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群馬県の国際戦略に関する提言

 昨年3月に「群馬県国際戦略<東アジアの活力を取り込むための経済戦略>」が策定され、また、本年4月には上海事務所の開設も予定されるなど、本県経済の活性化につなげるための国際戦略はますますその重要性を増してきているものと認識しており、今後のグローバル化の進展に対応していくため、県を挙げての取り組み強化が求められている。
 県議会としても、平成24年5月定例会において国際戦略対策特別委員会を設置し、その後1年近くの間、外国人観光客の誘客促進、農畜産物等の海外販路拡大、県内企業の海外ビジネス展開の支援に関し、関係議案等の審査を行うとともに、昨年11月には中国・上海における現地調査も実施するなどして、国際戦略に関する活発な議論・調査を行ってきた。
 また、一昨年の福島第一原子力発電所事故による放射性物質飛散の影響による農畜産物等の輸出規制問題や、昨年の尖閣諸島国有化に端を発し悪化した中国との関係改善問題など、依然として憂慮すべき課題も多く残っている現状にある中で、今後ともそうした案件の状況変化に十分留意しつつ、的確に対応を図りながら国際戦略を推進していく必要がある。
 ついては、県当局におかれては次の事項に配慮され、今後、本県の国際戦略が効果的に推進されていくことを強く要望するものである。

  1. 群馬県上海事務所を最大限活用し、東アジアの活力を取り込むために「群馬県国際戦略」に掲げられている重点施策の着実な推進を図ること。また、現地での「人脈づくり」を積極的に行うこと。
  2. 上海市政府関係者から「環境」、「治安・防災」、「高齢化」といった分野への関心が示されている状況もあることなどから、戦略の3本柱に限ることなく、相手国(地域)のニーズに応じた本県産業の有効活用を図ること。
  3. 実績をあげている「知事のトップセールス」については、引き続き積極的に取り組むこと。
  4. 「海外ぐんまサポーターズ」の未設置国(地域)での組織化など、現地人材の積極的な活用を図ること。
  5. 本県の国際戦略に関して、広く県民に理解してもらえるよう一層の啓発活動を行うこと。
  6. 市町村や関係団体とも連携した、相互交流の一層の促進を図ること。
  7. 目標とする外国人宿泊者数10万人の達成に向け、「温泉」、「ゴルフ」、「スキーやアウトドア体験」、「重粒子線施設」など、群馬県の強みとなる魅力を前面に出した誘客促進を図ること。
  8. 対象とする国や地域、階層などを明確化したうえで、「群馬県」の知名度向上を図り誘客促進を図ること。
  9. 県内道路の案内標識などへの外国語併記の促進を図るとともに、各観光地における受入体制の一層の整備を図ること。
  10. 近隣県との連携強化を促進し、北関東磐越エリアにおける外国人受入体制を積極的にアピールするなど、広域的な観光誘客に一層取り組むこと。
  11. 農畜産物の輸出に関し、関係各国において規制が続いている現状にあって、一日でも早く解除されるよう、国に対して継続的に働きかけを行うこと。
  12. 規制が解除された際に、輸出再開や新規販路開拓の対応が迅速に図れるよう、準備に万全を期すこと。
  13. 海外進出した企業のリスクマネジメント等を含め、必要な情報提供を行うなど、しっかりとした支援体制を確立すること。
  14. 「群馬県海外ビジネス支援サイト」を有効活用するなど、海外進出を希望する企業への必要な情報提供などの一層の充実を図ること。

 以上、提言する。

 平成25年3月13日

群馬県議会国際戦略対策特別委員会

 群馬県知事 大澤 正明 様