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群馬県肝炎対策推進計画(第3次)

更新日:2023年3月27日 印刷ページ表示

1 計画策定の趣旨

 群馬県では、平成26年3月に「第1次群馬県肝炎対策推進計画」、平成30年3月に「第2次群馬県肝炎対策推進計画」を策定し、県、市町村、医療機関及びその関係者の連携により肝炎対策を推進してきたところです。
 本計画は、現状の評価に基づき、群馬県の肝炎対策の方向性を示して、肝炎患者等が早期に診断され安心して適切な医療を受けられる環境を整えるとともに、肝炎の罹患を減らすことを目的として策定するものです。
 本計画では、第2次計画を発展させ「肝炎の予防のための施策」「肝炎検査実施体制及び検査能力の向上」「肝炎医療を提供する体制の確保」「肝炎の予防及び肝炎診療に関する人材育成」「肝炎患者等の人権の尊重」の5項目を主な施策とし、新たな感染の防止、さらなる肝炎ウイルス検査の利便性の向上、コーディネーターの育成と活用及び肝炎ウイルス検査陽性者を確実に医療につなげるフォローアップなどの取組を一層強化する方針を示しています。

2 計画の位置づけ

  本計画は、肝炎対策基本法(平成21年法律第97号)第4条の規定に基づき策定する都道府県計画とし、同法に基づき厚生労働大臣が策定した「肝炎対策の推進に関する基本的な指針」(平成23年厚生労働省告示第160号令和4年3月7日改正)の内容を踏まえたものとなっています。
 また、群馬県保健医療計画の個別実施計画であり、次に掲げる計画と整合を図っています。

  • 「群馬県感染症予防計画」
  • 「群馬県健康増進計画 元気県ぐんま21」
  • 「群馬県医療費適正化計画」
  • 「群馬県がん対策推進計画」

3 計画期間

 令和5年度から令和9年度(2027年度)までの5年間とします。ただし、計画期間内であっても、必要に応じて計画を見直すこととします。

4 計画の進行管理

 計画に定めた施策の実施状況等については、毎年度「群馬県肝炎対策推進協議会」に報告し、評価・検討を行います。

5 計画を推進するための5項目

(1)肝炎の予防のための施策

 肝炎ウイルスは、感染しても自覚症状が乏しいことから、感染に気付きにくく、また、感染を認識していても、感染者が早急な治療の必要性を認識しにくいのが現状です。このため、県民一人一人が感染によるリスクを認識して行動できるよう、C型肝炎は高い確率でウイルス排除が可能であること、B型肝炎もウイルス抑制が可能であることなど、肝炎の正しい知識の普及啓発について、幅広い世代に向けて、世代ごとに分かりやすいものとなるよう、その効果を見つつ取り組む必要があります。

(2)肝炎検査実施体制及び検査能力の向上

 肝炎ウイルスの感染経路は様々であり、各個人が肝炎ウイルスに感染した可能性を認識することは困難であることから、全ての県民が、少なくとも一回は肝炎ウイルス検査を受検する必要があると考えられます。特に、肝炎ウイルス検査の未受検者が、自らの健康や生命に関わる問題であることを認識し、できる限り早期に受検するとともに、陽性であれば、受診することが重要です。その実現に向けては、肝炎ウイルス検査の必要性について、広く県民に普及啓発を行うとともに、世代により重点化した普及啓発も重要です。
 このため、肝炎ウイルス検査の受検体制を整備し、特に肝炎ウイルス検査の未受検者に対する受検の勧奨が必要です。県や市町村等による検査以外に職域において検査を受けられる機会を確保する等の取組を進め、検査結果が陽性である者に対して、早期受診のメリット等の説明をする等、適切な受診を促進するためのフォローアップ体制が必要です。
 県では、更なる肝炎ウイルス検査の受検体制の整備及び受検の勧奨を推進します。

(3)肝炎医療を提供する体制の確保

 肝炎患者等の健康保持のためには、個々の状況に応じた適切な治療を受けることが重要です。そのため、医療機関においては、肝炎は症状が進行するまで自覚症状が乏しいこと、肝炎患者等に対する偏見や差別が存在すること等の事情を認識して肝炎患者等に接することが必要です。
 適切な医療の提供には、専門的な知識や経験が必要であるため、肝炎患者等は、肝炎医療を専門とする医療機関(以下「専門医療機関」という。)において治療方針を決定することが望まれます。そして、治療を継続することが重要です。
 ウイルス性肝炎に対する抗ウイルス療法により肝硬変や肝がんといった、より重篤な病態への進行を予防し、又は遅らせることが可能です。このため、引き続き、抗ウイルス療法に対する経済的支援に取り組み、その効果を検証していく必要があります。
 肝炎患者等が、居住地域にかかわらず適切な肝炎医療を受けられるよう、専門医療機関等の治療水準の向上、かかりつけ医を含む地域の医療機関との連携の強化が必要です。
 県では、肝疾患診療連携拠点病院を中心に、肝炎診療のネットワークを構築し、肝疾患診療連携拠点病院、肝疾患専門医療機関をかかりつけ医や県民に広く周知し、適切な肝炎医療体制の確保を目指します。

(4)肝炎の予防及び肝炎医療に関する人材育成

 肝炎ウイルスへの新たな感染を防止し、肝炎医療の水準を向上させるためには、肝炎の予防及び医療に携わる人材の育成が重要です。
 このため、肝炎の感染予防に関する知識を持ち、感染が判明した後に適切な肝炎医療に結びつけられる人材を育成することが必要です。
 また、肝炎医療に携わる者が、最新の肝炎に関する知見を修得することは、適切な治療方針の決定や患者に対し的確な説明を行う上で非常に重要であるため、拠点病院が中心となって、肝炎医療に携わる者の資質向上を図る必要があります。
 さらに、肝炎医療に限らず肝炎患者等が直面する諸課題に対応できる人材の育成、確保等を図ることが必要です。
 県は、国、市町村、拠点病院等と連携して、地域や職域において肝炎の普及啓発、受検勧奨や肝炎ウイルス検査後のフォローアップ等の支援を進める肝炎医療コーディネーター等の人材の育成と活躍の推進に取り組みます。また、肝炎医療コーディネーターの育成後もその活動状況を把握し、肝炎医療コーディネーター間の情報共有や連携しやすい環境の整備に努めます。
 拠点病院は、肝炎ウイルス検査実施機関において適切な検査が実施されるよう、保健福祉事務所(保健所)や医療機関の従事者に対して、最新の知見を踏まえた肝炎検査及び肝炎医療に関する研修の機会を提供するとともに、肝炎医療に携わる者への研修等の実施に取り組みます。

(5)肝炎患者等の人権の尊重

 肝炎患者等に対する偏見や差別を解消するためには、肝炎についての正しい知識の普及を前提に、感染症患者に対する偏見や差別の歴史も踏まえ、どのようにふるまうべきかを考え、学ぶことが重要です。肝炎患者等の人権尊重の取組は、感染症患者全体の偏見や差別の解消に資するものであり、国や地方公共団体は、学校教育関係者及び患者団体等、様々な関係者と連携して進める必要があります。
 肝炎患者等及びその家族等の多くは、肝炎が肝硬変や肝がんといった、より重篤な病態へ進行することに対する将来的な不安を抱えています。また、治療における副作用等、治療開始前及び治療中において、精神的な負担も多く、こうした不安や精神的負担の軽減に資するため、肝炎患者等への相談支援が必要です。
 また、肝炎患者等及びその家族等を含む県民の視点に立った分かりやすい情報提供について、引き続き取組む必要があります。​

6 「総合指標」と「成果指標」

【総合指標】肝及び肝内胆管がん年齢調整死亡率(人口10万対)の25%低下

年齢調整死亡率(75歳未満人口10万対):3.2(全国3.9)(令和2年)⇒2.4(令和9年)

【成果指標1】肝炎ウイルス検査受検率を増加

40歳定期検査受検率:8.4%(令和3年度)⇒15%へ(令和9年度)

 市町村において実施している肝炎ウイルス検査定期検診について、受診券の発送や周知方法などの案内を工夫し、個別勧奨を積極的に推進していくことにより受検率の増加を図ります。

【成果指標2】肝炎ウイルス検査陽性者の受診率増加

肝炎ウイルス検査陽性者の受診率:10%(令和3年度)⇒90%以上(令和9年度)

 市町村において実施している肝炎ウイルス検査陽性者に対してリーフレット等を使い医療機関受診の重要性を説明することにより、医療機関受診率の増加を図ります。

【成果指標3】肝炎ウイルス陽性者フォローアップ事業の参加率を増加

フォローアップ参加率:43%(令和3年度)⇒95%以上(令和9年度)

 肝炎患者等が個々の病態に応じた適切な肝炎治療を受けられるよう、肝炎ウイルス検査後のフォローアップ事業を推進します。検査費用の助成手続きの案内や、市町村におけるウイルス検査陽性者に対する直接の説明及びリーフレット等を活用してフォローアップ事業参加率の増加を図ります。

【成果指標4】肝炎医療コーディネーターの配置施設の増加

職域におけるコーディネーター配置率:0.7%(令和3年度)⇒40%以上(令和9年度)​

 肝炎やその対策に関する正しい知識を持ち、肝炎ウイルス検査を勧奨するとともに感染が判明した者を適切な医療に結び付け、患者及び家族等への相談に応じる専門性の高い人材の養成と資質の向上に努めます。

【成果指標5】術前検査の告知率を増加

医療機関の術前検査告知率: 22%(令和3年度)⇒100%(令和9年度)

 医療機関で実施された術前検査結果の告知を徹底することにより、治療が必要な肝炎患者等を治療につなげます。

計画本文のダウンロード

計画本文のダウンロード(一括ファイル)

 群馬県肝炎対策推進計画(第3次)(一括ダウンロードファイル) (PDF:940KB)