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平成29年度地域別市町村懇談会の開催結果(北群馬渋川地域)

更新日:2017年9月29日 印刷ページ表示

<北群馬渋川地域市町村懇談会>意見交換等(要旨)

開催日 平成29年6月29日(木曜日)
場所 アネーリ渋川

1 県提案テーマ 人口減少社会における地域づくり ~古代東国文化の魅力発信について~

<企画部長>
 本県の人口は、平成72年には120万から160万人程まで減少するという推計が出ています。この人口減少への対策として、出生率の回復、社会移動の改善の2つが重要であると考えています。また、同時に、一定の人口減少を織り込みつつ、安全・安心な暮らしや経済社会活動の基盤を守っていく取組を進めていくことも重要で、県では「群馬県版総合戦略」を策定して、各種施策に取り組んでいます。市町村においても、総合戦略を策定し、同様に取り組んでいると考えていますが、地域に共通する課題については、市町村と県、あるいは市町村同士が、互いに連携して、一緒に取り組んでいくことが重要であると考えています。
 この北群馬渋川地域は、昔から伊香保温泉が非常に有名ですが、最近では、甲着装人骨の金井東裏遺跡や黒井峯遺跡をはじめとする遺跡群等の歴史文化遺産が注目されており、地域資源の実に豊富な地域であるという認識を県として持っています。これに関して、生活文化スポーツ部長から「古代東国文化の魅力発信」について説明し、意見交換をさせていただきたいと思います。

<生活文化スポーツ部長>
 渋川市には「日本のポンペイ」と言われる黒井峯遺跡、甲着装人骨が発掘された金井東裏遺跡、首飾りをした古墳人や平地式建物が発見された金井下新田遺跡等、榛東村には多くの耳飾りが発見された茅野遺跡、多数の埴輪が出土している高塚古墳、吉岡町には正八角形をした三津屋古墳や、南下古墳群等があります。県ではこれらの貴重な歴史文化遺産を活用して、古代東国文化の魅力発信に取り組んでいるところです。
 しかし、東国文化の認知度については、平成28年度の調査で40.7%にとどまっています。県としては、今年度から、東国文化推進室を新設して、市町村等様々な関係者の方と連携して、古代東国文化の魅力発信を強化していきたいと考えています。古代東国文化の魅力発信には、まず、子どもたちをはじめ県民の皆さんに歴史文化遺産の価値を再認識して郷土への誇りと愛着をもってもらうことが重要であると考えています。さらに、東国文化イコール群馬のイメージを定着させていくためには、分かりやすいストーリーをもって情報を発信していく必要があると考えています。
 今年度の県の主な取組として、新規事業である「古墳遺跡価値再発見プロジェクト」を実施します。このプロジェクトは大きく2つの事業に分かれており、1つ目の「東国文化体験プログラム」は、県内の遺跡を会場にして、一泊二日の親子キャンプを行い、古代東国文化に触れる様々な体験をしてもらうことで、東国文化の価値や魅力を再発見してもらうものです。2つ目は「古墳・埴輪王国プログラム」で、子供たちを中心に、古墳や埴輪に接する機会を作って、古墳王国・埴輪大国である群馬県をより体で実感して知ってもらい、郷土の歴史に関心を持ってもらうものです。
 こうした取組を進めていく際には、文化財の保護・管理等を主に所管している市町村の皆さんに協力していただきながら、取り組んでいきたいと考えています。そこで、歴史文化遺産を活用した古代東国文化の魅力発信を進めるにあたり、各市町村におけるこれまでの取組事例やノウハウ、課題、また今後の予定等がありましたら、お聞かせいただきますようお願いします。
 本日は、北群馬渋川地域を含めて、県内の主な古墳や遺跡の紹介のほか、古代東国文化に関わる様々な情報を掲載している『東国文化副読本』を配布させていただきましたので、あわせて御覧ください。

<渋川市長>
 渋川市においては2040年に7万人を切らないように対策をしています。まず、若い子育て世帯の負担を減らすために、給食無料化に踏み切りました。吉岡町の人口が増えていますが、吉岡町と隣接している古巻地区では26年から人口が微増しています。その隣の豊秋地区も昨年から下げ止まり、10人ですが人口が増えてきたという状況です。伊香保には、お客さんが多く来ていただいていますが、雇用問題が起きており、母子家庭の人を雇うために、5時から10時までの夜の保育園や学童保育に旅館組合及び観光協会と組んで取り組んでいます。仲居等の仕事もたくさんありますので、子供を預けて安心して働ければ、場合によっては東京等から来ていただくことができます。
 また、古墳については、甲を着た人骨が出てきたことで、ジオラマ等を渋川市で作って、将来、資料館等も視野に入れながら、取り組まなければいけないと考えています。伊香保温泉との連携もこれから視野に入れながら進めていきたいと思っています。渋川市は「日本のポンペイ・黒井峯」と言われていますが、金井東裏遺跡から大変貴重なものが出ましたので「古代のロマンの町・渋川」「日本のポンペイ・金井東裏遺跡群」等として、黒井峯から金井東裏まで一体感を持った1つの地域の遺跡として連携して宣伝していきたいと考えております。さらに、県全体の遺跡を回遊できるような連携が出来れば、今後も遺跡が観光や経済にも役に立つのではないかなと考えております。

<榛東村長>
 人口減少については、まず子どもたちや大人も含めて今住んでいる人たちが、榛東が良いということを再発見してもらい、自分たちが住んでいる地域のことは、挨拶を含めて色々なことを自分たちでやってもらいたいと考えています。そのために、村では、榛東村に住んでいて良かったと思えるような施策を一生懸命頑張って考えているところです。なんといっても村に住んでいる人が良いと思ってくれなければ、人に一生懸命説得しても全然心が通じないと思います。県でも結婚や出産、子育て等で色々な取組が行われていますが、それにはまず村に住んでいる人が良くなければ駄目だというのが、今、村での合い言葉になっています。
 古墳について一つお願いしたいのが、『東国文化副読本』に載っている高塚古墳から出土した武人埴輪について、保管や展示をしているのは、今度リニューアルオープンする県立歴史博物館ですが、できれば、出土した場所である榛東村で保管できればいいと思っています。古墳や文化については教育長に話をしてもらいますのでお願いします。

<榛東村教育長>
 東国文化に関しては、『東国文化副読本』をどう活用するかが教育現場にとって一番大事なことだと考えています。本村は、中学1年生の社会科の授業で扱い、茅野遺跡や高塚古墳について触れることができます。併せて、出土品を展示している耳飾り館と連携して、授業にパネルやレプリカ等を役立て、さらには子供たちが見学に行けるようにしていくことができると考えています。
 ただ、利用中学校数を100%とする目標の達成のためには、「古墳遺跡価値再発見プロジェクト」について、村の教育委員会や県の教育委員会義務教育課と連携できれば、授業の組み立てに繋がるだろうと思います。これにより、県が目指している、子どもたちが郷土への誇りや愛着を持つことに繋がっていくだろうと考えています。
 また、「古代の群馬を探検せよ」というスタンプラリーで耳飾り館を取り上げていただいて、多くの方に来ていただいております。非常に良い取組ですので、さらに充実していただけるとありがたいと考えています。

<吉岡町長>
 吉岡町は群馬県内で人口増加率が1位で児童数も増え続けており、子育て世代が多いため、総合戦略の基本目標である「一人一人が輝く 生き生きと暮らせる町」を達成するため、子育て家庭の支援や保育・教育環境の充実を目指しています。子育てに関する不安や悩みを軽減するための事業では、産前産後の妊産婦を対象に家事や育児を支援するサポーター事業の実施や、乳幼児検診の事後相談、母乳相談や子育て相談会のスタッフの充実による検診後の要観察児童の電話相談や訪問相談の充実に取り組んでいます。保護者が安心して働ける町づくりの取組としては、小学校の下校時間に合わせて放課後見守りパトロールを実施しています。また、保育園や学童クラブの定員を増やす改装工事等の環境整備を行っていますが、将来的な人口の減少も考慮しなければいけないと思っています。
 古代文化の魅力発信については、三津屋古墳、南下古墳を、第5次総合計画における「吉岡再発見プロジェクト」の一環として実施している吉岡再発見ウォークの見学コースに取り入れることにより、郷土の理解を深め、愛着心を醸成し、町外にもPRしているところです。また、古墳敷地内へのパンフレットの設置や、担当職員による社会見学等団体見学のセッティング等の取組を行っています。三津屋古墳は住宅街の中にあるため場所がわかりにくく大型バスによる受け入れができないこと、南下古墳群は石室入り口の一部崩落による立ち入り制限等経年劣化が進んでいることが課題ですが、今年度、いわゆる企業版ふるさと納税に関わる地域再生計画に認定され、老朽化した既存の文化財事務所を移転するための整備をしています。来年度以降、歴史文化の交流拠点として位置づけ、町の歴史が回覧できるように文化遺産を展示するとともに、小学校の社会科見学や勾玉や土器づくりの教室等の交流事業を開催する予定になっています。さらに、こうした機会に郷土芸能の実演の場を設けて、町内外に歴史・文化のPRを図っていきたいと思っています。今後、今まで以上に古墳を活発に活用していければ、観光の面でも人が呼び込めると思っています。

<生活文化スポーツ部長>
 渋川市長さんからは遺跡群としての連携について御意見をいただき、県でも、県内全域を見てストーリーを作りながら、点ではなくて面として取組を進めていきたいと考えています。また、伊香保温泉との連携についても、参考にさせていただきたいと考えています。
 榛東村長さん、教育長さんからは冊子の活用について御意見をいただきました。全部の中学校で、まずは地域の自分たちの近くにある古墳をしっかりと見つめていただくことが大切であると思いますので、この副読本の活用については、教育委員会とも連携しながら、さらにしっかりと取り組んでいきたいと思っています。
 吉岡町長さんからは、今度、ふるさと納税を活用して歴史資料館を作っていただけるということですので、全県の取組についても参考にさせていただきたいと考えています。
 今後も、3市町村それぞれの取組とともに、県でもその地域を面で結ぶという取組をやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

<教育長>
 教育委員会といたしましても、副読本については、子供たちが自らの身近な地域のことをしっかり学んで、それが他の地域とどう繋がっているのか、東国群馬と畿内、さらには海を渡った大陸との交流というところまで学習を進めることによって、子どもたちの視野を広げるきっかけになる学習ができる貴重な素材だと思っています。また、群馬県でしか身近に体験できないというのも、群馬の特色を活かした教育に繋がるものだと思っています。利用学校数の増加についても、教育委員会の中で義務教育課を中心に、他の地域の学校の子どもたちに使っていただけるようにどうしたらいいのか、市町村の教育長さん方と意見交換をしながら、100%になるような取組をしたいと思っています。
 それと、教育委員会の文化財の施設整備についても、それぞれの地域に大切な宝を、学術的な裏付けを説明できるような形で整備していただくために、支援できる分野もあるかと思いますので、意見交換をさせていただきながら、それぞれの地域で素晴らしい資料館等の整備が進むよう我々もできることをお手伝いしたいと思います。

<知事>
 群馬県の歴史博物館が来月グランドオープンしますが、東国文化のコーナーもしっかりと整備されていますので、吉岡町長さんにおかれましては、歴史博物館とも連携して施設整備を進めていただければよいかと思います。

2 市町村提案テーマ

(1)JR八木原駅及びその周辺整備に係る支援について

<渋川市長>
 渋川市は、2040年に人口7万人を維持するために、上武道路や高崎渋川線の開通により吉岡町と同じような交通環境になる古巻地区、豊秋地区の人口増を狙い、八木原駅の東口の整備を含めた南部開発に取り組んでいます。特に、県道高崎安中渋川線の上武道路から高崎渋川線までの間が整備されると、その地域が吉岡町とより近い状況になり、人口増が狙えると考えています。
 また、今八木原駅に自由通路を作る計画があり、JRとの調整で橋上駅の設置も検討しています。西口には小中学校がありますので、自由通路があれば東口が相当開発でき、これから新しい住宅を作り、八木原駅を利用する人たちにとって非常にイメージアップになります。県と調整し、国にもお願いしながら、橋上駅を視野に入れながら自由通路の整備を進めていきたいと考えています。

<県土整備部長>
 県では、人口減少と高齢化が同時に進行する社会においても持続可能なまちづくりを進めるため、「ぐんま“まちづくり”ビジョン」を策定し、市町村の実行計画策定を支援しています。『まちのまとまりを維持して公共交通でつなぐ』を基本理念としており、渋川市の「八木原駅を中心としたまちづくり」という点では、方向性は一致していると考えています。一方で渋川市は、中心市街地の衰退という問題もありますので、まち全体を見渡した上で、南部地域のまちづくりを考えることが大事だと認識しております。
 八木原駅周辺整備については、自由通路整備への交付金の適用等の実質的な支援を行うとともに、八木原駅周辺の県道には、まだ歩道がないということもありますので、地元の協力が得られれば、歩道のない箇所を優先して整備するような支援をしてきたいと考えております。

<渋川市長>
 ありがとうございます。まちづくりについては、駅を中心としたコンパクトシティを考えております。渋川駅は、駅前がシャッター街でしたが、18店舗が開き、駅前が賑やかになりました。近くのサティ跡地には11月にスーパーのベルクが来ることになり、駅の南口は開発ができました。東口も今、専門学校やキッズランドという子どもの遊び場ができ、毎日100人前後の親子が来ていますので、非常に賑やかになってきました。東口にはシャンソン館もありますので、今、そこも併せて開発しようとしています。渋川駅周辺も八木原駅周辺も人口増が狙えるということになれば、渋川市としては、まずはそこに少し集中的にお金をかけたいと考えています。
 また、伊香保では、相当お金をかけて石段を一新し、その影響でお客さんに来ていただいています。先ほどお話したように雇用確保のために夜の学童保育を実施し、様々な職種の方が県外から来ていただければ、人口増が狙えます。このように、今いろいろな施策に取り組んでいます。

(2)2025年問題に対する取組について

<榛東村長>
 今、子どもたちや女性に対するDVに関する取組としては、児童相談所や女性相談センターで県に率先してやってもらっており、本当に感謝しています。今回は、高齢者に対するDVに関する取組をお願いしたいと思います。実際に村でも、高齢者があざをつくっているような事例が何件も見受けられます。警察は直接入れないので、手をあげたらすぐ乗り込んでもらえるように連携を取りながら対応していますが、そのお年寄りがかわいそうで仕方ありません。子どもたちが自分の親に暴力を振るうケースや、それを見て小中学生の孫たちも手を挙げるケースがあります。DVを受けている高齢者は年金をもらっているため、子どもは年金を目当てに離したくないのです。被害に遭った人を、榛東村内に避難させても居場所が分かってしまいますので、他の市町村へお願いをするような手続をとっています。そういう人たちの避難所を、県下で5つ程度作ってもらうとありがたいと思います。整備に当たっては、その人たちのためになると思っていますので、呼びかけがあれば市町村でも負担等をすることも考えています。

<健康福祉部長>
 今、村長さんからお話があったとおり、平成27年度に県内における養護者からの虐待件数は163件あり、大変深刻な状況にあると思っております。高齢者の虐待については、生命又は身体の自由に大きな危機が生じる場合等は、高齢者の虐待防止法に基づいて、まずは市町村においてその市町村内の養護老人ホームや特別老人ホームなどに一時保護するということになっています。家族から引き離すという部分については、県に御相談いただければ、広域的に他の市町村の高齢者施設について調整させていただいております。また、弁護士や社会福祉士等で高齢者虐待対応専門職チームを構成して、電話、直接訪問等で市町村からの相談を受けて、指導等を行う県の委託事業もありますので、御活用いただければと考えております。

<榛東村長>
 市町村は、虐待を受けている方とやっている方の両方のケアをやらなければなりませんので、難しい面があります。

<知事>
 そういう課題があったときに、県に連絡していただければ、県が他の市町村の施設を紹介したり、中に入って色々な応援をする等、避難させることについては県としていくらでも協力したいと思います。

<健康福祉部長>
 災害対策として、被災者の方を他の地域で受け入れるという協定が結ばれましたので、その中で虐待対応もひとつの受入れ事案として広くお願いをしていきたいと思います。実際に案件がありあましたら、県に御連絡いただければ、対応させていただきますので、よろしくお願いします。

(3)北群馬渋川地域広域連携に不可欠な幹線道路の整備について

<吉岡町長>
 吉岡町では、県のぐんままちづくりビジョンの実行計画として、吉岡町アクションプログラムの策定に県と連携して取り組んでいます。その中で、まちの個性や魅力等の地域力の強化に向けて、まちの将来を見据えて検討を進めているところです。
 そんな中、現在、事業を進めている駒寄スマートインターチェンジの大型車対応化事業が完了すると、伊香保温泉、榛東、船尾滝方面を含む北群馬渋川地域全体への広域的な観光アクセスの需要が高まると考えております。そしてその効果をさらに活かすためにも、必要になるのが、都市計画道路大久保上野田線、いわゆる前橋伊香保線バイパスの延伸です。
 また、現在進められております前橋伊香保線上野田工区におけるモーテル街付近の線形不良箇所のバイパス化をお願いしております。このバイパス化は、吉岡町だけでなく、北群馬渋川地域の連携強化に必要不可欠な事業であると思っておりますので、ぜひ、県事業として整備をお願いいたします。

<県土整備部長>
 吉岡町では、今年度高渋線バイパスが全線開通の予定となっております。駒寄スマートインター周辺については、南新井前橋線バイパスが、前橋方面については既に開通しており、現在高渋線のバイパスまでの間で2期工区、3期工区を行っています。さらに、今年度から4期工区として高渋バイパスから榛東村役場までの間の事業に着手しているところです。
 また、前橋伊香保線については、現在上野原交差点付近から伊香保方面に向かい、約3キロメートルの区間の県道の拡幅事業を行っているところです。
 吉岡バイパスの延伸については都市計画道路としては既に決定されておりますので、先ほど申し上げた現在行っている周辺整備の進捗状況をみて、交通量の変化や伊香保への交通需要を見極めながら、事業化について検討していきたいと考えております。
 前橋伊香保線の線形不良箇所のバイパス化については、現在実施中の現道対策をまず優先させ、その後、伊香保温泉を含む周辺観光地への効果的な誘客等について、渋川市も含めたこの地域でどのような方法が一番良いのか、今後の課題として検討したいと考えています。

各市町村議会議長・各市町村教育長・群馬県議会議員からの要望・意見等

<渋川市議会議長>
 渋川市では、人口減少や少子化の大きな要因である未婚化や晩婚化への対応策として、平成26年度から婚活プロジェクト支援事業を実施しており、民間団体が主催する婚活事業に対し、補助金の交付や庁内の若手職員による婚活プロジェクトチームによる運営面での協力など、婚活事業を推進しております。
 県では、今年度から全自治体及び関係団体から構成される「ぐんま結婚支援連携協議会」が設置され、今後の結婚支援の方向性を検討していくと伺っております。これまでの協議会での意見も含め、さらに婚活事業を推進するための関係者間の連携について、具体的なビジョンがありましたらお聴きしたいと思います。
 私も、4年半前に、議員の有志で「渋川赤い糸プロジェクト」を立ち上げました。今年もバーベキュー婚活を行い、3組のカップルが誕生したところで、4年間で合計30組以上のカップルが誕生いたしました。さらなる人口減に対応するため、県のアドバイスや具体的なビジョンをお聞きします。

<こども未来部長>
 「ぐんま結婚支援連携協議会」は、各地域で公的な結婚支援に取り組んでいる団体の方々に参加いただき、27年度に結成しました。渋川市は当初から市町村の代表として参加していただいています。結成当時は、まだ結婚支援は手探り状態であり、協議会の議論では、効果的なイベントのやり方がわからない、情報が広がらない、参加者が集まらない、というような課題が主に出されました。今年度は、各地域の結婚支援の機運の高まりを受け、全ての市町村に協議会に参加していただくことになりました。これにより、県、市町村、関係団体のネットワークができましたので、今年度からは、この協議会が主体となって事業を展開したいと考えております。

 具体的には、まず、魅力的な婚活イベントを実施するためのノウハウやスキルアップのセミナーを秋頃に実施したいと思います。今まで実施したことのない団体も、個人情報の取扱い方など、基礎的な知識から学べるものにしたいと考えております。

 また、各地域の結婚応援の取組やイベント事例を展示していただくフェアを冬頃に開催したいと思っています。これには、若者のライフデザインに繋がる体験ブースなど、少子化対策として意義のあるものなども積極的に参加していただいて、各地域で育んできたアイデアをお互いに学び合う場、さらには広域で連携することができるような仕組みとなるよう、県も力を入れて取り組んでいきたいと考えています。引き続き御協力をよろしくお願いします。

<榛東村議会議長>
 村の人口は横ばいとなっておりますが、その中でもやはり少子化と高齢化が進んでおり、先程村長から話がありましたような高齢者の様々な問題と向き合っていかなければならない状況があります。その中で、先月、一人暮らしの認知症の方が近所の方に対して暴れて、警察にお世話になった事例がありました。被害者だけでなくて、今後は、加害者になってしまうような状況も増えていくのではないかと心配していますが、引き続き、県とは連携を密にしながら、色々と御指導御支援いただければと思います。

<健康福祉部長>
 認知症の方はこれから増加する一方であり、県もしっかりと対応したいと考えています。最近では、県警と各市町村とが連携して、GPSを活用して認知症の方を捜索するという取組も進められています。北群馬渋川の3市町村では、そのような取組が連携して進められていると思っています。また、昨年から引き続き、大澤知事が全国知事会において国に対する認知症施策の要望をまとめ、来月下旬に国に対してしっかりと要望させていただく予定です。今後も、市町村の皆様と連携しながらしっかりと進めたいと考えていますので、よろしくお願いします。

<吉岡町議会議長>
 吉岡町の西部に位置し、地域観光のシンボルでもある景勝船尾滝は、県道前橋伊香保線沿線付近にありますが、現在、大型車両等の乗り入れがほとんどできません。前橋伊香保線は伊香保温泉や吾妻地域へ訪れる人たちへの主要道路になりますので、駒寄スマートインターの大型車乗り入れ事業の完成時には、県内外からの県道前橋伊香保線を利用する車も増加すると考えます。
 地元からの要望として、前橋伊香保線から船尾滝への大型車両の進入路の開設が急務と言われています。特に吉岡町の提案テーマであった前橋伊香保線上野原工区のバイパス化により、渋川や榛東村を交えた榛名山麓から伊香保方面への観光開発にもつながると信じています。
 また、前橋伊香保線は土日になると道が大変混雑します。前橋伊香保線バイパスの延伸事業も併せて御検討いただきたくお願いを申し上げます。

<県土整備部長>
 県道前橋伊香保線については、上野原交差点から伊香保方面に向かって2.8キロメートルの間で対策を行っており、要望のあるバイパスの手前のところまで事業を行っていますので、そういう意味では大型もしっかり安全に通れるようにしていきたいと考えています。それから先については、町長さんからの要望もありますので、船尾滝や伊香保への観光客の流れや榛東村からの道路の整備状況等を踏まえ、広域的な面から、どのような整備が効果的な誘客につながるかを現在検討していますので、その検討結果を踏まえて対応していきたいと思います。ただ、県道でないところもありますので、吉岡町と連携しながらやっていきたいと思います。

<渋川市教育委員長>
 群馬県は、全国でもいち早く子供の医療費を無料化する等子育て支援に手厚く、教育の分野では、群馬県独自の少人数クラスプロジェクトによる子供の発達段階に応じた指導体制の充実や、学力向上のための教員の特配を始め、学校統合特配、さらに近年の障害者福祉施設の展開に伴う特別支援特配についても御配慮いただき、大変感謝をしています。
 価値観や社会環境の変化に伴って、学校教育に対する社会からの要求が複雑多様化する中で、教職員の多忙化を始め、学校運営上様々な課題が生じています。北群馬渋川地域は市町村によって人口動態が異なりますが、今日のテーマの人口減少社会における地域づくりの視点からも、児童生徒に対するきめ細かな指導体制の整備は社会の要請に応えるべき共通の最重要課題であると認識しています。
 各市町村教育委員会における独自の取組努力はもちろんですが、群馬県が実施する少人数クラスプロジェクトについては、今後も継続充実を図っていただきますようお願い申し上げます。

<教育長>
 群馬方式の少人数クラスプロジェクトさくら・わかばプランですが、きめ細やかな指導ができるよう、29年度も小学校中学校併せて400人を超える教員を配置しています。少人数学級の成果については、全国学力・学習状況調査の正答率がいつも話題になりますが、子供たちの学習習慣や生活習慣について、先生や保護者等からいただいたアンケート調査の結果では、小学生の問題行動の件数が全国平均と比べると桁違いに少なく、小学校段階でしっかりした学習習慣や生活習慣を身に付けて、中学校段階で伸びる力になっているという状況がうかがえます。子供たちがより大きく伸びていけるような小中学校が連携した細やかな指導体制を、市町村教育委員会としっかり意見交換しながら充実させたいと思っています。
 また、小学校での英語の教科化等、新しい学習指導要領への対応の中でも、少人数クラスプロジェクトを引き続き充実させていく必要があると考えていますので、知事にもしっかりと話をさせていただきながら、皆様方と足並みをそろえて、さらに群馬県の教育を充実させていきたいと思っています。

<星名県議会議員>
 本日、大澤知事をはじめ県執行部の皆様、そして市町村長さんをはじめ地域の核の皆様が一堂に会して懇談できることを心から厚く御礼申し上げます。県会議員の役割の一つとして県と市町村をつなぐという大きな役割がある中で、双方の御意見を聞けるのは本当にありがたいと思います。平成20年から大澤知事が肝いりで始め、非常に大事な会になっていると思います。
 大澤知事には、利根沼田の国道120号線について英断をしていただき、当初の予定より一年前倒しで椎坂トンネルを完成していただきましたが、その翌年大雪が降り、地域の人たちはトンネルが早期開通していたことで非常に助かりました。東日本大震災の時もそうでした。また、金井東裏遺跡からの貴重な出土品など、知事が英断すると必ず良い事が起こります。この知事の英断は、群馬県にとって非常に大きな力を持っていると思います。
 今日の県のテーマである、人口減少社会における地域づくりと東国文化に関しても知事が力を入れており、きっと良い方向にいくと思っております。市町村長からの3つの提案についても、しっかりと市町村の意見を受け止めていただいて、知事が英断をしてしっかりと応えていただくと、北群馬渋川地域が発展すると思っています。我々も微力ですが、一生懸命頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします。

<金子県議会議員>
 今日は県、市町村の皆様の意見交換会で大変貴重な勉強をさせていただきました。これからも県議としてしっかりとつなぎ役を頑張りたいと思います。
 榛東村からお話がありましたが、今全国的に地域包括ケアが進められている中で、高齢者だけでなく、子育て等地域の福祉全体を取り込んでいくような形を早急に整えないといけないと改めて感じました。県とも色々な形で勉強会等行いたいと思っています。
 また、郷土への誇りと愛着を持つことが重要という話がありました。渋川市は、先月青年会議所の50周年事業で、地元出身のBOØWY(ボウイ)の曲を千人で歌う「千人ロック」というイベントを行いました。大変多くのマスコミに取り上げられて、渋川市だけでなくて、群馬県をイメージできた大変素晴らしい事業でした。また、昨年11月には、群馬県が舞台のイニシャルDという車の漫画のイベントも榛名で初めて行い、日本全国から多くのファンが来ました。これらは、県の地域振興調整費でバックアップをいただいて実現した事業です。群馬県の豊かな自然と歴史遺産に加え、漫画や音楽等のサブカルチャーを若い人たちに発信していく取組も色々と企画されていますので、今後とも地域振興調整費を含め、群馬県や市町村からたくさんのバックアップをいただきながら応援していきたいと思います。

<高橋県議会議員>
 八木原駅周辺整備及び前橋伊香保線吉岡バイパスの延長等については、吉岡町と渋川市が地域連携協定を締結して取り組んでおります。今日、県土整備部長から先行きが明るい答弁をいただきましたが、今月5日の県議会一般質問においても、榛東の第4工区についても県が調査に入るという答弁で、大変傍聴に来た方も大変喜んでおり、ありがとうございました。
 また、榛東村長から話がありました虐待の問題ですが、榛東村には施設が約7箇所あります。介護の関係については、要介護度3以上の方が施設に入所できるわけです。榛東村の場合は、施設が整備され待機者があまりいませんが、必要な方が施設に入れるような対応していただきたいと思います。
 榛東村の高塚古墳から出土した武人埴輪については、出土して約60年経つと思いますが、私もまだ見たことはありません。県立歴史博物館にありますが、できれば、榛東村にも施設が多くありますので、年に10日間くらい村に貸し出しをしてもらえば、村の活性化にもなると思いますので、検討していただければと思います。
 また、吉岡町の前橋伊香保線上野原工区のバイパス化については、吉岡町の喫緊の課題であり、榛東村にもつながる道路です。吉岡町長の気持ちも組んでいただき、人口減少対策としても道路ができれば人口も増えると思いますので、是非お願いします。

<知事>
 ありがとうございました。他にも御意見あろうかと思いますが、時間も参りましたので、意見交換会を終了とさせていただきたいと思います。御協力誠にありがとうございました。

「北群馬渋川地域市町村懇談会」印刷用(PDFファイル:265KB)