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一倉 史人さん

更新日:2023年8月1日 印刷ページ表示

一倉 史人 さんの画像

所在地 北群馬郡榛東村

受賞年度 令和2年度
成形不良の発生メカニズムや抑制方法の考案、成形技能を医療に活用した「樹脂製注射針」の開発など、プラスチック成形に関連した複数の特許を取得している。また、群馬県プラスチックス工業振興協会副会長及び各種委員会長を務め、県内プラスチック産業の生産性向上、後進指導育成に尽力している。


プラスチック成形工 一倉 史人 さん

プラスチック成形工

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父親が先代社長である影響もあり、幼い頃からものづくりに親しみ、自らも同じ道に進んだ。プラスチックの成形不良は金型に起因するものが多く、金型に関する知識を身に付けたいと、金型メーカーで金型の設計・製造業務に従事した。その後、株式会社一倉製作所に就職し、現在は2代目の代表取締役社長を務めている。どのように成形不良が発生するのか、どうしたら防ぐことができるのかという観点から、群馬産業技術センターと共同で研究を進め、「成形不良の抑制方法」「監視装置付きの金型」等について特許を取得している。

世界初の微細成形

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株式会社一倉製作所では、世界初となる樹脂製マスカラブラシの射出成形に成功した。ブラシの先端形状はφ0.2mmと非常に細く、使用者の使いやすさを第一に開発されたものである。この先端形状を実現するために、金型内の空気を逃がすように高温高圧のプラスチック樹脂を充填し、割れないように金型から取り出す工程について、開発段階で何度も試行錯誤を重ねたと語る。

樹脂製注射針の開発

樹脂製注射針の開発の画像

一倉さんは、群馬産業技術センターと共同で、シリンジと針が一体になった樹脂製注射針の開発を進めている。通常の注射針は、使用後に針とシリンジを分別して廃棄するため、針刺し事故による感染のリスクがあるが、樹脂製注射針は、針とシリンジが一体になっており、針とシリンジを分別せずにそのまま捨てることができるため、針刺し事故による感染のリスクが軽減されている。また、針先には複数方向に穴が開いており、そこから薬液が複数方向に流れ出るため、広範囲への薬液注入が可能になっている。現在は、早期実用化に向けて、より強度が高い樹脂で成形できないかを研究している。一倉さんは「製品を作るなら、プラスチックならではのものを作りたい」と語る。

プラスチック業界の人材育成

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一倉さんは、群馬県プラスチックス工業振興協会の副会長を務めており、セミナーや勉強会を通じた後進の指導育成など、県内のプラスチック業界を盛り上げていこうと活動している。また、社内で外国人技能実習生を受け入れているほか、平成17年よりプラスチック成形職種の県技能検定委員を務め、技能検定の適正かつ円滑な実施に貢献している。

若手技能者に向けてのメッセージ

若手技能者に向けてのメッセージの画像

  • 失敗を恐れずに、自分からチャレンジする機会を大切にしてほしい。
  • 時には五感を使いながら、ものづくりの本質を学んでほしい。
  • 分からないことは周りの人に聞いたり、調べたりするなどして、貪欲に知識を吸収していってほしい。

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