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令和2年度 病害虫発生予察特殊報 第1号(ツマジロクサヨトウ)

更新日:2020年9月10日 印刷ページ表示

令和2年度病害虫発生予察特殊報 第1号 ツマジロクサヨトウ(PDFファイル:287KB)

本県において、飼料用トウモロコシでツマジロクサヨトウによる被害が初めて確認されました。

* 特殊報とは、新たな病害虫を発見した場合及び重要な病害虫の発生消長に特異な現象が認められた場合に発表する情報です。

1 特殊報の内容

  1. 対象病害虫名:ツマジロクサヨトウ
  2. 学名:Spodoptera frugiperda(J.E.Smith)
  3. 発生植物:飼料用トウモロコシ
  4. 発生地域:県中部地域

2 発生概況

発生確認の経過

 令和2年9月に、県中部地域の飼料用トウモロコシでツマジロクサヨトウによるものと考えられる食害痕(写真1)が確認されました。幼虫(写真2)を採取し農林水産省横浜植物防疫所に同定を依頼したところ、ツマジロクサヨトウと同定されました。

国内の発生状況

 本種は令和元年7月に鹿児島県で国内初確認された後、全国各地で確認されています。

3 形態および生態等

  1. 成虫は開帳約37ミリメートル、後翅(こうし)は白色で外縁部のみ黒く染まります。雄は前翅(ぜんし)中央部に黄色い斜めの淡色紋と翅端に白紋を持ちます(写真3)。
  2. 幼虫は頭部に網目模様と白色または淡色の逆Y字模様が見えます(写真4)。
  3. 本種は南北アメリカの熱帯、亜熱帯地域原産で、群馬県を含め国内の屋外では一部の地域を除き越冬できないとされています。
  4. 本種は一晩で最大100キロメートル移動するなど、長距離飛翔することが知られています。
  5. 幼虫は広食性で、海外では80種以上の作物に被害を与えています。国内で発生が確認されている作物は、飼料用トウモロコシ、スイートコーン、ソルガム、サトウキビ、もちきび、はとむぎ、エンバク、その他イネ科牧草、しょうがで、特に飼料用トウモロコシで発生が多いです。

4 防除対策

  1. 本種の幼虫は、寄主作物の生長点の軟らかい葉を好んで食害します。摂食量が多く、食害部には多量の糞が散在します。発芽後間もない植物では被害が大きくなることが想定されますので、ほ場を定期的に見回り早期発見に努めてください。
  2. 今回、発生が確認された飼料用トウモロコシは7月下旬から8月上旬に播種されたものです。今回の事例から、遅播きや二期作のトウモロコシで特に注意してください。
  3. 本種と疑われる幼虫を発見したら、捕獲して農業技術センターまたは近くの普及指導機関に連絡してください。
  4. 発生が確認された場合、県は植物防疫法第29条第1項の規定により、農林水産省HPに示された農薬*の散布指導を行います。なお、農薬散布にあたっては、周辺作物へ飛散しないよう十分に注意してください。
  5. 農薬の散布が困難な場合には早期収穫、早期すき込みに努め、耕うんは深く(深さ12センチメートル以上)、複数回行い、幼虫の分散と土壌中の蛹の残存を防いでください。

*「農林水産省」「ツマジロクサヨトウ」で検索・「ツマジロクサヨトウに関する情報<外部リンク>」の「防除に使用できる農薬一覧」を参照のこと

ツマジロクサヨトウ幼虫の食害痕の写真
写真1 食害痕

捕獲されたツマジロクサヨトウ幼虫の写真
写真2 捕獲された幼虫

ツマジロクサヨトウ成虫の写真
写真3 成虫(左:雄、右:雌 開帳約37ミリメートル)

ツマジロクサヨトウ幼虫の頭部と全体の写真
写真4 幼虫(左:頭部、右:全体 体長約40ミリメートル)体色は緑~褐色と多様

※写真3、4の原図は農林水産省横浜植物防疫所出典のため、これら写真の無断使用は厳禁とします。

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