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令和4年度 普及現地情報(令和4年9月)
女性リンゴ農業者の組織活動~りんご女学校の設立総会~
令和3年度、利根沼田の女性リンゴ農業者で「りんご女学校」が組織されました。その初めての総会が開催され、事業の承認やりんご女学校のロゴマーク発表等が行われました。
ねらいと背景
りんご女学校は、利根沼田の女性リンゴ農業者7名で結成され、栽培技術の向上や女性農業者同士の交流、リンゴ産地の維持・発展などを目的に組織されました。今年度9名が新たに加入して、現在では、16名が活動しています。
取組の成果
8月9日に初めての総会が12名の参加を得て開催されました。議案は慎重審議の結果、全て承認され、総会は無事終了しました。今年加入した方との顔合わせも兼ねており、出席者全員の自己紹介を行いました。今年度の大きな活動として、りんご女学校のロゴマークを使用した出荷段ボールや加工品の製作・販売を行うことを確認しました。
また、総会の中で会員から「栽培の基礎的な部分をもっと知りたい。」、「育児で農業から離れていた期間のブランクを埋めたい。」など意欲的な発言も数多く見られ、有意義な総会になりました。
今後の方向
今後は、冬場にせん定講習会を開催するなど女性リンゴ農業者の技術向上や活動を積極的に支援していきます。
総会の様子
イチゴウイルスフリー苗の配布~健苗生産と県産イチゴの生産安定を目指して~
イチゴウイルスフリー苗が県内イチゴ生産者へ約2万5千本配布されました。苗の品質は良好で受け取った生産者から好評でした。
ねらいと背景
イチゴは栄養繁殖なので原苗がウイルスに感染していると、定植苗も感染して収量が低下します。このため、イチゴ生産農家はウイルスフリー苗を毎年導入することで、収量の安定化を図っています。群馬県のイチゴウイルスフリー苗生産体制は、県園芸協会が中心となり、農業技術センターのウイルスフリー化した原原々苗を委託されたフリー苗生産組合が、原原々苗→原々苗→原苗の増殖を行います。その際、技術支援課、農業技術センターと普及指導課が連携して栽培指導を行い、県内のイチゴ農家が必要な原苗を安定的に供給しています。
取組の成果
今年度は例年使っている肥料が海外事情により入手できなかったことから、急遽入手可能な代替肥料を探して使用濃度を検討し栽培したところ、例年以上に生育は良好になりました。また、現地指導会を4~8月に5回行ったほか、硫黄くん煙器やハダニの天敵製剤の使用するとともに、定期的な巡回指導によって天候や病害虫に上手く対応して管理を行うことができました。
その結果、本年度は注文数の約2万5千本を確保でき、8月25日に原苗配布を行いました。例年を上回る良い苗が生産でき、訪れたイチゴ生産者から「根の色と張りが良く、大変によい苗だ」との声が多く聞かれました。
今後の方向
11月には令和4年配布用の原々苗を定植する予定です。次年度用の注文数に応じて原々苗の本数を決めて定植し、栽培管理の支援を引き続き行います。
採苗の様子