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群馬県橋梁長寿命化計画
橋梁長寿命化計画とは
橋梁長寿命化計画は、橋の長寿命化及び維持管理費・更新費の平準化と中長期的なトータルコストの縮減を目的として、今後100年を見据えた維持管理の基本的な方針を定め、加えて、全橋梁について今後10年間の点検・修繕等の計画を明示したものです。
計画の背景・課題
群馬県では、限られた予算や高齢化橋梁が加速度的に増加する状況の中で、橋梁の安全を確保し続けるため、持続可能なメンテナンス体制の構築が課題となっています。
橋梁の老朽化と高齢化橋梁の増加による課題
群馬県は令和7年3月末時点で3,458橋を管理しており、このうち、建設後50年以上経過した高齢化橋梁の割合は55%を占め、20年後には83%にまで増加します。これらの橋梁を中心とした老朽化の進行や物価上昇などによる、メンテナンスコストの増加が懸念され、さらなるコスト縮減に向けた取組が求められます。
図-1 架設年次別橋梁数(令和7年3月)
健全性の推移状況から見られる課題
早急な措置が必要な橋梁(以下、健全性3の橋梁)は、全国平均と比較して少ないものの、依然として発生している状況です。また、健全性3の橋梁に対する着実な対応とともに、予防保全的な措置が必要な橋梁(以下、健全性2の橋梁)にも効果的な対策を行い、健全性2から健全性3への移行を抑制する取組が必要とされています。
群馬県橋梁長寿命化計画について
群馬県では平成22年度に「群馬県橋梁長寿命化計画」を策定し、定期的な点検による橋梁の状況確認と、小規模な修繕を繰り返す『予防保全型管理』を計画的に進め、橋梁の長寿命化と維持管理費用の縮減及び平準化を図っています。
課題解決に向けた取組
平成26年度から実施してきた、道路法に基づく5年に一度の点検が2巡したため、この点検結果やこれまでの修繕実績に基づき、「対策優先順位の考え方」・「新技術活用の活用方針」を見直しました。
対策優先順位の考え方
(1) 老朽化対策における基本方針
- 合理的に対策を実施するため、緊急性の高い橋梁(4・3・2の順)から対策することを原則とします。
- 点検や修繕実績の分析結果から群馬県の橋梁に発生する損傷の特徴を明らかにし、健全性2の橋梁のうち劣化の進行が早いものを優先的に修繕し、健全性3への移行を抑制します。
新技術の活用方針
(1) 点検・補修への新技術活用
これまでに導入した新技術の活用拡大と新たな技術の積極的な活用により、さらなるコスト縮減を目指します。
(2) 新技術(モニタリング技術)を活用した高齢化橋梁の維持管理方法の見直し
高齢化橋梁を確実に管理するため、新技術(モニタリング技術)を活用したリアルタイムな状態把握の実装化に向けて取り組んでいきます。
(3) 最新の新技術を簡便に活用できる仕組みの整備
「インフラメンテナンスの産業化に向けた新技術の官民マッチング」や「ぐんまイノベーションLab」の取組みと連携しながら、県管理橋梁を実証実験フィールドとして提供し、民間開発の促進を図るとともに、技術の育成・検証評価に携わり、最新の新技術と早期にマッチングします。
群馬県橋梁長寿命化計画による効果
老朽化対策における基本方針のもと「予防保全型管理」に移行することで、従来の「事後保全型管理」と比較し、今後100年間で約40%のコスト縮減が見込まれます。
※様々な仮定をおいた上で幅を持った値として推計したもの。
なお、推定値は不確定要因による増減が想定される。
3.群馬県橋梁長寿命化計画【令和7年3月改定版】
群馬県橋梁長寿命化計画【令和7年3月改定版】は下記によりダウンロードできます。
修繕計画
群馬県が管理する橋梁を対象に、予防保全の考え方を基本とし、今後10年間の維持修繕・更新時期等を明示した修繕計画は下記に掲載するとおりとなります。
なお、各橋梁の点検・修繕等は、この修繕計画に基づき実施することを予定していますが、点検結果や予算措置状況等に応じて、適宜見直しを行います。