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群馬のまちの現状について
群馬県では、これからの都市計画の方向性を示す都市計画区域マスタープランの改定に向け、平成17年~平成27年の群馬県の「まち」全体や身近な地域がどう変わったかをGoogle Earth(C)上で誰でも見える形で分析しました。たくさんの県民のみなさんにホームページにアクセスしていただき、ぐんまの「まち」の現状を知っていただくことで、今後のまちづくりの方向性を一緒に考えていきたいと思います。
このページでは現在「まち」の現状について特徴的な部分を画像を使ってご説明していますが、「統計データ」ページから各種データをダウンロードしてGoogle Earth(C)上に表示することで、皆様がお住まいの「まち」がどのように変化したか視覚的に確認することが出来るようになっています。
群馬県の人口の動向と将来の見通し
群馬県の総人口は平成16年(2004年)の203.5万人をピークに減少し、令和27年(2045年)には155万人程度となる予測です(1960年と同程度)。また、生産年齢人口(15~64歳)が40万人減少する一方で高齢者割合は増加し、人口の約4割が高齢者となります。
群馬県の現状としては全体的には活力が維持されていますが、人口減少傾向にあり、同時に高齢化が進展しています。一方で、「まち」は駅周辺等の中心部から郊外に広がりつづけており、中心部での空き地・空き家も増加しています。
「まち」が広がるということは、道路や水道など恒久的に維持し続けなければならない社会インフラも広がるということであり、今後の人口減少と併せて考えれば、将来的には今より少ない人数で、今より多くなった施設を維持しなければなりません。また、郊外に広がった「まち」では公共交通が利用しづらく、子どもや運転免許を返納した高齢者は、徒歩や自転車で外出できる場所がなくなるなど、日常生活に不便を強いられるようになることが懸念されます。
このまま現状を放置した場合、子どもや高齢者の住みにくい、インフラ維持コストを多額に必要とするなど、県民に多大な負担が生じる『望ましくない』県土が形成されることが懸念されます。
1.「まち」中心部での人口減少の進行
総人口が減少するなかで、特に、市街化区域や用途地域及び駅周辺など公共交通の利便性が高く本来「まちのまとまり」を形成すべき地域で人口減少傾向がより大きい。
2.止まらない郊外部への「まち」の拡散
市街化区域や用途地域の外側で依然として宅地化が進行している。また、本来市街化を抑制すべき市街化調整区域においても依然として広範囲にバラバラと新規建築が行われている。
3.「まち」中心部での高齢化
山間部だけでなく、駅等を中心とした昔からにぎわっていた「まち」の中心部でも高齢化が進んでおり、年齢構成が大きく偏っている。
4.若い世代の郊外への移動
郊外部で新たに広がった「まち」は比較的高齢化率が低い。新築状況とあわせると、若い世代が地価が比較的安い郊外部に居住の場を求めていると考えられる。
5.まち中心部での低・未利用地の発生
本来移動に便利なはずの駅周辺など都市中心部において新たな低・未利用地が発生している。
※低・未利用地:空き地、空き家、工場跡地などの「未利用地」と、一時的に利用されている青空駐車場などの「低利用地」の総称。
このまま「まち」が広がり続けると…
- 人口密度が一定水準以下になった場合、身近な商業等の生活サービス施設がなくなり生活が不便になることが想定されます。
- 人口減少により、一人あたりの公共施設等を維持するための負担が増大する可能性。
- 低密度に拡散した都市構造が継続し、さらに進行すると、公共交通が維持できなくなる可能性。
「まちのまとまり」を維持・形成していくことが大切です。
「まちのまとまり」とは
群馬県では、人口減少と超高齢化が同時に進行する局面でのまちづくりは、徒歩や公共交通での移動を容易にし、買物・通院など生活を支えるサービスを享受しやすいよう、今よりも”まちのまとまり(集積)”を減らさないことが必要と考えています。
今後のまちづくりのイメージ
「まちのまとまり」をどこにするかについては、地元市町村と県で考えていきますが、今後も持続的に「安心」「安全」「便利」に暮らしていくために以下の観点からの検討が重要と考えます。
既存インフラの有効活用の観点
今後も持続的に「まち」を維持していくためインフラ施設の新規整備や維持管理費を低減し、既存施設の有効利用をはかるため、道路や下水道など居住の基礎となるインフラが整備されている事や鉄道駅・バスターミナルから近いこと
暮らしやすさの確保の観点
安全・安心、利便性、健康づくりの観点から暮らしやすい環境として、日常生活で利用する機能が徒歩圏内に充実していることも重要であり、小学校や商業施設、医療施設が徒歩圏内であること
人口密度・規模のまとまりの確保・維持の観点
地域の伝統・文化やそれをささえるコミュニティの維持、子どもや高齢者に目が行き届きやすい環境を確保するために、一定の人口密度(20人/ha程度)やまとまりの規模を確保・維持すること
統計データ ダウンロード
このページからダウンロードできる統計データはGoogle Earth(C)を活用しています。Google Earth(C)は無料で提供されており、操作方法も簡単であるため、色々な人が統計データを閲覧できます。
あらかじめGoogle Earth(C)を次のサイトよりダウンロードしてインストールをしてください。
・Google Earth(C)<外部リンク>
その後、次のそれぞれのZIPファイルをダウンロードし、格納されたKMZファイルをダブルクリックすると自動的にGoogle Earth(C)が立ち上がります。
名称 | 例 | 内容 | ファイル |
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![]() |
青い線は都市計画区域、赤線で囲まれた区域が「市街化区域」を表し、青線で囲まれた区域は非線引き都市計画区域の中にある「用途地域」を表します。 | 都市計画区域及び用途地域 (ZIP:2.67MB) |
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![]() |
上のデータと同じ区域を他のデータと重ねて表示したときわかりやすいよう立体的に表現したものです。 | 都市計画区域及び用途地域(3D) (ZIP:2.69MB) |
名称 | 例 | 内容 | 色 | 高さ | ファイル |
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人口(平成17年) | ![]() |
実際の人口を高さで表しています。一つの四角(メッシュ)の広さは500メートル×500メートルです。 | 人口密度 (人/ヘクタール) |
人口(実数) | 人口(平成17年) (ZIP:460KB) |
人口(平成27年) | ![]() |
実際の人口を高さで表しています。一つの四角(メッシュ)の広さは500メートル×500メートルです。 | 人口密度 (人/ヘクタール) |
人口(実数) | 人口(平成27年) (ZIP:483KB) |
人口増減 (平成17年~平成27年) |
![]() |
平成17年人口から平成27年人口を引いたものを高さで表しています。赤系の色は人口が増えた場所、青系の色は人口が減った場所です。濃い青色で高い場合は、大きく人口が減ってしまった事を意味します。 | 人口密度 (人/ヘクタール) |
人口(実数) | 人口増減 (平成17年~平成27年) (ZIP:815KB) |
新築動向 (平成22年~平成27年) |
![]() |
平成22年から平成27年の5年間の新築件数を高さで表しています。(新築動向調査データがある市町村のみ表示しています) | メッシュ別新築件数 | メッシュ別新築件数 | 新築動向 (平成22年~平成27年) (ZIP:146KB) |
低未利用地の状況 (平成17年~平成27年) |
![]() |
平成17年から平成27年で、中心部の『低未利用地』の推移を表しています。赤はこの10年で新たに発生したものです。 | 低未利用地に関する状況 | - | 低未利用地の状況 (平成17年~平成27年) (ZIP:3.32MB) |
生産年齢人口分布 (平成27年) |
![]() |
平成27年時点の生産年齢人口(15歳以上65歳未満)を高さで表したものです。 | 生産年齢人口の構成割合 | 生産年齢人口(実数) | 生産年齢人口分布 (平成27年) (ZIP:699KB) |
高齢者人口の分布 (平成27年) |
![]() |
平成27年時点の高齢者人口(65歳以上を高さで表したものです。 | 高齢者人口の構成割合 | 高齢者人口(実数) | 高齢者人口の分布 (平成27年) (ZIP:692KB) |
1人あたり市町村道延長 | ![]() |
メッシュ内の市町村道路延長を高さで表したものです。色はメッシュ内の人口で割った割合を示しています。色が濃いほど一人あたりの道路延長が多い事を示しています。 | 1人あたり道路延長 | 道路延長 | 1人あたり市町村道延長 (ZIP:531KB) |
よくある質問
Q.「都市計画区域」ってなんですか?
まちづくりに必要な都市計画を定めるにあたり、まずはその計画が及ぶ範囲を決めることになります。それが「都市計画区域」です。地形や人口、交通量などを勘案して一体の都市として総合的に整備、開発、保全する必要がある区域のことを指定します。都市計画区域が指定されると次の様な指定の効果があります。
- 建物を建てるときに建築確認の手続が必要となる。
- 一定規模以上の開発行為について許可が必要となる。等
Q.「線引き」ってなんですか?
区域区分(線引き)とは、都市計画区域内で、まちが無秩序に広がっていくのを防ぎ、計画的なまちづくりを行うため、積極的に市街地にする区域(市街化区域)と、市街化をおさえる区域(市街化調整区域)とに区分することです。なお、市街化区域には必ず「用途地域」が定められています。いわゆる“線引き”都市計画区域とは、この区域区分を行っている都市計画区域を指します。
一方、“非線引き”都市計画区域は、区域区分のない都市計画区域のことを指します。下の地図上では、赤線で囲まれた区域が「市街化区域」を表しており、赤線がある区域:“線引き”都市計画区域、赤線がない区域:“非線引き”都市計画区域、となります。また非線引き都市計画区域の中にある青線で囲まれた区域は「用途地域」を表します。“非線引き”都市計画区域内でも「用途地域」を定める事が出来ます。
Q.「用途地域」ってなんですか?
まちの中の、住居、商業、工業といった土地利用は、似たようなものが集まっていると、それぞれにあった環境が守られ、効率的な活動を行うことができます。しかし、種類の異なる土地利用が混じっていると、互いの生活環境や業務の利便が悪くなります。そこで、都市計画では都市を住宅地、商業地、工業地などいくつかの種類に区分し、これを「用途地域」として定めています。