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放射能対策特別委員会(平成25年3月13日)

1.開催日時

 平成25年3月13日(水曜日)10時00分~14時13分

2.開催場所

 301委員会室

3.出席委員

 委員長:田所三千男、副委員長:福重隆浩
 委員:中村紀雄、委員:萩原渉、委員:大林俊一、委員:角倉邦良、委員:岸善一郎、委員:井下泰伸、委員:酒井宏明、委員:金子渡、委員:小川晶

4.欠席委員

 なし

5.主な質疑

(1)放射線マップについて

中村委員
 放射線マップの作成にあたって森林への調査を行っているか。また、森林から流出した放射性セシウムに対する対策はどのようにするか。

青木環境保全課長
 今回の調査は生活圏を中心に選定している。森林については、国の航空機によるモニタリングの結果を参考にしている。森林からの放射性セシウム流出については、環境省がモニタリングを行っているが、大量のセシウムが流出しているということはない。

酒井委員
 放射線マップには測定の高さが1メートルとしてあるが、小さい子どもへの影響を考えれば、地表面の測定をすべきと思うがどうか。

青木環境保全課長
 放射線マップについては、モニタリングポストの経年変化との比較も考慮し、モニタリングポストと高さとあわせ、標準的な1メートルのところの測定数値を公表している。県が行っている150地点では地表面、50センチメートル、1メートルのそれぞれの高さでも測定しているので、今後、活用については検討したい。

(2)放射性物質を含む汚泥の処分について

中村委員
 汚泥を処分するために建設資材化をしているが、懸念材料に繋がるということはないのか。

前橋下水環境課長
 セメント製造各社は、汚泥をセメント原料の一部として利用しているが、国が定めたクリアランスレベルを満足するための社内基準を設けて製造しており安全である。

中村委員
 セメント製品の安全に対する信頼性はどうか。

前橋下水環境課長
 セメント製造各社は、基準値よりかなり低い数値を設定している。また、製品の放射性検査結果をホームページで公表している。

(3)隣国の原発等に関する情報について

中村委員
 北朝鮮の核や中国の沿岸部での原発の問題について、政府との情報交換を密にして万一の対応を考えておくべきと考えるがどうか。

入内島危機管理室長
 北朝鮮の2月の核実験の際には、発生後すぐに知事により本部員メンバーを招集して会議を開き、情報の共有やモニタリングの強化を図り、体制を整えたところである。また、中国の原発の件については、不明な部分も多いが、万一事故が起きた場合は日本への影響も考えられるため、国内の原発と同様に政府との情報交換を密にして迅速に対応していく。

(4)群馬県放射線関連業務に係るQ&A集について

岸委員
 Q&A集について簡略な抜粋したものを作ることは考えているか。

青木環境保全課長
 Q&A集の趣旨は県民の方に放射能に対する理解を深めていただくことであるため、分かりやすく体系的にまとめるなどして概要版を作成することを検討したい。

(5)子ども・被災者支援法の支援対象地域指定について

角倉委員
 本県も子ども・被災者支援法の支援対象地域の指定を受けるよう手を挙げるべきと考えるがどうか。
入内島危機管理室長
 昨年6月に議員立法で成立したが、本法施行に関する所管する復興庁からの通知がないため、本県から支援対象地域の選定や具体的施策の内容及び実施時期等について情報収集を行ってきたが、国から明確な回答はない。そのため、現段階では、考えられる各種支援策の実施主体となる庁内関係課ともしっかりと連携し、国から情報収集を行いながら、支援対象地域の指定については、もう少し内容が明らかになり、基礎自治体として影響の大きい市町村の意向を把握した上で取り組んで行きたいと思っている。

角倉委員
 県内の市町村から希望があれば県としても支援対象地域の指定に向けて対処するのか。

入内島危機管理室長
 市町村の希望は判断する大きな材料となる。国では新たな風評被害や人権侵害などについても懸念しているようであり、市町村とも協議しながら進めていく必要がある。

角倉委員
 県は、対象地域指定により風評被害が起こるということではなく、ニュートラルな立場で対応してほしいと思うがどうか。

入内島危機管理室長
 対象地域に手を挙げれば風評被害を受けるということではなく、あくまでも県だけでなく市町村の意向も踏まえていくことが大切である。

角倉委員
 風評被害についてはあり得るが事実をとらまえたうえでどう対処するかが重要である。こうしたことを踏まえ県としてはニュートラルな立場で対処してほしいと思うがどうか。

入内島危機管理室長
 群馬県内の市町村の方から要望があれば検討したい。

酒井委員
 支援対象地域に指定されると受けられる支援がある。対象地域にするように国に働きかけるべきだと思うがどうか。

入内島危機管理室長
 具体的な施策の内容や方針等がまだ不明である。国に問い合わせているが明確な回答もなく、25年度予算においても姿が見えてこないことから、今後も情報収集に努め、市町村の意見も尊重しながら対処していきたい。

酒井委員
 県内には線量の高いところが多いため、被災地としての位置づけで国に働きかけることが大事だと思うが、何か具体的な対応を考えているか。

入内島危機管理室長
 この法律に関係すると考えられる各課と情報交換等を行い、今後も連携して対応していくこととしている。

(6)フレコンバッグの耐用年数等について

角倉委員
 最終処分場完成までに相当時間がかかると思われる。今後のことを考えた場合に、フレコンバッグの保管でなく、もっとしっかり管理をしていく必要があると思うがどうか。

飯塚廃棄物・リサイクル課長
 現在フレコンバッグに入った廃棄物は、屋内や、屋外でもビニールシートを被せるなど、比較的強度の落ちにくい形で保管されていると認識している。現状では劣化等の報告は受けていない。

角倉委員
 置かれている状況によっても違うと思うが、フレコンバッグの耐用年数はどのくらいか。

飯塚廃棄物・リサイクル課長
 フレコンバッグの置かれた状況により耐用年数は変わる。

角倉委員
 平成26年3月までに最終処分場が決まらない可能性が十分にある。その後の展開についても県として今から検討していく必要があると思うがどうか。

飯塚廃棄物・リサイクル課長
 市町村長会議による地元の意見を踏まえた候補地の選定作業がこれから始まるため、まずは、その状況を見守りたい。

角倉委員
 フレコンバッグの耐用年数がわからないというのは管理する側として問題があるのではないか。

飯塚廃棄物・リサイクル課長
 フレコンバッグの状況を、まず施設管理者にしっかり管理していただき、県としても施設に伺って、その状況をチェックする形で、監視していきたいと考えている。

小川委員
 フレコンバッグの状況について、今後調査や確認をする予定はどのようになっているか。

飯塚廃棄物・リサイクル課長
 材質や耐用年数等についても調査をしていきたいが、まずは管理者に状況をみてらもい、県としても保管状況をチェックさせていただくことが大切だと考えている。

小川委員
 今後どのくらいの期間フレコンバッグで保管するか分からない。劣化しないようなドラム缶などによる保管も検討する必要があるのではないか。

飯塚廃棄物・リサイクル課長
 最終処分場の候補地選定に係る新たな方法が、国から示されたところであり、現時点では保管が長期化することに言及することは差し控えるべきと考える。

(7)自家消費米に係る注意喚起について

角倉委員
 自家消費を目的とした非流通米は自分で検査しないと分からない。自分が認識して食べることで評価は分かれ、ある種自己責任だと思う。しかし、このような問題について注意喚起をお願いしたいと思うがどうか。

澁谷技術支援課長
 土壌診断結果に基づいて、カリウムを適正に施用することによってセシウムの吸収が抑制されることが実証されている。米がセシウムを吸収しないよう、現在も継続して県内全農家にカリウムの適正施用を指導している。

角倉委員
 兼業農家への周知はどのように行っているか。

澁谷技術支援課長
 普及指導員による講習会やJAの農事支部等を通じたチラシの配布、JAや市町村の広報紙等を活用して、兼業農家を含めて全農家に周知している。

角倉委員
 チラシの中には、自家消費米をどこで検査できるかも示しているか。

澁谷技術支援課長
 チラシは、生産側への注意喚起であるが、自家消費米の検査は機器を整備している市町村で行ってもらえるものと思われる。県では計画的な安全検査をしっかり行っている。

角倉委員
 生産農家は消費者でもあるのだから、作る場合、食べる場合の両方の注意喚起を一緒に行ってほしいと思うがどうか。

澁谷技術支援課長
 作るときに適正に管理していれば、食べるときにも安全だと認識しているが、チラシに食べる際の注意喚起を盛り込めるかどうか、検討したい。

(8)薪ストーブの灰等の流通について

角倉委員
 薪ストーブの灰を肥料等として使われる場合があるようである。灰がどの程度のセシウム濃度かという問題もあるが、このようなことがあり得ることも周知すべきと考えるがいかがか。

飯塚廃棄物・リサイクル課長
 一般家庭の薪ストーブの灰の取扱いについて昨年環境省から通知が出された。これを受け市町村では住民への広報等が行われ、灰は、安全性が確認されたものを除き廃棄物として処分されているものと考えている。

角倉委員
 これから春に向けて作付けが始まり、農作業が本格化する時期である。周知を徹底するようお願いしたいがどうか。

飯塚廃棄物・リサイクル課長
 市町村をはじめ関係機関と連携して行っていきたい。

(9)東京電力(株)との覚書について

酒井委員
 平常時の取り組みとして、年に2回の話し合いの場をもつとしているが、具体的にどういう時に開くのか。いつ開催するか決めているのか。

入内島危機管理室長
 締結したばかりであり、まだ決めていないが、最低2回は開催したいということである。

酒井委員
 福島第一原発事故の収束に向けた情報等も必要であると思うが、東電側からの報告事項に入っているのか。

入内島危機管理室長
 停止中であるが、状況や対応策を説明してもらうことになっている。

(10)安定ヨウ素剤の備蓄について

酒井委員
 県として安定ヨウ素剤を備蓄するべきと思う。排出者責任として東電が各支店に備蓄する働きかけをするべきと思うがどうか。

高橋保健予防課長
 昨年10月に原子力安全規制委員会が定めた原子力災害対策指針(案)の中では、安定ヨウ素剤については、半径5キロ圏内の住民に限って事前配布を提言している。備蓄している安定ヨウ素剤をどのタイミングで供給したり、服用するよう指示するかで効果が違ってくる。また、少ないとはいえ副作用もあることから、どういった範囲で供給するか検討した結果5キロ圏内としたと聞いている。本県は、最も近い原発から5キロ以上離れていることから備蓄はしていない。今後、被害想定範囲が拡大され、避難計画を策定するようになった場合は備蓄を考えていきたい。

酒井委員
 松本市では市長の判断で全市民分を、また、岐阜市では17万人分の備蓄を完了した。岐阜県でも、25万人分の安定ヨウ素剤を独自で購入する予定ということである。本県でも検討してもらいたいと思うがどうか。

高橋保健予防課長
 岐阜市では40歳未満の者17万人に対して安定ヨウ素剤を供給できるよう備蓄を行っている。配布方法については、原子力規制委員会の新基準を待ってからということである。本県における備蓄や配布方法については、原子力規制委員会の新基準の策定を待ってから検討する。

(11)副読本等の改訂について

酒井委員
 理科的な側面だけでなく、社会的な側面についても原発事故による影響も教えていくことが必要と思うが、副読本の改訂は考えているか。

堀澤義務教育課長
 副読本の改訂については、文部科学省は来年度改訂する予定であると聞いている。

酒井委員
 県独自の補足資料を使ってみて、先生の意見なども反映しつつ改訂する必要があると思うがどうか。
堀澤義務教育課長
 補足資料については、昨年秋に配布したものであり、現在のところ改訂する予定はないが、各学校での使用状況や課題等を踏まえ、必要があれば改訂や新たな資料の配付を検討したい。

(12)公共施設に対する除染の進捗状況等について

小川委員
 報道では、学校施設の除染は済んでいるが、公園やスポーツ施設や森林の除染がすべて終わっているわけでないということであった。現在の除染作業の進捗状況と予定を伺いたい。

青木環境保全課長
 県内の北部を中心に12市町村が国の汚染状況重点調査地域の指定を受けた。このうち、みなかみ町及び片品村については昨年12月に指定解除となった。安中市は、調査の結果、線量が低かったと聞いている。残りの市町村について、国の調査では、学校・保育園は100%、公共施設についてもほぼ除染が終了したと聞いている。

小川委員
 県として今後の予定を把握しているか。

青木環境保全課長
 今後の予定としては、24年度中に9市町村のうち4市町村が除染終了予定、25年度に3市、26年度に1村、28年度までに1村が除染終了予定である。

小川委員
 公共施設やスポーツ施設などで除染予定の施設があると思うが、除染済みの施設と今後除染予定の施設が分かるようにしてほしいがどうか。

青木環境保全課長
 市町村毎には周知や説明をしていると思うが、県としても市町村から情報をいただいて周知できるよう努めたい。

(13)除去土壌の適正管理について

金子委員
 学校で除染された土壌が、校庭の隅に仮置きされている。指定廃棄物に比べれば放射線量は低いが、現状についてどのように認識し、また、今後の対応を県としてどのように考えているか。

青木環境保全課長
 除去土壌については最終処分場の方針が国から出されていない。一部の仮置き場の確保が間に合わないところでは、現場で保管されているが、現場保管であっても、国のガイドラインによって基準が定められており、県内市町村ではその基準に合った保管がなされている。県としても仮置き場に移行できるよう市町村の後押しをしていきたい。


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