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第4次ぐんまDV対策推進計画

更新日:2019年3月26日 印刷ページ表示

1 基本的な考え方

(1)計画の趣旨

 配偶者等からの暴力は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害です。暴力の原因としては、男女の社会的地位や経済力の格差、固定的な性別役割分担意識など、個人の問題として片付けられないような社会的・構造的問題も大きく関係しています。
 配偶者等からの暴力は、外部からその発見が困難な家庭内において行われることが多いため、潜在化しやすく、しかも加害者に罪の意識が薄いという傾向があります。このため、周囲も気付かないうちに暴力がエスカレートし、被害が深刻化しやすいという特性があります。また、配偶者等からの暴力の被害者は、多くの場合女性であり、経済的自立が困難である女性に対して配偶者等が暴力を加えることは、個人の尊厳を害し、男女平等の実現の妨げとなっています。
 こうした中で、本県では、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(以下、「DV防止法」という。)」等の規定に基づき、平成18年に「ぐんまDV対策基本計画」を策定し、平成26年に改訂した「ぐんまDV対策推進計画(以下、「第3次計画」という。)」に基づき、配偶者等からの暴力の根絶に向けて施策を推進してきました。この「第3次計画」の計画期間が平成30年度をもって終了することから、本県におけるDVの実情を踏まえて、新たに「第4次ぐんまDV対策推進計画」を策定するものです。

(2)計画の位置づけ

一 「DV防止法」第2条の3の規定により都道府県が策定する基本計画です。

二 「群馬県男女共同参画推進条例」第4章(性別による差別的取扱いの禁止等)の推進及び「群馬県男女共同参画基本計画(第4次)」の基本目標5(女性に対するあらゆる暴力の根絶)を達成するため、本県の取組を推進する計画です。

三 「第15次群馬県総合計画」の基本目標2(ローマ数字)の政策6-3(犯罪・交通事故の防止)及び「群馬県生活安心いきいきプラン」の基本目標1(ローマ数字)-4(配偶者からの暴力を許さない社会の実現)を達成するための個別実施計画

四 国の基本方針及びこの計画の趣旨を踏まえ、市町村、関係機関等においても、県とともに「暴力のない社会の実現」を目指し、積極的な取組を期待するための計画です。

(3)計画の対象

 この計画は、「DV防止法」に基づく配偶者等からの暴力を対象としますが、実施にあたっては、配偶者等からの暴力に限定せず、家族その他親密な関係にある人によってなされる暴力等についても配慮をします。

(4)計画の期間

 2019年度から2023年度までの5年間とします。
 なお、計画期間内においても、国の基本方針の見直し等、新たに推進計画に盛り込むべき事項が生じた場合は、必要に応じて計画を見直します。

(5)推進体制

 関係機関・団体で構成する女性に対する暴力被害者支援機関ネットワークや女性保護・DV被害者支援担当者会議を活用して、課題や施策の実施状況等の情報共有を図りながら総合的に推進します。

(6)計画の進行管理

 この計画の重点施策に定める数値目標については、群馬県男女共同参画推進委員会において、毎年、進捗状況を評価し、県民に公表するものとします。

2 群馬県におけるDVの現状

3 「第3次計画」の評価

基本目標 1 暴力を許さない社会づくり

(1)評価

  • 前回の実態調査と比べDV被害者支援制度や相談窓口について「いずれも知らない」と回答した割合が若干減少しました。
  • 前回の実態調査と比べ「どこ(だれ)にも相談したことがない・しなかった」割合は若干減少しました。
  • デートDVについて学生の認知度では「知っていた」が半数以上いることが分かりました。
  • DV啓発資料による配布先を拡大することができました。

(2)課題

  • 制度や相談窓口の認知度は上昇傾向にありますが、依然として低水準であるため、引き続き周知が必要です。
  • デートDV防止啓発講座について目標値の半数程度の回数しか実施できなかったため、周知方法を検討する必要があります。
  • 関係機関や地域と連携した効果的な周知方法を検討していく必要があります。
  • 加害者更正に関して、国や民間機関から情報収集をし、施策について検討していくことが必要です。

基本目標 2 信頼できる相談体制の整備

(1)評価

  • 女性相談センターにおいて相談員向けスーパーバイズ研修や事例検討スーパーバイズ等を実施することで、相談員の育成ができました。
  • 平成26年に男性DV相談窓口を開設することができました。
  • 市町村配偶者暴力相談支援センターを5箇所設置することができました。
  • 法テラスや警察、民間支援団体など相談窓口が増え相談体制が充実してきました。

(2)課題

  • 市町村配偶者暴力相談支援センターの設置は35市町村中5市町とまだまだ少ないため、市町村に対して配偶者暴力相談支援センター設置の一層の働きかけが必要です。
  • 県の男性のDV相談窓口の件数は少ないですが、相談したい人は潜在的にいると思われるため、相談体制のより一層の充実が必要です。
  • 医療機関等DV発見者からの通報への適切な対応ができる体制整備が必要です。
  • 被害者の二次被害の防止を防ぐため、共通シート等を活用して関係機関で情報共有が図れる体制整備の検討が必要です。
  • 外国人に対する言語や法律、文化の違いによる課題が多いため、施策の強化が必要です。

基本目標 3 安心・安全な保護環境の整備

(1)評価

  • 女性相談所や市町村配偶者暴力相談支援センターにおいて、申請書類作成や証明書発行、裁判所等へ同行などの支援を実施することができました。
  • 民間支援団体が運営するシェルターの賃料や同行支援に係る費用などを民間支援団体へ補助することができました。

(2)課題

  • 就職活動や裁判所等への同行支援に伴う、被害者の安全確保が必要です。
  • 母子生活支援施設が減少していることや、民間シェルターの設置されていない地域があることから、地域性に配慮した一時保護機能を有する施設の設置を促進していく必要があります。

基本計画 4 自立支援の体制整備

(1)評価

  • 女性相談所や市町村配偶者暴力相談支援センターにおいて、申請書類作成や証明書発行、裁判所等への同行などの支援を実施することができました。
  • 被害者が一時保護所等を退所後、地域で安定して生活できるように民間支援団体へ地域定着支援事業を委託することができました。

(2)課題

  • 暴力による被害から回復するために、被害者の心のケアが必要です。
  • 関係機関の連携による就労相談、能力開発、情報提供等の支援充実が必要です。
  • 住宅、資金面等における市町村の取組強化が必要です。

基本目標 5 被害者支援ネットワークの構築

(1)評価

  • 女性相談所退所後の自立支援については市町村と、安全確保については警察と連携して対応できました。
  • 必要に応じ、関係団体をネットワーク構成機関に加えるなど、柔軟な対応ができました。
  • 市町村配偶者暴力相談支援センターを設置する際に、連携会議を開催しネットワーク形成を図りました。
  • 民間支援団体に委託している「地域定着支援事業」において、委託先以外の民間支援団体や女性相談所と連携するため連携要領を作成しました。

(2)課題

  • 県は、市町村に対して配偶者暴力相談支援センターの設置の一層の働きかけや具体的な対策を検討する必要があります。また、市町村配暴者暴力相談支援センター設置に伴い、設置準備の課題解消や相談員の育成など指導的役割が求められます。
  • 市町村の所属間で円滑に支援が行えるよう、市町村機関でのネットワークを設置促進する必要があります。
  • 主に町村において基本計画の策定が進んでいないため、計画策定の支援や配偶者暴力相談支援センターのより一層の設置促進など、DVに係る具体的な対策が必要です。
  • ネットワーク構成機関において相互協力を図るとともに、市町村や警察への情報提供等による一層の緊密な連携を図る必要があります。
  • 地域住民の見守り体制と県民ボランティアの支援体制等整備の検討が必要です。

4 計画の内容

(1)基本理念

配偶者等からの暴力のない社会の実現を目指します。

 DV対策の推進にあたっては、次の認識をもって施策に取り組みます。

一 配偶者等からの暴力は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害です。
また、配偶者等からの暴力は、被害者はもとより、その子どもなど家族の心身に甚大な影響を及ぼすものです。
二 女性に対する暴力は女性の人権に対する重大な侵害であり、その背景には男女の経済的格差などの構造的問題も大きく関係していることから、男女共同参画社会の実現が女性への暴力の根絶のために必要です。
三 被害者は、自らの意思に基づき、安全に安心して平穏な生活を営む権利があります。
四 国及び地方公共団体(県及び市町村)は、配偶者等からの暴力の防止及び適切な保護(自立支援を含む)を図る責務を有しています。
五 配偶者等からの暴力のない社会を実現するためには、県民をはじめ国、地方公共団体、民間団体等の連携、協力が不可欠です。

(2)基本目標

 基本理念の実現に向けて、次の5つの「基本目標」を定めます。

一 暴力を許さない社会づくり
二 信頼できる相談体制の整備
三 安心・安全な保護環境の整備
四 自立支援の体制整備
五 被害者支援ネットワークの構築

(3)数値目標

数値目標表
指標 基準値(2017年度) 目標値(2023年度)
DV相談窓口等の認知度 90.3% 100%
デートDVの認知度 55.2% 100%
市町村配偶者暴力相談支援センター設置数 5か所 10か所
市町村DV対策基本計画策定数 13市町村 24市町村

(4)重点施策

数値目標を達成するために特に重点的に取り組むべき施策を次のとおり設定します。

1 若年層を中心とした予防教育及び効果的な広報啓発

  • 男女の交際が始まる中学・高校・大学期は予防教育の効果が高いことから、指導者層も含め、若年期におけるDV予防教育・啓発の充実を図ります。
  • DVに関するアンケート調査では、自分の経験を「DVと認識できていない」事例がみられ、また、専門機関である女性相談所の認知度が低いなど、県民のDVに対する正しい理解が進んでいないことから、県民に必要な情報が確実に届く効果的な広報啓発に取り組んでいきます。

2 市町村配偶者暴力相談支援センターの設置促進

  • 市町村配偶者暴力相談支援センター設置により、住民に対して身近な場所で、相談から自立支援までワンストップで行うことができ、被害者支援の迅速化や利便性の向上、安全の確保が期待されることから、市町村配偶者暴力相談支援センター設置に向けて積極的に支援します。

3 専門的な心のケアが必要な方や男性など、多様な相談に対する体制の整備

  • 配偶者等からの暴力により心身ともに深く傷つき、心のケアが必要な被害者が多いことから、専門家によるカウンセリングなど心のケアの充実を図ります。
  • 男性をはじめ、外国人・高齢者・障害者等配慮の必要な被害者などの多様な相談に適切に対応できるよう相談体制の充実を図ります。

4 一時保護所等退所後の被害者に対するきめ細やかな中長期的支援の充実

  • 被害者が地域で安定した生活をおくるためには、就労による経済的な自立が重要であることから、就労相談や能力開発も含めた就業支援に取り組んでいきます。
  • 被害者の子どもに対しては、心のケアなどの支援を継続的に行っていきます。
  • 民間団体との連携を強化し、被害者一人ひとりの状況に応じたきめ細かな支援を中長期的に行っていきます。

5 関係機関・団体等の連携強化、切れ目のない支援の実施

  • 関係機関との連携を強化し切れ目のない支援を行うため、女性に対する暴力被害者支援機関ネットワークの充実を図ります。
  • DV被害者支援対策を総合的、計画的に推進するため、市町村のDV基本計画の策定を支援します。
  • 県、警察、市町村、民間団体など関係機関が連携し、「暴力のない社会の実現」を目指します。

(5)施策体系

5 第4次ぐんまDV対策推進計画

6 第4次ぐんまDV対策推進計画 附属資料

7 第4次ぐんまDV対策推進計画 概要版