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【10月】酒米の生産・販売振興で地域に活力を
農福商工観官連携による耕作放棄地対策
東部農業事務所 桐生地区農業指導センター
10月2日および5日に、社会福祉法人「咲福祉会」が栽培する酒造好適米「舞風」の収穫が行われました。福祉会が地元農業委員やみどり市地域おこし協力隊、酒米生産組合、みどり市東支所の協力を得ながら復元した水田で栽培する取り組みは2年目となります。また指導センターでは9月17日にみどり市酒米推進協議会※を開催し、本年産酒米を活用した地酒や甘酒の生産販売方針、流通促進支援に関わる事項を検討しました。※生産者、精米会社、酒造会社、商工会、観光物産協会、富弘美術館(オブザーバー)市、県で構成。
1 ねらいと背景
桐生みどり地域では耕作放棄地をなるべく発生させないよう、契約取引で安定した価格や販売先が確保できる酒米の作付を推進しています。0.5ヘクタールから始まった栽培は今年度2.77ヘクタールとなりました。みどり市では地元の農業、商工業、観光、福祉関係者と市、県が連携して作った酒米を地元の酒造会社や商店で活用してもらい、今までに地酒の「山紫」「花紫」「五百万石」やあまさけ、菓子、石けん等が誕生しています。
2 取り組み内容
社会福祉法人「咲福祉会」による酒米栽培は、東町花輪と大間々町塩原の復元ほ場38アールで作付けされ今年で2年目となりました。このほ場では農地の再生と地域の活性化を目的としたほか、福祉会利用者と地域住民の共働の場また地域おこし協力隊の体験学習の場としての位置づけもあります。天候の影響で収量品質の面でやや不安がありましたが、無事に収穫を迎えることができました。収穫には地元の農業委員や地域おこし協力隊員が協力に駆けつけました。
また、みどり市酒米推進協議会では生産された酒米の地域利用を促すため、地酒や甘酒の生産計画販売流通支援に係る事項を検討しました。協議会員からは活発な意見が出て、市と協力し、飲料製品をふるさと納税返礼品(ギフトセット)として活用するなどの動きも出ています。
3 今後の予定
本取組が徐々に周知され、東町では来年度地権者が栽培できなくなる見込みのほ場について咲福祉会に酒米栽培をお願いしたい旨の相談が来ています。そのため来年度も栽培面積は増加する見込みです。また酒米の消費を促す支援として、11月には酒米利活用推進のための加工適性講習会と加工利用検討会の開催、1月には地酒とあまさけ取扱店舗用のぼりバナーの作成、2月には酒米振興に関する地域PR動画の作成などを予定しています。今後も様々な関係者と連携し、生産に繋がる地域振興を行っていきます。
東町ほ場の収穫の様子
みどり市酒米推進協議会の様子