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個人情報保護審議会諮問事件第33号

更新日:2014年11月20日 印刷ページ表示

1 件名

 「私が、平成23年8月頃の傷害事件の届出に関し、相談したことがわかる文書」の個人情報部分開示決定に対する審査請求

2 諮問庁・処分庁

 公安委員会、警察本部長

3 開示等決定内容及び理由

(1)決定内容

 平成25年9月20日 個人情報部分開示決定

(2)非開示理由

  • 「相談業務報告書」中の、決裁欄、受理担当者欄、対応責任者氏名等欄及び欄外にある警部補以下の職にある職員の氏名及び印影
    • 条例第13条第3号
      開示することにより個人の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認めて実施機関が定める職にある職員の氏名であるため
  • 「相談業務報告書」中の、氏名欄及び対応責任者氏名等欄の職員番号、平成23年8月9日付け相談における相談概要欄及び処理結果備考欄の記載事項の一部、平成25年8月15日付け相談における処理結果備考欄の記載事項の一部
    • 条例第13条第3号
      開示請求者以外の個人に関する情報であって、開示請求者以外の特定の個人を識別することができる情報であるため(他の情報と照合することにより、開示請求者以外の特定の個人を識別することができる情報を含む。)又は開示請求者以外の特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお開示請求者以外の個人の権利利益を害するおそれがある情報であるため
  • 「相談業務報告書」中の、種別欄、平成23年8月9日付け相談における処理結果備考欄及び最終処理結果備考欄の記載事項の一部、欄外の記載事項
    • 条例第13条第7号
      開示することにより、今後の相談受理事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため

4 不服申立て

(1)申立年月日

 平成25年10月7日

(2)趣旨

 相談業務報告書の内容に事実と異なる部分があり、矛盾点の改ざんが疑われる。本件処分を取消し、非開示とした部分を開示せよ。

(3)理由

 条例第13条第3号(開示請求者以外の個人に関する個人情報)に該当するとして非開示とされた部分についてだが、事件発生当時、10人以上の隣人が周囲におり、相談業務報告書の内容では個人の識別はできず、また照合して識別に利用できる他の情報も警察や隣人から提供されておらず、申立人には識別できない。よって、開示すべきである。
 また、条例第13条第7号(事務事業に関する情報)への該当性に関してだが、今回の相談業務と今後の相談業務は全く関係がないものであり、受理担当者の判断が記載された部分が開示されても、今後の警察事務の適正な遂行に支障を及ぼすとは考えられない。よって、開示すべきである。

5 諮問年月日

 平成25年12月11日

6 審議会の判断

(1)結論

 群馬県警察本部長の決定は、群馬県個人情報保護条例の解釈及び運用を誤ったものではなく、妥当であると認められる。

(2)判断の理由

判断に当たっての基本的な考え方について

 条例は、第1条に規定されているとおり、個人情報の適正な取扱いの確保に関し必要な事項を定めるとともに、県の実施機関が保有する個人情報の開示、訂正及び利用停止を求める権利を明らかにすることにより、県政の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益の保護及び県民に信頼される公正で民主的な県政の推進を目的として制定されたものである。よって、自己情報の開示請求に対する決定を行うに当たっては、原則開示の理念のもとに制度の解釈及び運用がなされなければならない。
 しかしながら、この自己情報の開示請求権も絶対無制限な権利ではなく、条例第13条各号に規定された非開示情報に該当する場合には非開示となるものである。

条例第13条第3号該当性について

 本件個人情報のうち、実施機関が条例第13条第3号に該当するとして非開示としているのは、(a)決裁欄、受理担当者欄、対応責任者氏名等欄及び欄外の警部補(同相当職を含む。)以下の職にある職員の氏名及び印影(b)氏名欄及び対応責任者氏名欄等の職員番号(c)平成23年8月9日付け相談における相談概要欄の記載事項の一部(d)同日付け相談における処理結果備考欄の記載事項の一部(e)平成25年8月15日付け相談における処理結果備考欄の記載事項の一部、であるが、(a)及び(b)については、非開示とすることについて諮問庁と請求人の間で争いがないことから、以下、(c)~(e)について、非開示情報該当性を検討する。
 条例第13条第3号は、その柱書において、「開示請求者以外の個人に関する個人情報(略)に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により開示請求者以外の特定の個人を識別することができるとき(他の情報と照合することにより、開示請求者以外の特定の個人を識別することができるときを含む。)」は、非開示とすることを規定している。一方、同号ただし書は、「イ 法令等の規定により又は慣行として開示請求者が知ることができ、又は知ることが予定されている情報」、「ロ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められる情報」、「ハ 当該個人が公務員等(略)である場合において、当該個人情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該個人情報のうち、当該公務員等の職及び氏名(当該公務員等の氏名を開示することにより、当該公務員等の個人の権利利益を不当に侵害するおそれがある場合又はそのおそれがあると認めて実施機関が定める職にある公務員の氏名を除く。)並びに当該職務遂行の内容に係る部分」のいずれかに該当する情報については、同号本文に該当する場合であっても、開示をしなければならないと規定している。
 これを踏まえ、審議会が本件個人情報を検分したところ、対象公文書のうち非開示とされた(c)、(d)、(e)には、請求人の申告によらず判明した第三者に関する事項が記載されており、開示請求者以外の特定の個人を識別することができる情報であると認められる。
 従って、いずれも条例第13条第3号柱書に該当し、非開示が妥当である。

条例第13条第7号該当性について

 本件個人情報のうち、実施機関が条例第13条第7号に該当するとして非開示としているのは、(a)種別欄(b)平成23年8月9日付け相談における処理結果備考欄の記載事項の一部(c)同日付け相談における最終処理結果備考欄の記載事項の一部、である。
 条例第13条第7号は、「県の機関…が行う事務又は事業に関する個人情報であって、開示することにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある」情報は、非開示とすることを規定している。
 以下、(a)~(c)のそれぞれについて、非開示情報該当性を検討する。
(ア)種別(a)
 相談業務報告書の種別欄には、受理担当者が相談内容を分類した判断の結果が記載されている。これを開示すると、相談内容について受理担当者と相談者の間で評価が異なること等により、双方の信頼関係が損なわれ、またそのような事態を回避するため、受理担当者が相談内容を分類する上で率直な判断・正確な分類をすることが妨げられることにより、警察相談業務の目的が損なわれるおそれがある。
 したがって当該部分は、条例第13条第7号に該当し、非開示が妥当である。
(イ)処理結果備考欄の記載事項の一部(b)及び最終処理結果備考欄の記載事項の一部(c)
 当該部分には、通常、受理担当者が行った指導、助言及び措置のほか、その処理に至るまでの受理担当者の所見、判断等も記載されるものであると思料されるが、審議会で検分したところ、非開示部分には相談内容に対する受理担当者の判断及びそれに至るまでの経緯が記載されていた。これを開示すると、受理担当者の記載する内容が抽象化、形骸化することにより、警察相談業務の目的が損なわれるおそれがある。
 したがって当該部分は、条例第13条第7号に該当し、非開示が妥当である。

結論

 以上のことから、「(1) 審議会の結論」のとおり判断する。
 なお、請求人はその他種々主張するが、当審議会の判断を左右するものではない。

7 答申年月日

 平成26年11月18日(個審第226号)

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