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大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項に関する指針

更新日:2011年3月1日 印刷ページ表示

大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項に関する指針(印刷用)(PDFファイル:93KB)

(平成19年2月1日経済産業省告示16号)

大規模小売店舗立地法は、大規模小売店舗が不特定多数の顧客を集め、大量の商品等の流通の要となる施設であり、また、生活利便施設として生活空間から一定の範囲内に立地するという特性を有することに着目し、大規模小売店舗の設置者(以下「設置者」という。)に対し特に周辺地域の生活環境の保持のため、その施設の配置及び運営方法について合理的な範囲内で配慮を求めるものである。

本指針は、設置者が大規模小売店舗立地法の届出に関し、大規模小売店舗の特性から、配慮することが求められている具体的な事項を示すものであり、設置者がその趣旨と内容を十分に理解するとともに、大規模小売店舗内の小売業者にも十分に周知し、協力を求めることが必要である。同時に、本指針は、大規模小売店舗立地法の運用に当たる都道府県、政令指定都市(以下「法運用主体」という。)はもとより同法の届出に係る大規模小売店舗の所在する市町村(以下「立地市町村」という。)、当該店舗の周辺地域の住民、事業者等(以下「地域の住民等」という。)にとっても、判断のよりどころになるものであり、これら関係者においても、本指針の趣旨、内容が十分に認識されることが不可欠である。

なお、本指針の内容は大規模小売店舗立地法の運用を行う上での基準を示すものではあるが、地域の事情は多種多様であることから、法運用主体が弾力的に判断し、運用を行うことが期待されているところである。その場合において法運用主体は、需給調整的な運用を行うことはもちろん、本指針の趣旨から合理的ではない負担を設置者に求めるようなことがあってはならず、また、運用の公平性、透明性が確保されるよう、地域の基準を予め明らかにすることが必要である。また、設置者及び小売業者は、小売業の地域密着型産業としての性質から、企業の社会的責任として、互いに協力し、周辺地域の生活環境の保持のために、本指針に基づき法的に配慮を求めていない事項についても、適切な対応を行うべきことは言うまでもない。さらに、設置者は、大規模小売店舗に小売店舗以外の施設が併設されている場合における小売店舗以外の施設(以下「併設施設」という。)の事業者においても同様の対応が求められている点に留意すべきである。

特に大型店の社会的責任の観点では、平成17年12月の産業構造審議会流通部会・中小企業政策審議会経営支援分科会商業部会合同会議の中間報告「コンパクトでにぎわいあふれるまちづくりを目指して」において、大型店の社会的責任の一環として、大型店がまちづくりに自ら積極的に対応すべきとされ、さらに事業者による中心市街地の活性化への取組について、「中心市街地の活性化に関する法律(平成10年法律第92号)」第6条に責務規定が定められた。このような動きを踏まえ、関係業界団体において、地域経済団体等の活動への積極的な協力、地域の防災・防犯への対応、退店時における早期の情報提供等、まちづくりへの貢献に関する自主ガイドラインの策定に取り組んできたところであるが、個々の事業者においても自主的な取組を積極的に行うことが強く期待される。

このうえで、「コンパクトでにぎわいあふれるまちづくり」を目指し、大型店だけでなく、法運用主体、立地市町村、地域の住民等その他の関係者が連携し、それぞれの立場から積極的な貢献を行い、まちづくりのための多面的、総合的、継続的な取組が推進されることを強く期待する次第である。

一大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき基本的な事項

  1. 設置者は、大規模小売店舗の立地地点の周辺の状況、都市計画及び中心市街地活性化基本計画等のまちづくりに関する公的な計画並びにそれらに基づく事業の趣旨及び内容について幅広く情報収集し、検討を行うべきであることは当然であるが、大規模小売店舗の立地に伴う周辺地域の生活環境への影響については、本指針の示すところにより、予め十分な調査・予測を行い、適切な対応を行うことが必要であり、特に、深夜に営業活動を行う場合、夜間の静穏な生活環境に対して大きな影響を及ぼすおそれがあることから、とりわけ慎重な対応を行うことが必要である。
    なお、この際に留意すべき事項や対応策の検討に当たって参照すべき事項は、二において定めるとおりである。
  2. 設置者は、上記1.により対応を行うこととした事項について、大規模小売店舗立地法の定める説明会においては、地域の住民等への適切な説明を行うことが必要である。説明会は、地域の住民等の多くが参加できるよう開催の場所及び日時等に配慮するとともに、説明の中では、1.で行われた周辺地域の生活環境への影響についての調査の結果等一定の対応策を講ずるに至った背景事情を含め地域の住民等の理解が十分に得られるような説明をするよう努めることが必要である。
  3. 設置者は、大規模小売店舗立地法の定める手続きを通じて述べられた法運用主体からの意見に対しては、誠意を持って対応し、その意見提出の背景となった生活環境上の問題の解消、軽減のため、合理的な措置を講ずるよう努め、また、その措置を講ずることとした理由又は講じないこととした理由について、データ等に基づく合理的な説明を行うよう努めることが必要である。
  4. 設置者は、大規模小売店舗立地法の定める手続きの中で講ずることとした対応策については、誠実に実効ある措置を講ずることが必要である。また、対応策の内容によっては、設置者のみならず、大規模小売店舗内の小売業者、小売業者以外の事業者等関係者による対応が必要な場合が想定されるが、こうした事項について、設置者は、施設の管理規程や契約書等に明記するなどにより関係者に十分周知し、履行確保のための必要な措置を講ずることが必要である。こうした責任ある対応を図るという観点から、設置者、設置者の委託等を受けた施設の管理者、小売業者、小売業者以外の事業者等においては、一体となって周辺地域の生活環境の保持のための対応が継続的かつ着実に行われることが必要であり、責任者を任命することによって、これを監督・管理する体制を整備することが望ましい。
  5. 大規模小売店舗立地法に定める手続きは、大規模小売店舗の開店若しくは施設変更等に先だって行われるものであるが、開店若しくは施設変更等の後においても、設置者は、当該店舗が周辺地域の生活環境に与える影響について十分な注意を払うことが必要である。特に、届出時に対応策の前提として調査・予測した結果と大きく乖離があり、対応が著しく不十分であった場合には再調査・再予測を行い、それに応じ、追加的な対応策を講ずるよう努めることが必要である。また、年末や売り出しの時期、大規模小売店舗の開店時等来客や商品等の搬出入が特に頻繁になる時期においては、大規模小売店舗立地法に基づいて講ずることとした通常時の措置に加えて必要な措置を講ずるなど適切な対応を図ることが望ましい。

二大規模小売店舗の施設の配置及び運営方法に関する事項

1 駐車需要の充足その他による大規模小売店舗の周辺の地域の住民の利便及び商業その他の業務の利便の確保のために配慮すべき事項

大規模小売店舗における営業活動に伴って生ずる来客及び商品等の搬出入によって周辺地域において混雑等が生じ、地域の住民の生活の利便が損なわれたり、若しくは周辺で営業活動を行っている商業者等の事業者の業務上の利便が損なわれる場合がある。設置者は、施設の配置や運営に当たってはこうした生活環境上の問題を回避又は軽減することにより、地域の住民等の利便を確保するよう十分な配慮を払うことが必要である。このため、設置者は以下のような事項について配慮を行うこととする。

(1)駐車需要の充足等交通に係る事項

設置者は、駐車需要の充足その他地域の住民等の利便の確保を図るため、必要な措置を講じるものとする。その際、大規模小売店舗に小売店舗以外の施設が併設されている場合には、施設全体として必要な措置を講じることが期待されている旨留意しなければならない。

以下に示した事項は、設置者が自らの判断と負担において対応を検討すべき項目を示したものであり、地域の住民等の交通上の利便の確保を図るためには、道路、交差点等インフラの整備状況や信号調整等の交通規制の状況も踏まえて設置者としての対応策を検討することが必要である。このほか、大規模小売店舗の立地により新たな渋滞の発生が予測される場合等には、関係する地方公共団体や道路管理者・公安委員会において都市計画の見直しや付加車線の設置、信号設置、信号現示の調整等が必要となる場合もある。したがって、設置者は、大規模小売店舗立地法に基づく以下の対応策を検討するとともに、併せて道路管理者、公安委員会等の関係機関との間で関連する法令に係る所要の調整を行うことがあり得ることに留意しなければならない。

なお、上記の調整により、インフラの整備や交通規制が予定されている場合には、地域の住民等にとって、交通対策が十分であるか否かは、これらの実施状況を含めて判断されるものであることに留意しなければならない。また、設置者はこのような検討の基本となる周辺の交通状況に関するデータ等を含め、設置者としての取組の全体像を地域の住民等に対して充分に説明することが必要である。さらに、大規模小売店舗の立地により新たに発生する来客の自動車の交通が周辺道路における交通に著しい影響を与えるおそれがあると見込まれる場合には、設置者は、駐車場の分散確保、経路の設定等講じようとする以下の対応策の事前評価を行うため、立地後の交通流動を予測することが必要である。

なお、市街地再開発事業等大規模小売店舗の周辺における交通対策を含めた総合的な計画に基づいて店舗計画が立てられる場合には、そうした総合的な計画を踏まえて各種措置を講ずるものとする。

〔1〕駐車場の必要台数の確保

設置者は、年間の平均的な休祭日(平日の来客数が休祭日よりも多くなる大規模小売店舗においては来客数が最大となる当該曜日)のピーク1時間に予想される来客の自動車台数を基本として、以下の計算式により必要な駐車台数を確保(借上げ、公共駐車場の利用等を含む。)するものとする。

なお、これは、大規模小売店舗が立地する地域において、駐車場整備計画等による包括的な駐車場の整備によって、当該店舗分を含む駐車需要が既に充足されており、かつ、将来にわたって充足されると見込まれる場合にまで、設置者が必要な駐車台数を別に確保することを求めるものではない。

「必要駐車台数」=「小売店舗へのピーク1時間当たりの自動車来台数」

×「平均駐車時間係数」

=「一日の来客(日来客)数(人)」(「A:店舗面積当たり日来客数原単位(人/千平方メートル)」

×「当該店舗面積」(千平方メートル))

×「B:ピーク率(%)」

×「C:自動車分担率(%)」

÷「D:平均乗車人員(人/台)」

×「E:平均駐車時間係数」

ここで、「ピーク率」とは(ピーク1時間の来客数)/(日来客数)、「自動車分担率」とは(自動車による日来客数)/(日来客数)とする。

「必要駐車台数」の算出に当たって、以下の点に留意することが必要である。

  • 来客のための駐車場を従業員の通勤用の車や店舗の業務用の車、商品等の搬出入の車と共有する場合には、設置者は、ピーク時の業務状況等を勘案しつつ、必要な駐車台数を追加すること。
  • オフィス、マンション、飲食店、銀行ATM、クリーニング、映画館、ボーリング場、ゲームセンター、温浴施設等の併設施設の利用者のための駐車場が小売店舗への来客用の駐車場と共用されるように設置される場合には、設置者は、本指針に示す考え方を参考に併設されている施設の利用者のための駐車台数を考慮して、「必要駐車台数」が確実に確保できるよう措置すること。
  • 公共駐車場を来客のための駐車場として利用する場合には、設置者は来客が実際に利用すると見込まれる駐車場を選定するとともに、当該公共駐車場の駐車収容台数、ピーク時における稼働率等、「必要駐車台数」が確実に確保できることの根拠となるデータを示すこと。
  • 積雪が多い地域において、来客のための駐車場の一部を雪の堆積場所として一定の期間にわたり利用する場合には、例えば、当該用途として占有されることとなる部分相当は駐車台数から控除する等「必要駐車台数」の確保に支障をきたさないこと。

上記の算出式中の各要素(A~E)については、以下の表に示す原単位等の値を基準とするものとする。ただし、法運用主体が交通対策の実施状況、自動車・公共交通機関等の利用状況等の地域の実情に応じ、本指針に定める自動車分担率等各原単位等の値とは別に、地域の基準を定め、予め公表している場合には、当該地域の基準を用いるものとする。例えば、「中心市街地の活性化に関する法律(平成10年法律第92号)」第9 条第10項に規定する認定基本計画において公共交通機関の整備が盛り込まれている場合にあっては、公共交通機関の利用率に応じて法運用主体が地域の基準を定めた上で、「必要駐車台数」の緩和を行うことが可能となる。

さらに、設置者は、以下に掲げるような特別の事情により各表の示す値若しくは上記の算出式又は地域の基準によることが適当でない場合は、既存類似店のデータ等その根拠を明確に示して他の方法で算出することができる。

なお「既存類似店」とは、店舗面積その他の店舗の特性、立地する地区の特性その他の地域の事情に類似性があり、かつ、店舗の開店等の時期が近時である大規模小売店舗をいう。また、「既存類似店のデータ等」とは、既存類似店の最近の状況を示したものであることが必要であり、可能な限り多くの店舗のデータ等であることが望ましい。

  • 市街地再開発事業等当該店舗の周辺における交通対策を含めた総合的な計画に基づいて店舗計画が立てられ、周辺地域における駐車需要の充足について充分な対応がなされる場合
  • シャトルバスの運行、パークアンドライド事業その他の公共交通機関の利用促進に関する事業への参加等により自動車による来客が減少することが見込まれる場合
  • 公的な交通計画により、都市の中心部への自動車の乗入れ抑制策が講じられており、自動車による来客が減少することが見込まれる場合
  • 自動車の乗入れが禁止されるなどにより当該店舗への自動車での来客が事実上見込めない若しくは極めて少ないと認められる場合
  • 大きな家具を主として扱う家具店、大きな工作用品や園芸用品を主として扱うホームセンター、自動車販売店のように店舗面積に比して1日に来店する客数が極端に少ない場合等当該店舗の特性により以下の日来客数原単位を用いることが著しく不適当な場合
  • 当該店舗の周辺地域における自動車の利用実態に照らして、来客の自動車分担率が以下の表に示す値では過小または過大である場合
A:店舗面積当たり日来客数原単位(単位:人/千平方メートル)
  商業地区 その他地区

人口40万人以上

1,500-20S(S<20)

1,400-40S(S<10)

人口40万人以上

1,100(S≧20)

1,000(S≧10)

人口40万人未満

1,100-30S(S<5)

1,100-30S(S<5)

人口40万人未満

950(S≧5)

950(S≧5)

注1)Sは店舗面積(千平方メートル)

注2)「人口」とは、立地市町村の行政人口をいう。(「C:自動車分担率」について同じ。)なお、東京都の特別区内に当該店舗が存在する場合は、「日来客数」については「人口40万人以上」の、「自動車分担率」については「人口100万人以上」の原単位を用いるものとする。

注3)「商業地区」とは、用途地域における商業地域、近隣商業地域及び商業機能の増進を目的とする特別用途地区を、「その他地区」とはそれ以外の地域をいう。ただし、当該店舗が立地する地点の公共交通機関利用者の利便性、周辺地域の商業集積の状況や土地利用状況等から判断して、これによることが適当でないと認められる場合は、法運用主体と協議して、用途地域上は商業地区に該当する場合であってもその他地区として取り扱うものとする。(「C:自動車分担率」について同じ。)

ピーク率
B:ピーク率 14.4%
C:自動車分担率(単位:%)
  商業地区 その他地区

人口100万人以上

7.5+0.045L(L<500)

50

人口100万人以上

30(L≧500)

50

人口40万人以上100万人未満

12.5+0.055L(L<500)

65

人口40万人以上100万人未満

40(L≧500)

65

人口10万人以上40万人未満

37.5+0.075L(L<300)

70

人口10万人以上40万人未満

60(L≧300)

70

人口10万人未満

40+0.1L(L<300)

80

人口10万人未満

70(L≧300)

80

注1)Lは駅からの距離(メートル)

注2)ここでいう「駅」は当該店舗への来客が鉄道を主要な公共交通手段として利用すると見込まれる場合における鉄道駅を指すが、地域の実情により、鉄道利用者が少なくバス等を主要な公共交通手段として利用すると見込まれる場合には、法運用主体と協議し、バスターミナル等バス路線が相当数集中する地点を「駅」として、上記の分担率を適用することができる。

D:平均乗車人員(単位:人/台)

店舗面積

乗車人員

10,000平方メートル未満

2.0

10,000平方メートル以上20,000平方メートル未満

1.5+0.05S

20,000平方メートル以上

2.5

注)Sは店舗面積(千平方メートル)

E:平均駐車時間係数(無単位)

店舗面積

駐車時間係数

10,000平方メートル未満

(30+5.5S)/60

10,000平方メートル以上20,000平方メートル未満

(65+2S)/60

20,000平方メートル以上

1.75

注)Sは店舗面積(千平方メートル)

なお、併設施設を含めた必要駐車台数の基本的考え方を参考に示す。

併設施設を含めた施設全体の必要駐車台数を勘案する場合には、併設施設の種類・規模等に応じ、さまざまなケースがあるため、一律の基準を示すことは困難であるものの、法運用主体と調整の上、下記イ又はロのいずれかの考え方で行うことも可能である。

イ.大規模小売店舗と併設施設の両方の施設を利用する場合には、小売店舗の必要駐車台数の算出式の平均駐車時間係数などに影響を及ぼす場合がある。しかしながら、駐車場の利用との関係では、それぞれ別の自動車の来客があった場合と同じとみなし得るため、両施設を利用する者については、併設施設を単独利用したものとみなし、利用者数や施設稼働率等から推察される併設施設の必要駐車台数を小売店舗の外数として算出する。

ロ.併設施設を含めた必要駐車台数については、下記a.からc.の併設施設の種類に応じた考え方や数値を目安として必要な駐車台数を推測し、複数の種類に属する施設等がある場合にはそれらの必要駐車台数を合算して、併設施設を含めた必要駐車台数を算出する。

併設施設の種類毎の考え方は以下のとおりである。

a.オフィス、マンション等併設施設の利用者を小売店舗利用者とは独立して考えられるような併設施設の場合
施設毎にある程度利用者が特定されるため、当該施設の規模等に応じて併設部分の必要駐車台数を算出する。

b.飲食店、銀行ATM、クリーニング、映画館、ボーリング場、ゲームセンター、温浴施設等併設施設が小売店舗の集客に影響を与える蓋然性を有する併設施設の場合
当該施設の面積の合計が当該小売店舗の面積の2割を超えない範囲である場合には、当該小売店舗の必要駐車台数の算出式により算出された「必要駐車台数」の内数として考える。
2割を超えた場合について、参考までに試算すると、小売店舗の必要駐車台数の算出式により算出された「必要駐車台数」に併設施設の割合に応じ、下記に示す比率倍の必要駐車台数を整備することが最低限の目安となる。

併設施設の割合・指針値との比率式

併設施設の割合

指針値との比率式(X:併設施設の割合%)

20~50%

0.010X+0.80

50~80%

0.008X+0.90

80%~

0.002X+1.38

注1)併設施設の割合が小売店舗より過大になる場合には、設置者が併設施設の事業者の協力を得て、必要駐車台数を考慮する必要がある。

注2)併設施設の中に、併設施設のみへの来客の割合が大きい施設がある場合又は増設によってそのような施設が追加される場合には、併設施設の面積の割合にかかわらず、当該来客用の駐車台数について留意する必要がある。

注3)必要駐車台数を整備する場合には、設置者は、併設施設の事業者と具体的な駐車場の設置方法等について調整する必要がある。

c.小売店舗以上の集客力を有する併設施設と一体となっている場合(小売店舗が大規模なアミューズメント施設や博覧会施設の一部であるような場合)

主たる施設についての必要駐車台数の根拠等を基に必要駐車台数を判断する。

〔2〕駐車場の位置及び構造等

〔1〕により必要駐車台数が確保された場合においても、駐車場の位置、構造等の在り方によっては公道における駐車場への入庫待ち行列が発生し得ることから、設置者は、これを最小限のものとするため、大規模小売店舗付近における交通の現況及び予測される来客の自動車台数に基づいて、以下の対応策を講ずることが必要である。

具体的には、効率的な駐車場形式の選択、敷地内における入庫待ちスペースの確保、出入口の数及び位置の調整、駐車場の分散、駐車場出入口付近での交通整理、歩行者等との動線の分離等の措置を合理的に選択し、必要に応じ組み合わせて実施することが必要である。

なお、大規模小売店舗において小売店舗以外の施設が併設されており、その施設の利用者の自動車台数が相当数見込まれる場合であって、その施設への来客の自動車のための出入口が小売店舗への来客の自動車のための出入口と共用されるときは、その自動車台数も考慮して必要な措置を講ずるものとする。

イ.効率的な駐車場形式の選択及び駐車場の出入口の数、位置

設置者は、出入庫が周辺道路の交通に及ぼす影響を最小限にとどめるよう配慮することが必要である。具体的には、設置者は、来客の自動車の方向別台数を予測し、交通整理員の配置や経路設定等も勘案した上で、駐車場出入口の数及び位置を設定し、各出入口における入庫処理能力がピーク1時間に予想される来客の自動車台数を上回るような駐車場形式を選定することが必要である。また、駐車場の出入りは左折を原則とし、駐車場内及び出入口においては入庫車、出庫車、自転車、歩行者等の動線を分離することにより円滑な出入庫や駐車が可能となるよう配慮することが必要である。この際、歩行者等の安全や駐車場からの排気ガス等についても配慮し、また、閑静な住宅街に面して極力出入口を設けないなど近隣の住民等への騒音についても十分な配慮を行うものとする。

なお、駐車場の出入口については、設置者は、駐車場法(昭和32年法律第106号)に基づく構造及び設備の基準が適用される駐車場を設置しようとする場合にあっては、これを遵守することは当然であるが、その他の場合にあっても、当該駐車場の出入口の位置は当該基準に則したものとなるよう努めるものとする。

入庫処理能力については、例えば、ゲート入庫処理時間は、メーカーより提供される1台当たりの処理時間に乗客の乗降時間等を加えたものとする。

参考までに、現存する代表的な駐車場方式による入庫処理能力を示すと、平面自走式駐車場(オペレータあり)は約8秒、垂直循環方式の機械式駐車場は約1分30秒である。

ロ.駐車待ちスペースの確保

また、イ.のとおり適切に措置された場合においても、一時的に一度に相当数の来車が集中して公道における入庫待ち行列が発生しないように、必要に応じ敷地内に必要な駐車待ちスペースを確保するなどの対応を行うことが必要である。必要となる標準的なスペースについては以下の計算式により算出することが可能である。

なお、駐車場の配置や構造等特別な事情があるときは、これを勘案して設定するものとする。

「各入口に必要な駐車待ちスペース」=(当該入口の1分当たりの来台数×1.6-当該入口の1分当たり入庫処理可能台数)×6(メートル:平均車頭間隔)

上記の駐車待ちスペースは、発券ブース等までの距離として確保されるものであり、自走式平面で発券ブース等がない場合については、駐車場内の車路等に必要なスペースが確保されればよいものとする。

ハ.駐車場の分散確保

駐車場の設置地点における物理的制約等によって十分な出入口数を確保できないなどイ.の方法によっては必要な時間当たり入庫処理能力を得ることができず、周辺道路において入庫待ち車両による新たな渋滞が発生するなど、周辺道路の交通に大きな影響が生じると予想される場合においては、設置者は適切な位置に複数の駐車場を設置する(借上げ、公共駐車場の利用等を含む。)ことにより、必要な入庫処理能力の確保を図ることが必要である。

具体的には、設置者は、当該駐車場入口の入庫処理能力、来客の自動車の方向別の台数予測、当該入口に面する道路、直近交差点及び周辺交通の状況から、発生する駐車待ち行列の長さ及び継続時間、駐車待ち車両に起因する交通の阻害や交通容量の低下による渋滞の発生見込み等を推定し、その結果、各駐車場周辺の道路の交通に明らかに大きな影響を与えると考えられる場合には、駐車場の分散確保を図るものとする。また、大規模小売店舗の所在する地方公共団体が駐車場の集約化、既存駐車場の有効利用等について駐車場整備計画等を策定している場合は、設置者は、駐車場の配置や運営方法を設定するに当たっては、こうした取組に協力することが必要である。

ニ.駐車場出入口における交通整理

自動車による来客が多数見込まれる場合においては、駐車場の出入口等来客の誘導若しくは交通安全上重要な地点に交通整理のための人員の配置を行うなど適切な措置を講ずることが必要である。同時に、近隣における違法駐車を抑止するという観点からも、適切な人員の配置が必要となる場合がある。必要な人数や配置場所は個別の店舗の立地場所、周辺の交通状況等によって異なり、また、自動車による来客の集中度に応じその必要性は変化するが、特に、相当数の自動車による来客が見込まれる時間帯においては、駐車場の出入口に整理員を配置するなどの措置を講ずることが必要である。

〔3〕駐輪場の確保等

設置者は、自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律(平成5年法律第87号)に基づき、大規模小売店舗の所在する地方公共団体により自転車駐車場附置義務条例が制定されている場合には、それに基づき適切な駐輪場規模を確保することは当然であるが、年間の平均的な休祭日(平日の来客数が休祭日よりも多くなる店舗においては来客が最大となる当該曜日)のピーク1時間に必要な駐輪場の収容台数を原則として店舗の敷地内に確保するものとする。

なお、駐輪場の収容台数については、業態、店舗規模、立地場所、近隣の自転車使用実態等により店舗ごとに相当程度差異があるため、一律に原単位等を定めることは不適当であるが、参考までに、自転車を利用する来客の割合が高いと考えられる商業地区における食品スーパー及び総合スーパーにおける現状の整備台数から試算すると、例えば、店舗面積3,000平方メートル 以下の店舗では、平均で店舗面積約35平方メートル当たり1台となっている。併せて、設置者は、駐輪場の利用の効率性を高め、来客による近隣における放置自転車を抑制する等の観点から、駐輪場を適切な位置に配置するとともに、適切な管理を行うものとする。なお、原動機付自転車については、自転車と一体として取り扱われていることが多く、同様の対策を講じることが期待されている。

〔4〕自動二輪車の駐車場の確保

設置者は、自動二輪車についても、年間の平均的な休祭日のピーク1時間に必要な駐車場を確保し、その場所を明示すること等の配慮を行うことが必要である。特に、自動二輪車の駐車需要が相当程度見込まれる大規模小売店舗にあっては、原則として、一定の区画を区分して、自動二輪車の駐車場を確保するよう努めるとともに、安全の確保への十分な配慮を行うものとする。

〔5〕荷さばき施設の整備等

イ.荷さばき施設の整備

設置者は、商品等の搬出入のための作業を行う間、搬出入車両が公道に駐車し一般の通行が妨げられることのないよう周辺交通の安全と円滑の観点から当該車両を駐車しておくスペースの位置について適切に配慮することが必要である。同時に、店舗の開店している時間帯においても相当数の搬出入車両がある場合においては、自動車を利用する来客の割合から見て問題がないことが明らかである場合を除いて、搬出入車両専用の出入口を設けるなどの対応が必要である。この際、搬出入車両の出入口は、出入庫による周辺道路の交通に及ぼす影響が最小限となるよう配慮するとともに、歩行者等の通行に支障がないように配慮して、その位置を設定することが必要である。また、荷さばき施設の規模や構造については、店舗によって大きく異なるが、想定される搬入商品の大きさ等を勘案し荷さばきに必要な作業スペースを確保するとともに、想定される搬出入車両の大きさ等に適合した幅、奥行き及びはり下の高さを確保することにより、搬出入車両を安全かつ円滑に駐車させ、出入りさせることができるものとすることが必要である。特に多くの搬出入車両が予想される場合には、荷さばき施設において複数車両の作業が並行して行われるよう、また、1台当たりの作業が十分に効率的に行われるよう工夫されることが必要である。荷さばき施設の規模は、その処理能力がピーク時の車両数による負荷を上回るよう設計されることが必要であり、処理能力は平均的な荷さばき処理時間と同時作業可能な台数から算出するものとする。

ロ.計画的な搬出入

搬出入車両による周辺道路の混雑は、計画的な搬出入を行うことにより回避又は軽減することが可能である。具体的には、搬出入車両が一定時間に集中することを回避すること、周辺道路の混雑状況に照らして比較的余裕のある時間帯に搬出入を行うこと等について必要な考慮を行うことが必要である。ただし、後述の騒音の発生について問題を生じないよう配慮することが必要である。また、複数の小売業者等が大規模小売店舗において営業活動を行う場合には、事業者相互が十分な連絡、連携を取ることが必要であり、設置者、管理者が適切な施設運営計画を示すなどの工夫が必要である。

一方で、こうした計画的運行を強調する余り、周辺道路等に時間待ちの搬出入車両が駐車することとなれば、本来の趣旨が損なわれるため、特に、一定以上の搬出入車両を利用することが見込まれる施設にあっては、上記イ.で予測した結果等をもとにして店舗の敷地内に荷さばき待ちの車両が駐車できるスペースを確保することが必要である。

〔6〕経路の設定等

設置者は、大規模小売店舗に向かう来客や事業者が、大規模小売店舗及びその施設に到着するまでに適切な手段や経路を選択できるよう、以下の措置を合理的に選択し、必要に応じ組み合わせて実施することが必要である。

イ.設置者は、来客の自動車が駐車場に到着するまでの案内経路を、以下のような点に配慮して適切に設定するとともに、案内表示の設置や交通整理員の配置を行うほか、掲示板、ビラ等を用いて混雑時間帯や経路等に関する情報提供を行うことが必要である。また、駐車場から出庫する来客の自動車が周辺道路の交通に大きな影響を及ぼすと予想される場合には、同様の考え方により、出庫してからの経路を設定することが必要である。特に、繁忙期にあっては、交通整理員の配置や自動車での来店自粛を呼びかけるなどの措置を講ずることが必要である。

  • 駐車場への経路が複数想定される場合においては、最も混雑の発生が小さくなるような経路を、自動車を利用する来客が選択することができるように設定すること。
  • 駐車場への経路が住宅地の生活道路や沿道に療養施設、社会福祉施設等が設置されている道路等静穏が要求されるような道路や歩道と車道が明確に区分されていない学校等への登下校ルートとなる道路や狭隘な道路を回避するようにすること。やむを得ず経路の一部がこうした道路を通る場合においては、登下校時間帯の通行を避けることや不用意なクラクション等による騒音を抑えること等を来客に呼びかけるなどの措置を講ずること。特に、深夜に営業活動を行う店舗における案内経路の設定等にあっては、これらについて、慎重な対応を要すること。
  • 駐車場への経路が右折を伴うように設定される場合には、来客の自動車による右折待ち渋滞等が発生しないようにすること。
  • 駐車場へは左折入出庫を原則とし、設置者は、来客の自動車が極力駐車施設へ右折入庫することとならないようにすること。ただし、右折を伴う来客の自動車が少数である場合や適切な右折用車線が確保されている場合等、周辺の交通状況に与える影響が少ないとき、若しくは、右折入庫することによる周辺道路の交通への影響が左折入庫することによる影響よりも過小である場合はこの限りではない。

ロ.設置者は、搬出入車両についても上記イ.と同様の視点から、大規模小売店舗内の小売業者と協力して、当該搬出入に係る事業者に対し、当該搬出入車両の運行による混雑が少なくなるような経路を選択するように働きかけることが必要である。また、特に、経路上に学校等が位置する場合等には、登下校時間の運行を避ける、交通整理員の配置により安全の確保を図るなどの配慮を行うことが必要である。

ハ.設置者は、店舗の敷地内に新たにバス、タクシー等のための停車場を設けることが必要な場合には、バス、タクシー等を停車させ来客を乗降させるためのスペースを確保するよう努めるものとする。

ニ.設置者は、大規模小売店舗が立地する地域において、当該店舗の所在する地方公共団体や公共交通事業者等の関係者がパークアンドライド事業その他の公共交通機関の利用促進に関する事業を行っている場合には、かかる事業の趣旨を踏まえ、こうした事業に可能な限り協力を行うことを検討することが必要である。具体的には、来客に対してこうした事業の情報を提供し、利用を働きかけるなどの対応を講じるほか、駐車場、荷さばき施設の配置、運営方法について、こうした事業の円滑な実施を阻害しないよう配慮することが必要である。

なお、大規模小売店舗において小売店舗以外の施設が併設されており、その施設の利用者の自動車用の駐車場出入口が小売店舗の来客の自動車用の駐車場出入口と共用されるように設置されることにより、案内経路が重複し、上記経路設定に大きな影響を及ぼす場合には、それについても考慮して上記の措置を講じるものとする。

(2)歩行者の通行の利便の確保等

大規模小売店舗の施設の構造によっては、それまで通り抜け可能であった通路が閉ざされ、歩行者等が迂回しなければならなくなる場合があり、周辺が商業地域である場合、周辺の商店等の顧客の通行の利便が損なわれる可能性がある。こうした点も考慮し、設置者は、従来の歩行者等の通行の利便や安全が損なわれるおそれがある場合若しくは当該店舗の所在する地方公共団体が策定する公的な計画に基づいて既に通行の利便や安全の確保のための事業が行われている場合においては、大規模小売店舗の施設の出入口の位置、敷地内の通路の位置等について適切な工夫を行うことが必要である。また、一般の歩行者等が主に通行する道路側に荷さばき施設を設けること等により通行の円滑が妨げられることのないよう十分に周辺の状況に配慮することが必要である。

店舗の閉店後においても、当該立地地点周辺の通過、通行の需要が高く、大規模小売店舗の立地によって従来と比較して夜間の通行に支障を来すおそれがある場合には、適切な夜間照明設備の設置等の配慮を行うことが必要である。

(3)廃棄物減量化及びリサイクルについての配慮

廃棄物の減量化やリサイクルを促進し、環境負荷の少ない循環型社会を形成することは、社会全体として求められている課題であり、特に小売業者は、循環型社会を構築する観点から、商品の製造事業者と消費者との接点として非常に重要な役割を担っている。このため、設置者は、大規模小売店舗内の小売業者と協力して、関係法令等の制定等による制度面での進展や、大規模小売店舗の所在する地方公共団体の施策との整合性に配慮しつつ、廃棄物の減量化及びリサイクル活動を推進するよう努めなければならない。また、かかる認識に立ち、設置者は、地域の住民等の意識を高めるために、設置者又は大規模小売店舗内の小売業者が「廃棄物減量化」及び「リサイクル推進」に資する活動等を関係法令に基づき又は自主的に実施する予定となっている場合においては、その内容について地域の住民等への情報公開を推進するものとする。

(4)防災・防犯対策への協力

大規模小売店舗は生活空間から一定の範囲に設置され、かつ比較的広大な敷地を有する施設であることから、設置者は、大規模小売店舗の所在する地方公共団体から災害時の避難場所として駐車場等敷地の一部の使用若しくは店舗で扱っている範囲の物資の緊急時における提供を行うための協定等について締結要請があった場合、必要な協力を行うこととする。また、大規模小売店舗は周辺の住居等から一定の範囲に立地し、夜間に営業活動を行う店舗も多いことから、特に深夜には周辺地域での防犯や青少年の非行防止の対策の一助としての協力が期待されているところであり、駐車場等への適切な照明の設置、警備員の巡回等の配慮を行うことが望ましい。その際、設置者は、併設施設における防犯・非行防止についても留意すべきである。

2.騒音の発生その他による大規模小売店舗の周辺の地域の生活環境の悪化の防止のために配慮すべき事項

大規模小売店舗における営業活動に伴って発生する業務音や廃棄物等は、施設の配置や運営方法によっては、地域の住民等の生活環境を悪化させる場合がある。設置者は、このような事態を回避するために以下のような事項について配慮を行うことが必要である。

(1)騒音の発生に係る事項

設置者は、大規模小売店舗の営業活動に伴い発生する騒音について、騒音の防止に関連する法令を遵守するとともに、周辺地域の生活環境の悪化を防止するための必要な配慮を行うものとする。

〔1〕騒音問題に対応するための対応策について

設置者は、大規模小売店舗内の小売業者と協力して、騒音の発生部位や騒音の種類に応じ、騒音の発生の防止又は緩和のために適切な対応策を講じなければならない。設置者は、対応策の検討に当たって、騒音の発生の時間帯、療養施設、社会福祉施設等の有無等の立地場所周辺の状況等地域の特性及び騒音関係法令における地域や時間の取扱い等に考慮しつつ、下記まるに において予測・評価した結果を踏まえるものとする。その際、深夜・早朝においては、特に、静穏な生活環境の保持を求められることに留意しなければならない。さらに、対応策について、地域の住民等の理解を得られるよう騒音の発生の防止又は緩和のために配慮した事項については、公表するように努めなければならない。

具体的には、以下のような対応策を合理的に選択し、必要に応じ組み合わせて実施することが求められる。なお、一般的には、施設の配置計画や建築計画における対応策は、運営面での対応策に比して騒音を低減させる効果が大きい点にも留意することが必要である。また、届出時に、下記まるにの画像において予測・評価した結果が、騒音発生源となる施設及び機器の経年劣化や施設の配置又は運営方法の変更等により、実態との間に著しい乖離を生じさせている場合には、それに応じ、事後の対策を講じるよう努めることが必要である。

イ.騒音問題への一般的対策

設置者は、施設の配置や構造の決定に際しては騒音の発生の防止又は緩和の視点からの配慮を念頭においてこれを行わなければならない。例えば、住居に面している方向には下記ロ.及びハ.に記載する騒音発生源となる施設及び機器を極力配置しないようにすること等の配慮が重要である。また、施設と低層の住居が隣接している場合等には遮音壁等を設置することや緑地帯を確保することにより住居との距離を確保することも有効な対策となる場合がある。一方、遮音壁は住居等からの視界を制約し、住居等の風通しや日照に影響を及ぼす可能性もあるので、必要に応じ近隣の住民等と調整した上で設置することを検討することが求められる。

ロ.荷さばき作業等大規模小売店舗の営業活動に伴う騒音への対策

a.荷さばき作業に伴う騒音対策

荷さばき作業は、大規模小売店舗になくてはならない作業であるが、特に深夜・早朝に行う場合には、夜間の静穏な生活環境に対して大きな影響を及ぼすおそれがあることから、騒音に対する十分な配慮が必要とされる。これらの騒音を低減する方策としては、次のような措置が挙げられる。

1)荷さばき施設の十分なスペースの確保による荷さばき時間の短縮、荷さばき施設の屋内化、作業場所の床の段差の回避、緩衝機能を有するクッション製の素材の採用若しくは内装面の吸音材の使用等による吸音・遮音等の施設建築計画面での配慮

2)荷さばき作業時間の特定、必要不可欠な場合を除いた荷さばき車両のアイドリングの禁止の徹底、低騒音型の荷さばき機器の導入の促進、作業人員への騒音防止意識の徹底等荷さばき作業時の運営面又は機器選択面での配慮

特に深夜・早朝における荷さばき作業については、大規模小売店舗にとって最も騒音上のトラブルが生じることの多い騒音発生源であることを認識し、設置者として地域の住民等の理解が得られるよう十分な対応を行うよう努めなければならない。

b.営業宣伝活動に伴う騒音対策

大規模小売店舗において、BGMの使用や営業宣伝やアナウンスを行う場合には、これらが地域の住民等にとって受忍を超える騒音とならないよう配慮することが必要であり、その対策としては、実施時間帯の特定及び音量の低減、拡声器等の配置場所における配慮等が挙げられる。

ハ.付帯設備及び付帯施設等における騒音対策

a.冷却塔、室外機等からの騒音

施設で用いる冷却塔、室外機等の設置に伴い、騒音が発生することがある。これらの機器を屋外に設置する場合の対策としては、機器周辺の遮音効果を高めること、低騒音機器を導入すること、機器周辺の吸音処理を行うこと(周辺の壁に吸音にすぐれた素材を用いること等)、防振架台の設置等機器の稼働に伴う振動を防止することにより騒音の発生を低減すること等の対応策が挙げられる。

b.給排気口等からの騒音

給排気口等においても、風切り音や送風機等の機械騒音が放射されることがある。これらの騒音に対する対策としては、吹き出し口、吸い込み口の形状の検討、ダクト等の吸音、風速、風量の調整、低騒音型の送風機等の導入等が挙げられる。

c.駐車場からの騒音

駐車場を付設する場合には、敷地内での自動車騒音についても考慮した上で設置すること等が必要となる。具体的には、次のような措置が挙げられる。

1)駐車場の屋内化及びこれに伴う天井・壁の吸音処理、立体駐車場等におけるスロープの勾配等に配慮した防音対策、低騒音舗装、床の段差の回避等の施設の配置・構造面での配慮
2)駐車場利用時間帯の制限、誘導員・監視員による場内走行の円滑化、見回りの実施等運営面での配慮

なお、駐車場内においては、不必要なアイドリング、クラクション、空ぶかし等を行わないことが必要であり、来店者等に対して表示板等によるアイドリング防止の呼びかけを行うなど適切な措置を講ずることが必要である。さらに、青少年等の蝟集等により騒音が発生することを防止するため、特に深夜・早朝においては駐車場の出入口の施錠、警備員の巡回等の必要な措置を講じ、適切に管理することも必要である。

d.廃棄物収集作業等に伴う騒音

廃棄物収集作業等に伴い騒音が発生することも予想される。施設の配置面での配慮、廃棄物処理業者への騒音抑制意識の向上の働きかけ、深夜や早朝における作業回避等回収時間帯の制限等が騒音を低減する方策として挙げられる。

〔2〕騒音の予測・評価について

設置者は、自ら講じようとする対応策が妥当であるか否かを予測・評価するものとする。全ての設置者は、必要に応じ専門家等の意見を考慮しつつ、下記ロ.に沿って騒音全体についての予測を行い、総合的な騒音の評価において、参考1「騒音に係る環境基準(平成10年9月30日環境庁告示第64号)」に示す基準値を尊重しつつ、適正な対応策を講じるよう努めるものとする。さらに、夜間において営業活動又は営業関連の機器の使用、施設の運営に伴い騒音が発生することが見込まれる場合には、下記ハ.に沿って夜間発生が見込まれる個々の騒音についての予測を行い、参考2「特定工場等において発生する騒音の規制に関する基準(昭和43年11月27日厚生省・農林省・通商産業省・運輸省告示第1号)」に示す夜間における基準値を尊重しつつ、適正な対応策を講じるよう努めるものとする。(なお、ここでいう「夜間」とは、これを評価する基準値となる騒音規制法(昭和43年法律第98号)において、予測地点に適用される「夜間」の時間帯(午後9時、10時又は11時から翌日の5時又は6時までの範囲内において都道府県知事等が定めるもの)とすることを原則とし、予測地点において騒音規制法による地域の指定が行われていない場合は、午後11時から午前5時とすることができる。)また、大規模小売店舗立地法第6条第2項又は附則第5条第1項に基づく届出を行う場合には、届出を行う大規模小売店舗から発生する各騒音源の騒音レベルを測定し、その実測値を用いて予測・評価することが望ましい。

なお、大規模小売店舗立地法第5条第1項に基づく届出を行う場合には、届出を行う大規模小売店舗と建築物の構造及び発生する騒音、設備、運営方法等に類似性のある大規模小売店舗から発生する各騒音源の騒音レベルを測定し、その実測値を用いて予測・評価することができる。さらに、夜間において併設施設から著しい騒音が発生することが見込まれる場合には、当該騒音も予測・評価の対象として対応策を講じることが期待されている点にも留意すべきである。

イ.予測・評価に当たっての基本的事項

a.予測・評価の対象となる騒音の種類と分類

設置者が予測・評価すべき騒音の種類は、次のとおりとする。

なお、騒音は、その時間的なレベル変動の特性から、以下の3つに分類するものとし、下記ロ.及びハ.に記載する予測・評価を行う場合には下記の分類に沿って行うものとする。

なお、下記に記述するもの以外から発生する騒音については、騒音の発生のレベルや頻度、現実的予測の難易性等を勘案し、予測の対象としていないが、自家発電設備による騒音等、下記と同等の影響があり、予測することが可能と認められる場合には、これらもあわせて予測を行うものとする。

1)定常騒音(騒音レベルの変化が小さく、ほぼ一定とみなされる騒音)

  • 冷却塔、室外機等から発生する騒音
  • 給排気口等から発生する騒音

2)変動騒音(騒音レベルが不規則かつ連続的にかなりの範囲にわたって変化する騒音)

  • 敷地内における自動車走行等による騒音(来客の自動車によるもの、荷さばき作業のための車両からの騒音を含む。)
  • 荷さばき作業のための車両のアイドリング、後進警報ブザー等の騒音
  • 廃棄物収集作業等に伴う騒音
  • BGM(バック・グランド・ミュージック)、アナウンス等営業宣伝活動に伴う騒音

3)衝撃騒音(一つの事象の継続時間が極めて短い騒音)

  • 荷さばき作業に伴う荷下ろし音、台車走行音等の騒音

b.その他事項

騒音の予測は、騒音発生源の特性に応じて、騒音のパワーレベル、騒音のピーク値(最大値)、騒音の発生が予測される時間帯等の予測条件を用いて、下記ロ.及びハ.に述べるとおり、音の伝搬理論に基づく予測式による方法等それぞれの評価方法と比較可能な方法を用いて行うものとする。

ロ.騒音の総合的な予測・評価方法

a.予測方法

大規模小売店舗の施設から発生する騒音全体について、以下の方法により、予測を行うものとする。
なお、設置者は、特別の事情により次の予測方法等によることが適当でない場合には、その根拠を示して別の方法で騒音を予測することができる。

1)予測地点

「原則として建物の周囲4方向からそれぞれ近接した最も騒音の影響を受けやすい地点に立地し又は立地可能な住居等の屋外」とする。

ただし、住居等の立地が不可能な用途の地域に面している方向については、これを予測する必要はない。一方、高層住居等が隣接している場合には、仮に遮音壁を設置してもその効果の及ばない高層住居における騒音についても予測することが望ましい。

2)予測計算方法

平均的な状況を呈する日におけるその昼間(午前6時~午後10時)及び夜間(午後10時~午前6時)における等価騒音レベルを予測するものとする。予測は、上記イ.a.の騒音の発生源ごとに、騒音の継続時間を勘案して算出し、これを合算する。

※「等価騒音レベル」とは、ある時間範囲について、変動する騒音レベルをエネルギー的な平均値として表したもの。時間的に変動する騒音のある時間における等価騒音レベルはその時間範囲における平均二乗音圧と等しい平均二乗音圧をもつ定常音の騒音レベルに相当する。単位はデシベル。

b.評価方法

設置者は、騒音の予測場所において適用される下記参考まるいち「騒音に係る環境基準」に示す基準値を尊重し、合理的かつ適切な対応策の範囲内において基準値を超えないよう努めるものとし、この観点から、自らの施設から発生が予想される全体の騒音を評価するものとする。

なお、予測場所の地域において都道府県知事による「騒音に係る環境基準」の地域の類型が指定されていない場合には、住居等の集合の状況、土地利用の実態及び将来の計画等を勘案し、法運用主体と協議の上、設置に係る店舗に適用される地域の類型を推定することができる。

[参考1]騒音に係る環境基準について(平成10年9月30日環境庁告示第64号)(抜粋)

環境基準は、地域の類型及び時間の区分ごとに次表の基準値の欄に掲げるとおりとし、各類型を当てはめる地域は、都道府県知事が指定する。

地域の類型・基準値
地域の類型 基準値(昼間) 基準値(夜間)

AA

50デシベル以下

40デシベル以下

A及びB

55デシベル以下

45デシベル以下

60デシベル以下

50デシベル以下

(注)

  1. 時間の区分は、昼間を午前6時から午後10時までの間とし、夜間を午後10時から翌日の午前6時までの間とする。
  2. AAを当てはめる地域は、療養施設、社会福祉施設等が集合して設置される地域等特に静穏を要する地域とする。
  3. Aを当てはめる地域は、専ら住居の用に供される地域とする。
  4. Bを当てはめる地域は、主として住居の用に供される地域とする。
  5. Cを当てはめる地域は、相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域とする。

ハ.発生する騒音ごとの予測・評価方法

a.予測方法

設置者は、上記ロ.の総合的な騒音の評価に加え、それぞれの騒音源が発生する騒音の最大値等に着目し、夜間において営業活動又は営業関連の機器の使用、施設の運営に伴い騒音が発生することが見込まれる場合には、以下の方法により、予測を行うものとする。

ここでいう「夜間」とは、騒音規制法において、予測地点に適用される「夜間」の時間帯(午後9時、10時又は11時から翌日の午前5時又は6時までの範囲内において都道府県知事等が定めるもの)とすることを原則とし、予測地点について騒音規制法による地域の指定が行われていない場合は、午後11時から午前5時とすることができる。(以下ハ.において同じ。)

なお、設置者は、特別の事情により次の予測方法等によることが適当でない場合には、その根拠を示して別の方法で騒音を予測することができる。

1)予測地点

大規模小売店舗の敷地の境界線とする。この場合、隣接する住居等への影響を考慮した高さにおける騒音レベルの予測を行うこととする。
なお、騒音防止対策として遮音壁等を設置する場合には、その背後に立地し又は立地可能な住居等の屋外における騒音レベルも予測しておくことが望ましい。

2)予測計算方法

平均的な状況を呈する日において、定常騒音の場合には「騒音レベル」、変動騒音及び衝撃騒音の場合には「騒音レベルの最大値」を予測するものとする。なお、「騒音レベルの最大値」は騒音計の「時間重み特性F」を用いて測定した場合のものとする。

b.評価方法

設置者は、騒音の測定場所において適用される「特定工場等において発生する騒音の規制に関する基準」に示す夜間における基準値を尊重し、合理的かつ適切な対応策の範囲内において基準値を超えないよう努めるものとし、この観点から、「夜間」に見込まれるそれぞれの騒音を評価するものとする。その際、当該騒音の発生の位置、継続時間等を勘案するものとする。

なお、予測場所の地域において騒音規制法に基づく地域の指定が行われていない場合には、大規模小売店舗の立地場所の用途地域等を勘案し、法運用主体と協議の上、設置に係る大規模小売店舗に適用される区域の類型及び基準値を推定することができる。

[参考2]特定工場等において発生する騒音の規制に関する基準(昭和43年11月27日厚生省・農林省・通商産業省・運輸省告示第1号)(抜粋)に示す夜間における基準値

区域とデジベル
第1種区域

40デシベル以上
45デシベル以下

第2種区域

40デシベル以上
50デシベル以下

第3種区域

50デシベル以上
55デシベル以下

第4種区域

55デシベル以上
65デシベル以下

(備考)

※第1種区域、第2種区域、第3種区域及び第4種区域とは、それぞれ次の各号に掲げる区域をいう。

  1. 第1種区域良好な住居の環境を保全するため、特に静穏の保持を必要とする区域
  2. 第2種区域住居の用に供されているため、静穏の保持を必要とする区域
  3. 第3種区域住居の用にあわせて商業、工業等の用に供されている区域であって、その区域内の住民の生活環境を保全するため、騒音の発生を防止する必要がある区域
  4. 第4種区域主として工業等の用に供されている区域であつて、その区域内の住民の生活環境を悪化させないため、著しい騒音の発生を防止する必要がある区域

(2)廃棄物に係る事項等

設置者は、建物内の小売店舗から排出される廃棄物等(小売業の事業活動に伴い排出されるものであって再資源化可能なものを含む。以下同じ。)に係る保管・運搬・処理に関し、周辺地域の生活環境の保持の観点から適正な配慮を行わねばならない。設置者は、廃棄物等の処理等について、廃棄物等に関連する法令、大規模小売店舗が所在する地方公共団体の条例及び関連施策の趣旨、内容を十分考慮し、適切に対応しなければならない。

〔1〕廃棄物等の保管について

設置者は、廃棄物等が処理され、又は、処理のため搬出されるまでの間、廃棄物等を適切に管理し散乱等を防止するとともに、周辺に悪臭の問題や衛生上の問題が生じないよう配慮することが必要である。その際、特に、飲食店が併設されている場合においては、生ごみ等の発生が見込まれるが、一部地方自治体で定められている条例によると、飲食店における廃棄物の一般的な排出量原単位は、0.20kg/平方メートルであるので、これを参考としつつ、保管容量を確保する必要がある点に留意すべきである。

イ.保管のための施設容量の確保

設置者は、下記に分類する廃棄物等の種類ごとに必要となる保管容量を算出し、全体として充分な容量を有する保管施設を確保するものとする。特に、生ごみについては、充分な保管容量を確保するとともに、悪臭が周辺に発散することや汚水が流出することを防止するための適切な対策を講じることが必要である。確保すべき保管容量については、大規模小売店舗の所在する地方公共団体の条例等に、確保すべき廃棄物等の保管容量等の基準が定められている場合にあっては、これに従うものとするが、その他の場合にあっては、以下の考え方によるものとする。

「廃棄物等の保管容量(立方メートル)」=「A:1日当たりの廃棄物等の排出予測量(トン)」

×「B:廃棄物等の平均保管日数」

÷「C:廃棄物等の見かけ比重(トン/立方メートル)」

ただし、廃棄物等の排出量については、店舗の運営方法等によって大きく差異があることから、上記計算式及び以下の各表に示す原単位によることが適当でない場合は、その根拠を示して他の方法で算出することができる。かかる場合には、主たる小売業者が同一であって取扱い品目・規模等が同種の店舗における実績値等を参照し、算出された値を修正することができる。

廃棄物等の排出量に影響を及ぼす事項としては次のようなものが考えられる。

  • 紙製廃棄物等
    ダンボールを使用しない納入方法(通い箱・リターナブルコンテナ等の使用、ハンガー納品の実施等)を採用する場合には、当該廃棄物等の排出量を減少させることがある。
  • 空き缶・空き瓶・ペットボトル等
    店頭において空き缶・空き瓶・ペットボトル等を回収している場合には、当該廃棄物等の排出量を増加させることがある。
  • 生ごみ等
    食品を取扱う店舗において、食品加工場を付設していない場合には、当該廃棄物等の排出量を減少させることがある。

なお、廃棄物等の保管場所が、小売店舗以外の施設から排出される廃棄物等と同一の場所である場合には、設置者は、小売店舗以外の施設からの廃棄物等の排出予測量も考慮して上記計算式により算出した「廃棄物等の保管容量」が確実に確保できるよう措置することが必要である。さらに、廃棄物の減量化やリサイクルの推進に関連する法令等に基づき、大規模小売店舗内の小売業者が廃棄物等の回収を行う場合には、将来的な回収見込み量(廃品の引取りも含む。)をも勘案して適正な保管容量を確保することが必要である。また、下記の分類以外の廃棄物等の排出が見込まれる場合には、別途、適切な保管容量を確保するものとする。

  1. 紙製廃棄物等(ダンボール等再資源化の可能なものに限る。)
  2. 金属製廃棄物等(アルミ製、スチール製の缶等を指す。)
  3. ガラス製廃棄物等(ガラス製の容器等を指す。)
  4. プラスチック製廃棄物等(飲料容器、食料品のトレイ等を指す。)
  5. 生ごみ等(食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(平成12年法律第116号)における食品廃棄物等を指す。)
  6. その他の可燃性廃棄物等

上記算出式中の各要素(A~C)については、以下の考え方により算出するものとする。

A:1日当たりの廃棄物等の排出予測量

廃棄物等の排出量は、取扱品目等から発生が見込まれる廃棄物等の種類ごとに、下記の分類に沿って、原則として以下に示す計算式により、年間の平均的な時点における廃棄物等の排出予測量を算出するものとする。その際の各原単位は以下の表に示す数値を基準とするものとする。ただし、廃棄物等の種類ごとの発生の要因となる取扱品目の取扱量が極めて少ない場合等、特別の事情により、以下に示す数値又は計算式によることが適当でない場合には、既存類似店のデータ等根拠を明確に示し他の方法で算出することができる。

なお、店舗面積が6,000平方メートルを超える店舗については、店舗面積が6,000平方メートル以下と店舗面積が6,000平方メートル超の部分に、それぞれに対応した原単位を使用して算出した数値を合算するものとする。

「1日当たりの廃棄物等の排出予測量(t)」=「店舗面積当たりの廃棄物等排出量原単位(トン/千平方メートル)」

×「店舗面積(単位:千平方メートル)」

[店舗面積当たりの廃棄物等排出量原単位]

紙製廃棄物等(単位:トン/千平方メートル)
店舗面積

6000平方メートル以下の部分の原単位

0.208トン/千平方メートル

店舗面積

6000平方メートル超の部分の原単位

0.011トン/千平方メートル

金属製廃棄物等(単位:トン/千平方メートル)
店舗面積

6000平方メートル以下の部分の原単位

0.007トン/千平方メートル

店舗面積

6000平方メートル超の部分の原単位

0.003トン/千平方メートル

ガラス製廃棄物等(単位:トン/千平方メートル)
店舗面積

6000平方メートル以下の部分の原単位

0.006トン/千平方メートル

店舗面積

6000平方メートル超の部分の原単位

0.002トン/千平方メートル

プラスチック製廃棄物等(単位:トン/千平方メートル)
店舗面積

6000平方メートル以下の部分の原単位

0.020トン/千平方メートル

店舗面積

6000平方メートル超の部分の原単位

0.003トン/千平方メートル

生ごみ等(単位:トン/千平方メートル)
店舗面積

6000平方メートル以下の部分の原単位

0.169トン/千平方メートル

店舗面積

6000平方メートル超の部分の原単位

0.020トン/千平方メートル

その他の可燃性廃棄物等(単位:トン/千平方メートル)

その他の可燃性廃棄物等

0.054トン/千平方メートル

B:廃棄物等の平均保管日数

上記Aで分類した廃棄物等の種類ごとに平均保管日数を算定するものとする。

C:廃棄物等の見かけ比重

廃棄物等の見かけ比重については、下記の数値を用い、又は、根拠を示して他の数値を用いることとする。その際、以下の点に留意することが必要である。

  • プラスチック製廃棄物等であっても、化粧品のプラスチックボトル等、下記の数値を大きく超える種類もあること。
  • 生ごみ等水分含有率が一定でない廃棄物等について、下記の数値を上下する場合があること。
  • 機器を用いて、廃棄物等を圧縮する場合には、これを勘案することができること。
 

比重

紙製廃棄物等

0.10

金属製廃棄物等

0.10-0.15

ガラス製廃棄物等

0.10-0.30

プラスチック製廃棄物等

0.01-0.04

生ごみ等

0.55

その他の可燃性廃棄物等

0.38

ロ.廃棄物等の保管場所の位置及び構造等について

設置者は、廃棄物等の保管場所の位置、構造等を決定するに当たっては、大規模小売店舗の所在する地方公共団体における廃棄物等の分別の状況等を十分考慮するとともに、以下の事項を配慮しなければならない。

a.廃棄物等の保管施設の位置・構造等については、廃棄物等の種類ごと、処理方法ごとに分別して保管する等、搬出作業の利便の確保を図るとともに、中間処理及び搬出作業に伴う騒音、悪臭が周辺の住居等に与える影響を最小限のものとするように配慮するものとする。

b.特に生ごみを排出する大規模小売店舗においては、周辺への悪臭の発散等を防止するため、若しくはカラス等による廃棄物等の散乱を防止するため、保管施設の密閉性を確保するとともに、適正な温度管理の実施等防臭・除臭のための適切な対策を行うものとする。

〔2〕廃棄物等の処理について

設置者は、大規模小売店舗内の小売業者と協力の上、廃棄物等に関連する法令の規制に則って、周辺への悪臭や衛生上の問題に配慮しつつ、廃棄物等の運搬等処理に関し適正な施設の配置及び運営等を行わなければならない。さらに、廃棄物等の敷地内の処分、リサイクル等を行う場合には、これらの活動が与える地域の住民等への生活環境上の影響を十分勘案して、設備等の配置や運営を行わなければならない。

具体的には、設置者は下記のような措置を合理的に選択し、必要に応じ組み合わせて実施することが求められる。

イ.廃棄物等を敷地外で処理する場合には、十分な運搬頻度を確保すること。特に、繁忙期等廃棄物等が大量に生じる時期等については、廃棄物等の保管容量を超えないよう必要に応じ運搬頻度等を増やすこと等について柔軟な対応を講じること。

ロ.廃棄物等の運搬予定業者等処理業者の決定に当たっては、関係法令等に配慮しつつ、適正な処理が確保されるように適切な業者の選定を行い、廃棄物等の引き渡しについては、運搬予定業者等処理業者に対し、廃棄物の減量化及びリサイクル活動を推進するため、その性状等について必要な情報提供を行うこと。

ハ.敷地内で廃棄物等を処理する場合(圧縮機等による中間処理を含む)には、その具体的方法及び関連設備について関係法令の規制に従い適正に行うとともに、関連作業に伴う騒音、悪臭が周辺の住居等に与える影響を最小限とするような設備の配置や運営を行うこと。

ニ.店舗内の関係者及び関連事業者に対し、廃棄物等の運搬や処理が適切に行われるよう徹底すること。

〔3〕その他設置者としての廃棄物等に関連する対応方策について

食品加工場から発生する調理臭や排出される汚水からの悪臭の発散を防止するための関連設備の位置及び構造、廃棄物等を保管場所に持ち込むまでの小売業者による廃棄物等の適正な管理等、上記廃棄物等の保管や運搬、処理に関連して、生活環境上の問題を発生させるおそれがある場合には、かかる問題についても適正な対応策を講じなければならない。その際、併設施設の事業活動に伴い、悪臭を発生する可能性がある場合にも、同様の配慮を行うことが望ましい。

食品加工場からの調理臭や悪臭の発散を防止するため、具体的には、設置者は下記の措置のうち、必要と認められるものを合理的に選択し、必要に応じ組み合わせて実施することが求められる。

イ.食品を加工する際には、換気扇・排気口等に悪臭原因物を取り除く機器を設置する等の対応策を講じること。
ロ.住居に面する方向には、換気扇・排気口等の配置を避ける等の措置を講じること。
ハ.食品加工場及び関連設備の定期的な清掃の実施等の措置を講じること。

(3)街並みづくり等への配慮等

大規模小売店舗は、地域の生活空間における中核となり得る施設であることから、従来から当該店舗が立地する地域において統一した色彩や外観整備による街並みづくりが継続して行われている場合、こうした取組を阻害することのないように調和を図るよう努めなければならない。特に、当該地域が景観法(平成16年法律第110号)に基づく景観計画若しくは景観地区、地区計画若しくは風致地区が定められている地区又は建築協定若しくは景観協定が締結されている地区である場合には、これらに定められている事項に建築計画を合致させることはもちろんのこと、街並み形成に関する条例により当該地域が指定されている場合においては、この趣旨に沿うよう施設の配置や構造を工夫するよう努めることが必要である。また、大規模小売店舗の所在する地方公共団体等が策定する公的計画に基づいて、既に周辺地域全体として商店街等のアーケードの整備や街路に面する敷地の植栽等連続性を必要とする街並みづくりがなされている場合には、これら事業の効果を減殺することのないよう適切な協力を行うことが必要である。さらに、屋外照明や広告塔照明を設置する場合には、その光により地域の住民等に悪影響を与える「光害」を生ずることがないよう、照明の配置や方向、強さ、点灯時間に配慮することが必要である。

附則

(施行期日)

  1. この告示は、平成十九年七月三十一日から施行する。

(経過措置)

  1. この告示の施行の日(以下「施行日」という。)前に大規模小売店舗立地法第五条第一項、第六条第二項及び附則第五条第一項の規定による届出をした者に対する同法第八条第四項の規定による意見及び同法第九条第一項の規定による勧告については、なお従前の例による。
  2. 施行日から六月を経過する日までの間に大規模小売店舗立地法第五条第一項、第六条第二項及び附則第五条第一項に規定する届出事項のうち大規模小売店舗の施設の配置に関するものについては、なお従前の例によることができる。