【5月9日】「群馬県レッドデータブック(植物編・動物編)2022年改訂版」を発刊しました(自然環境課)
レッドデータブックは、絶滅のおそれのある野生生物について、絶滅の危険度を評価し、種ごとの現状や絶滅のおそれの要因など関連する情報とともにまとめたものです。
本県では、平成13(2001)年に植物編、平成14(2002)年に動物編の初版を発行して以来、新たな情報や知見をもとに、野生生物の生息・生育状況を把握するため、定期的にレッドデータブックの改訂を行っており、このたび、第3版となる「群馬県レッドデータブック(植物編・動物編)2022年改訂版」を発刊しました。
1 改訂結果の概要
(1)掲載種数
[植物]663種(2012年改訂版:633種) [動物]551種(2012年改訂版:529種)
(2)掲載内容の変化
[植物]
- 今回新たに追加したものが51種。
- 今回評価を変更したものが130種(より高い危険度・より低い危険度のカテゴリーに移行したものがそれぞれ65種)。
- 今回新たに5種(リュウノヒゲモ、コクラン、ウスイロスゲ、カイジンドウ、ムシャリンドウ)を「絶滅」と評価。
- これまで「絶滅」と評価されていた3種(イヌノハナヒゲ、コホタルイ、ガガブタ)の生育を再確認。また、これまで「絶滅」と評価されていた1種は標本調査の結果、本県に生育しないことが確認されたため、今回リストから削除。
[動物]
- 掲載種は、2012年改訂版(529種)から22種増加。
- 哺乳類、鳥類などの掲載種が減少。昆虫類の掲載種は26種増加。
- 今回新たに6種(昆虫類:コガタノゲンゴロウ、ヒョウモンモドキ、オオルリシジミ、ベニモンマダラ、カバシタムクゲエダシャク、ヒメカクモンヤガ)を「絶滅」と評価。
- 準絶滅危惧種は60種以上増加。情報不足は90種ほど減少。
※ 「絶滅の危険度の評価区分」は後述(4)のとおり
(3)絶滅のおそれの要因
以下の要因が、絶滅の危険要因として多く挙げられた。
[植物]
- 自然遷移、動物食害(踏み荒し・掘り返しを含む。ニホンジカ等)、園芸採取、里山や農地の管理放棄など
※動物食害は、前回(42種)の約4倍にあたる163種に対する脅威となっている。
[動物]
- 開発行為、環境急変(自然災害やその復旧工事に伴うものも含む)、森林伐採・植林、里山や農地の管理放棄など
(4)絶滅の危険度の評価区分
絶滅 | 我が国ではすでに絶滅したと考えられる種 | ||
---|---|---|---|
野生絶滅 | 飼育・栽培下、あるいは自然分布域の明らかに外側で野生化した状態でのみ存続している種 | ||
絶滅危惧 | 1類 | 絶滅の危機に瀕している種
1A類:ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの 1B類:1A類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの |
|
2類 | 絶滅の危険が増大している種
|
||
準絶滅危惧種 | 存続基盤が脆弱な種
|
||
情報不足 | 評価するだけの情報が不足している種 |
評価区分は2012年改訂版(第2版)と同様(レッドリストカテゴリー(環境省,2020)を準用)
注:カテゴリーの正式名称は「絶滅危惧(ローマ数字の)1A、1B、2類」ですが、ウェブページの閲覧環境によってはローマ数字の表示ができないため、ここでは便宜上1及び2を使用します。以下同様。
(5)掲載種数一覧
分類 | 掲載種数 | カテゴリー | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
絶滅 | 野生絶滅 | 絶滅危惧1A類 | 絶滅危惧1B類 | 絶滅危惧2類 | 準絶滅危惧 | 情報不足 | ||||||||||
植物 | 663(633) | 54(53) | 2(2) | 257(217) | 135(134) | 132(122) | 48(46) | 35(59) | ||||||||
動物 | 551(529) | 15(9) | 1(0) | 41(72)※注 | 53(13) | 118(90) | 203(136) | 120(209) | ||||||||
合計 | 1,214(1,162) | 69(62) | 3(2) | 298(289) | 188(147) | 250(212) | 251(182) | 155(268) |
※注 2012年改訂版で1A類・1B類の区分がない分類群については、便宜的に1A類に分類した。
2 冊子の販売等
(1)県庁2階県民センターで販売します。郵送での購入も可能です。
販売価格:植物編1,800円、動物編2,100円
[いま買える県の資料一覧]