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令和4年度 普及現地情報(令和5年3月)
新規就農者向け農業基礎講座の開催
利根沼田農業事務所普及指導課は、就農3年目までの新規就農者を対象に、農業に関する基礎知識の習得と経営力向上を図るため、農業基礎講座を開催しました。
ねらいと背景
利根沼田地域では令和2年度から令和4年度の3カ年で85人(45歳未満)が新規就農しています。普及指導課では、新規就農者が農業に従事するにあたって、基本的な知識の習得と経営力の向上を支援するために、毎年農業基礎講座を開催しています。
取組の成果
農業基礎講座は10月から2月にかけて全4回(延べ参加者35名)を開催しました。第1~3回は農薬の適正使用、土壌肥料の基礎知識、経営管理、先進農家視察について、講義及び視察を行いました。第4回の「農業機械の点検整備」では群馬県立農林大学校において、農作業安全と農業機械のメンテナンスを学びました。
農業基礎講座に出席した新規就農者は、ここ数年で増加傾向にあります。地道な周知はもちろんですが、チラシデザインの刷新やスマートフォン(QRコード)からの申込受付、封筒に講座内容が明記されたシールを貼る等の工夫をしました。参加者が増えたことで講座に活気が見られ、意欲的な雰囲気が醸成されました。
※QRコード(R)は、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
今後の方向
来年度も継続して農業基礎講座を開催する予定です。今年度のアンケート結果で希望の多かった農薬や土壌肥料の講義や、高評価だった先進農家視察等も引き続き実施を検討していきます。
農林大での講義の様子
利根沼田農業・農村男女共同参画推進講演会の開催~女性農業者の取組~
利根沼田農業事務所普及指導課では、女性農業者の男女共同参画について学ぶ講演会を開催し、女性農業者の経営・社会参画に向けた意識啓発を図りました。
ねらいと背景
農業従事者の約半数は女性であり、農業・農村の持続的な発展のためには女性の経営・社会参画が重要です。普及指導課では、共同参画に対する理解促進や意識向上のための会議や講演会を開催し、男性、女性がともに働きやすい環境づくりに取り組んでいます。
取組の成果
2月22日に有限会社フジウ21の藤生章江氏を講師に招き、39名の参加者を得て講演会を開催しました。「私から皆さんへ伝えたいこと」と題して、これまでの藤生氏の取組やフジウ21の経営について講演をいただきました。藤生氏からは、「農作業以外に息抜きも必要」、「女性農業者の活動には、家族の理解が大事」といった話がありました。質疑応答では、経営方法や後継者問題についての質問がありました。参加した女性農業者からは「刺激になった」、「自分も活発に活動していきたい」等の感想があり、参画に向けて意欲の高まりが感じられました。
今後の方向
今後も男女共同参画の推進に向けて意見交換や講演会を実施し、意識啓発を行っていきます。また、若手女性農業者も支援して、経営・社会参画できる女性農業者を育成していきます。
講演会の様子
利根沼田地区農作業受託研修会の開催
農作業受託組織・生産者を対象に、新潟県の(株)ふるさと未来代表を迎え、水稲での組織運営と後継者確保に向けた取り組み事例の講演による研修会を開催しました。
ねらいと背景
利根沼田地域は中山間地域で小規模な水田農業が大半を占めている中、農作業受託組織は地域の水田農業を支えています。近年では、生産者の高齢化等により受託組織の負担が増加しています。そこで、水稲を中心に先進的な取り組みをしている新潟県の(株)ふるさと未来の代表を講師に招き、水稲での組織運営と後継者確保に向けた取り組み事例の研修会を開催しました。
取組の成果
3月8日に利根沼田振興局会議室において、農作業受託組織、受託農業者、市町村担当者(28名参加)の下、新型コロナ感染防止対策をして研修会を開催しました。(株)ふるさと未来では、ほ場管理システムを開発・運用、水稲でGGAP認証取得「雪熟野菜」を商標登録しブランド化など先進的な取り組みをしています。後継者育成では、若い人が担い手として農業に携わる上でどういったことを求めているか、計画を立て全員で共有することの重要性を紹介していただきました。参加者からは「水稲の1筆の平均面積は」、「地域での用水路の管理はどうしているか」などの質問があり、当地域の状況と照らし会わせながら、熱心に話を聞いていました。また、研修終了後のアンケートでは、今回の研修満足度が高いことと、受託組織の課題として、機械の更新が多いことがわかりました。
今後の方向
今後も、農業現場にかかわる課題について研修会等を開催し、解決へ向け取り組んでいきます。
研修会の様子