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食肉衛生検査所 小見 明華
掲載内容については、平成31年3月現在の情報です。
国内でと畜処理される家畜(牛、豚など)や家きん(鶏など)は、都道府県の公務員獣医師が全ての検査に関わり、合格となった肉のみが市場に出回ります。現在配属されている食肉衛生検査所では、獣医師が30名以上勤務しており、と畜検査員や食鳥検査員として検査業務にあたっています。また、管轄すると畜場や食鳥処理場に対して、衛生指導や輸出検査業務も行っています。
年度 | 所属 | 説明 |
---|---|---|
平成28年度 | 現所属 | 「1 現在の仕事」のとおり |
現所属に勤務して魅力だと思うことは、牛、豚、鶏の3種類の動物を検査できるところです。都道府県によっては、必ずしも3種とも関われるわけではないようです。また、本県での1日あたりのおよその検査頭数は、牛は100頭、豚は2,000頭、鶏は2万羽と、各と畜場や処理場の規模が大きいため、そのぶん、珍しい症例を発見する機会が多いです。珍しい疾病や、よくある疾病でも珍しい病態をとる症例など、見つける度に精密に検査し、文献等で勉強できるため、仕事の場であると同時に学びの場でもあります。職場内には経験豊富な先輩獣医師がたくさんいるので、すぐに質問できることも魅力です。そして、安全・安心な食肉を提供するため、1頭1頭、1羽1羽を見逃しのないよう責任を持って検査しなければならず、そこにやりがいを感じています。
上司や先輩職員がとにかく若手職員に優しいと感じています。もっと厳しく、ビシバシ指導を受けると思っていましたし、実際にそういった面ももちろんありますが、勤務年数に関係なくどの職員も同じように“群馬県職員”として見られるからこそ、職務を全うできるだけの知識、技術、考え方を身に付けられるように、とても丁寧に、そして親身に教えてくれます。現在入庁3年目ですが、初めての事態や症例を経験したときには所属の上司や先輩方にはもちろん、退職された大先輩に相談に乗ってもらうこともあります。
知識・技術の面ではまだまだ未熟で経験も浅いため、先輩に少しでも近づけるよう、自分を成長させたいと思っています。そのために、苦手意識のある微生物検査や調査研究にも挑戦したいです。また、個人的には食育に興味があり、鶏の解体工程を見せる校外学習を行っている学校もあることから、未来を担う子どもたちに「食肉」に興味を持ってもらい、生命をいただいて成長していることや、おいしくて安全・安心な食事を楽しむ素晴らしさを伝える仕事を、いつかできたらいいなと考えています。
地元で働きたい、そして、地元の役に立ちたいと思ったからです。群馬県内でも、いくつかの市では獣医師の募集がありましたが、群馬県職員を志望したのは、食肉衛生検査所を例に取ると設置以降40年以上にわたって過去のデータが蓄積されており、獣医師も多く在籍し、たくさんの知見を得られるため、より勉強になると考えたからです。また、県であれば配属先が農政部と健康福祉部の二部門あり、さらに、その中でもいくつかの職場があることから、より自分に合った仕事が見つかるのではないかと思いました。
民間の臨床獣医師と比べ、公務員獣医師がどのような仕事をしているのか、具体的なイメージがなかったので、業務の幅が広い県職員として自分はどんなことをやりたいのかを考えました。特に面接試験では、より具体的な意見が言えるように、県職員の仕事について大学の先生や先輩に聞くなど、準備しました。
受験に当たり、試験勉強はもちろん大切ですが、群馬県が大好きな気持ちを大きく膨らませることがモチベーションの維持にも繋がると思います。地元の人でもそうでない人でも、とにかく群馬県が大好きな人と一緒に仕事をしたいです。群馬県でお待ちしています。
安全・安心な食鳥肉を提供するため、一羽一羽検査します