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第6回群馬県行政改革評価・推進委員会の概要

更新日:2012年8月3日 印刷ページ表示

1 開催日時

 平成24年6月22日(金曜日)10時10分~16時25分

2 場所

 群馬県立館林美術館
 群馬県立近代美術館

3 出席者

 6名(佐藤委員長、荒木委員、小川委員、桐谷委員、鴻上委員、田中委員)
 (2名欠席)

4 議事概要

(1) あり方検討委員会の答申を受けた館林美術館の取組状況について

  1. 施設概要説明
  2. 施設調査
  3. あり方検討委員会の答申内容
  4. 答申後の館林美術館の取組状況
  5. 討議

1 施設概要説明

  • パンフレットにより館林美術館館長から説明。
館長

 近代美術館から遠隔な東毛地域に県立で2館目の美術館として平成13年に開館し、11年目となる。
 施設の規模は、近代美術館のほぼ半分である。
 収蔵品は、ロダンの弟子のフランソワ・ポンポンのシロクマが代表作品である。
 館林美術館は「自然と人間」をテーマとしている。近代美術館には特にテーマというものはなかったが、館林市の公園に隣接した環境のよい場所にあることから、このテーマを設定し、建物についても自然と調和した建物になっている。
 建物周辺の管理は芝生を含め、館林市が行っており、市と一体になって環境整備に努めている。
 事業案内に記載のとおり、今年度は企画展を4本実施する予定である。

2 施設調査

  • 展示室1~4
  • 彫刻家のアトリエ(別館)
  • 収蔵庫

3 あり方検討委員会の答申内容

  • 資料1(あり方検討委員会答申抜粋(近代美術館・館林美術館))により事務局から説明。
事務局

 平成20年にあり方検討委員会で検討が行われた経緯は、当時の問題意識として、「管理運営に多額の経費を要しているが、厳しい財政状況下にあって、県立の美術館が2つ必要なのか」、「利用者、収入の増加のためにはどのような取組を行うべきか」という視点から検討をお願いしたものである。
 その結果、あり方検討委員会から次のような提言があった。
 「(1) 施設の必要性について」、県立の美術館が2館ある必要性について疑問は残るものの、それぞれが一定の役割を果たしていることから、まずは、2館の役割分担や位置付けについて早急に検討するとともに、利用者の増加に努力するよう強く求められた。特に館林美術館については、より地域に密着した美術館としての役割を検討し、理解と連携協力を得た運営を行うべきとの意見があった。
 「(2) 管理運営方法について」、両館の連携・協力による効率的・効果的な運営などの経費削減や、新たな歳入確保策を講じるよう求められた。また、観光施設としての利用も視野に入れた新たな利用促進策について検討し、多くの県民が訪れるような施設運営を行うよう求められた。さらに、それぞれに関して具体的な方策もいくつか提案されている。
 「(3) 管理運営主体について」、ボランティアとの協働を一層進めることや、指定管理者制度の導入について他県事例の検証を行うなどの検討を行うことが求められた。特に館林美術館については、館林市を主体とした運営や将来的な移管、譲渡を含めた検討が必要との意見があった。
 「(4) その他」として、当面の管理運営について、一定の年限を区切って目標を設定して徹底した点検と見直しを行い、その取組や結果の検証を行うよう求められた。

4 答申後の館林美術館の取組状況

  • 資料2-1(施設概要)及び資料2-2(公共施設のあり方検討委員会答申後の取り組み状況について)により館林美術館事務局から説明。
美術館事務局

施設概要

  • 管理運営コストの状況
     歳入の伸び悩みは「各種助成金」の減少によるものである。国の事業仕分けの影響もあり、予定していた助成金が使えなくなったケースも出ている。
     歳出の減は、あり方検討委員会の答申前の平成20年度決算と平成23年度決算との比較で、人件費が常勤職員、非常勤職員をそれぞれ1名減らしたことで約1千3百万円減少したほか、管理・事業費が約8百万円減少している。主な内訳は、受付・監視委託費の減、燃料費の減である。
  • 施設利用の状況
     入館者数を約1万人増加させることができた。

あり方検討委員会の答申を踏まえた取組状況

  • 施設の必要性について
     答申を重く受け止め、「館林美術館運営懇談会」を設置して検討した。県立美術館として利用者視点に立った美術館づくりに取り組むべきとの検討結果に基づき、利用者増の取組を進めている。また、魅力ある企画展の実施にも努めた。
     結果として、入館者数は、23年度は震災の影響もあり減少したが、取組前に比べると大幅に増加しており、教育普及事業の参加者数も、23年度に教員が配置されて内容が充実したこともあり大幅に増加した。
     「より地域に密着した美術館としての役割を検討し、理解と連携協力を得た運営を行うべき」との答申を踏まえ、地元大手スーパーや金融機関の全店舗、地元商店でのポスター掲示や、平成21年度の「エコ&アート」展における地元企業の製品、市民団体や学校の活動の紹介などを行った。
  • 管理運営方法について
     「両館の連携・協力」については、近代美術館の作品を借りた展示や両館の学芸員の兼務を行った。昨年度は、諸事情で館長も含めた学芸員7名中4名が一時的に欠ける事態が生じたが、無事乗り切ることができた。また、「歳入確保」については、助成金獲得に努めた。
     「新たな利用促進策」について、「県民の意見を聞く会」の開催、群馬DCへの積極的参加、地域の小学生の夏休み木版画展の開催、講堂及び研修室の貸出しの開始、教育普及事業の充実、ポンポンの資料展示の開始、地域と関わりの深い作家の作品展示、ラッピングバスなどの取組を行った。
     結果として、旅行業者による団体利用も増えてきている。
  • 管理運営主体について
     「運営形態の検討」については、運営懇談会において当面は県直営との結論になった。また、全国の状況については文化振興課で調査を実施した。
     「ボランティアとの協働による運営の推進」については、「みんなのアトリエ」において毎年ボランティアの参加を得ている。
  • 当面の目標を設定した取組について
     3つの項目について利用者数の目標を立て、児童木版画展は目標を下回ったが、他の2項目では目標を上回り、3項目の合計ではほぼ目標値を達成する成果を上げた。

5 討議

施設概要について

(田中委員)

 収蔵品の状況はどうか。また、収蔵スペースの空き具合はどうか。

(館長)

 851点ある。約1,700点ある近代美術館の約半分であるが、特定の作家による版画が多く、印象としてはもっと少ない。ほかに寄託が111点あるが、こちらも近代美術館の469点と比べるとかなり少ない。収蔵スペースにはまだ余裕がある。

(田中委員)

 収蔵品の年間購入費はいくらか。

(館長)

 厳しい財政状況を踏まえ、平成20年度から作品購入はしていない。

(田中委員)

 利用者の県内、県外の内訳はどうか。また、無料入館者数が多いがどんな人か。

(館長)

 6割が県内で、4割が県外である。中学生以下及び障害者の方が無料になっている。児童木版画展を開催した関係で無料入館者が以前よりも増えている。

(田中委員)

 平成24年度予算の管理・事業費が増加している要因は何か。

(美術館事務局)

 主な要因は電気料の増である。作品保護の観点から夏場の冷房の稼働予定時間を増やしたものであり、東電による電気料金の値上げを見込んだものではない。また、国の緊急雇用基金の終了に伴い、基金を活用していた監視員等の設置経費を一般財源に振り替えたことも影響している。

施設の必要性について

(小川委員)

 運営懇談会はどんな概要だったか。

(美術館事務局)

 地元の有識者等を委員として、あり方検討委員会の答申に対する検討を行った。検討結果は次の3点である。

  1. 美術館としての機能をより発揮させること。
  2. 地域開放等の施設の有効活用や地元作家の作品展示等、地域に根ざした美術館としての機能をより発揮させること。
  3. 地域との協力体制づくりや市の公園との一体的な利用促進等、東毛地域の市町村や地元住民等の運営への参画を進めること。

(鴻上委員)

 成果が上がった企画展の理由は何か。また、年齢層等の分析はしているか。

(館長)

 藤牧義夫展については、NHKの日曜美術館で若干取り上げられたり、藤牧義夫に関する美術雑誌の企画や関連本の出版などがタイムリーにあった。また、東京で活躍していた作家であることから全国に熱心なファンの方がいてブログ等の口コミでも広がり、地元の方々を含め、予想外に幅広い層の方に来ていただいた。あまりないことであるが、図録が売り切れるほどだった。
 開館10周年記念自然と人間展は、館林美術館ではこれまでオーソドックスな油絵の展示が少なかったことから、近代日本洋画の巨匠の展示が功を奏したと考えている。中高年のオールドファンを中心に来場いただいた。

(鴻上委員)

 藤牧義夫展はかなり人気があったようであり、今後も定期的に開催してはどうか。

(館長)

 館林美術館の藤牧義夫の収蔵品は限られている。毎年夏に藤牧義夫記念の冠を付けた児童木版画展を行っており、その際に展示をしているが、藤牧義夫展と題するまでの収蔵品のボリュームがない。地元作家ということで館林市がある程度収蔵しているので協力していきたい。

(桐谷委員)

 NHKの日曜美術館はよく見られているので効果があると思う。広報宣伝は非常に大事だと思う。今回の企画展も先日、朝日新聞に掲載されていたが、展覧会の反響はどうか。

(館長)

 今回の企画展は東京新聞で大きく取り上げてもらったが、広報宣伝については後手に回ってしまい反省すべき点はあると考えている。
 地域の芸術家を多く紹介しており、反響は大きい。今回の展示の選から漏れた作家の方々の関心も高く、今後も継続して行うのかといった問い合わせもきている。

(桐谷委員)

 建物もすばらしい。もっと施設を利用してもらって良さを知ってもらうことも必要である。

(桐谷委員)

 公募展は行わないのか。

(館長)

 県展の作家の方々は中毛地域に多く在住しているため、この地域で県展のような公募展を行っても出品数が集まりにくい。今回のような周辺地域の作家を中心とした企画は行っていきたい。公募展は今後の課題である。

(美術館事務局)

 近代美術館よりも施設の規模が小さく、公募展を行うと他の展示ができなくなってしまうというスペース的な制約もある。

管理運営方法、管理運営主体について

(荒木委員)

 年4回の企画展があるが、1つの企画展の準備期間はどのくらいか。

(館長)

 最短でも1年はかかる。大きな企画展の場合は2年くらい前から動かないと借りたい作品が借りられなくなってしまう。

(荒木委員)

 週替わりで開催するなどして、人気があったものは年何回もやったらどうか。

(館長)

 もっと多くの企画展を開催したいが経費がかかる。頻繁に開催した場合は展示替えの作業員の費用がかなりかかってしまい、かえって経費増になる。

(荒木委員)

 地域の作家を掘り起こすような取組も必要である。西邑楽高校には県内では数少ない美術コースがあり、連携して美術家の卵を育てていくこともできるのではないか。例えば、展示スペースの一画を開放してあげれば、お金をかけずに週替わりででもいろいろなことをやってくれるだろうし、友人や家族等も来館してくれるのではないか。

(館長)

 西邑楽高校との連携はこれから十分期待できる。今回の企画展のレセプションで西邑楽高校の先生と話をして、この夏に別館で行う実技講座の講師をお願いすることになった。今後も生徒を含めたコラボレーションの可能性はあると考えている。

(美術館事務局)

 生徒の作品展を館林美術館で行うことができないか検討中である。

(佐藤委員長)

 本日欠席の鈴木委員から管理運営方法に関連した意見が提出されているので、事務局から説明をお願いしたい。

(事務局)

 御意見の主旨は「赤字を解消するには、現在の入館料を維持するとすると、入館者を年間70万人以上に増やすか、管理・事業費を大幅に削減しなければならず、現実的には不可能である。したがって、税金を投入して美術館を維持していく意義を納税者に納得してもらう必要があり、それには美術館のスタッフが美術館の収益は自らが責任を持って創り上げていくという意識を持たなければならないし、実績を上げていけば納税者の評価も得られるということを再考してほしい。」というものである。
 具体的には、次のとおり「コスト削減」、「収入増」、「美術館の存在意義のPR」の3つの意見をいただいた。

  • コスト削減
    1. 管理運営費の削減目標を設定し、大幅な経費削減に向けて既成概念にとらわれない具体的な削減方法を再考する必要がある。
    2. 個々の企画展ごとの黒字化に向けて、学芸員がコスト意識やマーケティング力を持たなければならない。
  • 収入増
     個人や法人の寄付金受入れの促進、芸術志向の企画展のほかに一般大衆の集客をターゲットとした企画展の開催、企画展の回数増、夜間営業、期間を限定した興行等への全館貸出しなどを実施してはどうか。
  • 美術館の存在意義のPR
     外部委員会を設置して定期的に評価を受けることで、税金投入の妥当性を客観的に示していくことが必要である。

(佐藤委員長)

 鈴木委員からの提案で既に実施していることはあるか。

(美術館事務局)

 一般大衆の集客をターゲットとした展覧会については、高崎市美術館で昨年行われた「ねこ」の写真展のようなものはどうかなど、アイデアとしては出ているが、一定の収益が見込まれないとできないなど難しい面もある。

(桐谷委員)

 高崎市美術館では平成21年の夏に行われたターシャ・テューダー展も多くの人が訪れていた。あのようなものができるとよい。

(鴻上委員)

 魅力ある美術館にしていくという意味で入館者数を増やすことは必要であるが、数字的な面だけで見ると、入館料を低く抑えているので入館者をどんなに増やしても収入増はほとんどない。もし仮に、収支差額のマイナスを減らすという意味での行革を目指すのであれば、入館者数を増やすだけでは意味がなく、経費を削減するしかない。
 しかし、管理・事業費の内訳を示してもらわないとそうした検討はできない。例えば1つの企画展を行うには労務費や消耗品費などがどの程度かかるのかといった事業ごとの経費を見ないと、年間5本できるのか、あるいは3本の方が効果的なのかといったことは検討のしようがない。
 現在、館林美術館は入館者一人当たりの県費負担額が6千円であるが、近代美術館は3千円弱である。これが良いか、悪いかの判断は難しい。教育施設であり、芸術・文化を学ぶ生涯学習の場として適当と考える経費の額は人によって考え方が異なる。教育施設として意味があり、そのために経費をかけているということが分かるように経費の使い方を示していかないと、合計金額だけを見れば「高いな」という印象になってしまう。なお、個人的には、館林美術館の一人当たり経費は少し高いと感じる。より経費をかけずによい企画ができるようにしていければよいと思う。企画ごとの経費の管理が重要である。
 光熱水費の話があったが省エネ診断は受けたことがあるか。経費削減の面からもアドバイスを受けてはどうか。

(美術館事務局)

 企画展ごとの経費実績については、経費の振り分けが難しいものもあるが、今年度から出していくように取り組んでいる。
 省エネ診断については今後考えていきたい。

(田中委員)

 管理・事業費の詳細に関する資料がなく、これで何を議論しろと言うのか。事務局は、次回以降に検討する施設では資料の作り方を見直してもらいたい。
 美術館はそもそも黒字化できる施設ではない。この施設を維持していくための県民の負担としていくらまでだったら許容できるかについて、目安を出して訴えかけていくことが必要であり、入館者一人当たり県費負担額の目標を設定すべき。
 また、館林美術館は、近代美術館が遠いのでなかなか見に行けない東毛地域の方の鑑賞機会を確保するという目的と、館林美術館の独自性を出していくというある意味矛盾した目的を持っている。東毛地域の方に美術品に触れていただくためにある程度のコストをかけるのはやむを得ないが、あり方検討委員会の答申にもあったように両館の連携による効率的な運営が必要である。例えば、近代美術館で人気のあった企画展を館林美術館でもやらないのはなぜか。最初の理念にあった近代美術館まで見に行けない人のために作ったということが意識されていない。館林美術館で同じものを開催するのがスペース的に難しいのであれば、館林では規模を縮小して行えばよい。学芸員も両館でシェアし合ってよりよい企画を立てて両館で実施することができる。県民に平等の鑑賞機会を確保することが館林美術館のそもそもの出発点であると思うので検討いただきたい。

(佐藤委員長)

 管理運営に関しては、この資料では数値的な情報が不足しており具体的な提案はできない。
 あり方検討員会の答申では「物品等の共同購入などの検討」が例示されているが、美術館以外の他の県立施設も含めて、購入や調達の一括化によるコストダウンは行っているか。

(美術館事務局)

 一括調達は行っていない。館林美術館だけで検討できることではないので、文化振興課とも相談しながら検討したい。

(佐藤委員長)

 入館者の属性分析はどういった方法でどの程度行っているか。分析に経費をかけすぎると本末転倒ではあるが、今後の具体的なプログラムを組むための戦略を練るためには必要である。例えば、先ほどの2館連携を考えるに当たり、近代美術館と館林美術館の両方に行ったことがある方はどの程度いるか。また、県民への館林美術館の認知度はどうか。

(館長)

 来館者アンケートは恒常的に行っているが「近代美術館にも行ったことがあるか」という設問は設けていない。入館者は周辺地域の方が多く、複数回来たことがあるという方もおり、周辺地域についてはある程度認知されていると考えている。しかし、中毛方面については企画展等でやって来た美術関係者でさえ初めて来たという方がいる。一方で、この地域に住んでいる人は前橋、高崎に行くのであれば東京に出かけてしまうので、近代美術館とは別の客層になっていると考えている。

(佐藤委員長)

 あり方検討委員会の答申で示された提案の中には、館だけでは検討できないような、県として政策的に戦略を練る必要があるものもあると思う。例えば、答申では2館の役割分担や位置づけを明確にするよう強く求められている。館林美術館のあり方については、第三者委員会である運営懇談会の報告書は出ているが、それを踏まえて県としてどう決定したのか。
 また、指定管理者制度について、全国調査を文化振興課で行ったということであるが、どのような理由で引き続き県直営としたのか。

(文化振興課長)

 両美術館は平成20年度のあり方検討委員会の中間報告で答申を受け、それぞれ3年間の目標を立てて取り組んできた。しかし、他の博物館等については翌年度の最終報告で答申を受けたことから今年度までの計画で取り組んでいるので、それらの博物館等も含めて、本年度制定された文化基本条例に基づき設置する審議会に部会を設けて県としての結果検証を行い、今後の目標を設定していく予定である。
 指定管理者制度については、公立美術館の大きな役割である調査研究の継続性や一定の準備期間を要する企画展の企画等の面で、一定期間ごとに選定が行われる指定管理者制度では問題が生じる場合があると考えており引き続き県直営でいくと判断した。他県でも指定管理者制度を導入している例はあまりなく、導入している美術館でも、管理部分だけを指定管理者に任せている事例がほとんどである。美術館の運営全体を指定管理者が行っている施設は少ないが、運営状況を確認してうまくいっているという状況があれば今後も検討していきたい。

※ 以上で午前中の審議を終了し、近代美術館へ移動。

(2) あり方検討委員会の答申を受けた近代美術館の取組状況について

  1. 施設概要説明
  2. 施設調査
  3. 答申後の近代美術館の取組状況
  4. 討議

1 施設概要説明

  • 資料3-1(施設概要)により近代美術館館長から説明。
館長

 あり方検討委員会の答申にどう応えていくかを検討するに当たっては、「県民の声を聞く会」を開催したり、友の会、ボランティアの皆さんの意見を聞きながら運営の改善に努めているところである。
 近代美術館は昭和49年に開館し38年目であり、まもなく40周年を迎える。入館者も40周年までには通算で500万人に達する状況である。美術展示、教育普及事業、調査研究を通じ、県民の知識及び教養の向上を図り、県民文化の振興に寄与している施設である。建物も磯崎新氏の代表的建築に挙げられ、それ自体が芸術作品となっており、展示室も国内美術館の中でトップクラスにある。また、戸方庵井上コレクションの収蔵などが特色になっている。
 管理運営コストの状況は、年間の歳入予算が約1千4百万円、歳出予算が約3億5千万円である。歳入は展覧会の内容次第で年によって増減があるが、歳出は漸減傾向にある。職員の状況は、常勤15名、非常勤11名で、このほかに警備・監視業務を委託している。
 管理運営における当面の大きな課題は、作品の購入費確保と、老朽化した電気・機械設備の更新である。
 また、入館者数を増やす取組として、魅力ある展覧会の開催に努めている。本県の特色ある染織や本県にゆかりのある作家などの作品展示、新聞社との共催による開催も行っている。常設展示も年数回の入れ換えを行い、「コレクション展示」として従来と展示の仕方を変えている。また、「えほんの森」を設置し、子ども連れでも気軽に入っていただけるような工夫も始めている。
 学校との連携も積極的に進めており、鑑賞ガイドも毎年更新している。
 広報についても、広報委員会の設置など強化しているところである。
 これらの取組により入館者数の増加について一定の成果を上げており、今後も入館者増に取り組んでいく。

2 施設調査

  • 1階展示室(群馬青年ビエンナーレ2012に向けた展示替えの状況を視察)
  • 収蔵庫
  • 鑑賞プログラム紹介DVDの視聴

3 答申を受けた近代美術館の取組状況

  • 資料3-2(あり方検討委員会答申後の取り組み状況等について)により近代美術館事務局から説明。
近代美術館事務局

施設の必要性について

 近代美術館は、県内美術の中核施設として県民文化の向上に寄与する施設と考えている。
 企業とタイアップした展覧会を行う一方で、地元出身のコアな作家の展示を行うなど、メリハリを付けている。また、常設の展示についてもリピーターに飽きが来ないように「コレクション展示」として原則企画展ごとに展示替えをしている。
 その結果、入館者は、昨年度は特殊要因により落ち込んだが、全体としては増加傾向にあり、教育普及事業の参加者については大幅に増加している。
 「幅広い役割をより効果的に果たす」との答申に対しては、多彩で高度な内容の展示を開催するほか、ビエンナーレや県展の開催により、県民の芸術参加を促進している。

管理運営方法について

 「両館の連携・協力」については、年1回、両館所蔵品を活用した展覧会を開催している。また、「経費削減」については、隣接の歴史博物館と事務部門を統合することにより職員を2名削減した。
 「新たな利用促進策」については、「県民の意見を聞く会」を開催し、遊休スペースの活用などの意見をいただいたことから、県民ギャラリーの設置について検討を行った。また、他県では例のない「ファミリータイム」を設定し、昨年度は106組251名の利用があった。他県で預かり保育を行っている例はあるが、経費もかかるし、子どもと一緒に鑑賞し感動を共有してほしいとの思いもあり実施しているものである。
 「観光施設としての利用も視野に入れた取組」としては、「駅からハイキング」や群馬DCへの積極的な参加などを行った。
 教育普及事業については、平成23年度から教育普及係員として教員1名を配置し活動内容の充実を図ったほか、県内全小中学校にスクールプログラム紹介DVDを配付するなど、学校利用の促進を図った。

管理運営主体について

 「ボランティアとの協働による運営」については、平成5年から活動しており、多岐にわたるサポートをいただいている。特にスクールサポート活動は昨年度大幅に増加し42回となった。今後も引き続き進めていく。
 指定管理者制度の導入については、文化振興課の全国調査を踏まえ、当面直営で運営することとした。指定管理者が管理することとなった場合のデメリットとしては、美術館としての信頼性の観点から作品の寄贈・寄託がはかどらなくなることも懸念されている。

当面の目標を設定した取組について

 利用者増加に係る3つの目標を立て、「学校団体の受入校数」以外の2項目について目標を達成した。全体の入館者数も増加傾向にある。

4 討議

施設概要について

(小川委員)

 人員の削減でどこかにしわ寄せがいって、時間外勤務が増加していないか。

(美術館事務局)

 業務配分を整理し直してなるべく平準化を図っており、時間外勤務は以前よりもむしろ減少している。なお、国の緊急雇用創出事業を活用した臨時職員を2名雇用している。
 課題としては、単純なことではあるが、事務室と現場を実際に動かす学芸員室との間に少し物理的な距離があることで、なかなか現場と対話ができない不便さがあるので、できるだけコミュニケーションを図るようにしている。

(田中委員)

 平成24年度予算が増加している理由は何か。

(美術館事務局)

 予算ベースでは平成23年度も同程度の金額であった。予算では、光熱水費について空調をフル運転する必要が生じた場合にも対応できるように計上しているが、決算では平成23年度並みに収束していくものと考えている。
 人件費については、予算を積算する時期には人員減を見込んでいなかったことから16人分で計上されているものであり、最終決算では15人分に減額になる。

(田中委員)

 決算での減額は、省エネ等の努力が功を奏している結果なのか、それともそもそも予算の積算の仕方に問題があるのか。

(美術館事務局)

 本来は収蔵庫、展示室の空調は24時間運転が基本であることから予算計上しているものである。日本美術等の展示があった場合は、特に休館日等でも空調の運転が必要となってくる。

(田中委員)

 これまで民間との共催がなかった理由は何か。また、今後の方針はどうか。

(館長)

 これまでは美術館が企画し実施する形であった。一昨年度のアンコールワット展は、上毛新聞社から企画の話があり、内容を見て、会場を提供する判断をしたものである。実際にやってみて、来場者からも好評であった。
 展示予算が限られている中、共催は、共催者も展示の予算を負担するので、予算額を増やすことなく規模の大きなものが開催できる。内容にもよるが、この美術館にふさわしい良いものがあれば、積極的に検討したい。しかし、実際には企業側も入場料収入である程度の経費が賄える見込みが立たないと乗ってこない。常に集客が期待できる東京とは状況に違いはある。

(田中委員)

 民間や地域とのコラボレーションを進めていく姿勢は東京でも群馬でも同じだと考える。

(佐藤委員長)

 民間企業とのタイアップは大事である。

(美術館事務局)

 アンコールワット展の後も取組は進めている。昨年度も、原発事故の影響で作品を展示してもらえなくなったため中止になったが、上毛新聞社との共催でエルミタージュ展を開催する予定であった。

(田中委員)

 経済情勢は厳しいが、企業も一定の広告宣伝費は計上している。そうしたものを活用してもらって少しでもスポンサーとして負担してもらえるとよいのではないか。

(鴻上委員)

 スクールサポート活動では各学校まで出張して説明している。昨年度、実施回数が大幅に増えているが、職員数が増えない中で対応し切れているか。

(美術館事務局)

 嘱託職員1名のほかはボランティアで対応している。ボランティアは無給でお願いしているが、知識も意識もレベルの高い方が多い。また、ボランティア希望者も多いが、研修を受けていただく必要があるので逆にお断りしなければならないような状況である。様々な種類のボランティアがあるが、全部合わせると120人の登録がある。

(鴻上委員)

 すばらしい仕組みである。

(佐藤委員長)

 ボランティアは任期制か。任期制ではないとすると、なりたいのになれないといった苦情はないか。

(美術館事務局)

 特に任期はないが、出席率が悪い方は、皆さんで話し合った上で辞めていただいている。これまでにボランティア希望者からの苦情は特にない。

(荒木委員)

 学校への出張授業は全県に出かけているのか。全県をカバーしているのであれば、館林美術館の必要性にも関係してくると思う。

(美術館事務局)

 時間的な制約もあり、高崎・前橋など近くの学校に出向くことが多い。

(桐谷委員)

 平成20年にリニューアルオープンしたが、今後、具体的にどのように運営していく考えか。また、コレクションを増やしていく考えはあるか。

(館長)

 寄贈は毎年あるが、購入は最近10年間はストップしている。これは群馬県だけの課題でなく、全国的にも5割以上の美術館で新規購入ができていない状況がある。
 しかし、今後を考えると、県内作家で名が残るような人の作品や不足している作品・作家を本来であれば収蔵していきたい。また、美術館が地元芸術家を育成していくという観点からの購入もしていければよいと考えている。文化基本条例もでき、文化県としての方向性として必要だと考える。
 近代美術館の今後の方向性としては、地域と連携していく取組がもっとあってもよいと考えている。美術館としての基本的な役割はしっかり果たしつつ、さらにどんなことができるか考えていきたい。

(桐谷委員)

 今後も期待している。

(小川委員)

 入館者が増えてきてはいるが、この場所はインターや東毛広幹道から近く立地はよいのに目の前の道路だけが2車線のままでいつも混雑してしまっているので改善が必要ではないか。
 「駅からハイキング」はおもしろい発想である。今後も地域に根ざした美術館にしていってほしい。

(美術館事務局)

 県道については、将来的に拡幅していく予定があると高崎土木事務所から聞いている。

(佐藤委員長)

 2館の役割分担について、館林美術館では独自に検討が行われていたが、県全体としての検討結果がはっきりしない。例えば両館と文化振興課の3者での検討は行ったのか。

(館長)

 そこまでの検討はしていない。
 近代美術館については中心館としての役割があり、あり方検討委員会からもそうした役割を果たすことが答申されている。
 館林美術館については存在意義について検討を行い、地域に根ざした展覧会などを実施していくべきであるとなったところである。
 その中で、県立2館が収蔵品の貸し借りなど互いに協力し合い、学芸員の人事交流も実施しており、今後も協力を進めていきたい。
 当面は、それぞれの美術館の特色を生かした運営を行っていく。

(佐藤委員長)

 県としての方向性は既に出ているのか、それとも更なる検討を今後設置される審議会で行うということか。

(文化振興課長)

 それぞれの美術館のあり方については一定の方向性が出ている。
 今後設置する県文化審議会の部会では、あり方検討委員会の答申後にこれまで行われてきた様々な取組を検証していく予定である。

(田中委員)

 館林美術館は、近代美術館のブランチ的なものではないかと考える。仮に、館林美術館が地域に根ざしたことを中心にやっていくのであれば、館林市の美術館にした方がより地域に根ざしたものになっていくのではないか。その辺りの整理について、もう少し県全体として踏み込んだ検討をしてほしい。

管理運営方法、管理運営主体について

(佐藤委員長)

 「県民の意見を聞く会」はどのようなものであったか。

(館長)

 高崎市美術館の館長、美術専門家、教員、県民から公募した方など8名で構成され、気楽に意見を出し合う形で進められた。

(佐藤委員長)

 そのほかに県民ニーズはどのように把握しているか。また、それは公表しているか。さらに、分析結果から見えてきたことはあるか。

(美術館事務局)

 企画展ごとに、企画展、常設展の別でアンケートを実施しているが、公表はしていない。
 入館者は県内が74%、県外が26%であるが、県立の他の美術館、博物館等と比べると県外比率が低いことから、北関東自動車道沿線や東京からの誘客について広報宣伝に力を入れている。
 また、「親子で気軽に来られない」「乳幼児を連れて入れない」との意見が多かったことから、ファミリータイムを導入した。利用者からは好評で、当初懸念していた他の利用者からの苦情もない。

(田中委員)

 今夏の節電対応で、2階の第3、第4、第5展示室を閉鎖して、予定していたコレクション展示を中止するとのことであるが、美術館は、収蔵作品も重要であるが、どんな企画を打つかがアピールするポイントであり、県民としても良いものをやってもらいたいという部分が大きい。そうでなければこれだけの赤字を出して継続していくことを容認する人はいない。赤字であってもやってほしいという価値観があって成り立っていくものである。
 そうした視点から、例えば、今回一部展示室を閉鎖することによるコスト削減分を使って、ある程度経費をかけるような企画を重点的に行うようなことは考えているか。

(館長)

 常設展示の入館料は300円だが、閉鎖後は常設展示が2室になってしまうので、閉鎖で削減される経費を活用して、第7展示室にインスタレーションによる魅力ある展示を作る予定である。第2展示室と合わせて来館者に喜んでいただける内容にしたい。

(田中委員)

 経費のメリハリは大胆に付けてほしい。

(佐藤委員長)

 指定管理者制度のデメリットとして、寄託が伸びないとの発言があったが、指定管理であっても設置者は県である。他県の状況はどうか。また、実際の管理の状況はどうか。

(美術館事務局)

 一部指定管理で学芸員は県職員という施設であったとしても、管理のまとめ役の名前が県ではなく民間業者になることで寄託者の信頼度に差が出るようである。また、寄託の期間内に指定管理者が替わる可能性があることにも寄託者は不安を感じるようである。

(館長)

 指定管理を導入している施設の多くは、元々管理運営のために設立された外郭団体がそのまま指定管理者になっているケースが多く、施設設置時に新たに指定管理者制度を導入して民間業者が指定管理者になったところは少ない。

(佐藤委員長)

 民間業者が指定管理者となっている施設がうまくやっているかどうかをきちっと分析した上での結論か。

(文化振興課長)

 例えば長崎県の博物館は新しい博物館であり、全体を指定管理している。事例は、今後研究していきたい。

(美術館事務局)

 成功例としては山梨県の美術館の事例があるが、予算措置があって収蔵品を増やすことができたこともありうまくいっているようである。
 一方で、芦屋の美術館では実際に寄託作品を引き揚げる事態が起こっている。
 学芸部門が指定管理で入替えになると寄託者との信頼関係が築けない。また、公立館へ寄託する大きな理由の一つは、ハード面での管理がしっかりしていて作品管理の信頼性が高いことであり、仮に指定管理が管理部門だけであったとしても不安が生じてしまうようである。

(佐藤委員長)

 指定管理であっても行政が責任をもってしっかりやることに変わりはないのだが。

(佐藤委員長)

 本日欠席の鈴木委員から管理運営方法に関連した意見が提出されているので、事務局から説明をお願いしたい。

(事務局)

 <館林美術館での説明内容に同じ。>

(佐藤委員長)

 近代美術館の運営には毎年約3億円もの税金が投入されている。納税者である県民にとって、それに見合うVFM(Value For Money)があるような取組が行われていれば、おそらく県民も納得するのだと思う。何が何でも経費削減ということだけではなく、良いものをどんどん出していくという方向で進めていっていただきたい。

(3) あり方検討委員会の答申を受けた施設の取組状況に対する意見(案)について

1 群馬県介護研修センターについて

  • 資料4-1(あり方検討委員会の答申を受けた取組状況の評価及び提言(案)[群馬県介護研修センター])により事務局から説明。
説明

(事務局)

 前回の委員会における議論を案のとおり委員会の意見としてとりまとめた。
 介護部門の譲渡については答申を踏まえた対応であり評価するが、研修部門の効率的な運営を求めるものとした。

討議

 <特に意見なし>

(佐藤委員長)

 欠席委員の意見を確認した上で、案のとおり答申したい。

2 ぐんま昆虫の森について

  • 資料4-2(あり方検討委員会の答申を受けた取組状況の評価及び提言(案)[ぐんま昆虫の森])により事務局から説明。
説明

(事務局)

 人員や経費を大幅に削減する一方で入園者数を大幅に増加させており評価できるとした。引き続き費用対効果を高めつつ、魅力ある施設運営を行っていくことを求めることとし、以下の提案にまとめた。

  • プログラムの企画実施や学校等の受入れを円滑に行える体制の維持
  • 教育施設として県民の理解の得られる経費水準の維持
  • 旧生態温室の抜本的見直しは不測の経費増を招かないように進めること
  • 地域やボランティアとの連携・協力の継続
  • 首都圏等へのPR強化や公共交通の便の向上の働きかけ
討議

 <特に意見なし>

(佐藤委員長)

 欠席委員の意見を確認した上で、案のとおり答申したい。

(4) その他

 次回委員会は8月9日(木曜日)の午前中に開催予定。議題は、今回審議した近代美術館、館林美術館に関する意見(案)のとりまとめと新行政改革大綱の平成23年度評価についてを予定している。

(参考)第6回委員会資料