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令和4年度 病害虫情報 第3号(チャバネアオカメムシ)
更新日:2022年5月13日
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令和4年度 病害虫情報第3号 チャバネアオカメムシ(PDFファイル:1.09MB)
果樹カメムシ類(チャバネアオカメムシ)の増加が平年より早く、誘殺数は平年より多くなっています。
1 越冬量調査
1月に行った越冬量調査では、平年より多い越冬成虫が確認されました(表1)。
平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 平年 |
---|---|---|---|---|---|
0.71頭/平方メートル | 0.87頭/平方メートル | 1.29頭/平方メートル | 0.04頭/平方メートル | 1.67頭/平方メートル | 0.65頭/平方メートル |
チャバネアオカメムシ(図4)の越冬量とその年のトラップへの誘殺数には密接な関係があり、このことから令和4年の発生量は平年に比べて多いことが予測されます。
2 現在までのトラップにおける誘殺状況
一部の地域では平年より早く4月から誘殺数が増加し、5月1半旬までの総誘殺数は平年を上回っています(図1~3)。
チャバネアオカメムシのトラップ調査結果
図1 渋川市渋川御蔭
図2 高崎市高浜町
図3 高崎市上里見町
図4 チャバネアオカメムシの成虫(体長10~12ミリメートル)
3 予想される被害
- チャバネアオカメムシは果実を吸汁し、奇形や落果を引き起こします。
- 今後気温の上昇とともに、果樹園への飛来と加害の増加が心配されます。特に収穫期直前のオウトウ、ウメ、果実肥大期をむかえるモモ、スモモ等では注意が必要です。
- 6月下旬頃までナシやリンゴへの飛来は散発的ですが、注意してください。
- 8月以降に発生する新世代(第1世代)も平年より多くなることが予想されます。今後の情報に注意してください。
4 防除対策
- チャバネアオカメムシは夜行性のため、薬剤散布は夕方または活動の鈍い早朝などに行うと効果的です。
- チャバネアオカメムシの飛来状況は、果樹園によって大きな違いが見られます。発生状況に応じて防除を行ってください。
農薬の使用に際しては、必ず農薬のラベルに記載されている使用方法、注意事項等を確認して適正に使用してください。