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感覚統合法
1.「感覚統合法」って何ですか?
私たちは、無意識にいろいろな感覚刺激の中で生活しています。しかし、中には感覚を上手に処理できず、生活のしづらさを感じている人もいます。
感覚統合法班では、体を動かす遊びを通して様々な感覚刺激を経験することで、子どもの望ましい発達を促すことを目指しています。
*感覚統合法で使用する遊具の一例
「スペースリング」
「ボールプール」
「宝探し」
2.どんな子どもが対象ですか?
しろがね学園では、生活の中で次のような行動がみられるお子さんに対して感覚統合の考えを用いた支援を行っています。
- セーターやシャツの首筋や袖口の感触が不快で特定の服しか着られない。
- 人が近くにいると落ち着かない。
- 特定の音が嫌で常に耳を塞いでいる。
- ブランコや滑り台など、揺れやスピード感の伴う遊びを極端に怖がる。
- 回転するものにどんなに長く乗っていても、目が回らない。
- 全身を使う体操やダンスなどの真似ができない。
- 衣類のボタンが留められない。
- 絶えず動き回る。などなど。
3.どんな効果がありますか?
しろがね学園の事例をとおして、子どもたちの変化を紹介します。
1)Aさん
Aさんは体の使い方が不器用。例えばお風呂に入ったとき、体をうまく洗えません。「ここからここまで洗うよ。」と肩から手首までをゴシゴシ洗う見本を示しても、ヒジから先だけゴシゴシ…。そんな様子から、自分の身体のイメージが低いことがうかがえました。
そんなAさんにはタッチングクイズをしています。背中のイラストを用意して、Aさんの背中をタッチ。最初は上下や左右。「触ったのは上かな?下かな?」どこを触ったかAさんはイラストをタッチして答えます。上達したら難易度を上げて、4カ所やそれ以上に分けます。
これは、自分の身体の部位を意識してもらうねらいがあります。自分の手足や体の実感が育つことで、動作イメージがつかめるようになり、動きがスムーズになるという効果に期待して取り組んでいます。
2)Bさん
Bさんは体の動かし方がぎこちなく、ズボンを立って履くことができなかったり、遊びの中でも平均台など足元が不安定になる遊具を避けたりしていました。そんな様子から、バランスをとることや、姿勢の保持が苦手なことがうかがえました。
そんなBさんには、ダイナミックに身体を使う活動をとおして自分の体の大きさや動かし方を意識できるよう支援しています。また、生活場面でペットボトルを足で踏みつぶす当番に取り組んでいます。
これは、自然に片足立ちの姿勢を保つ経験をしてもらうねらいがあり、最近では、立ったままでズボンや靴下を履くことができるようになりました。バランスを保つ力が身につき、Bさんの生活のしやすさにもつながったのではないかと思います。
4.こちらもご覧ください!
しろがね学園の療育に取り入れている感覚統合法ついて紹介する動画も配信しておりますので、ぜひ下記リンクからご覧ください!!
感覚統合法についての動画<外部リンク>