【7月13日】令和2年度発生予察注意報 第1号 果樹カメムシ(チャバネアオカメムシ)(農業技術センター)
1 注意報の内容
- 発生地域 県内全域
- 発生量 多い
2 注意報発表の根拠
- 本県の主要な果樹カメムシ類であるチャバネアオカメムシ(図1)について、今年1月に県内8地点で実施した落葉中の越冬量調査の結果、平年より多くの越冬成虫が確認されました。
- 7月5日までのフェロモントラップへの誘殺数は、7地点中6地点で平年を上回りました(うち3地点は図2~4のとおり)。
- 7月5日までの予察灯への誘殺数は、平年を上回りました(図5)。
- すでに複数の園地でチャバネアオカメムシの飛来が確認されています。
- 環境省花粉観測システム(外部リンク)によると、今年2~5月の前橋市のスギ花粉濃度は平年より低いため、チャバネアオカメムシの餌の球果も少ないと考えられます。このため、チャバネアオカメムシが餌を求めて早期にスギ・ヒノキ林を離脱し、果樹をはじめ、果菜類、ダイズ等を加害することが懸念されます。
3 防除対策
- チャバネアオカメムシの飛来状況は果樹園によって大きく異なりますので、発生状況に応じて防除を行ってください。すでに園地への飛来が確認されていますので、早急に園内外を見まわり、早期発見・早期防除など適切な対応に努めてください。
- チャバネアオカメムシは夜行性のため、薬剤散布は夕方または活動の鈍い早朝などに行ってください。
- 農薬の散布にあたっては使用基準を遵守し、他の作物等への飛散に十分注意するとともに周囲の生産者や住民等への周知を徹底してください。
- 県内8地点(フェロモントラップ7地点、予察灯1地点)で飛来状況を調査しています。最新の情報は群馬県農業技術センターホームページの病害虫発生予察情報一覧に掲載しています。
図1 チャバネアオカメムシの成虫(体長10~12ミリメートル)
図2 フェロモントラップへの誘殺数(沼田市井土上町)
写真3 フェロモントラップへの誘殺数(渋川市渋川御蔭)
図4 フェロモントラップへの誘殺数(高崎市上里見町)
図5 予察灯への誘殺数