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「西上州の農業農村」 ~ 国府白菜・国分にんじん ~
国府(こくふ)白菜
高崎市の国府地域(高崎市引間町付近)は肥沃な土地が広がっており、野菜の栽培が盛んに行われています。
特に白菜の栽培が盛んで、12月になると収穫が最盛期を迎え、国府地区のあちこちで収穫風景を見ることができます。
国府地域で栽培された白菜は「国府白菜」と呼ばれ、ずっしりと重く、甘みが強いことから鍋を始めとして、浅漬けやキムチにも適しています。
国府白菜は専用の黄色い巻紙で包まれて出荷されています。主な出荷先は前橋や高崎の野菜市場で、季節の商材として人気があります。
国分(こくぶ)にんじん
高崎市国府地域で生産される伝統野菜「国分にんじん」は、可食部が60cmほどと長く、こくがあり甘く、香りも高いにんじんです。
「国分にんじん」は、大正時代に国府地域の農家が改良して生み出され、昭和30年代前半頃まではにんじんの代表品種として、多くの農家により生産されました。
昭和30年代後半には、生産・流通・収納などが難しいという理由から、生産農家も数軒を残すまでに減少していましたが、平成20年頃から地元の農家が有志で復活の取り組みを行い、生産量を徐々に増やしています。
11月になると国分にんじんの収穫が始まります。
トラクターに鋤(すき)を装着して、土の中からにんじんを堀取り…
手作業で手際よく収穫していきます。
「国分にんじん」はやわらかい食感を持ちながら煮崩れしにくいので、煮物に適しているほか、きんぴら、松前漬け、野菜スティックによる生食などにも適しています。
近年では県内大手スーパーでの販売も始まりました。