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令和4年度上期(令和4年8月2日・令和4年9月13日)議事録
令和4年度 上期 群馬県公共工事入札監視委員会 定例会議 審議概要
開催日
令和4年8月2日(火曜日)
令和4年9月13日(火曜日)
開催場所
群馬県庁 第一特別会議室
出席委員
委員長 足立 進(弁護士)
委員 川畑 泰子(立教大学助教)
委員 鴻田 通雄(公認会計士)
委員 後藤 恵里子(NPO法人理事長)
委員 田中 恒夫(前橋工科大学教授)
審議対象期間
令和3年10月1日~令和4年3月31日
抽出案件
一般競争入札9件、指名競争入札11件 合計20件
令和4年8月20日の審議
1 審議対象工事の抽出結果について
群馬県公共工事入札監視委員会設置要綱第6条第6項の規定に基づき、今回の抽出当番委員から次のとおり抽出結果の報告がなされた。
(抽出結果報告)
一般競争入札、指名競争入札において入札参加業者の数が少ない案件、入札辞退者が多い案件、落札率が高い案件を中心に20件を抽出した。
※20件の工事は別紙のとおり
2 抽出案件の審議について
抽出当番委員が抽出した20件について、事務局から契約内容及び工事概要等の説明がなされた。
抽出した20件の工事について、群馬県公共工事入札監視委員会設置要綱第2条第2号に規定する事項を審議した。
委員の質疑が行われ、7件の工事においては、より詳細な資料を用いた審議が必要と判断された。その理由は次のとおりとなった。
議案1097、1098、1099、1100について
工種が同じで、辞退者が多く、落札率が高い。
議案47について
辞退者が多く落札率が100%に近いこと。
議案1101について
辞退者が多く落札率も高いこと。
議案1197について
入札辞退者が多く、どういう経緯で辞退したのか更に審議したい。
令和4年9月13日の追加審議
7件の審議について
上記7件の工事について、群馬県公共工事入札監視委員会設置要綱第2条第2号に規定する事項を詳細に審議した。
委員からの意見・質問、それに対する回答等
意見・質問 会議の概要のとおり
回答 会議概要のとおり
委員会による提言 なし
会議の概要
議案 1097
明和東部工業団地造成工事(分割1号)
発注所属:企業局団地課
工事業種:土木一式
契約方式:一般競争入札
予定価格:252,440,000円(税抜き)
契約金額:247,000,000円(税抜き)
落札率:97.8%
入札参加者数:7者
落札者:河本工業(株)
議案 1098
明和東部工業団地造成工事(分割3号)
発注所属:企業局団地課
工事業種:土木一式
契約方式:一般競争入札
予定価格:314,800,000円(税抜き)
契約金額:310,000,000円(税抜き)
落札率:98.5%
入札参加者数:11者
落札者:荒井建設(株)
議案 1099
明和東部工業団地造成工事(分割4号)
発注所属:企業局団地課
工事業種:土木一式
契約方式:一般競争入札
予定価格:303,220,000円(税抜き)
契約金額:299,000,000円(税抜き)
落札率:98.6%
入札参加者数:9者
落札者:原工業(株)
議案 1100
明和東部工業団地造成工事(分割2号)
発注所属:企業局団地課
工事業種:土木一式
契約方式:一般競争入札
予定価格:309,120,000円(税抜き)
契約金額:300,000,000円(税抜き)
落札率:97.0%
入札参加者数:10者
落札者:(株)徳川組
【委員】今回の一般競争入札における受注者の決定要因は何か。
【発注所属】簡易型総合評価落札方式で入札を実施しており、技術力等と入札価格を総合的に評価して受注者を決定している。
【委員】当該工事は技術力が必要となるものなのか。
【発注所属】団地造成工事は一般的な工種を用いて行う工事であるが、規模の大きさから調整能力や工程管理等ある程度の技術力は必要になると考えている。
【委員】技術力は公表されている経営審査事項以外にも評価ポイントがあるのか。
【発注所属】総合評価点算定基準に基づき、施工実績や工事成績評定等を評価対象としている。
【委員】評価の項目は公表されているのか。
【発注所属】一般競争入札公告時に、評価項目を示している。
【委員】工事を分割発注しているが、分割発注となる基準はあるのか。
【発注所属】特に基準はないが、早期工事の完成や受注機会の確保等を主な目的として分割発注している。
【委員】一括での発注の方が金額の面で有利となるのではないか。
【発注所属】全体金額の面では多少有利となるが、その分完成が遅れてしまう。
【委員】分割する金額の基準はあるのか。
【発注所属】特に基準はないが、1工事あたりの発注金額は約2~3億円となっている。
【委員】他県も同様の考えで行っているのか。
【発注所属】他県の状況は確認していないが、大きな乖離はないかと思われる。
【委員】分割発注の場合は、一抜け方式を採用するものなのか。
【発注所属】当事業では受注機会を増やすため、そのように対応している。
【委員】入札の評価にジェンダー関係、子育ての支援制度、障害者雇用等に関する加点はないのか。
【事務局】県が行っている工事の総合評価の評価項目には、そのような項目は設けていない。
議案47
令和3年度 上信越高原国立公園施設整備
発注所属:自然環境課
工事業種:管工事
契約方式:指名競争入札
予定価格:32,710,000円(税抜き)
契約金額:32,500,000円(税抜き)
落札率:99.4%
入札参加者数:5者
落札者:富沢設備(株)
【委員】これは業者にしてみるとあまりやりたくない工事なのか。
【発注所属】移動距離が長く、早朝出勤することから業者としては大変かと思われる。
【委員】工期はどのくらいかかっているか
【発注所属】冬の期間はやっていないため、実質約半年になる。
【委員】現場はどのような環境配慮をしているか。
【発注所属】具体的にはきちんと廃材処理をしたり、騒音に配慮した工事を行っている。
【委員】技術的に難しいというよりは地の利が悪くて、業者からみると余りやりたくない工事ということになるか。
【発注所属】コロナ渦なのでなかなか仕事もなくて、工事の方々は必死になってやっている状況である。
【委員】2回目の入札で辞退が多いということでここに上がったが、コロナ渦で仕事は欲しいけど、この金額以下ではもうできないということなのか。
【発注所属】受注はしたいけど赤字では無理ということである。
【委員】予定価格は地の利を考えていない予定価格なのか。
【発注所属】官の積算と民の積算ではどうしても乖離がある。そのためこういう結果となった。
【委員】資材の高騰などは反映されているものなのか。
【事務局】物価に合わせ調整する制度がある。残りの工事期間が一定程度あって、一定の価格変動が認められた場合は設計変更するというものである。
【委員】指名競争入札よりも一般競争入札の方が良いのではないか。指名競争入札又は一般競争入札にするルールはあるか。
【発注所属】現場が寒冷地で県境にあるのこと。コロナや今の経済状況で、本当に儲けが出ないとやっていけないという状況であること。吾妻でも台風等の災害等があったこと。今回は、そういった厳しい環境下では指名競争入札の方がよいと判断した。
【委員】辞退するのは自由だと思うが、(指名することによって)辞退しにくいということはあるのか。
【発注所属】今は電子入札なのでない。
【委員】指名することによって一種のプレッシャーがかかるか。
【発注所属】今回は1回目で(全社)金額を入れてきているので、金額の問題と考えている。
議案1101
下久保発電所電話交換機取替外工事
発注所属:管理総合事務所
工事業種:電気通信
契約方式:指名競争入札
予定価格:3,540,000円(税抜き)
契約金額:3,330,000円(税抜き)
落札率:94.1%
入札参加者数:当初7者、指名替え後再入札7者
落札者:コシバ電機(株)
【委員】入札経過を見ると、最低制限価格を下回っている業者が第1回目と第2回目にいて、何か違和感を覚える。「最低制限を下回ってもうちはできますよ」という業者が2者いたわけだから、2者いたのに失格になって3回目のこれより高い金額で契約になるのはやむを得ないが何か違和感がある。
【発注所属】推測の域は出ないが検討し考えられることを報告する。
昨年のこの時期は半導体部品が不足していて、電話機についても製品在庫が大きく減少したと一部マスコミで報道された。
この状況下で、今回の対象工事内容が電話交換機の取り替えであったため、発注仕様にあった製品を取得出来る見込みがあれば、多少請負金額が安くても受注した方が良いと考えた業者もいたと思う。
反対に、その見込みが無い場合は、受注しても製品を探し回り高い金額で仕入れなければならなくなる可能性があり、入札額を高く設定した業者もいたと思う。
これらの要因に加え手持ち工事の状況など色々な要因から、入札額にばらつきが出てしまったのではないかと考えている。
【委員】2回目も最低制限価格を下回るような場合は、そういう応札価格も合理性があるとの判断は出来ないのか。
【発注所属】品質確保だけでなく、工事の安全性確保の観点からも余り安い金額は排除している。
【委員】一般競争入札は低入札調査価格制度で、最低制限価格は色々なことを加味して決めているのか。
【発注所属】低入札にするか最低制限にするかは基準があり、それに合わない場合は契約担当者が判断する。
【委員】安い価格で入札して、その後メンテ、保守が随契で入るから赤字でも取りたいという話は無いのか。
【発注所属】電話交換機は点検しない訳ではないが、安い金額を入れて入るメリットはない。工事した業者に対して優遇することはしない。
【委員】メンテ、保守は随契では渡さないのか。
【発注所属】今回の場合は随契では渡さない。
【委員】抽出事案説明書のパソコン不具合による応札不可とあるのは、これはどちらのパソコンか。
【発注所属】業者の電子入札用の登録してあるパソコンが不具合で、金額が入れられなかった。こちらの不具合では無い。
【委員】電子入札の流れで、再入札の判断はパソコンが行うのか、人が判断するのか。
【発注所属】人が判断する。
【委員】再入札の期間はどれくらい空けるのか。
【発注所属】その当日または翌日。業者に対して電子的に通知がいく。
【委員】最低制限価格を下回った金額は弊害があるとの指摘があったが、指名競争入札の場合はそこそこ体力のある会社の場合は、1回目はともかく2回目は最低制限価格を下回れる。この辺の合理性を見直しても良いのではないか。
【事務局】ダンピング防止対策は国のルールに準じてやっている。最低制限価格をなくすということは難しい。
【委員】そうでは無く、設計価格に問題があった可能性もあるので、基準を設けて2回目の入札は緩和する等できないか。
【事務局】設計価格が適正であったかどうかとの判断は難しい。
最低制限価格は国のルールに準じている。1回目と2回目で計算の仕方を変えることは難しい。
議案番号:1197
県立渋川工業高等学校防球ネット支柱改修工事
発注所属:渋川工業高校
工事種別:とび・土工・コンクリート
契約方式:指名競争入札
予定価格:22,840,000円(税抜き)
契約価格:22,500,000円(税抜き)
落札率:98.5%
入札参加者数:2者
落札者:(株)南雲建設
【委員】
この工事は、一般競争入札で実施した場合、応札業者がいないような難しい工事なのか。
【発注所属】
応札する業者は少ない可能性がある。
【委員】
それはどういった理由が考えられるのか。
【発注所属】
とび・土工・コンクリート業者は、一部のところに特化した工事を多くやっており、傷んだものを部分的に補修するような工事をほとんどやっていないため、応札する業者が少なくなると思われる。
【委員】
技術的に難しい工事なのか。
【発注所属】
電柱に炭素繊維を巻き付けるだけなので、難しい工事ではない。
【委員】
辞退者が多いのも同じような理由が考えられるか。
【発注所属】
推測になるが、そういった理由ではないか。
【委員】
この種の工事は、年に数件あるのか。
【発注所属】
令和3年4月に宮城県で防球ネットが倒壊する事故があり、それを受けて全校の点検を行った上で実施した工事になるので、毎年行っている工事ではない。
【委員】
特殊な工事は一般競争入札でやるのが一般的なのか。
【発注所属】
教育委員会では、令和4年度からは予定価格が一千万円を超える工事を一般競争入札で行っている。
【委員】
所属によって一般競争入札でやるか、指名競争入札でやるかの判断が異なっているのか。
【事務局】
ある程度規模の大きい工事は、一般競争入札で、小さい工事は、指名競争入札で行うのが一般的である。
【委員】
明文化されたものはないのか。
【発注所属】
現状、そういったものはない。
【委員】
特殊な工事の価格設定は難しくないのか。
【発注所属】
複数の業者から見積りを徴収し、その金額を参考にして価格を設定している。
【委員】
見積りを徴収した業者は、指名業者の中に含まれているのか。
【発注所属】
指名業者の中には、含まれていない。
総括審議
【委員長】
今回は、提言する事項はなしということでよいか。
【委員】
異議なし。