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県内企業で障害者テレワークを実施している企業を紹介します!
県では、障害者の就労機会を拡大するとともに、県内企業の障害者雇用促進のため、障害者のテレワーク支援に取り組んでいます。今回、障害者テレワーク支援事業の一環で、県内企業2社に対して、障害者のテレワーク雇用支援アドバイザーを派遣し、障害者のテレワーク導入を支援しました。
障害者のテレワークについて、具体的事例を知ってもらうことを目的に、アドバイザー派遣先企業の事例紹介動画も作成しました。取組開始から雇用までの過程や実際に働いている方の声を紹介する内容となっており、企業における障害者テレワーク導入の御参考にしてください。
障害者テレワーク動画(約12分30秒)
以下URLより、ご覧ください。
URL:https://www.youtube.com/watch?v=yfr5DIEF_F4
障害者テレワーク導入事例紹介(tsulunos)<外部リンク>
(県YouTubeチャンネルtsulunos掲載動画です)
障害者テレワーク雇用支援アドバイザー派遣事業の概要
本事業は、障害者をテレワークで新たに雇用する意向がある企業に対し、業務切出しなどの導入準備から採用後の職場定着までを専門家が支援し、その導入事例を広く周知することで、県内企業のテレワーク雇用の促進を図ることを目的として実施しました。
モデル企業は公募を行い、以下の企業に決定しました。
1 株式会社クリハラ(伊勢崎市)
2 株式会社物流サービス(前橋市)
※企業名をクリックすると下記紹介ページにアクセスします。
事業実施スケジュール
時期 |
実施内容 |
詳細 |
---|---|---|
7月~8月 | キックオフミーティング | 事業スケジュール確認や基礎知識のレクチャー、現行システム環境の確認 |
研修 | 県主催の障害者テレワークセミナーに参加 | |
業務選定 | 業務洗い出しを行い対象業務の絞り込み | |
業務設計 | 業務フローの見直しを行い、テレワークで業務ができるように改善 | |
9月~ 10月上旬 |
ICT環境の整備 | テレワークツール及びテレワーク制度の運用ルール確認、改善 |
募集要項の整理 | 設計した業務で求人するにあたり、人材要件の検討や募集業務の確認 | |
10月中旬~ 11月中旬 |
テレワーク試行 | 現行機器でテレワークが問題なくできるかを従業員で試行し確認 改善点があれば都度改善 |
11月下旬~ 1月 |
募集開始 | 求人票をハローワークに登録 |
採用活動 | 県主催の採用説明会にモデル企業が参加 | |
書類選考~実技試験~面接~内定 | ||
2月 | 入社 | PC等の貸与、内定者自宅のインターネット環境・執務環境確認 |
モデル企業の取り組み
1 株式会社クリハラ
企業概要
本社所在地
群馬県伊勢崎市境島村3022
従業員数
約130名
主な事業内容
- 開発部門(和洋中惣菜、サラダ、弁当用具材等、多種多様な商品の開発)
- 製造部門(原材料入荷から出荷までを、5段階のフロアに分かれて製造)
- 品質管理部門(原材料、製造、出荷、すべての段階で検査・評価、及び必要に応じた修正・改善を行い、商品を安全にお届け)
事業参加メンバー
代表、常務、開発担当(採用部署)、総務担当(採用部門兼IT担当)の計4名
テレワーク雇用
1名(精神障害)
ホームページ
https://kurihara1993.com/
株式会社クリハラ<外部リンク>
企業の声
(1)事業参加理由
社の方針として、働くことができる人に働いてもらいたいと考えており、テレワークを活用することで、採用の選択肢を増やすことができると思い参加しました。
(2)業務設計を行う際のポイント
業務の中でテレワークが可能だと思われる業務を選定し、さらにその業務内容をテレワーク向けに修正が可能かを考慮して決定しました。
(3)応募者の選考方法
1次面接:オンライン
実技試験:複数のデータを活用し、仕入れ品の発注数とその納品日を出す業務を試験にしました。
2次面接:オンライン
(4)1日の業務の流れ
出勤時:本日の予定の打ち合わせ、質問等の確認
午前:業務改善のためのマクロ作成、質問等があれば随時打ち合わせ
昼休み
午後:業務改善のためのマクロ作成、質問等があれば随時打ち合わせ
業務終了時:本日の成果報告、翌日の業務確認、質問等の確認
(5)テレワークツールの活用方法
ズームの常時接続を想定していましたが、本人の希望もあり、ズーム常時接続はしていません。
基本的には、チャットにて連絡をしており、必要に応じて社用携帯で電話をしています。また、データ共有は、社内サーバーにアクセスできるようにして対応しています。
(6)テレワーク雇用をしての感想
採用するまでは、選考自体がテレワークなので、苦労する面もありましたが、いざ仕事が始まると、対面や隣にいないだけです。会議にも一緒に参加してくれており、困ったときには相談もあり、しっかり仕事を進めてくれている、一緒に仕事をする一員です。
(7)テレワーク勤務者の感想
自宅で働くため、感覚過敏で注意していた視覚聴覚嗅覚を全て自分で調整ができる環境になったことをとても嬉しく思います。上記のように柔軟に対応していただいたり、同時に信用されているのだとそれもまた嬉しいです。いただいた信用を損なわないように応えていこうと思います。
2 株式会社物流サービス
企業概要
本社所在地
群馬県前橋市下大島町454-4
従業員数
約70名
主な事業内容
- オートパーツ事業(自動車センターから修理部品をディーラー、修理工場へお届け)
- コンビニエス事業(大手コンビニ地域本部から各店舗様へ書類やチラシなどをお届け、回収)
- メディカル事業(地域病院、クリニックと血液検査会社の間の検体、書類のお届け、回収)
事業参加メンバー
代表、専務、経理担当(採用部署)、IT担当の計4名
テレワーク雇用
1名(身体障害)
ホームページ
https://g-loop.biz/
株式会社物流サービス<外部リンク>
企業の声
(1)事業参加理由
以前、配送や倉庫の現場作業での障害者雇用ができないか検討しましたが、マッチする業務がありませんでした。今回、社全体でテレワークを推進していることから、テレワークであれば障害者雇用ができると思いました。
またBCPやSDGsの取組みをはじめようとしていたので、その第一歩として参加しました。
(2)業務設計を行う際のポイント
採用担当部門を中心に現状行っている業務をすべて書き出しました。業務内容、所要時間、月単位での業務頻度など細かく洗い出ししました。その中でテレワークで対応できる内容をピックアップしてマニュアル作成を開始しました。
また、これまでの自分の仕事内容の見直しもでき、業務改善にも繋がりました。
(3)応募者の選考方法
1次面接:オンライン
実技試験
- スプレッドシートへの文字入力
- チャットを利用しての完成物送付
- ウェブ会議ツールのアカウントを作成し、実際に利用できるようにする 等
上記内容をオンラインにて、マニュアルを見ながら、適宜質問していただきながら実施しました。
また、社で実際に利用しているツールにて実施しました。
2次面接:オンライン
(4)1日の業務の流れ
出勤時:朝礼参加
午前:総務経理業務(体調に合わせて短時間の休憩を入れながら)
休憩前:ボイスチャットにて報告
昼休み
午後:総務経理業務(体調に合わせて短時間の休憩を入れながら)
業務終了時:グーグルフォームにて報告
(5)テレワークツールの活用方法
社内でテレワーク用にボイスチャットを利用していることから、基本的にボイスチャットを中心にコミュニケーションをとっています。また、必要に応じて、チャットツールにて文字のやりとりをしています。ファイルの共有については、グーグルドライブを中心に利用しています。
デバイスはノートパソコン、iphone、モニターを会社から貸し出し、作業を行っています。データは全てクラウド上にあるためウェブブラウザからほとんどの業務が行えるようになっています。
(6)テレワーク雇用をしての感想
テレワークが社の内勤業務に定着してきた中でのテレワーク雇用だったので、違和感もなく、大きな問題もありませんでした。マニュアルアプリを使って、説明をしていることで仕事の引き継ぎができていると思います。マニュアルづくりが少し大変ですが、事前に見てもらうことができるので、説明の際に理解しやすく、時間が空いてから改めて業務するに見直せたりできるので、つくる価値は十分あります。課題として、雑談がしづらいので、時間と場所を決めた雜談を試してみます。
(7)テレワーク勤務者の感想
テレワーク自体が初めての経験でしたし、体調面でも不安がありましたが、上長にボイスチャットですぐに相談できる状態で安心してお仕事ができています。マニュアルも社内サイトにあるので何度も見返すことが出来て安心です。体調に合わせて短い休憩も頂けるので、集中力を切らすことなく業務にあたれています。障害を持つことに引け目を感じることなく仕事が出来るのはとても嬉しいです。