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平成28年度身体拘束廃止実態調査の結果概要
1 調査目的
介護保険施設等(以下「施設等」という。)における身体拘束の状況を把握し、今後の身体拘束廃止に向けた取り組みを推進するための基礎資料とします。
2 調査内容
施設等に対し、調査票を送付し、平成28年10月1日~7日までの7日間(以下「期間中」という。)における身体拘束事例の有無と、有の場合は、個々の身体拘束事例毎に被拘束者の状況、行為種別及び拘束の理由等について回答を求めました。
3 調査対象
施設等 1,281箇所
ア.特別養護老人ホーム(175)
イ.介護老人保健施設(87)
ウ.介護療養型医療施設(13)
エ.認知症対応型共同生活介護事業所(268)
オ.小規模多機能型居宅介護事業所・複合型サービス事業所(113)
カ.特定施設入居者生活介護事業所(65)
キ.短期入所生活介護事業所・短期入所療養介護事業所(ア、イ併設を除く61)
ク.養護老人ホーム(カを除く8)
ケ.軽費老人ホーム(カを除く59)
コ.有料老人ホーム(カを除く287)
サ.サービス付き高齢者向け住宅(145)
4 回答率
74.4%(回答施設等数 953箇所/調査対象施設等数 1,281箇所)
5 結果概要
(1)やむを得ず行われた身体拘束事例が1件(人)以上ある施設等は、255箇所で、被拘束者は962人でした。
(2)施設等において、やむを得ず身体拘束が行われた比率(注)は1.6%で前回(平成25年度)調査と同率でした。
注:期間中延べ被拘束者数(被拘束者の拘束日数の合計)/期間中延べ利用者数(10月1日現在の回答施設等の利用者数の合計×7日)×100
(3)被拘束者のうち、要介護度3以上が77.2%で、認知症日常生活自立度2以上が98.3%でした。
(4)被拘束者に対して、拘束を行う際の手続きをきわめて慎重に行っていると回答があった事例は87.6%でした。
6 その他
県では、身体拘束廃止に向けた各種研修会の開催、認知症介護研修、高齢者ケア専門研修、権利擁護推進員養成研修、看護実務者研修など、認知症ケアや高齢者権利の擁護に関する研修会を開催し、身体拘束廃止に向けた意識を高めます。
調査時点 | 今回調査 平成28年10月1日 |
前回調査 平成25年10月1日 |
分析 | |
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身体拘束率 表1 n=207,193(平成28年度)、n=192,850(平成25年度) |
拘束率A/B×100(%) | 1.60% | 1.60% | 拘束率は横ばい |
A:身体拘束の延べ人数(人) | 3,340人 | 3,160人 | ||
B:延べ利用者数(人) | 207,193人 | 192,850人 | ||
施設等毎の拘束率の内訳 表2 n=953(平成28年度)、n=840(平成25年度) |
0%施設等 | 77.2% | 77.1% | 拘束ゼロの施設等の割合は横ばい 20%以上施設等は減少 |
0%超~5%未満施設等 | 10.9% | 9.9% | ||
20%以上施設等 | 1.2% | 3.2% | ||
主な身体拘束の行為別の状況 表8 n=523(平成28年度)、n=472(平成25年度) |
「ベッドを柵で囲む」 | 26.8% | 36.8% | 転落・徘徊防止のためのベッド柵の割合は減少 点滴抜去・かきむしり防止のためのミトン型手袋、立ち上がり防止のための車いすベルト等、脱衣等制限のためのつなぎ服の割合は増加 |
「ミトン型の手袋をつける」 | 33.6% | 30.2% | ||
「車いすにベルト等をつける」 | 24.0% | 20.2% | ||
「介護衣(つなぎ服)」 | 11.1% | 9.9% | ||
例外3原則※注の該当状況 表9 n=482(平成28年度)、n=472(平成25年度) |
該当している | 87.6% | 83.6% | 拘束を行う際の手続きが きわめて慎重に行われた者 の割合が増加 |
身体拘束の主な理由 表10 n=509(平成28年度)、n=472(平成25年度) |
「生命等が危険で他に方策がない」 | 61.7% | 65.7% | 生命等が危険で他に方策がないの割合が減少 拘束は不要だったと思う、拘束は不要と感じたが家族が希望が増加 |
「生命等の危険で拘束したが人手があれば拘束は不要」 | 22.8% | 24.0% | ||
「拘束は不要だったと思う」 | 2.9% | 1.5% | ||
「拘束は不要と感じたが家族が希望」 | 10.0% | 6.9% | ||
身体拘束廃止に係る施設・事業所内での研修の実施 表11n=938(平成28年度) |
研修を実施している | 65.8% | 調査未実施 | 施設・事業所内研修を実施している施設・事業所は約2/3にとどまっている |
※注 例外3原則:やむを得ず身体拘束を行うにあたって検討すべき事項で、切迫性(生命等の危険が著しく高い)、非代替性(他に方策がない)、一時性(行動制限が一時的)の3つを指します。また、割合の算出にあたっては、回答のなかった施設・事業所は除外して集計しています。