジデントグランプリ」とはどのような内容か。また、両事業を今後も継続して実施するのか。

江原医師確保対策室長
 内科の診断医として世界的にも著名であるティアニー先生を本県に招き、医学生や研修医にケースカンファレンスを行ってもらっている。また、レジデントグランプリは、県内14の臨床研修病院の研修医が、日頃の研修成果として症例を発表するものである。事業の継続についてであるが、両事業とも有効であるため、引き続き実施したいと考えている。

本郷委員
 よく医師不足と言われ、一体、何人いれば医師不足が解消されるのかという疑問に対し、推計は出ないと聞くが、群馬県として、医師不足について数値化できないものか。

江原医師確保対策室長
 医師不足の明確な基準はないが、状況を把握するため、病院に出向いて意見交換を行うなど現場の声を聞いている。全国的には、医師・歯科医師・薬剤師調査による人口10万人当たりの医師数を比較している。本来は、どの地域にどのような医師が何人必要なのかという基準が必要であるが、その基準がないことを国では問題視しており、検討を進めているところである。

(20)福祉医療制度の在り方検討について

井田(泰)委員
 福祉医療制度における助成額が年々増加しているとのことであるが、どのように推移しているか。

堀越国保援護課長
 子ども、重度心身障害者、母子家庭等の3区分の合計で、平成29年度当初予算は83億円、28年度決算額は80億6千万円、27年度は78億9千万円、26年度は79億円となっている。

井田(泰)委員
 今年度予算83億円のうち、助成対象ごとの区分の割合はどうか。

堀越国保援護課長
 各区分の額では、子どもが40億6千万円、重度心身障害者が35億7千万円、母子家庭等が7億円となっている。

井田(泰)委員
 助成額は全ての区分で増加しているのか。

堀越国保援護課長
 子どもについては、少子化の中で横ばいとなっている。重度心身障害者については、年齢要件がないため、高齢化に伴い増加傾向にある。母子家庭等についても、若干増えている。

井田(泰)委員
 入院時食事療養費標準負担額の助成を見直すと、削減額はどのくらいを見込めるか。

堀越国保援護課長
 概算であるが、現在、食事療養費標準負担額への助成が約6億円となっており、このうち、低所得者に配慮した上での見直しによる削減額は、約2億円と見込んでいる。

井田(泰)委員
 今後、助成額の総枠を決めていくのか。

堀越国保援護課長
 助成額を83億円に抑える、又は確保するという見直しではなく、県全体の社会保障費の状況などを踏まえて総合的に考えていく必要がある。今回は食事療養費の助成について見直しを行うが、今後は医療費本体についても受給者の実態などのデータを踏まえ検討会において慎重に検討していきたい。

(21)飼い主のいない猫対策支援事業について

井田(泰)委員
 今年度から実施している飼い主のいない猫対策支援事業の進捗状況はどうか。

中村食品・生活衛生課長
 地域における猫問題の根本的な解決を図るため、県獣医師会及び動物愛護団体に委託し、みどり市、伊勢崎市、館林市の各1地域でふるさと納税を活用して事業を展開している。事業の進捗は地域によって異なるが、最も進んでいるみどり市では、飼い主のいない14匹の猫を特定し、今後不妊去勢手術を実施する予定となっている。

井田(泰)委員
 最も進んでいるのはみどり市とのことであり、全県の参考にするためにその地域の取組をPRしてもらいたいが、具体的にみどり市のどの地域でどのような団体が行っているのか。

中村食品・生活衛生課長
 みどり市笠懸町の地域である。また、NPO法人群馬わんにゃんネットワークに委託し実施している。

(22)水道ビジョン策定について

井田(泰)委員
 水道ビジョン策定に向けた進捗状況はどうか。

中村食品・生活衛生課長
 今年度は圏域を設定することを目標としている。前年度の広域連携検討会の議論を踏まえて、今月、同検討会を開催し、方向性を固めることとしている。この方向性について専門家による検討を行うため、水道ビジョン検討委員会を設置し、11月に会議を開催する予定である。

(23)指定管理施設の利用料金について

南波委員
 ふれあいスポーツプラザについては、利用料金が無料であり、主な利用者は8割が周辺住民であることからスポーツ振興に関する特別委員会において高齢者から利用料徴収など利用料金の見直しについて提言をした。このような施設については利用者にも負担を求めるべきであることから、今後、5年間においても高齢者の利用を無料のまま、第3回後期定例県議会において、指定管理者の指定に係る議案を出すのであれば反対せざるを得ないと考えるが、部長の考えを伺いたい。

川原健康福祉部長
 ふれあいスポーツプラザについては、今年度、大規模な改修を行い、関東近県から多くの方に利用していただく施設を目指しており、その中で利用料金についても検討していきたい。

南波委員
 条例を改正し、高齢者から料金を徴収するという考えで良いか。

小林障害政策課長
 ふれあいスポーツプラザ、ゆうあいピック記念温水プールは、障害者と高齢者のための優先施設ということで、障害者と高齢者については、条例で利用料を無料にしている。他の公共施設の中でも、障害者と高齢者に配慮した料金にしているところもあるが、障害者の利用を促進することを考えていきたい。

南波委員
 高齢者は無料で良いという発想を改める時期にきていると考える。子どもを無料にするというなら理解できるが、優雅な高齢者について無料で良いのかということである。別の施設では健康維持のために料金を払ってエアロビクスを学びに通う高齢者もいる中で、福祉部局である障害政策課が所管していることから、高齢者はタダで良いという発想を改めるべきだという点についてどう考えるか。

小林障害政策課長
 施設の利用料金ではなく、健康教室などの受講料を徴収することも考えられる。今後、十分に検討していきたい。

南波委員
 今のままでは承服できず、そのような考え方では困る。実際にふれあいスポーツプラザでテニスをしている人はどのような人で何人いるのか。基本的な考え方が違っていると思う。そのような発想のままであれば、この指定管理については反対せざるを得ないということを申し上げる。再度、部長の考えを伺いたい。

川原健康福祉部長
 社会保障制度においても、一定の所得がある場合には高齢者の方でも、相応の負担を求める方向となっていることから、施設の利用状況等を踏まえ、今後、しっかりと検討していきたい。

(24)看護師等修学資金貸与について

大和副委員長
 看護師不足について、県内に看護師が定着するために看護師等修学資金貸与があるが、看護師等修学資金の免除対象となる施設として、今年度から訪問看護事業所が対象となり関係団体から有り難いとの声を聞いている。また、特別養護老人ホームも今後、対象施設としてほしいとの要望があるがどうか。

武藤医務課長
 介護サービスの充実に伴い、福祉系の施設で働く看護職員も増えている。また、特別養護老人ホームは、入所要件が原則要介護3以上となり、看護職員の必要性、需要が高まっていると認識している。今後、特別養護老人ホームにおける看護職員の役割や働き方の実態を把握した上で、修学資金との関係についても検討して参りたい。

大和副委員長
 希望者全員への貸与を関係団体が要望しているが、過去3年の貸与状況はどうか。

武藤医務課長
 平成26年度の希望者277名、貸与者221名、貸与率79.8パーセント、金額7,854万円、27年度は希望者251名、貸与者223名、貸与率88.8パーセント、金額7,912万8千円、28年度は希望者280名、貸与者231名、貸与率82.5パーセント、金額8,160万6千円であり、約7から8割に貸与している状況である。

(25)保育士・保育所支援センターについて

大和副委員長
 保育士不足について、一般質問においても質問したが、全国でも群馬県は求人倍率が非常に低い状況であり、そのような中において県も現場の声を聞き、どのようにすれば保育士の確保ができるか懸命に取り組んでいただき有り難い。また、我々委員も県当局を応援すべく、今回、札幌市保育士・保育所支援センターへの県外調査を実施したが、同行し視察した感想はどうか。

森平子育て・青少年課長
 センターを運営する場合、多額の予算とそれに見合った実績を出せるかが課題であると感じた。今後の本県における保育人材確保策について、どのような方法がよいか研究していきたい。

大和副委員長
 市町村から保育人材確保に利用する目的で、県の保育士登録者情報を提供してほしいと依頼された場合、協力できるか。

森平子育て・青少年課長
 個人情報であるため目的外には利用できないが、市町村から相談があれば、詳しく内容を聞いた上で、県がどのように協力できるか検討したい。

大和副委員長
 福祉マンパワーセンターにおける保育士確保の現状や強化策についてはどうか。

森平子育て・青少年課長
 センターに登録している保育士の有資格者は27名、今年度の就職実績は1名である。これから実施する子育て支援員研修など様々な機会を捉えて、センターへの登録を呼びかけ、登録者数を増やしていきたい。

(26)病児・病後児保育について

大和副委員長
 病児・病後児保育について、病児・病後児保育の定義はどうなっているか。また、県内の施設数はどのくらいあるか。

森平子育て・青少年課長
 病児・病後児保育は大きく分けて3種類ある。病児対応型は児童が病気の「回復期に至らない場合」に専用スペース等で一時的に保育するもの、病後児対応型は「回復期」である場合の保育、体調不良児対応型は保育中に「体調不良」となった場合の保育である。また、病児対応型は6市7施設、病後児対応型は9市町9施設、体調不良児型は8市町57施設ある。

大和副委員長
 伊勢崎市が単独で実施している病児・病後児保育も周知した方が良いと考えるがどうか。

森平子育て・青少年課長
 伊勢崎市が病後児保育を単独事業で実施していることを確認し、第二種社会福祉事業としての届出を依頼したところである。届出を受理し次第、県のホームページに掲載し、県民に広く周知していきたい。

大和副委員長
 病児・病後児保育施設を並行して設置することも重要であるが、子どもが病気のときこそ親が仕事を休める体制づくりを進めるべきだと考えるがどうか。

中村こども未来部長
 安心して休める体制づくりは、今後とも一層進める必要がある。このため、産業経済部、群馬労働局とも連携して取り組んでいきたい。


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