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【11月】“ホームユース型シクラメン”による経営安定支援~ コンパクト5号鉢シクラメン生産の導入推進 ~
普及指導課では、栄養診断技術を活用し期間を短縮して安定生産できる5号鉢のコンパクトなシクラメン(以下、ホームユース型シクラメン)生産を導入し、省力化により大鉢シクラメンの生産へ労力を集中し品質向上を図るため、モデル農家を設定しホームユース型シクラメンの導入推進と省力化に取り組みました。
1 ねらいと背景
量販店や大手スーパーなどで取扱われるホームユース向けのコンパクトな5号鉢シクラメン(以下、ホームユース型シクラメン)は取扱量も多く安定した販売が見込めることから、普及指導課では経営安定のための一手段として導入を推進しています。また、管理作業に労力を要する6号鉢以上の大鉢シクラメンへ労力を集中し高品質化を図っています。
2 取り組み内容
若手生産者1戸をモデル農家と位置づけ、約3,000鉢のホームユース型シクラメンの省力生産を実践してもらいました。普及指導課では施肥の指標を示すとともに、定期的な巡回により栄養診断に基づく肥培管理等の指導、タブレットを使った情報提供等に取り組みました。また、現地検討会で取組内容を管内生産者へ紹介し、普及を図りました。
本取組の結果、一定の規格を満たすホームユース型シクラメンを生産することができ、10月下旬から無事出荷が始まりました。省力生産のポイントは、(1)播種時期の晩期化による栽培期間短縮、(2)肥効調節型肥料による施肥の省力化、(3)葉組み回数の削減です。今回の取組では6号鉢に比べて液肥施用はかなり少なくなり、葉組み回数も半減するなど省力化でき、6号鉢への労力確保に繋がりました。
一方で、予想以上のボリュームとなり単位面積当たり鉢数が少なく、また1鉢当たりの葉組みに要する時間が多かったことなど課題も見つかりました。
3 今後の方向
ホームユース型シクラメンに適した品種の選定や葉組み作業の短縮を図るとともに、今年以上の猛暑に耐えうる施肥指標の検討を行いながら、引き続き取り組みを進めていきます。
現地検討会での紹介
大鉢(左)とホームユース型(右)のシクラメン