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畜産GAPがはじまりました
更新日:2019年4月1日
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GAPとは
- GAP(Good Agricultural Practice)は「農業生産工程管理」と訳され、農業生産を行う上で、「食品安全」「環境保全」「労働安全」の視点から、生産活動における遵守すべき法令やリスクについて認識し、適正な、良い農業を実践していく取り組みのことです。
- 農産分野では、以前から取り組みが行われていますが、畜産分野でも約10年遅れて、平成29年3月に認証基準(JGAP家畜・畜産物)が公表されました。
- 2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおける食料の調達基準が策定され、畜産物はGAPの第三者認証を取得した農場で生産されることが要件とされたことから、取り組みへの気運が高まっています。
畜産GAPについて
畜産物の生産において、最も重要なことは、食品としての安全を確保することです。畜産GAPでは「食の安全」に加えて、「家畜衛生」、「農場運営」、「環境の保全」、「労働の安全」、「人権の尊重」、「アニマルウェルフェア」を確保するための取り組み状況を記録簿や掲示物によって「見える化」しながら、点検と改善を続けることで、畜産物の安全を確保し、より良い持続可能な畜産物の生産体制を築くことを目指します。
期待できる効果
畜産GAPに取り組むことで、以下のように、経営の改善効果が期待できます。
- 従業員の自主性の向上
- 販売先への信頼確保(営業のしやすさ)
- 資材の不良在庫の削減
- 生産及び販売計画が立てやすくなる
- 品質(等級や規格)の向上
畜産GAPの取り組みのステップ
ステップ1:基本の整理整頓から
皆さんがこれまでにも取り組んできた「整理整頓」や「生産履歴の記帳」などの取り組みが、GAPの基本となります。
ステップ2:チェック項目に従って、農場内を点検
JGAPやGAP取得チャレンジシステムなどのチェック項目に沿って、点検しましょう。まずは、(公社)中央畜産会のホームページから入手できるチェックシートでの点検をおすすめします。チェックシートのチェック項目と内容は以下のようなものです。
- 家畜衛生・食品安全
(専用の作業服、履き物などの着用、農場・畜舎への出入りの制限など) - 環境保全
(適切な家畜排せつ物の処理・保管、利用の促進、代替敷料利用として戻し堆肥の利用など) - 労働安全
(機械・設備の点検・整備、作業安全用の保護具の着用、事故防止の作業手順書作成など) - 人権保護
(労働者との意見交換、技能実習生の作業条件遵守など) - 農場経営管理
(責任者の配置、教育訓練の実施、内部点検の実施など) - アニマルウェルフェア
(快適性に配慮した家畜の飼養管理の実施など)
ステップ3:GAPの第三者認証を取りましょう
食品の安全性や持続可能性に配慮した取り組みを見える化し、取引先などにアピールするためには、第三者認証の取得が効果的です。畜産では、NPO法人日本GAP協会が「JGAP家畜・畜産物」の認証制度を運営しています。認証を受けるためには、農場内の管理体制の明確化や、記帳の実施等、GAPの構築に向けた準備が必要となりますので、GAPの構築に知見のある指導員の指導を受けることが効果的です。また、認証を取得するには、一定の費用がかかります。