ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織からさがす > 健康福祉部 > 障害政策課 > 【令和4年度】デジタル技術を活用した障害者の社会参画促進について(「OriHime」を活用した事例)

本文

【令和4年度】デジタル技術を活用した障害者の社会参画促進について(「OriHime」を活用した事例)

更新日:2023年3月31日 印刷ページ表示

外出困難な重度障害者等に分身ロボット「OriHime」の体験利用を通じて社会参加や就労の可能性を感じてもらい、障害者の社会参画を促すため、OriHimeロボット体験利用事業を実施しました。

OriHimeについて

 OriHimeとは、オリィ研究所が開発した遠隔操作型分身ロボットです。以下の特徴があります。

  • タブレット端末等を使用し、インターネットに接続することで操作を行う
  • マイク、スピーカー等を搭載しており、発声、ジェスチャーによりコミュニケーションが可能
  • 額にカメラを搭載しており、操作者が自由に周囲を見ることが可能
    ※「OriHime」は、(株)オリィ研究所の登録商標です。

活用内容

 令和4年12月~令和5年3月にかけて、身体障害者入所施設(車椅子等を使用している方が中心)及び意思伝達装置を利用している方へ貸出を行いました。

身体障害者入所施設での活用

イシノ療護園(社会福祉法人豊延会)

利用者:72歳両下肢機能障害
活用方法:ベッドから施設内で開催しているクリスマス会へ参加

OriHimeを介しipadからクリスマス会に参加する利用者の画像クリスマス会会場に設置されるOriHimeロボットの画像

東毛会はるかぜ荘(社会福祉法人東毛会)

利用者:54歳両下肢機能障害
活用方法:車椅子では行きづらいお墓参り

お墓参りへOriHimeロボットを持って行く施設職員の画像

みらい(社会福祉法人緑陽会)

利用者:36歳脳性麻痺による体幹機能障害、75歳右上下肢機能障害ほか7名
活用方法:日用品の買い物、梅林の観光

OriHimeロボットを介し商品を選ぶ様子の画像OriHimeを介し梅林観光の画像

意思伝達装置利用者による活用

利用者:59歳ALS(筋萎縮性側索硬化症)
活用方法:パートナーとドライブ、パートナーの職場の利用者らと雑談

車にOriHimeを乗せ、ドライブの画像

利用者:60歳脳性麻痺による体幹機能障害
活用方法:利用者集会で発言、他施設利用者との交流

OriHimeを介し発言の画像

利用者及びその関係者の皆さんの声

  • ロボットを見慣れない利用者は、興味を持ち笑顔になった。
  • ロボットになることで、別人になれたような気分になり操作する側は楽しかったようである。
  • 外の景色の変化を見ることができて気分転換になった。
  • ご家族も同伴していただき、面会としても活用することができた。
  • 実際に映像を見ながら、見たい場所を自分で操作し見ることができた。
  • 実際に映像を映しコミュニケーションをとる際に、画像を見て相手の反応を感じるのではなく、相手からの音声と合わせオリヒメのジェスチャーで判断できるので良かった。
  • ボイスチェンジャー機能があれば面白い。
  • 日頃考えていることが伝わりにくいので、意思伝達装置とオリヒメロボットを使うことで他者とのコミュニケーションを取れて良かったです。
  • ロボットを見ている周囲は、操作している人が誰だか分からない。重度の障がい者同士だと理解が追い付かず、誰と話しているのか説明の理解が出来ない。
  • 実際にオリヒメを外に持ち出す際に、オリヒメ本体(アンテナ含む)・バッテリー・モバイルwifiと荷物が多くなってしまい、外での活用に制限が出てしまうと感じた。
  • 途中で映像が乱れてしまう、フリーズしてしまうなどwifi環境によるものが複数回起こった。wifiが弱い時に、オリヒメのジェスチャー操作やカメラ操作を行う際は、フリーズしてしまい再接続を行った。
  • ロボットの声を聞いた人の意見で、人工音声を聞き取れた人と、早くて聞き取れなかった人の声があった。

など

事業を振り返って

 デジタル技術の一つとしてOriHimeロボットを障害のある方々に体験利用していただきました。ロボットを利用することで次のように多くの良い面が確認されました。

  • ロボットがアバターとしての機能を果たし、素顔で行われるコミュニケーションとは異なるコミュニケーションが期待できる。
  • 利用者の意思で見る場所を自由に操作することができ、対面でのコミュニケーションに近いコミュニケーションが期待できる。
  • ジェスチャー機能により、OriHime利用者が選択できるコミュニケーションの幅が広がる。

一方で、次のように何点か課題も見られました。

  • ロボットならではの強みをどのように生かすか。
  • 外でOriHimeを活用する際の、周辺機器の取り扱い。
  • 通信及び使用環境等により使いやすさに差がある。

 本事業で得られた情報を基に、今後も引き続きデジタル技術の活用による障害者の社会参画の促進に努めていきたいと思います。