ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織からさがす > 生活こども部 > 県民活動支援・広聴課 > 個人情報保護審議会諮問事件第18号

本文

個人情報保護審議会諮問事件第18号

更新日:2011年3月1日 印刷ページ表示

1 件名

 「群馬県警察相談業務に関する訓令第7条第2項に基づいて作成された報告書のうち、平成20年1月から平成20年6月の日付のもので私が高崎署に相談したもの」の個人情報部分開示決定に対する審査請求の件

2 諮問庁・処分庁

 公安委員会・警察本部長

3 開示等決定年月日、内容及び理由

(1)平成21年3月12日 部分開示決定

(2)非開示部分及び理由

 氏名欄の氏名のうち名の部分、職員番号

条例第13条第3号該当

開示請求者以外の個人に関する個人情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により開示請求者以外の特定の個人を識別することができるとき。

 種別、処理結果備考欄、欄外の記載事項

条例第13条第7号該当

県の機関が行う事務に関する個人情報であって、開示することにより、当該事務の性質上、当該事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。

4 不服申立て

(1)申立年月日 平成21年5月8日

(2)趣旨

 上記の部分開示決定の取り消し、全部を開示するとの決定を求める。

(3)理由

 ア 氏名欄の氏名のうち名の部分

 処分庁は「警察安全相談業務」および「広報及び広聴業務」は「名札着用業務」として定めており、さらに「職員は、名札着用業務のほか、警察本部内又は警察署内において市民と応対する業務に従事するときは、積極的に氏名を告知するとともに、名刺、連絡票等交付するなどして担当者としての明確化に努めること」としている。したがって、条例第13条第3号ただし書イに該当するから、非開示情報として取り扱った実施機関の決定は不当である。

 イ 氏名欄の職員番号

 アと同様

 ウ 種別、処理結果備考及び欄外の記載事項

 処分庁は、条例第13条第7号の非開示情報に該当すると主張するが、非開示理由の記述に具体性がない。また、相談に対して何もしないことを表明したはずの警察署側の対応と、相談を契機に今後も事務が発生するとした個人情報部分開示決定通知書の記載事項に矛盾がある。

5 諮問年月日

 平成21年6月17日

6 審議会の判断

(1)結論

 県警察本部長の決定は、条例の解釈及び運用を誤ったものではなく、妥当であると認められる。

(2)判断理由

 ア 条例第13条第3号該当性

 受理担当者の名

 条例第13条第3号ただし書ハでは、職務遂行に係る公務員等の氏名については開示しなければならないことを定めているが、括弧書で「当該公務員等の氏名を開示することにより、当該公務員等の個人の権利利益を不当に侵害するおそれがある場合又はそのおそれがあると認めて実施機関が定める職にある公務員の氏名を除く。」と規定している。実施機関では、群馬県個人情報保護条例施行規程第3条により、警部補以下の階級にある警察官の氏名を開示しないことを定めており、審議会が見分したところ、受理担当者は警部補であるため、当該情報は同号ただし書ハには該当しない。

 また、請求人は、実施機関の通達で、「警察安全相談」業務及び「広報及び広聴」業務は「名札着用業務」として定めており、さらに「職員は、名札着用業務のほか、警察本部内又は警察署内において市民と応対する業務に従事するときは、積極的に氏名を告知するとともに、名刺、連絡票等交付するなどして担当者としての明確化に努めること」としていることから、受理担当者の氏名は同号ただし書イに該当し、受理担当者の名についても開示するべきと主張する。

 しかし通達では、名札着用業務とされていても、所属長が他の警察業務上の理由により着用しないことが適当と認めた場合、名札を着用しないことができると定めており、また、警察署内の応対業務においては氏名の告知等に「努める」とされている。よって、これらが裁量事項ないし努力事項として規定されていることは明らかであるから、受理担当者の名は、法令等の規定により又は慣行として開示請求者が知ることができ、又は知ることが予定されている情報とはいえず、同号ただし書イには該当しない。

 さらに、当該情報はその性質から、同号ただし書ロに該当しないことは明らかである。

 したがって、当該情報は同号ただし書のいずれにも該当せず、本件処分のとおり非開示とすることが妥当である。

 職員番号

 請求人は、「職員番号は実施機関が当該職員に公の職務を遂行させるための便宜を図るために割り当てた番号であり、職務遂行情報に該当する」ため、受理担当者の職員番号は条例第13条第3号ただし書ハに該当し、開示するべきと主張する。

 しかし、職員番号は、職員のいわゆる背番号として、人事管理、給与支給等の内部管理事務において、職員の特定、識別を行うものとして用いられているものであり、当該職員の職務の遂行と直接の関連性を有する情報とは認められないことから、同号ただし書ハには該当しない。

 さらに、当該情報はその性質から、同号ただし書イ及びロに該当しないことは明らかである。

 したがって、当該情報は同号ただし書のいずれにも該当せず、本件処分のとおり非開示とすることが妥当である。

 イ 条例第13条第7号該当性

 条例第13条第7号において、「県の機関、国、独立行政法人等、他の地方公共団体及び地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する個人情報であって、開示することにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき」は、非開示とすることを規定している。

 種別

 相談業務報告書の種別欄には、受理担当者が相談内容を分類した判断の結果が記載されている。よって、これを開示すると、相談内容についての受理担当者の評価と相談者の自己評価とが異なることにより、双方の信頼関係が損なわれ、また、受理担当者が相談内容を分類する上で率直な判断・正確な分類をすることが妨げられることにより、警察相談業務の目的が損なわれるおそれがある。

 したがって当該部分は、条例第13条第7号に該当し、本件処分のとおり非開示とすることが妥当である。

 処理結果備考

 相談業務報告書の処理結果備考欄には、通常、受理担当者が行った指導、助言及び措置のほか、その処理に至るまでの受理担当者の所見、判断等も記載されるものであると思料されるが、審議会で見分したところ、非開示部分には相談内容に対する受理担当者の所見や、所見に基づく措置等が記載されていた。よって、これを開示すると、相談内容をどのように評価し、どのように扱うべきかについて実施機関と相談者の考え方が異なることにより、双方の信頼関係が損なわれ、また、受理担当者の記載する内容が当たり障りのないものへと抽象化、形骸化することにより、警察相談業務の目的が損なわれるおそれがある。

 したがって当該部分は、条例第13条第7号に該当し、本件処分のとおり非開示とすることが妥当である。

 欄外の記載事項

 相談業務報告書の欄外の記載事項には、受理した相談の内容を、緊急性の有無等により区分した取扱いの目安が記載されている。よって、これを開示すると、相談内容についての実施機関の評価と相談者の自己評価とが異なることにより、双方の信頼関係が損なわれ、また、取扱いの目安を記載する上で率直な判断・正確な分類をすることが妨げられることにより、警察相談業務の目的が損なわれるおそれがある。

 したがって当該部分は、条例第13条第7号に該当し、本件処分のとおり非開示とすることが妥当である。

7 答申年月日

 平成21年10月27日(個審第127号)