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【10月2日】平成29年度群馬県立病院における医療安全の取組について(病院局総務課)

群馬県病院局では、4つの県立病院(心臓血管センター、がんセンター、精神医療センター、小児医療センター)において、患者さんが安心して安全な医療を受けられるよう、医療の安全を確保するための取組を行っています。
さらに、医療の透明性を高め、医療や県立病院に対する県民との信頼関係を築くことを目的に、毎年度、県立病院で発生した医療事故及びヒヤリ・ハット事例の公表を行っています。

1 レベル別報告件数

レベル別報告件数一覧(単位:件)
区分 レベル 県立病院合計 心臓血管センター がんセンター 精神医療センター 小児医療センター
平成29年度 平成28年度 増減 平成29年度 平成28年度 増減 平成29年度 平成28年度 増減 平成29年度 平成28年度 増減 平成29年度 平成28年度 増減
ヒヤリ・ハット事例 0 1,479 938 541 542 153 389 306 159 147 204 295 -91 427 331 96
1 2,759 2,433 326 992 611 381 1,057 1,076 -19 268 277 -9 442 469 -27
2 1,419 1,254 165 481 372 109 440 465 -25 257 241 16 241 176 65
3a 139 160 -21 25 12 13 32 30 2 37 91 -54 45 27 18
小計 5,796 4,785 1,011 2,040 1,148 892 1,835 1,730 105 766 904 -138 1,155 1,003 152
医療事故 3b 20 35 -15 10 9 1 5 12 -7 3 11 -8 2 3 -1
4a 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
4b 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
5 0 1 -1 0 0 0 0 0 0 0 1 -1 0 0 0
小計 20 36 -16 10 9 1 5 12 -7 3 12 -9 2 3 -1
  合計 5,816 4,821 995 2,050 1,157 893 1,840 1,742 98 769 914 -147 1,157 1,006 151
  • ヒヤリ・ハット事例(レベル0~3a):日常の診療過程で患者に影響を及ぼすことはないもの又は軽度な影響にとどまるが、医療従事者がヒヤリとしたり、ハッとした事例
  • 医療事故(レベル3b~5):疾病そのものではなく、医療に関わる場所で、医療の過程において患者に影響を及ぼした事象(医療行為や管理上の過失の有無を問わない)
(参考)県立4病院の報告件数の推移
レベル 平成27年度 平成28年度 平成29年度
0 844 938 1,479
1 2,650 2,433 2,759
2 992 1,254 1,419
3a 232 160 139
3b 33 35 20
4a 0 0 0
4b 1 0 0
5 0 1 0
合計 4,752 4,821 5,816

2 内容別報告件数

内容別報告件数一覧
内容 県立病院合計 心臓血管センター がんセンター 精神医療センター 小児医療センター
件数 構成比 件数 構成比 件数 構成比 件数 構成比 件数 構成比
与薬(内服・外用)
内服忘れ、過剰・過小内服等
805 13.8% 305 14.9% 278 15.1% 104 13.5% 118 10.2%
与薬(注射・点滴)
点滴漏れ、過剰・過小投与等
460 7.9% 166 8.1% 156 8.5% 10 1.3% 128 11.1%
検査 508 8.7% 199 9.7% 202 11.0% 9 1.2% 98 8.5%
ドレーン・チューブ類の使用・管理
薬剤の血管外漏出、ドレーンの抜き去り等
620 10.7% 139 6.8% 223 12.1% 27 3.5% 231 20.0%
観察
水疱形成、褥瘡、物の持ち込み等
772 13.3% 220 10.7% 227 12.3% 270 35.1% 55 4.8%
食事と栄養
配膳間違い、禁止食材の誤配膳等
333 5.7% 89 4.3% 43 2.3% 38 4.9% 163 14.1%
転倒・転落
転倒による裂傷等
416 7.2% 85 4.1% 175 9.5% 136 17.7% 20 1.7%
情報・記録
電子カルテへの誤記載等
501 8.6% 289 14.1% 115 6.3% 52 6.8% 45 3.9%

※構成比上位3位の内容について掲載

3 医療事故等のレベル区分及び公表基準

医療事故等のレベル区分及び公表基準
区分 レベル 継続性 程度 内容 公表基準
重大事案(※注) 重大事案以外
ヒヤリ・ハット事例 0     エラーや医薬品・医療用具の不具合が見られたが、患者等には実施されなかった   包括公表
1 なし   患者等への実害はなかった (何らかの影響を与えた可能性は否定できない)   包括公表
2 (一過性) 軽度 処置や治療は行わなかった (観察の強化、バイタルサインの軽度変化、安全確認のための検査などの必要性は生じた)   包括公表
3a (一過性) 軽度 軽微な(簡単な)処置や治療を要した (消毒、湿布、鎮痛剤の投与など)   包括公表
医療事故 3b (一過性) 中等度~高度 濃厚な処置や治療を要した (バイタルサインの高度変化、人工呼吸器の装着、手術、入院日数の延長、外来患者の入院、骨折など)   包括公表
4a (永続的) 軽度~中等度 永続的な障害や後遺症が残ったが、有意な機能障害や美容上の問題は伴わない   包括公表
4b (永続的) 中等度~高度 永続的な障害や後遺症が残り、有意な機能障害や美容上の問題を伴う 個別公表 包括公表
5 死亡   死亡(原疾患の自然経過によるものを除く) 個別公表 包括公表

(※注)明らかに誤った医療行為が原因となって発生した場合など

4 平成29年度医療事故及びヒヤリ・ハット事例

頻発事例、対応策が優れている事例及び他の医療機関の取組の参考となる事例を中心に、概要をとりまとめたものです。

(1)心臓血管センター

心臓血管センター事例
内容 概要 背景・要因 対応策
与薬(注射・点滴) 【インスリンの過剰投与】
 薬剤部は、取り決めどおりインスリン25単位混合した高カロリー輸液を病棟に払い出した。看護師が表示に気付かず、更にインスリン25単位を混合し患者に2時間30分投与した。準夜勤看護師への申し送り時に、点滴本体と指示のダブルチェックを行なった際、重複過剰投与に気付いた。その後、経時的に血糖測定を実施したが血糖100mg/dl台で低下はなかった。(レベル2)
 看護師は、高カロリー輸液は薬剤部でインスリンも混合され病棟に払い出されることは知っていたが、高カロリー輸液の上室と下室の混合がされていなかったため、インスリンも未混合と思った。また、ミキシング済みシールは輸液本体の裏に貼付という薬剤部の基準を知らずシールを見落とした。
  • 医療安全カンファレンスの結果、ICU・病棟共に麻薬とインスリンは病棟で混合することに変更した。
  • 改めて運用基準を作成し周知徹底した。
  • 薬剤部で混合しない薬剤がある場合は、薬剤部が薬剤名をラインマーカーし「病棟で混合」と表記して病棟へ払い出すことにした。

(2)がんセンター

がんセンター事例
内容 概要 背景・要因 対応策
与薬(内服・外用) 【内服間違い】
 患者は2種類の内服薬を自己管理していた。看護師が昼食後に緩下剤の内服を確認すると、朝と夕のみに内服する予定の抗菌薬の空シートを発見。本人に内服確認すると、緩下剤を飲んだつもりが間違えて抗菌薬を飲んだことが分かった。(レベル1)
 間違えて飲んだ抗菌薬と本来飲むべき緩下剤は、共に丸く白い錠剤で大きさもほぼ一緒である。PTPシート(錠剤包装シート)も銀色で青文字の印字で酷似していた。患者は、錠剤をよく確認しないまま思い込みで薬袋から取り出し、誤って内服した。
  • 患者が薬を間違えて内服するエラーの発生状況を病院内の薬事委員会で報告し検討した。
  • 緩下剤を、PTPシート(錠剤包装シート)が銀色の製品から青色の他社製品に変更し、患者が視覚から鑑別しやすくした。

(3)精神医療センター

精神医療センター事例
内容 概要 背景・要因 対応策
食事と栄養 【副食加工の間違い】
  • 夕食の副菜であるブロッコリーが指示された大きさ(キザミサイズ)に加工されずに盛り付けられてしまった。
  • 患者への配膳前に病棟スタッフが気づき、摂食嚥下障害による嚥下や窒息を防ぐことができた。
(レベル0)
  • ブロッコリーのキザミサイズの基準がなかったため、調理師がただ単に裂いて小さくすれば良いと思ってしまった。
  • 栄養調理課内のミーティングにおいて、栄養士から調理師に対してキザミサイズの情報を正確に伝達できなかった。
  • 盛り付け後の最終確認ができていなかった。
  • 食材別にキザミサイズの基準を設定し、副食の食事形態表を作成した。
  • 栄養調理課内のミーティングにおいてキザミサイズの情報を正確に伝達することを徹底した。
  • 盛り付け後の最終確認を複数名で行うことを徹底した。

(4)小児医療センター

小児医療センター事例
内容 概要 背景・要因 対応策
感染防止 【帯状疱疹、間接接触】
 腹部に発疹ある患者にレントゲン撮影・心電図検査と心エコー検査を実施。その後数名の検査を同じベッドで実施した。母親が検査後、外来看護師に相談し、医師の診察にて帯状疱疹であることが判明。感染対策チームが接触患者2名の水痘罹患歴・予防接種歴がないことを確認し、抗体価検査の実施と家族の希望による予防投与を実施した。(レベル3a)
  • 検査時、発疹があることに気が付いたが母親が蕁麻疹かもしれないと言ったのでそのままにしてしまった。
  • 患者・家族向けには感染症による所見を注意喚起するためのポスターが掲示してあったが、医療スタッフ向けにはしていなかった。
  • 感染チェックシート、外来での確認手順を改善した。
  • 感染症による発疹等の所見がわかる写真ポスター(麻疹・水痘・帯状疱疹・ムンプス)を医療スタッフ向け(生理検査課・放射線課)に掲示して所見の確認、報告できる体制を整備した。

5 各病院における医療安全対策の取組事例

県立4病院では、ゼネラルリスクマネージャーを中心に、院内医療安全管理委員会や下部組織の各種委員会において事例分析や対策の立案を行い、医療安全対策を実施しています。平成29年度の主な取組事例は次のとおりです。

(1)心臓血管センター

【5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)活動】

院内16部門がそれぞれ5Sのテーマを決めて1年間取り組み、1月に発表会を実施した。プレゼンテーション力・before afterの改善具合・継続周知の工夫の3点をポイントに投票を行い、表彰した。

【患者誤認防止の取組】

県立4病院では全職員に患者確認の自己評価を行い意識づけを図っている。医療安全推進週間を中心に患者確認のキャンペーンを実施した。患者・家族に必要性を認識していただく協力を求めることと職員の意識づけを強化することを目的に、ポスターを掲示した。

(2)がんセンター

【検査予約センター開設】

平成29年7月から検査予約センターを開設した。専従看護師が、患者及び家族の希望を確認しながら検査日予約と検査説明を実施している。現在は消化器外科疾患と呼吸器内科疾患の患者が対象であるが、順次対象枠を広げている。検査を安全に安心して受けられるよう検査内容、禁食説明や薬の内服等の注意点を分かりやすく説明している。PET-CT検査は、前日に検査者へ電話連絡を行い、検査予定と内容の再確認を行っている。

【医療安全キャンペーンの開催】

医療安全キャンペーンを患者・家族対象と病院職員対象でそれぞれ別日で1週間開催した。
患者・家族向けキャンペーンは、検査説明や病院内の転倒発生状況等を掲示した。職員により、転倒要因の一つであるロコモティブシンドローム(運動器症候群、通称ロコモ)予防として、ロコモ体操やロコモ度テスト表を患者・家族に説明しながら配布した。
病院職員向けキャンペーンは、1年間の各部署の医療安全の取り組み等を含めた成果発表を行った。他部署でも改善対策等を参考にしてもらっている。

(3)精神医療センター

【転倒防止対策の取組】

  • 転倒予防対策としてサンダル・スリッパの使用を禁止し、入院時のオリエンテーションで患者及び家族に説明して徹底を図った。
  • 看護師が患者の履物を確認する足下パトロールを行った。
  • 筋力低下を予防し認知に働きかけて転倒を予防する体操をすべての入院患者に提供した。

【医療安全川柳】

  • 医療安全に関する職員の意識啓発を図るため、院内各部署の職員から川柳を募集して外来ホールに掲示した。
  • 患者が安心して医療を受けられるよう、全職員が医療安全管理に対する基本的な考え方を重視し日々努力をしていることの一端を示した。

(4)小児医療センター

【研究成果の活用:小児の転倒転落防止プログラムの導入】

例年家族付き添い時の転落事故が複数報告されていたが「説明の強化」という漠然とした対策となっていた。根本的な対策を検討していたところ、藤田優一 武庫川女子大学看護学部准教授の研究に基づく『小児の転倒・転落防止プログラム』を知ることとなり、使用許諾を得て、家族説明用のパンフレットの変更と病室内のポスター掲示を行うとともに、予定入院者へ外来でのDVD視聴を導入した。その結果、転落発生件数が平成28年度比較で12件から7件へ減少した。

【医療安全推進週間:患者確認キャンペーン】

平成29年11月20日~24日の医療安全推進週間の取り組みとして「患者確認キャンペーン~おなまえおしえてください~」を実施し、名前を教えてくれた外来受診患者(家族)に手作りメダルをプレゼントした。(延べ人数220名)

(5)4病院共通

【ImSAFERによる事例分析研修】

効果的で実現可能な対策の立案につなげるため、その基礎となる医療安全に資する情報収集と分析手法「ImSAFER(※注)」を学ぶ事例分析研修を実施した。

(※注)ImSAFER:「Improvement for medical System by Analyzing Fault root in human ERror incident」の略で、医療現場で発生するインシデント・アクシデント事象を効果的に分析することを目的とし、河野龍太郎 元自治医科大学医学部教授が医療向けに開発したRCA(Root Cause Analysis:根本原因分析)の一つの分析手法

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病院局総務課
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-2715
FAX 027-221-8818
E-mail bsoumuka@pref.gunma.lg.jp
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