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令和3年度 普及現地情報(令和3年10月)

更新日:2022年2月28日 印刷ページ表示

トマト若手生産者現地研修会の開催~養液土耕栽培の導入拡大に向けて~

 普及指導課では、一昨年からトマト若手生産者を対象に新技術等の研修と交流を目的に「トマト若手生産者現地研修会」を開催しています。今年度は養液土耕栽培をテーマに、現地ほ場の視察と導入に向けた検討会を行いました。

ねらいと背景

 利根沼田地区のトマト生産者は188名で、うち45歳以下の若手生産者が46名(約25%)おり、後継者や新規栽培者が比較的多い地域です。しかし、栽培地域が広域であるため、若手生産者同士の技術交流や情報交換の機会が少ない状況でした。
 そこで、若手生産者の交流と新技術導入推進を目的に、一昨年から「トマト若手生産者現地研修会」を開催しています。今年度は、省力化と品質向上が期待され、産地でも導入が進みつつある「養液土耕栽培」をテーマに開催しました。

取組の成果

 10月8日に開催した現地研修会には、過去最多の若手生産者25名の参加があり、養液土耕栽培への関心の高さが伺えました。研修会は、最初に沼田市白沢町の養液土耕栽培システム導入ほ場を視察しました。普及指導課から、耕種概要と毎週測定した土壌の硝酸イオン濃度の推移等について説明しました。園主からは、システム導入によるかん水の省力化や着果が安定したことなどのメリットだけでなく、初期の樹勢管理等の課題も語られ、参加者は真剣に聞き入っていました。
 その後の検討会では、普及指導課から養液土耕栽培の概要と基本的な肥培管理について情報提供を行いました。参加者との意見交換では、すでにシステムを導入している農家から、実践的な管理のポイントや課題、省力化などの具体的な話を聞くことができました。また、現地視察ほ場の園主からは「養液土耕システムの導入で栽培が楽しくなった。是非、導入を前向きに検討してほしい」との言葉もあり、参加者のシステム導入への意欲向上を図ることができました。研修会後には、複数の参加者から具体的に導入を検討したいとの要望が出るなど、大変有意義な研修会となりました。

今後の方向

 新たに掘り起こすことができた養液土耕栽培システムの導入希望者と導入者への支援を行います。また、検討会の中で、より実践的な肥培管理等の研修会を提案したところ、多数の開催要望があり、12月に第2回研修会を行うこととなりました。若手生産者の期待に応えられる研修会となるように開催に向けた準備を進めていきます。

現地研修会の写真

現地研修会の様子

利根沼田りんご研究会立毛共進会の開催~地域でリンゴ栽培・ほ場管理技術の研鑽~

 10月8日に利根沼田りんご研究会立毛共進会が開催されました。管内各支部から選出された11ほ場の状況やほ場管理技術などについて審査を行い、5ほ場が優秀園として入賞しました。

ねらいと背景

 利根沼田りんご研究会の立毛共進会は、農家の技術研鑽を目的にリンゴの着果や結実状況、総合的な栽培技術を審査するもので、2年に1度開催され、今回で36回目となりました。7月から9月にかけて管内各支部で行われた予選等により代表として選出された11のほ場について、10月8日に審査を行いました。

取組の成果

 各ほ場で園主などが管理概要を説明した後、結実状況や果実の品質、病害虫の発生、樹体やほ場の管理状況などについて、中山間地園芸研究センター、技術支援課、普及指導課の7名で審査を行いました。
 今年は春先の凍霜害により管内全域でサビ果や奇形果の発生、一部の園では結実不良が見られる中、審査ほ場では病害虫や障害果の発生が少なく、樹体の光環境の改善など管理が徹底されておりました。
 審査の結果、片品村のほ場が初の最優秀賞、他4ほ場が優秀賞に決定しました。また、立毛共進会では管内農家の見学が多数あり、他園の優れた技術を学ぶ機会となりました。

今後の方向

 表彰式は令和4年1月7日に行われます。普及指導課は栽培技術や病害虫対策等、さらなる技術向上のための取り組みを進めていきます。

審査の写真
審査の様子

夏秋ダイコンの品種試験を実施~ダイコンの安定生産を目指して~

 普及指導課とJAは、高冷地向けダイコンの新品種選定のため、片品村と利根町に実証ほを設置し、有望品種の候補が得られました。次年度も品種試験を継続するとともに、評価の高かった品種は時期を変えて試作を検討しています。

ねらいと背景

 片品村や沼田市利根町は夏秋ダイコンの主要産地ですが、近年は連作障害や気象変化が激しく、生産性や品質の低下が問題となっています。エン麦などの輪作体系や土づくりで耕種的な対策を行っても安定生産が難しくなっており、収穫時期に応じた品種選定が重要です。そこで、育成段階品種を含め、は種時期、施肥量などの改善点や産地への導入可能性を栽培農家や種苗会社、JAなどと検討することで夏秋ダイコンの品質安定を図っています。

取組の成果

 合計31品種を4月、5月、7月に分けては種し、6月24日、7月12日、9月8日にJA、県関係者、種苗会社3~7社が集まって収穫調査を行いました。今年は、遅霜による抽苔の発生や7月の短時間強雨、8~9月の日照不足と曇雨天など気象変化が大きい条件での栽培となりました。このため耐寒性、耐暑性、肥大性、耐病性、生理障害などの違いを確認することができました。次年度は、評価の高かった品種の栽培規模を大きくしては種期間を確認するなど、JA部会での拡大試作を検討しています。

今後の方向

 冬期に検討会を開催し、品種試験結果と導入体系例を報告する予定です。次年度も評価の高かった育成品種を含め、時期を変えて品種試験を継続していきます。

試験品種洗浄後の調査の写真
試験品種洗浄後の調査の様子

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