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特集 東国文化の中心地「古墳大国ぐんま」に迫る3

更新日:2017年8月8日 印刷ページ表示

白石(しろいし)古墳群(藤岡市)5世紀前半~7世紀

白石稲荷山古墳

 5世紀前半に造られた全長約140メートルの大型前方後円墳です。後円部に比べ前方部が低い形状をしているのが特徴です。副葬品として鎌や斧(おの)などの道具を形どった石製模造品などがあり、墳丘には家形埴輪群などが立てられました。
 また白石古墳群の皇子塚古墳や平井地区1号墳などからは、朝鮮半島とのつながりを示す大刀などの副葬品が多数出土しています。

高床倉庫(白石稲荷山古墳)東京国立博物館所蔵の写真
高床倉庫(白石稲荷山古墳)東京国立博物館所蔵

金銅装単鳳環頭大刀(こんどうそうたんぽうかんとうたち)の写真
金銅装単鳳環頭大刀(こんどうそうたんぽうかんとうたち)

七輿山(ななこしやま)古墳

 6世紀前半に造られた全長145メートルの大型前方後円墳です。古墳から出土した円筒埴輪は高さ1メートルを超す東日本有数の大型品です。また大王級の古墳にしか見られない7条突帯の円筒埴輪が、畿内地域との深い関係性を表しています。

円筒埴輪の写真
円筒埴輪

伊勢塚古墳

 6世紀後半に造られた全長約30メートルの小型の古墳で「模様積み」と呼ばれる意匠に富んだ石室が特徴です。古墳時代の高度な土木技術がうかがえます。

「模様積み」の横穴式石室の写真
「模様積み」の横穴式石室

総社古墳群(前橋市)5世紀後半~7世紀

古墳文化から仏教文化へ

 7世紀に入ると古墳時代も終末期を迎え、古墳文化と仏教文化が共存する時代になります。

宝塔山(ほうとうざん)古墳

 1辺約60メートルの大型方墳です。全長約12メートルの横穴式石室は、石材を四角形やL字型に加工して組み合わせる「切石積(きりいしづみ)石室」となっていて、壁面全体が漆喰(しっくい)で白く仕上げられています。また石室に納められている石棺の脚部には格狭間(こうざま)といわれる仏教建築などにみられる加工が施されています。
 このことから、ヤマト王権が広めようとした仏教文化を、いち早く古墳造りに取り入れたことが分かります。

家形石棺の「格狭間」加工(宝塔山古墳)の写真
家形石棺の「格狭間」加工(宝塔山古墳)

蛇穴山(じゃけつざん)古墳

 県内で最後に造られた1辺約40メートルの大型方墳です。天井や側壁が全て一枚岩で造られていて、その精密さは圧巻です。石室には羨道(せんどう)がなく、入るとすぐに玄室となる造りをしています。
 この頃に造られた、東国で最古級の寺院である山王廃寺(さんのうはいじ)と宝塔山・蛇穴山古墳の石材加工技術には共通点が認められることから、総社古墳群を造った豪族が山王廃寺を造ったと考えられます。

精密な石材加工を用いた横穴式石室(蛇穴山古墳)の写真
精密な石材加工を用いた横穴式石室(蛇穴山古墳)

東国における要衝地「緑野(みどの)」

藤岡市文化財保護課 課長 軽部達也(かるべたつや)さんの写真
藤岡市文化財保護課 課長 軽部達也(かるべたつや)さん

勢力拡大を図るヤマト王権

 「古墳時代、藤岡地域は『緑野』と呼ばれていました。535年に緑野にヤマト王権の直轄地である『屯倉(みやけ)』が設置されたという記録があります。このことから、ヤマト王権が緑野を拠点にその影響力を強化しようとしていたことがうかがえます。
 この時期に造られた七輿山古墳に葬られた人物は、緑野屯倉を治めるために畿内地域から来た、ヤマト王権とつながりの深い人物だった可能性があります」

埴輪の大量生産と流通

 「この地域は河川が集まる場所で古墳や埴輪造りに欠かせない良質な粘土、窯の燃料となる木、多様な石材がそろっていました。
 またヤマト王権から渡来系の人の入植地に選定されていたことなどから、朝鮮半島から渡って来た人が窯を使う技術をもたらしたと考えられます。これにより、窯を使って高温で焼くことで、強度のある須恵器(すえき)が作られるようになりました。
 また埴輪が大量生産されるようになり、藤岡産の埴輪は各地に運ばれました。保渡田古墳群や観音山古墳から見つかった埴輪も、使用された粘土の特徴から藤岡産であると考えられます」

「東国文化」おすすめ情報

県立歴史博物館グランドオープンオープニングイベント開催中!

グランドオープンの見どころ

  • 常設展示では、国内唯一とされる「三人童女」の埴輪をはじめとした数々の形象埴輪や、東日本屈指の豪華な金銅製馬具など、観音山古墳出土の重要文化財275点を一斉に展示しています
  • 8月13日(日曜日)には「黄泉寄席」と題して、ぐんま観光特使の林家つる子さんの落語会を開催します
  • 勾玉作りや火おこし体験などのワークショップも開催中です

※申し込み方法など詳しくは、県立歴史博物館ホームページ<外部リンク>をご覧ください

開館時間

午前9時30分~午後5時
(入館は4時30分まで)

休館日

月曜日(祝日の場合はその翌日、8月14日を除く)

所在地

高崎市綿貫町

観覧料

一般=300円、大学・高校生=150円、中学生以下=無料
※障害者手帳などをお持ちの方とその介護者(1人)は無料です。証明できるものをお持ちください

東国古墳文化展示室に展示される「三人童女」(中央)の写真
東国古墳文化展示室に展示される「三人童女」(中央)

企画展情報「海を渡って来た馬文化-黒井峯遺跡と群れる馬-」

 古墳時代の群馬に花開いた馬文化の実像に迫ります。また世紀の大発見、金井東裏遺跡の「甲を着た古墳人」や「首飾りの古墳人」の復顔像を初公開します。

会期

9月30日(土曜日)~11月26日(日曜日)

頭骨画像(県教育委員会提供)の写真
頭骨画像(県教育委員会提供)

「東国文化副読本 ~古代ぐんまを探検しよう~」

 ぐんま広報で紹介した古墳の所在地や特徴などについて掲載しています。魅力ある歴史文化遺産を再認識するきっかけに活用してください。

入手方法

  • 県内の全中学1年生に配布しています
  • 県庁県民センター、県行政県税事務所、書店などで購入できます

定価

200円(税込み)

東国文化副読本の写真
東国文化副読本

「東国文化ゆかりの地巡り -古代のぐんまを探検せよ-」

 アプリを使って東国文化のゆかりの地を巡るスタンプラリーを実施しています。アプリのダウンロードなど詳しくは、県ホームページをご覧ください。

「東国文化ゆかりの地巡り -古代のぐんまを探検せよ-」の写真
「東国文化ゆかりの地巡り -古代のぐんまを探検せよ-」

問い合わせ先

県庁文化振興課東国文化推進室(電話 027-226-2525 ファクス 027-221-0300)
県立歴史博物館(電話 027-346-5522 ファクス 027-346-5534)

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