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環境農林常任委員会(平成24年7月24日~26日)
1 調査目的
閉会中の委員会活動として、下記事項について県外調査を実施し今後の本県施策の進展に役立てます。
- 環境対策について
- 林業振興対策について
- 食料・農業・農村振興対策について
2 調査期間
平成24年7月24日(火曜日)~26日(木曜日)
3 調査項目
(1)地方独立行政法人 青森県産業技術センター(青森県黒石市)
青森県産業技術センターは、青森県が県内の研究機関である農林総合研究センター、水産総合研究センター、ふるさと食品研究センター、工業総合研究センターという4つのセンターを統合し、平成21年4月に設置した全国初の農工一体型の研究機関です。
センターでは、県内産業の振興と経済の発展に寄与するため、地域の潜在力である農林畜産業、水産業、食品加工業などに関する試験・研究開発のほか、生産者や企業のニーズに応じて、共同研究、受託研究、依頼分析・試験・調査、技術相談・指導等の業務を行っている他、平成23年度からはセンター内に「青森県6次産業化サポートセンター」を開設し、6次産業化の計画づくりから事業化までの一貫した相談や関係情報提供も行っています。
ついては、本県における農業振興の参考とするため、その取り組み等について調査しました。
太陽光・人工光併用型実験施設を調査
(2)白神山地ビジターセンター(青森県中津軽郡西目屋村)
白神山地は、秋田県北西部と青森県南西部の県境にまたがる広大な山岳地帯の総称であり、世界最大級の原生的なブナの自然林が残されている他、多種多様な植物群落が見られるなど、ブナ林を基盤とする豊かな生態系が形成されており、1993年12月には世界遺産にも登録されました。
ブナ林は、動物の餌となる植物が多く、他の森林に比較して豊富な動物が生息している他、水源涵養機能や地表侵食防止機能などが高いのも特徴であり、このような多面的な機能や美しさは、高く評価されているところです。
白神山地ビジターセンターは、白神山地の玄関口である西目屋村に県が設置(指定管理者により運営)した施設であり、ブナ林の生態系等についての情報提供や、自然体験事業を主催するなどしているとともに、当該地域における入山マナーの周知など、環境保全のための啓発活動にも大きく貢献しています。
ついては、本県における環境保全等の取り組みの参考とするため、その現況等について調査しました。
白神山地について説明を受ける様子
(3)東北農業研究センター(岩手県盛岡市)
東北農業研究センターは、昭和25年に東北農業試験場として設置され、平成13年に「独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構(本部:茨城県つくば市)」に移行された後は、当該機構の研究機関の1つとして現在に至っています。
この間、農業分野での技術開発に関する研究等で、東北地域における農業振興に大きく貢献するとともに、今後も技術革新の核となる施設としての取り組みが期待されています。
また、本年度からは地域における産学官連携を進め、外部の研究者との共同研究を行うための開放型実験施設(オープンラボ)として、機能性評価実験棟と温度勾配実験施設(グラディオトロン)を開設するなど、様々な情報集積のための取り組みも開始されています。
ついては、本県における農業振興の参考とするため、当該センターにおける研究等の取り組みについて調査しました。
乾田直播の水稲の生育状況等を調査
(4)小岩井農場(岩手県岩手郡雫石町)
小岩井農場は、1891年に開設されて以来、畜産振興のためのブリーダー事業から農林畜産業を基幹として時代に応じた複合的・多角的な事業展開を行っている企業であり、近年は家畜排泄物等によるバイオマス発電や堆肥の耕地還元などの「環境保全・持続型・循環型」運営により、生産農場として更なる維持・充実させて行くことを目指す等、自然環境と共存するさまざまな事業も展開しているところです。
特に、来場者に自然のすばらしさを直接体験してもらい、環境についての理解と関心を深めてもらうことを目的とした「エコファーミングスクール」事業は、日本エコツーリズム協会・環境省主催による「第7回エコツーリズム大賞」において「特別賞」を受賞する(平成24年1月)など、環境問題に興味を持つ方だけでなく、企業や学校向けのプログラムとしても好評を得ているところです。
ついては、本県における農林畜産振興及びエコツーリズムの取り組みの参考とするため、その現況等について調査しました。
乳牛の飼育状況について説明を受ける様子
4 出席委員
委員長:大林俊一、副委員長:高田勝浩
委員:腰塚誠、委員:塚越紀一、委員:久保田順一郎、委員:星野寛、委員:新井雅博、委員:笹川博義、委員:水野俊雄、委員:金子渡