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議第3号議案

群馬県鳥獣被害対策の推進に関する条例

目次

 前文
 第一章 総則(第一条―第三条)
 第二章 責務及び役割(第四条―第六条)
 第三章 施策の推進(第七条―第十条)
 第四章 雑則(第十一条―第十三条)
 附則
 群馬県は、利根川の源流域に位置し、尾瀬をはじめとする自然環境に恵まれ、多様な生態系を形成している。この豊かな自然環境と調和を保ちながら、県内では、多種多様な農産物が生産され、県土の三分の二を占める森林においても、木材資源の活用が進められてきた。
 しかしながら、特定野生鳥獣の生息数の増加や生息域の拡大は、過疎化・高齢化による中山間地域の活力の低下と相まって、農林水産業に対する被害を助長させ、生産者の意欲の低下による耕作放棄地等の拡大につながり、そのことが、生息数の増加と生息域の拡大につながる連鎖を引き起こしている。
 また、尾瀬におけるニホンジカによるミズバショウの食害や湿原の踏み荒らしなど、本県の生態系にも深刻な影響を与えている。更に、これまで生息が確認されなかった地域や市街地にも特定野生鳥獣が出没し、人身被害の発生や感染症拡大の原因ともなり得ることなどから、鳥獣被害対策は特定の地域に留まらず県全体の課題となっている。
 ここに、県、市町村、県民及び関係団体が協働して鳥獣被害対策に取り組み、野生鳥獣と共存する地域づくりを進め、安全で安心な生活を確保できる良好な生活環境と活力ある地域社会を実現させることを決意し、この条例を制定する。

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、鳥獣被害対策の推進に関し、基本理念を定め、県の責務及び県民等の役割を明らかにするとともに、鳥獣被害対策に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な事項を定めることにより、野生鳥獣と共存する地域づくりを進め、県民の良好な生活環境の確保及び活力ある地域社会の実現に資することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 特定野生鳥獣 ニホンジカ、イノシシ、ニホンザル、カワウ等の県民の人身、農林水産業、生活環境又は生態系に被害を発生させている野生鳥獣をいう。
二 鳥獣被害対策 特定野生鳥獣の適正管理及び農林水産業に係る被害等の防止のための施策並びにこれらに係る調査研究をいう。
三 適正管理 県民の生命及び身体の安全、農林水産業に係る被害の防止、良好な生活環境の確保又は自然環境の保全を図る観点から、特定野生鳥獣の生息数を適正な水準に減少させ、又はその生息地を適正な範囲に縮小させることをいう。
四 有効活用 捕獲等(捕獲又は殺傷をいう。以下同じ。)をした特定野生鳥獣を自然の恵みとしてできる限り有効に活用することをいう。
五 関係団体 鳥獣被害対策に資する取組を行う団体をいう。

(基本理念)

第三条 鳥獣被害対策は、本県の多様な自然及び生態系、農林水産業並びに地域の暮らしを特定野生鳥獣の被害から守ることにより、県民の良好な生活環境を将来にわたって確保することが地域社会の活力の向上に重要であることに鑑み、県、市町村、県民及び関係団体の協働により、総合的かつ計画的に行うものとする。
2 鳥獣被害対策は、特定野生鳥獣の生息状況、農林水産業に係る被害の発生状況その他の状況を把握し、基本方針を定めるとともに、地域の特性に応じた持続的かつ実効性のある方法により推進するものとする。
3 鳥獣被害対策は、生物の多様性に及ぼす影響に十分配慮して行うものとする。
4 鳥獣被害対策は、有効活用による新たな付加価値を生み出す取組が地域社会の活力向上に重要であることに配慮して行うものとする。
5 鳥獣被害対策の推進に当たっては、鳥獣被害対策の重要性に対する県民の理解を促進するとともに、県民の理解を得ながら行うものとする。

第二章 責務及び役割

(県の責務)

第四条 県は、前条の基本理念にのっとり、鳥獣被害対策を総合的かつ計画的に実施するとともに、広域的かつ専門的な取組に円滑に対応するため、必要な体制を整備するものとする。
2 県は、鳥獣被害対策を推進するに当たり、必要に応じて専門的知識を有する者からの助言を得るとともに、大学及び研究機関と連携協力して、調査研究を行うものとする。
3 県は、鳥獣被害対策を推進する上で市町村が果たす役割の重要性に鑑み、市町村との緊密な連携を図るとともに、市町村に対し、情報の提供、技術的な助言その他必要な支援を行うものとする。
4 県は、鳥獣被害対策には特定野生鳥獣の生息状況及び農林水産業に係る被害の発生状況等に応じた広域的な対応が必要であることに鑑み、国、隣接県、市町村、県民、関係団体等と連携協力するものとする。

(県民の役割)

第五条 県民は、鳥獣被害対策に関する理解を深めるよう努めるとともに、県、市町村及び関係団体による鳥獣被害対策の推進に協力するよう努めるものとする。

(関係団体の役割)

第六条 関係団体は、鳥獣被害対策に寄与する人材の育成、事故防止対策、情報の発信等に資する取組を行うよう努めるとともに、県及び市町村が実施する鳥獣被害対策の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

第三章 施策の推進

(捕獲等従事者の確保及び適正管理の推進)

第七条 県は、特定野生鳥獣の適正管理を推進するため、次に掲げる施策を実施するものとする。
一 特定野生鳥獣の捕獲等に従事する者の確保及び育成
二 特定野生鳥獣の捕獲等に係る専門的な知識及び技術の向上並びに事故防止のための対策の推進
三 特定野生鳥獣の生息状況等の科学的知見に基づいた適正管理の推進

(被害防止対策の推進)

第八条 県は、特定野生鳥獣による被害の防止を推進するため、次に掲げる施策を実施するものとする。
一 特定野生鳥獣の生息状況、農林水産業に係る被害の発生状況等の地域の特性に応じて地域住民が一体となって取り組むことができる被害防止対策
二 前号の対策を推進するための人材の育成

(有効活用の推進)

第九条 県は、有効活用を推進するとともに、食関連分野その他の分野における付加価値の向上に係る調査研究及び情報発信を行うものとする。

(調査研究及び普及啓発)

第十条 県は、鳥獣被害対策を効果的に推進するため、次に掲げる施策を実施するものとする。
一 鳥獣被害対策に必要となる特定野生鳥獣の生息状況、農林水産業に係る被害の状況、生態系への影響等の必要な情報の把握
二 大学及び研究機関と連携協力した特定野生鳥獣の生息状況等の科学的知見の蓄積
三 特定野生鳥獣の捕獲後の適切な処理に係る調査研究
四 先端技術を活用した適正管理に係る調査研究
五 鳥獣被害対策の重要性についての県民への普及啓発

第四章 雑則

(顕彰)

第十一条 県は、鳥獣被害対策の推進に関して顕著な功績があった者に対し、顕彰するものとする。

(財政上の措置)

第十二条 県は、鳥獣被害対策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるものとする。

(公表)

第十三条 知事は、毎年度、鳥獣被害対策の推進に関し講じた県の施策及びその実施の状況を公表するものとする。

附則

この条例は、平成三十一年四月一日から施行する。

提案理由

群馬県鳥獣被害対策の推進に関する条例を制定しようとするものである。

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