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令和4年度 病害虫情報 第6号(ツマジロクサヨトウ)
更新日:2022年9月12日
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ツマジロクサヨトウによる被害が未成熟トウモロコシ(スイートコーン)で確認されました。
写真1 確認されたツマジロクサヨトウの食害痕
写真2 採取されたツマジロクサヨトウ幼虫
現在までの発生概況
- 群馬県北部の未成熟トウモロコシ(スイートコーン)において、令和4年7月にツマジロクサヨトウと疑われる食害痕と幼虫が確認されました(写真1、2)。農林水産省横浜植物防疫所に幼虫の同定を依頼したところ、ツマジロクサヨトウであると同定されました。県内では、未成熟トウモロコシ(スイートコーン)へのツマジロクサヨトウの発生は初めてとなります。
- 国内で初めて令和元年に鹿児島県の飼料用トウモロコシにおいて確認された後、全国47都道府県で確認されています。
- 県内の初発生は、令和2年9月に県東部の飼料用トウモロコシで確認されました。その後、県平坦部の広い地域の飼料用トウモロコシで発生が確認されています。
2 幼虫の特徴
写真3 ツマジロクサヨトウ幼虫の特徴
- 頭部に白色または淡色の逆Y字の模様があり、その模様の両側に網目模様が見えます。腹部後部の刺毛基板が黒または褐色で大きいのが特徴です(写真3)。
- 終齢幼虫の体長は約40ミリメートルで、体色は淡黒緑色から淡緑色まで変異があります。
- 幼虫は広食性であり、国内で発生が確認されている作物は、飼料用トウモロコシ、未成熟トウモロコシ(スイートコーン)、ソルガム、サトウキビ、エンバク、しょうが等です。特に飼料用トウモロコシで発生が多くなっています。
3 食害の特徴
- 幼虫は、茎頂部の柔らかい葉に食入し、まだ開いていない葉も食害します。
- 茎頂部の新葉が激しく食害され、葉に列状の穴や不定形の穴が見られます。
4 防除対策
- 新葉の内部に潜り込んでいる幼虫に届くように、株の上部まで薬剤を散布してください。
- 収穫残さや土壌中に、幼虫や蛹(さなぎ)の残存を防ぐため、収穫後は速やかに耕うんを行い、次の発生源にならないように注意してください。