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平成29年度地域別市町村懇談会の開催結果(甘楽富岡地域)
<甘楽富岡地域市町村懇談会>意見交換等(要旨)
開催日 平成29年6月19日(月曜日)
場所 南牧村活性化センター
1 県提案テーマ 人口減少社会における地域づくり~移住・定住の促進について~
<企画部長>
群馬県の人口は、将来にわたり減少し続けていくことが予想されており、平成72年には120万人ないし160万人程まで減少するという推計が出ています。県では、人口減少への対策として、「出生率の回復」と「社会移動の改善」の2点を重要施策と考えています。また同時に一定の人口減少を織り込みつつ、安全・安心な暮らしや経済・社会活動の基盤を守っていく取組を進めていくことも重要です。県では「群馬県版総合戦略」を策定して、各種施策に取り組んでいるところです。市町村においても、総合戦略を策定し、同様に取り組んでいると考えていますが、地域に共通する課題については、市町村と県、あるいは市町村同士が、互いに連携して、一緒に取り組んでいくことが重要であると考えています。
この甘楽富岡地域については、県内においても特に人口減少と高齢化が進んでおり、移住・定住の促進が一つの大きなテーマではないかと考えています。県では昨年策定した第15次群馬県総合計画に基づいて移住の促進及びU・Iターンの促進に取り組んでいるところです。
内閣府の調査によると、東京在住者の約4割が何らかの形で移住の意向を有しているという結果が出ています。更に、ふるさと回帰支援センターには、20代、30代の若い世代の移住相談が増えています。また、移住希望物件としては、空き家が7割近くを占めています。
U・Iターンの状況については、平成28年3月の県内の高校卒業生のうち3分の2に当たる約6,000人が県外へ進学していますが、そのうち、県内に就職等で戻って来るのは、わずか3割の2,000人という推計が出ています。
これを踏まえて県としては、県内の仕事に関する情報と群馬県で暮らすための生活に関する情報の提供が必要であると考えており、引き続きぐんま暮らし支援センター、東京事務所、ぐんまちゃん家の都内3か所で移住と就職の相談にワンストップで対応するとともに、市町村の皆様と連携を図りながら、都内で移住相談会を開催し、各市町村の移住情報を集約して発信していく取組を進めています。加えて、若者のU・Iターン就職を支援するために、首都圏の大学等で構成する「Gターン俱楽部」や学生向けインターンシップ「Gターンシップ」、更にはセミナーや合同企業説明会などを実施し、県内企業の情報発信に努めています。
地域おこし協力隊については、現在18の市町村で64名の隊員が活躍していますが、市町村による募集、受入及び隊員の任期満了後の定着が円滑に進むように今後も研修や意見交換会の開催、情報の発信等に努めていきます。
県としては以上のような取組を進めていますが、移住・定住や、U・Iターン就職の促進には、どのような取組が効果的かという視点から各市町村の御意見をお伺いできればと考えています。
<富岡市長>
富岡市では現在空き家を活用した定住・移住について取り組んでいます。平成28年度事業で養蚕農家の空き家を改修して、実際に今年の4月から地域おこし協力隊の方に入居していただいています。今年度も空き家となった農家住宅を改修して、養蚕をする人に入居してもらいたいと考えています。富岡に来る地域おこし協力隊の皆さんは、養蚕やシルクに興味をもって、京都や奄美大島のような遠いところからも来ていただいているので、3年の任期の後に、しっかりと富岡で起業できるようにフォローをしたいと考えています。地域おこし協力隊の中には御夫婦で来ていただいている方もおり、これも世界遺産効果と思っています。
人口減少対策としては、昨年度婚活事業を6回行い、17組のカップルが誕生しました。今年度は、婚活事業を10回行おうと考えており、市民の皆さんも含めて出会いの機会を作り、そこから地域に根ざしてもらいたいと思っています。
<下仁田町長>
平成27年の国勢調査における下仁田町の人口は7,564人で、65歳以上の高齢者の割合が約46パーセントである一方、15歳から29歳までの若年層の人口は平成22年の900人から平成27年には658人に減少しており、若年層の減少と高齢化が進んでいます。また、平成20年から平成24年までの合計特殊出生率は1.3人で、群馬県水準の1.46人を下回っており、人口減少と比例し、出生率も年々減少傾向にあります。
そのような中で、下仁田町第5次総合計画の策定に当たって町民アンケートを行ったところ、今後の定住意向については、「住み続ける予定」及び「できれば住み続けたい」が全体の81パーセントありました。生活する上での課題については、「良い仕事先がない」が最も多く、次に「買い物などの日常生活が不便」、「医療や福祉制度が整っていない」となっており、特に雇用と日常生活の利便性が町にとっての課題であると考えられます。
町が現在行っている具体的施策としては、結婚につながる出会い・交流の場の実施、結婚された方への結婚祝い金の支給、不妊治療費の助成拡充を行っています。また、乳幼児支援策として、出産祝い金の支給及び第二子以降の保育料の無料化、子育て支援策として、小中学校の入学時における入学祝い金の支給等の施策を実施しています。
<南牧村長>
本村では、移住者やUターンの方を集めるに当たり、積極的に私が東京に出かけて面接をやっています。その際には、ぐんまちゃん家や都道府県会館等を利用していますので、ぜひ今後もそのような場所を提供してもらいたいと思っています。これにより平成27年度からの2年で、Uターンも含めて、27名の移住者の実績を作ることができました。
移住者の希望物件は、古民家と新しいアパートの割合が半々くらいです。古民家の場合には、総務省や農林水産省の補助制度も利用しています。南牧村は民間のアパートが一軒もないので、移住者を呼ぶには新しい住宅を作るか古民家を改修しないと住む所がありません。しかし、アパートを村で造り、村営住宅として移住者に貸そうとすると、公営住宅法に基づいて家賃を設定しなくてはならず、高価でとても住んでもらえません。県にはぜひ、当村のような民間のアパートのないところには、その分に過疎債を充てる等何らかの形で配慮をしていただきたいと思っています。又は公営住宅でも移住者の家賃を低価格としてもいいような特例があればぜひアドバイス等をいただければと思います。
<甘楽町長>
働く場所については、現在甘楽町では県の産業団地の計画を進めてもらっています。こうした施策を継続して行うことによって働く場所が確保できれば、受入れ体制ができると思っています。そのために、甘楽パーキングエリアのスマートインターの整備等も進めながら、企業が来やすいような環境作りを頑張っていきたいと思っているところです。
住む所については、今まで土地開発公社が団地を作る等して確保してきました。空き家対策には、空き家に様々な修繕や耐震工事が必要であるなど、難しい問題がありますが、移住者が希望するような空き家情報を提供していきたいと思っています。
最後に子育て支援ですが、町には保育園が1箇所しかなく、公立のため、補助金等は非常に少なく運営も大変ですが、一番の問題は保育士不足です。昔は3~6歳くらいの子供を預かっていましたが、今は0歳など低年齢から預からざるを得ないような仕組みになっており、どうしても保育士の数が必要ですが、その確保に非常に苦慮しているところです。県で、保育士の人材バンクのような仕組みを作るなど、何か施策を考えていただければありがたいと思っています。
また、子育てを応援する意味で、今の総合福祉センターを改装して、お母さん方、児童・子供たち、そして地域のお年寄りも集まって交流を深めることができるような多世代交流センターを作っていく予定です。ぜひ今後も色々な場面で御指導いただければありがたいと思っています。
<企画部長>
市町村長の皆さんのお話を伺い、これだけまとまった甘楽富岡地域であっても、各市町村が様々な事情を抱えていらっしゃるということが分かりました。人口減少対策は、国全体の課題といいながら、個々の市町村を見ていけば、それぞれの市町村の課題をひとつひとつ対応していかなければいけないことであると思います。県も即効性のある、この施策なら大丈夫というものを持っているわけではありませんので、各市町村の皆さんと一緒になって、よく考えながら、一緒に取り組むという姿勢で進めていきたいと思います。
<産業経済部長>
私どもとすれば引き続きU・Iターンを積極的に進めるとともに、企業誘致の関係もしっかり取り組んでまいりたいと考えています。
また、地域おこし協力隊が3年経って起業する際には、創業支援でも何かお手伝いできることがあると思いますので、ぜひ一緒になってやっていきたいと思います。
<知事>
今、市町村長さんからお話がありましたが、特にこの地域では空き家の問題が大きな課題であろうかと思っており、移住者を受け入れるには働く場の確保というのも共通の課題であろうと思っています。こうした課題に関する御意見を県でもしっかりと受け止めて、今後の施策に生かしていきたいと思っていますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
2 市町村提案テーマ
(1)富岡製糸場整備に係る継続的支援と広域観光連携について
<富岡市長>
富岡市では、「富岡製糸場を核としたまちづくり」に市を挙げて取り組んでいるところですが、国宝の保存整備は、資金面等、思い描いていた以上にいろいろ大変です。更なる入場者も確保し、また富岡へ来ていただけるような施策を打ち出して対応したいと思っていますが、富岡は今まで観光地でなかったということもあって、行政が何か仕掛けても、地域の方々がなかなか一歩前に出てきてもらえないところがあり、非常に頭が痛いところです。
また、観光については、県内の絹産業遺産群4資産のほかに深谷市、本庄市、熊谷市とも連携して、「上武絹の道」という協議会を昨年立ち上げました。国でも現在、世界遺産の周遊ルートを作っていますが、そのルートには日光は入っていますが富岡が入っていません。それぞれの市町村や県が別で動いていたのでは話にならないので、群馬県が主導権を発揮して、周遊ルートに絹産業遺産群を盛り込んでもらえるよう国と協議を進めていただきたいと思います。
そして、人に来ていただくということは、道路整備も必要になってきますので、特に、西毛広幹道と国道254号の神農原バイパスの整備を強力に推進していただければと思います。神農原バイパスについては、30年も前の話ですが、254バイパスは吉井まで行けば、次は神農原にいきましょうと約束してありますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。
<企画部長>
富岡製糸場の関係ですが、広域観光に対応する施策として、県で今、仮称ですが世界遺産センターの整備の準備を進めているところです。幸い、富岡市さんからいい場所を提供していただいていますので、そこを活用した世界遺産センターを核として、それぞれの世界遺産と群馬県内97の絹遺産を周遊していただけるような広域観光のルートを発信していきたいと考えています。また展示内容の検討に当たりまして、世界遺産を擁されている市町村の皆さんや専門家の御意見も伺いながら進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
<産業経済部長>
日光が入って富岡製糸場が入らなかった、関東広域連携事業推進協議会でまとめたインバウンド向けのルートについては、モデルコースのうちサブルートも、今検討しています。それには、しっかり入れていただけるように我々も積極的に対応していきたいと考えています。
上武絹の道の協議会との関係については、県としましても千客万来支援事業等で積極的に活動を支援していきたいと考えています。
また、広域観光という意味で、今年の新規事業として周遊観光パスポート事業を7月からスタートさせます。それは各観光施設を訪問してスタンプを押し、スタンプがたまると景品が当たる応募ができるという滞在型観光を目指したものです。なるべく周遊していただくようなパスポートを、動かし始めるところでございますので、その施設にもぜひ協力をいただければと思っています。
<県土整備部長>
西毛広域幹線道路については、7つの交通軸構想における西毛地区の主軸として、渋滞緩和はもとより、周遊性の向上による観光振興など、本県の経済の活性化に向けて大きな役割を果たすものと考えており、現在、早期の全線開通に向けて事業を進めているところでございます。
次に、国道254号神農原バイパスですが、現在、短期的な対策として、現状の渋滞解消を図るために田島及び神農原東両交差点の改良事業、現道対策を実施することとして事業を進めているところです。神農原バイパスの整備につきましては、長期的な対策として捉え、西毛広域幹線道路の進捗状況等も含めた西毛地域全体の交通状況の推移を見極めた上で、バイパスの必要性等について検証してまいりたいと考えています。
<富岡市長>
世界遺産センターについては、観光面も含めて、ぜひ核としてしっかりしたものをつくっていただきたい。まず既存の建物を使ってもらって、中をしっかり整備していくという考え方で取り組んでもらえればいいと思います。その後で、研究センター等の施設について、ぜひ細かく提案させていただければありがたいと思います。
道路網について、西毛広幹道は、県のおかげで急速に整備が進み、富岡から前橋安中富岡線まで開通し、利便性が大変向上したと思っています。安中から富岡までつなげてもらうということは、安中の人たちが高速道路を使うのに、利便性が良くなるということもありますので進めていただければと思います。
254神農原バイパスは、今渋滞対策をやってもらって、その後ぜひバイパスの役目をしっかり検討していただきたいと思います。
(2)『世界遺産 荒船風穴』を核とした地域創生について
<下仁田町長>
荒船風穴に関しまして群馬県の御指導の下、世界遺産登録となりました。来訪者数は、登録年度においては、2万3千人を超え、1日の来訪者が450人を超える日もありましたが、平成27年度においては約2万人、28年度においては1万3千人と、かなりの減少傾向にあります。その1つの要因は神津牧場からのアクセスの悪さにあると思っています。
神津牧場の駐車場から荒船風穴までの約800メートル区間は、急傾斜を伴う歩行区間があります。来訪者の多くが退職後のシルバー世代であることを考えると特に帰りの登りが非常に大変で、来訪者に大変な苦労をかけています。今は、牧場からのルートで来てもらっていますが、この間の新たな移動手段を考えたいと思っています。また、平日、土日共に牧場からのルートを県からも推奨ルートということで周知してもらっていますが、平日の来訪者が落ち着いてきている中で、屋敷から市野萱までの間のルートについて、道路の幅員を広げる等整備を含めてお願いしたいという状況です。
<企画部長>
神津牧場から風穴までの間の移動を何とかしなければいけないという思いは、我々も持っています。ただ、荒船風穴自体が非常に微妙な自然のバランスの上で風穴の岩組みがなされていて、それを少しでもいじってしまった場合に世界遺産の価値にどのような影響が出るかもわからないという難しさがあるということも聞いています。そういった両方のバランスを考えながら、移動手段については県も町と一緒に考えていきたいと考えています。
<県土整備部長>
荒船風穴へのアクセスとなっています下仁田浅科線について、現在周辺の整備計画に基づきまして幅員が狭いところの待避所の設置を進めています。今年度には、残っている8か所について事業に着手してなるべく早く待避所を完成させたいと考えています。もう1つの法面等の防災対策等についても、引き続き緊急性の高い箇所から落石対策等実施して、道路の安全確保に努めていきたいと考えています。
(3)国保の県単位化について
<南牧村長>
平成30年度から国保の財政運営を県が担うということで、現在準備が進められていますが、本村のような小規模保険者にあっても、納付金の算定に当たって高額な負担が想定されます。高額な納付金の算定により保険料の急激な上昇の可能性があるため、地域の実情に応じて県が融通性に富んだ仕組みと激変緩和に当たっての十分な財源確保をお願いします。
具体的に申し上げますと、本村は、近年保険給付費が減少していることから、平成27年度に保険料の2割引下げを実施しました。その時、基金の積立状況から10年は今後保険料を引上げなくても大丈夫であろうと住民に説明をしています。そのため保険料の引上げが厳しい状況にあります。
保険料の引上げをせずに基金の取崩しや一般会計からの繰り入れで対応した場合は、激変緩和措置の対象外と伺っています。いずれの市町村も財源に余裕はありませんので、国や県の指示どおりでないから駄目ということではなく、市町村の実情ももう少し取り入れていただきたいと思うところでございます。
また、各保険者の納付金算定、標準保険料率の設定等は、大変厳しいスケジュールとなっています。できる限り早めるような国への働きかけもお願いをいたします。
<健康福祉部長>
国保制度改革に伴う納付金の算定についてですが、市町村から県に納付いただく納付金については、国から示されたガイドラインを踏まえ、本県における算定方法を決定するため、昨年度から市町村と協議を重ねてきたところです。そうした協議の結果を踏まえ、本県においては、納付金を各市町村の医療費水準に応じた負担とする方向で現在検討しています。今回の制度改革により保険料が上昇する市町村に対しては、特例基金や都道府県繰入金などを活用して、急激な保険料の上昇を抑制する激変緩和措置を講じていきたいと考えています。現在、その激変緩和に使う財源規模など具体的な検討を行っているところであり、引き続き、市町村の皆様の意見を聴きながらしっかりと検討を進めていきたいと考えています。
次に、納付金・標準保険料率の御提示についてですが、市町村ごとの納付金・標準保険料率については、国から示される係数を用いて算定することとなっています。この係数については、国が今年の10月中旬に仮の係数を、更に12月下旬に確定係数を提示するということで、非常に厳しいスケジュールとなっており、県としても、市町村業務が円滑に進むよう、国に対して早期の提示を要望しています。明後日21日にも、厚生労働省に改めてしっかりと要望させていただきたいと思います。国から係数が提示された後、速やかに市町村に納付金・標準保険料率が提示できるよう、市町村の皆様と連携して引き続き準備を進めてまいりたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。
<南牧村長>
本村は、保険料が上がってしまうのではないかと想定しています。保険料を引上げるのは非常に厳しいため、激変緩和について町村の意見も聴いていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
<知事>
県としてもしっかり連携して取り組んでいきたいと思います。
(4)甘楽パーキングエリア スマートインターチェンジ整備について
<甘楽町長>
甘楽パーキングのスマートインターについて県の御指導等もいただきながら、色々な取組を進め、昨年の5月に国交省から準備段階調査の箇所に選定をされたところです。この後、連結許可がもらえれば、いよいよ本格的に取組を進めていくわけですが、市町村において行う事業としては非常に大きな事業ですので、技術的な支援もさることながら、連結する道路は県道に連結していきますので、アクセス道路の整備等も含めてこれからもまた引き続き県の御支援、御指導をよろしくお願いいたします。
<県土整備部長>
スマートインターチェンジのアクセス道路と接続する県道金井小幡線の交差点については、現在、県の方で右折レーンの設置等も含めて事業に着手すべく構想の検討を進めているところです。その先も県道がありますので、今後、甘楽町と連携しながら、事業に積極的に取り組んでまいりたいと考えています。
各市町村議会議長・各市町村教育長・群馬県議会議員からの発言
<富岡市議会議長>
「人口減少社会における地域づくり」「移住・定住の促進について」については、移住・定住推進アクションプランを策定し、市民協働の手法を用いて事業推進していくことを市議会としても支援していきたいと考えています。また、近隣の甘楽地域の議会とも連携しながら地域づくりを推進し、富岡らしさの価値を高め、移住者を増やしていき、地域おこし協力隊を積極的に活用し、移住・定住促進に向けた情報発信を行っていくことを市議会としても支援していきたいと考えています。
また、Iターンして主に蔬菜園芸をやっている若者が、購入にあたり保証人が必要な農業機械を購入するために保証人を探しているが、保証人を見つけるのにも苦労しているという話を聞いています。また、大きな農業機械は購入の枠が定まっているため、買うことができないという話も聞いており、何か対応できないかと考えています。
<知事>
過剰投資になって逆に負担になってしまうと仕方ないようにも感じます。
<農政部長>
まず保証人の関係ですが、地域にも農業経営士などの若い人の面倒見る方がいらっしゃいます。また、甘楽富岡地域は、農協でも営農アドバイザリースタッフ制度をやっており、若い方の面倒も見ていただいていると思いますので、ぜひそういう方にも声をかけていただければと思います。
あと、大きな機械については、過剰投資になると経営的には問題となりますが、ただ、例えば5年後にここまで拡大するために必要な機械というような計画的なものは当然投資の対象にはなるかと思います。ただあまりにも大きすぎると大変になると思いますので、経営の規模拡大に応じた投資が必要になるかと思います。個別には農業事務所で相談いただいて、経営の内容を見ながら、どんな機械がいいか、相談に乗らせていただければと思います。
<下仁田町議会議長>
下仁田町を東西に走る国道254号は別名「トラック街道」と言われるほどトラックが多く、非常に損傷が多い道でございます。随時直していただいていますが、役場の前が今一番ひどく、横断する時にかなりの凹凸がありますのでぜひ、対応をお願いしたいと思います。
それから、県道・国道の草木の伐採については、地元でクリーン作戦をやっていますが、高齢化、人口減少でできないところがあります。カーブミラーやコーナーが見えないことがありますので、伐採をお願いしたいと思います。
最後に、妙義に入る滑の信号について、カーブで非常に見づらく、高低差もあり、右折レーンもないため、1台右折車があると、ずっと後ろにつながってしまう交差点があります。片方崖で厳しい場所ですが改修できればありがたいと思います。
<県土整備部長>
まず役場の前の舗装ですが、舗装については再度現地を見させていただいて、必要性があれば対応していきたいと考えています。
次に草木の伐採ですけども、現在、通行に支障のある箇所の小枝切り等はやっておるんですけども、民地から出ている支障木等は所有者の管理であるため、地権者等に伐採をお願いしているところです。地権者の方の了解が得られれば、非常に危険な箇所については県で切ることもできますので、場所についてお知らせしていただければ随時対応したいと思います。
最後に、国道254号と松井田下仁田線の筋違いの交差点ですが、15年から20年前ぐらいに一度事業化を計画しましたが、地権者の反対で事業が頓挫した経緯があります。県としては、道路構造上、課題を持っているということは認識していますので、今後、地元の方の了解が得られるようであれば、事業化に向けた調査を検討していきたいと考えています。
<南牧村議会議長>
南牧村議会としましては、下仁田臼田線の待避所工事について、小沢から羽沢の間の待避所設置箇所数を増やしていただきたいと思っています。
また、先ほど村長からお話ししましたが、平成30年度からの本村の納付金負担額は県からまだ示されておりませんが、保険料がおそらく2割くらい増えると予想され、南牧村議会といたしましても、住民に多くの負担がかからないよう、村当局と議会とでしっかり討論して、住民の納得が得られる良い方向に進んでいくよう、一層努力してまいりたいと考えています。県におかれましても、国保の県単位化に関する要望について、御検討いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
<県土整備部長>
下仁田臼田線の羽沢工区については、現在、約150メートル間の狭い現道を拡幅しています。それと、砥沢工区につきましては、待避所を10箇所ほど設置するということで、26年度から事業に着手しまして、現在、一部の区間については工事に着手したところでございます。引き続き、この箇所については、早期完成に向けて事業を推進してまいりたいと考えています。
<知事>
国保の件は、先ほど村長にお答えしたように、しっかりと市町村と県で連携して取り組んでいきたいと思っています。
<甘楽町議会議長>
甘楽第一産業団地については、県の計らいもあって順調に進んでいるところであり御礼を申し上げます。できるだけ優良企業の誘致をしていただければと思っています。
先ほどの県のお話ですと、県外に出た学生で、群馬県に戻ってくるのが約3割ということは、なかなか就職口が県内にはないのだろうと思っています。そこでお願いしたいのが、我々は第二、第三産業団地の予定地を県にお示しし、2つの予定地とも「選定準備地区」という回答が来ましたが、これをできるだけ早く選定地区に格上げをしていただければと思っています。
昨年度の転入者については、数名ですが増えており、町の施策が間違っていないということであると思っています。この産業団地ができることによって、必ず若い家族が転入をしてくるだろうと思っています。こうした想定を踏まえ、町では、まず住宅団地について、今年から1箇所造成する等手を打っています。また、いわゆる多世代のコミュニティの場をつくり、若いお母さん方の子育て支援や健康寿命と平均寿命の差の約10年をできるだけ短くしようとしています。
こういう先行投資を、産業団地ができるという想定の下に考えていますので、ぜひ選定地区に格上げをお願いいたします。
<産業経済部長>
選定準備地区については、平成32年に都市計画のマスタープランの改定に向けて、農林調整等、種々の課題をクリアして選定地区にするために、町でもしっかり努力していただき、県もしっかり応援し、一緒に頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
<南牧村教育長>
前回の地域別市町村懇談会で、スクールカウンセラーの各学校への配置をお願いしましたが、御対応いただき本当にありがとうございます。ただ、その回数を少し増やしていただけたらありがたいと思っています。
また、群馬が誇る「ぐんま少人数クラスプロジェクト」のさくらプラン、わかばプランについては、クラスの人数が多い富岡市や甘楽町ではその恩恵にあずかって非常に助かっています。本村のような児童数の少ない学級には、複式解消教員を配置していただき、お礼を申し上げます。
英語教育アドバイザー教員(EAT)については、小学校への英語教育の導入に伴い配置をされると聞いています。今後、どのような形で配置を増やしていくのか、甘楽富岡地区にも配置があるのか、お聞きできればありがたいと思っています。
また、これから小学校に英語が導入され、1時間増えることによって、各学校で校時表等をプランニングをしていかなくてはなりませんが、模範となるような校時表などをお示しいただけるのか、お聞きできたらありがたいと思います。
<教育長>
子供たちの色々な心の問題が出てくる中で、スクールカウンセラーの力をお借りして対応するのは非常に大切なことですが、現状では、新たなスクールカウンセラーの有資格者の確保が非常に難しい状況です。そうした中で、子供たちが心の問題を抱えている状況を教育事務所等を通じて細やかに把握しながら、心のケアをより一層充実させることができるように、頻度等についてしっかり考えさせていただきたいと思いますので、実態の把握にも御協力をいただければと思います。
また、さくら・わかばプランにつきましては、市町村の教育委員の皆さん方とお話をさせていただき、実質的に少人数のクラス割りができるような形で加配の教員の活用に、新たに踏み出したところです。来年も活用できるような取組を市町村の教育長さんの皆さん方とお話をさせていただきながら進めていければと思っているところです。
小学校における英語の教科化に対応するため、今年度、EATを県単で10人配置をさせていただきました。EATは、小学校の先生方の日常的な指導力の向上を図るために配置をしているため、全ての学校に配置するということではなく、それぞれの学校の先生方が活用していただき、しっかり英語の指導ができるような指導力を身に付けていただくための教員ということで御理解をいただきたいと思います。また、今年度の成果等もしっかり検証しながら、今後の配置等について市町村の皆さんと考えていきたいと思っています。
<織田沢県議会議長>
甘楽富岡地域は、誘客という面では隔世の感があるくらい人が来ていただいています。道の駅もそれぞれ成功していますし、加えて、世界遺産の認定、甘楽町では名勝楽山園の完成により、かつては考えられない状況です。更にこの観光拠点施設をしっかり磨いていっていただければと思っています。
人口減少対策については、増田寛也さんの出された消滅可能性都市全国ランキングで、ナンバーワンが南牧村、第6位が多野郡の神流町、第12位が下仁田町という状況にあります。そういう意味で、地域にあったテーマを県から出していただきました。努力をいただいているのは重々分かっていますが、移住・定住促進について、県がもう少し人、知恵、お金を集中して取り組んでいただかないと、人より鹿とイノシシの方が多くなってしまうという現状になっていくと思っていますので、ぜひ、もっともっと魂を入れていただきますようにお願いをしたいと思います。
<知事>
貴重な御意見ありがとうございます。群馬の活性化のためには、そこが大きな問題点であると思っていますので、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
<大手県議会議員>
この甘楽富岡地域は、西毛の入り口として、清流や山、緑が本当に美しいところであります。私はこの地域の別名を、甘く楽しい富の岡と話しています。この地域は、昔から養蚕が栄え、今なお世界遺産として皆さんに御尽力いただいています。そうした状況を踏まえながら、本日の要望等については、知事さんを始め、県執行部の皆さんがしっかりと肝に銘じていただきまして、全て解決していただくようお願いを申し上げます。
<知事>
皆さんの発言を真摯に受け止めて、今後も町村の皆さんとしっかりと議論をしながら、対話と協調、現場主義を貫きまして、県の施策に取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。本日は、誠にありがとうございました。