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西部児童相談所 阿佐美 由貴
掲載内容については、令和2年3月現在の情報です。
児童本人やその保護者から寄せられる、児童に関する相談の業務を行っています。内容は、障害相談や虐待対応、養育相談、非行相談等と多岐にわたります。
こうした相談のなかで、児童との面接や行動観察、心理検査等を通じて心理判定を行ったり、実際に支援として心理療法を行ったりしています。そうした関わりから、児童の支援について助言したり、児童が生活しやすくなる方法を一緒に考えたりして、生活支援につながるようにしています。
年度 | 所属 | 説明 |
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平成27年度 | 東部児童相談所 | 児童の療育手帳判定や心理判定の業務を通じて、心理職に求められるアセスメント力を養いました。また、心理療法や心理教育の業務のほか、デイキャンプ(野外活動等を通して、小集団で児童の生活指導を行う)の担当もしました。 |
平成30年度 | 現所属 | 「1現在の仕事」のとおり |
児童相談所に寄せられる相談は様々です。実際に対応するなかでは、こちらの意図が十分に伝わらなかったり、また、時には意見が一致しなかったりと、一筋縄ではいかないこともあります。ケースによって状況は変わるので、一人ひとりの児童とそのご家族にあった支援や対応を考えて取り組まなければなりません。苦労はありますが、自分の言葉が児童や保護者によい影響を与え、少しずつでも良い生活が送れるようになることは、仕事のやりがいになっています。
また、群馬県では、心理職の職員が複数いる職場が多いので、業務のなかで相談しやすい環境だと思います。また、心理職の職員で集まり、研修をすることもあります。職員同士で意見交換をしたり、新しい技術を学んだりできる貴重な時間です。学んだことを実際に業務に取り入れることもできるので、心理職としてのスキルアップができると思います。
この仕事に携わる前は、公務員の仕事のイメージとして、黙々と業務に取り組む印象がありました。実際には、児童相談所の職員同士で連携しながら業務を進めており、何度も話し合いを行うなど、職場の雰囲気は活発です。業務内容から、堅い印象を持たれがちですが、職員は明るく、気さくな人が多いと思います。
問題が起こる前に、予防的に正しい知識や情報を伝えておくことで、未然に防げることがあるのではないかと考えています。相談内容にもよるので、全てのケースに言えることではないのですが、何か問題が起こった時だけでなく、問題が起こる前に予防的なアプローチを行うことも一つの方法なのではないかと思っています。
学生時代に学んだことを仕事に生かしたいという気持ちがあり、児童相談所の嘱託職員になりました。嘱託職員として1年間勤務した経験から、さらに幅広く業務に携わりたいと思ったことが志望したきっかけです。勤務しながら、児童相談所の仕事の様子や雰囲気を知っていたことも、志望の後押しになったと思います。
面接試験対策として、県で取り組んでいること(福祉領域や子育てに関する施策、業務内容等)や児童虐待の対応等について調べました。その上で、自分が何に関心があるのか、どんなことをしてみたいのかを整理して本番に臨みました。
全国的に、児童相談所の虐待対応件数が年々増加しており、大変な仕事というイメージを持たれるかもしれませんが、群馬県の将来を担う子どもたちの支援をしていくことは、とても意味のあることです。うまくいかないことももちろんありますが、子どもたちの成長を見ると、子どもたちの潜在的な力を感じずにはいられません。子どもたちが、より健やかに成長するためには、大人の気づきと支えが必要です。
私自身、心理職としての経験が少ないなか、上司や先輩の力を貸してもらいながら、今日までやってきました。同じような不安を持っている方でも、自分の気持ち次第で成長できると思います。
検査をしながら児童の行動も観察します