ページの先頭です。
現在の位置 議会トップページ > 委員会活動 > 平成24年5月25日~平成25年5月24日常任委員会記録 > 環境農林常任委員会(環境森林部関係)(平成24年6月7日)

本文

環境農林常任委員会(環境森林部関係)(平成24年6月7日)

1.開催日時

 平成24年6月7日(木曜日)9時59分~15時36分

2.開催場所

 403委員会室

3.出席委員

 委員長:大林俊一、副委員長:高田勝浩
 委員:塚越紀一、委員:久保田順一郎、委員:星野寛、委員:新井雅博、委員:笹川博義、委員:水野俊雄、委員:金子渡

4.欠席委員

 委員:腰塚誠

5.主な質疑

(1)林業・木材産業振興対策費の減額について

質問:当該予算の執行残が生じているが、ぐんまの木で家づくり支援事業の実施状況はどうか。

答弁:昨年度の実績は、構造材補助が計画800戸に対し692戸、内装材補助が計画50戸に対し67戸と、目標に対し89%の達成率であった。9月までは順調であり目標達成する見込みであったが、景気の後退により10月以降足踏み状態となり前年度を下回る実績となった。

(2)尾瀬学校及び補助制度の活用について

質問:昨年度の事業実績はどうか。

答弁:小学校74校、中学校68校の計142校が参加し、総人数は10,680人であった。

質問:今後、事業を進めていくうえで、放射線に関する問題点はないか。

答弁:放射線については、一部に心配の声もあり、本年度は1校が取りやめたと聞いている。現状として尾瀬の放射線量は低く、安全であると認識している。測定結果を尾瀬保護財団のホームページで公表するなど、今後も安全性をアピールして事業拡大していきたい。

質問:補助制度の内容はどのようになっているのか。

答弁:生徒8名あたり1名のガイドがついており、このガイド料及びバス借り上げ料を原則として補助しているが、宿泊については個別負担いただいている。なお、遠距離の学校が宿泊で実施した場合のバス借り上げ料や距離に関わりなく尾瀬内の山小屋に宿泊した場合のガイド料等は、2日分を補助している。

(3)林業・木材産業改善資金及び林業後継者等特別対策資金について

質問:貸付実績についてはどうなっているか。

答弁:昨年度は、両資金とも貸付実績はなかったが、林業・木材産業改善資金は、平成22年度に1件600万円、林業後継者等特別対策資金は21年度に3件、1,198万円の実績がそれぞれあった。

質問:昨年度貸付実績がなかった理由をどう考えているか。

答弁:木材やきのこの価格低迷など、林業の経営環境が厳しく高額な設備投資を控えていることや、民間の金融機関の利息も低下しており制度融資のメリット感がないこと、各種補助制度の活用により設備投資ができるなどが要因と考えている。

質問:制度の見直しなどの対応が必要ではないか。

答弁:林業後継者等特別対策資金は、平成20年度に年齢制限の撤廃、貸付限度額の引き上げ、償還期間の延長など、使いやすい制度となるよう要件緩和や制度の拡充を図ったところである。

(4)群馬県水源地域保全条例について

質問:条例制定に至った背景はどのようなものか。

答弁:外国資本による森林買収が本県においても確認されたことや、森林法による森林の土地の所有者となった旨の届出が事後届出のため事案への対応が遅くなるなど不十分であることなどからである。

質問:当初案にあった面積要件(1ヘクタール以上)をなくした理由は何か。

答弁:パブリックコメントや森林審議会において、面積要件をなくすよう意見が出されたことを踏まえて再検討した結果である。

答弁:面積要件をなくした場合、届出件数はどのくらいを想定しているのか。

質問:埼玉県での調査結果等を参考に推測すると、本県では年間900件程度になると想定している。

質問:事務量の増加が見込まれるが、届出内容のチェック体制は問題ないか。

答弁:届出書類が整っていれば受け付ける。その上で、大面積の所有権移転や売買契約後の土地利用目的に問題があるようであれば調査する。このため、大部分は受付のみで事務が完結でき事務量が膨大になるとは考えていない。

質問:譲受人等が日本国籍以外の者であるときなど、どのようなときに助言できるのか。

答弁:本条例に基づく届出は国籍を問わず、利用方法に問題がありそうであれば、市町村長に意見照会し、それを踏まえて知事が助言することとなる。

質問:水源地域に含まれる土地の範囲はどのくらいか。

答弁:ほとんどの民有林を含めて指定する予定である。なお、対象地域には国有林を含めているが、届出対象とはしていない。

質問:これまでに県議会に対して条例案を示してきたのか。

答弁:2月定例会の環境農林常任委員会に素案を示した。

質問:啓発活動や広報活動等のための予算が必要ではないか。

答弁:現計予算の中で対応したいと考えているが、足りなければ追加要求したい。

質問:土地売買等の規制について国への要望が必要と思うが、対応はどうか。

答弁:過日の関東知事会議でも国へ要望することとされたが、今後も様々な機会で要望したい。

(5)森林学習センターについて

質問:管理運営状況はどうなっているか。

答弁:本年度からの組織見直しで正規職員の所長が引き上げられ、現在は所長をはじめ嘱託4人と臨時職員2人の運営となっている。森林環境教育や森林ボランティアのフィールドとして重要な施設であり、技術次長を筆頭とする責任あるバックアップ体制を確立している。

質問:今後のあり方について検討スケジュールはどうか。

答弁:今後も直営で運営したいと考えているが、渋川市への移管や、伊香保森林公園と一体的な指定管理者制度導入検討の意見も出ている。今後は、地元の意向も聞きながら、今秋を目途に部としての方針を出し庁内で協議していきたい。

(6)有害鳥獣対策について

質問:鳥獣から放射性物質が検出された場合、捕獲意欲が減退して有害鳥獣被害が拡大することが心配されるが、対策はどうか。

答弁:昨年度検査では、イノシシの7割以上、シカの半数が新基準値(100ベクレル)以上であった。捕獲圧が減少すると、農林業被害の拡大につながる問題であると認識しており、今後は、検査の継続実施体制を整備、関係者からの情報収集、食肉以外の利用方法の研究の他、処分にかかる焼却場の能力や埋設による環境への影響等も評価しつつ対策を検討していきたい。

(7)尾瀬におけるシカの食害について

質問:大清水地区のミズバショウのシカによる食害について、対策をどう考えているか。

答弁:環境省において「尾瀬地区におけるシカ管理方針」を策定するとともに、「尾瀬国立公園シカ対策協議会」を設けてシカ対策の連絡調整を行っており、平成20・22年度には、侵入防止や移動経路遮断のための柵を設置した他、わな及び銃による捕獲も実施している。

質問:被害対策として他に何かできることはないか。

答弁:環境省に対し、重点的に取り組んでほしい旨を働きかけるとともに、県としても、尾瀬ヶ原におけるシカ攪乱地の植生保護対策に向けた調査を実施しているところであり、今年度はシカ防除ネットの本格的な導入に先立つ性能試験を実施することとしている。

(8)太陽光発電等による省エネ対策について

質問:7月から開始される電力の固定価格買取制度の中で、太陽光発電の今後の見通しはどうか。

答弁:今回の固定価格買取では、太陽光発電は1キロワットあたり42円が示されており、今後さらに設置が進むものと考えている。これに対し、賦課金として1世帯あたり月額70~100円が一般世帯の負担増となるが、普及に伴いシステム価格が下がれば、賦課金も下がるものと考えている。

質問:節電したくなるような効果的な施策についてどう考えるか。

答弁:東電ではいろいろな節電割引を示しているところであるが、県としても温暖化対策の観点から今後検討したい。

(9)林業公社改革の現状について

質問:分収契約解約に向けた所有者との交渉状況はどうか。

答弁:契約件数は1,492件で、解約に同意は824件で55%、不同意は358件で24%、保留が268件で18%となっている。

質問:解約に不同意及び保留の主な理由は何か。

答弁:平成22年に実施したアンケート調査では、22%が分収契約の履行を求めている。また、森林組合ごとに実施した説明会では、林業公社持分の買取費用が高額のため払えないや、自分では管理できないので分収契約を履行してほしいなどの意見があった。

質問:解約に同意のうち、無価の分収林の割合はどうか。

答弁:無価の分収林は、691件のうち83%の574件が解約に同意している。

質問:最後まで同意しない分収林契約者には、どのように対応するのか。

答弁:林業公社を解散するためには、残った林業公社の持分を引き取る先が必要となるが、県は林業公社の実質的な経営者であることから、引取先については責任を持って検討したい。

(10)スギ花粉症対策について

質問:少花粉スギの品種改良の現状はどうか。

答弁:全国初の試みとして、平成8年度から花粉の少ない品種でミニチュア採種園を造成してきた。平成18年度から配布している種子は、全量少花粉スギであり、平成21年春以降のスギ苗はすべて少花粉苗となっている。

質問:花粉の量は林齢が高くなると少なくなるのか。

答弁:壮齢林に至るまで花粉を発生させるが、林齢が高くなると花粉が減るというデータはなく、7月の日照量が多いと翌年の花粉量は多いというデータがある。

(11)「森林県から林業県へ」の具体的施策について

質問:具体的な施策や予算についてどう考えているか。

答弁:国は、昨年度から「森林・林業再生プラン」を策定し、実行に必要な法律改正と事業の改編を行い具体的な施策をスタートさせたが、県も「群馬県森林・林業基本計画」を昨年11月に策定し、10年後の素材生産量を倍増するなど、国と一体となった施策を講じることとしている。

質問:予算についてはどうか。

答弁:昨年度までの予定であった森林整備加速化・林業再生基金事業が平成26年度まで延長されたが、この基金事業の本県予算は約21億円であり、間伐、作業道、高性能林業機械などに積極的に活用して林業県ぐんまへの躍進を図っていきたい。

(12)化学物質による水質汚濁問題について

質問:河川での定点観測はいつまで続けるのか。

答弁:概ね原因が判明し、危険性も低くなったと考えられるため、近く終了する予定である。

質問:定点観測にはどんな意味があるのか。

答弁:河川水中のホルムアルデヒドをそのまま測定しているわけではなく、浄水場と同様に塩素を加えて、発生したホルムアルデヒドを測定している。

質問:今後の対応はどう考えているか。

答弁:元は有害でない物質が、塩素と反応してホルムアルデヒドを生じたという因果関係が認められており、今後は何らかの法規制を国に求めていくとともに、県として何ができるかを検討していきたい。

質問:県独自でできることは何か。

答弁:こうした物質については原則として河川に流さない方向での対策を検討したい。また、適切な管理や保管等の方法論も含めて検討したい。

質問:水道部局との連携はとれていたのか。

答弁:当初は浄水場での事故と思われたが、その後の調査が進むにつれ河川事故であることが明らかとなった中で、水道部門とは連携を密にして原因解明等を行うことができたと考えている。

質問:水源県として、本事案についてどのように考えているか。

答弁:上流県として水質の監視体制を整える必要があると考えており、今後、国へも要望はするが、県としても事業者や処理業者に準有害物質のことを意識してもらう必要があると思っている。

質問:排出事業者と処理業者との認識の差についてどう考えるか。

答弁:処理業者は、全窒素濃度の中身、つまり具体的にどんな化学物質であるか承知していなかった可能性がある。また、ヘキサメチレンテトラミンを放流した際の影響についても十分に理解していなかったとも考えられる。

質問:今後、高崎市内の廃棄物処理業者に対し、どのような指導・処分を行う予定なのか。

答弁:対象となる物質は、水質汚濁防止法上の規制対象外であり、廃棄物処理業者は対象となる物質について告知されていないこともあり、法に従った行政処分を行うことは難しいと考えているが、さらに詳しく確認した上で対応を考えたい。

(13)赤城森林公園における害虫対策について

質問:赤城森林公園におけるシラガダユウの大発生に関して状況はどうか。

答弁:平成21年頃に発生が確認され、公園内駐車場周辺などで平成22年から2年続けて大発生した。山まゆ蛾の一種であり無害であるが、観光客に対しては不快な思いをさせている。なお、生息数把握には被害区域を特定しなければならないが、現状では把握できていない。

質問:観光面での影響や公園内の巨木保全に関して、今後どのように対応していくのか。

答弁:薬剤散布はせずに、人海戦術で卵の駆除や、幼虫の捕殺、蛹の除去を行ったほか、誘蛾灯も6基設置した。今年度は効果をさらに上げるためトイレ照明のLED化を進めている。巨木(栗太郎)保全に関しては、根の部分に完熟堆肥や土壌改良剤を施し、樹勢回復を試みる予定である。

(14)希少動植物保護のための条例について

質問:他県例を含め、どのような条例の概要を考えているか。

答弁:名称は異なるが、種の保存法に基づく保護90種を補完する役割として各県で制定されている。また、県が作成したレッドデータブックを担保するものとして、捕獲禁止や保護地域、保護体制等を明記した内容にしたいと考えている。

質問:今後の制定の見通しや課題についてはどうか。

答弁:レッドデータブック動物編を今秋を目途に刊行し、その後条例制定に向けて本格的に検討する予定である。条例制定にあたっては、県民への周知や関係者の理解・協力が不可欠と考えており、今後、有識者や県民等から意見を聞きながら検討していきたい。

(15)災害がれき受入れのための基本協定書について

質問:費用負担等については、どうなっているのか。

答弁:費用負担は7条に記載があり通常では問題はない。また、廃棄物の中身や数量について、受入れにあたってあらかじめ協議する旨が定められており、問題なく受け入れできる。

(16)廃棄物最終処分場の立地適正化に関する検討について

質問:指針案において、最終処分場を拡張する場合も、距離制限の対象となると考えているのか。

答弁:規制の内容については検討に入ったところであり、現在、施設新設を念頭に置いているが、施設拡張についても、周辺の環境への配慮が必要な場合もあるため、検討の中に含めている。

(17)ぐんまの木で家づくり支援事業における内装材について

質問:新たな住宅内装材の開発について、現状はどうなっているか。

答弁:平成20年度から22年度にかけ、県産材合板と組み合わせた床パネルの開発を行ったが、思うような性能には達しなかった。昨年度からは、吸放湿性能に優れた壁面材の開発に取り組み、切削加工により形状を工夫することで、未加工のものに比べ倍近い吸放湿性能のアップが得られたことから、本年度からその製品化に向けて研究に取り組んでいるところである。

質問:内装材補助を拡充すべきと思うがどうか。

答弁:本制度は、多くの人に利用してもらうため、構造材補助と内装材補助の併用を認めていない。内装材補助は、平成20年度に補助対象面積の下限を引き下げ制度の拡充を図ったところであり、今後は構造材補助の動向やリフォーム需要を勘案して制度の拡充について検討したい。

(18)木質ペレットの取り組みについて

質問:取り組みの現状はどうか。

答弁:森林整備加速化・林業再生基金事業が平成26年度まで延長されたことを受け、上野村では3カ年でボイラー1基とストーブ60台の導入を支援する計画である。

質問:将来性を含め、今後はどのように普及していくのか。

答弁:県では、昭和60年度に木質ペレットの利用に取り組んだが、石油価格の下落等の問題があり断念した経緯がある。現在は石油価格も高く、原料調達コストも下がっており将来性は高いと考えている。一般家庭にまで普及する段階にないが、地域資源が確実に使われる上野村の取り組みをモデルに全県への普及を推進していきたい。

質問:ペレットストーブの普及についてはどう考えているか。

答弁:ペレットストーブは高価であり、購入補助による優遇で効果があると思うが、木質ペレットの県内生産量が少ない現状ではストーブの普及が県内産ペレットの消費に繋がらない恐れがあるため、まずは地域資源が確実に利用される仕組みづくりから取り組みたいと考えている。


現在の位置 議会トップページ > 委員会活動 > 平成24年5月25日~平成25年5月24日常任委員会記録 > 環境農林常任委員会(環境森林部関係)(平成24年6月7日)