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鳥獣被害対策支援センター活動報告(平成30年度4月~9月)

更新日:2019年6月14日 印刷ページ表示

「高度専門技術者研修」の募集開始

1 ねらいと背景

 鳥獣被害対策では、鳥獣被害に対する知識や技術等を有する人材が、行政機関をはじめ現場に至るまで、適所に配置されることが求められています。そこで、当センターでは、必要な人材を必要な場所に確保する体系的な人材育成プログラムにより、専門技術者を育成し、農林業者・地域住民が被害軽減を実感できる対策を支援しています。

2 取組内容

 人材育成プログラムのうち、「捕る」「守る」「知る」対策を効果的に組み合わせた総合プランにより、現地への技術指導等を担う指導者育成を目的として、平成27年度から「高度専門技術者研修」を開催してきました。本年度は、座学から現地実習までの高度な内容を、研修の講師を担う有識者と当センターとの協議により全4回のカリキュラムを編成し、20名程度の受講生を募集します。これまで3年間の受講者数は延べ59名にのぼり、県内各地の獣害対策の中心として活躍しています。

3 今後の方向

 これまでの様々な施策によって、鳥獣被害対策に携わる職員の知識や技術の向上が図られてきました。今後は、現場の状況によりカリキュラムの再編成等のブラッシュアップと研修の継続により、各方面の鳥獣被害対策を支援していきます。

平成30年6月20日
情報作成者:企画管理係

高崎市吉井町岩平地区の里山に侵入防止柵を設置

1 ねらいと背景

 高崎市立岩平小学校の南には、整備された里山が広がっています。そのような立地環境を生かした特色ある取組として、児童達は教員とともに里山に出かけ、日々親しんでいます。しかし、イノシシが昼間にも度々出没するようになったことから、児童の安全への危機感を持った区長や市議・県議が中心となって、対策を行うこととなりました。

2 取り組み経過及び成果

 29年度当初から当センターと関係者との打ち合わせが開始され、5月には対策研修会(参加約140名)、7月には現地の環境調査(参加約20名)を実施し、数回の関係者打ち合わせを経た結果、市単事業を活用して必要資材を購入し、自力施工する方針が決定しました。そして平成30年5月13日(日)に、総計93名の参加の下、侵入防止柵の設置作業が行われました。自治会単位あるいはPTA・教員など4つの作業班に分かれ、当センターや各班のリーダーが指導をしながら、概ね1時間程度で長さ約500メートルの柵が完成しました。最後に、イノシシ対策の今後の注意点について、センターからあらためて注意喚起をして、この日の作業は終了となりました。

3 今後の課題

 柵によってイノシシの移動経路などが変わることが想定されるので、今後のイノシシ出没状況について引き続き情報収集を行うとともに、イノシシに遭遇した際の対応方法などについても情報提供していきます。

平成30年5月20日
情報作成者:対策支援係

シカによる森林被害緊急対策事業の実施結果について

1 ねらいと背景

 森林におけるシカ生息数は増加傾向にあり、これまで群馬県は適正管理計画に基づき捕獲目標頭数を設定し、捕獲を進めてきました。今回、森林被害が深刻な桐生市において、関係機関の連携による効率的で安全な捕獲体制の構築を目的として、捕獲に関わる調査及び捕獲方法を検証しました。

2 取組内容及び成果

 平成29年6月から平成30年3月までの間に、桐生市黒保根町宿巡地内の林道沿い民有林において、シカの捕獲実証試験を実施しました。
まず、林道沿いの8箇所にセンサーカメラ及び飼育牛用飼料ヘイキューブを設置し、誘引の効果を調査した結果、えさ(飼料)による誘引効果が確認できました。また、わなの見回り労力を減らすため、「わな管理自動通報システム」の利用を検証したところ、概ね3割程度の労力削減効果が確認できました。今回の結果については、4月に東京で開催された、シカによる森林被害緊急対策事業事例発表会(全国)において群馬県緊急捕獲実績として発表しました。

3 今後の方向

 今後は、森林関係者、狩猟者の連携も視野に入れ、シカ出没情報の共有などの関係の構築、捕獲方法の改良を推進していきます。

平成30年5月20日
情報作成者:調査研究係

平成30年度「ニホンザル広域連携情報交換会」の開催

1 ねらいと背景

 ニホンザルは、群れで一定の生息域を持って行動し、隣接する市町村区域を越え広域に被害を及ぼします。県では被害対策として、サルが定着していない地域への侵入を防止する「拡大防止ライン」と「対策重点地域」を設定し、加害群の定着を防止しています。これらの対策には、関係機関の連携が非常に重要となります。そこで、当センターでは、市町村間で協議し、情報交換を行う場を設定し、市町村による継続的で広域的な被害対策の推進を支援しています。

2 取組内容

 情報交換会は、生息状況などからニホンザルの生息する地域を6ブロックに分け、平成28年度から「ニホンザル広域連携情報交換会」として開催してきました。本年度は、6月21日から7月5日にかけて、中之条町、みどり市、高崎市、沼田市を会場に、ブロック毎に全4回開催し、計18市町村が参加しました。各市町村からは、加害するサルの群れの状況や管理方針などを中心に、様々な意見が出され、活発な意見交換が行われました。また、群馬県と包括連携協定を締結している日本獣医生命科学大学からは、本県との共同研究により同大学が作成した「群馬県ニホンザル被害対策マニュアル」の説明や被害対策に係るアドバイスなどが行われました。

3 今後の方向

 今後も継続して情報交換会を開催すると共に、現地視察や研修会等を企画し、各市町村のニホンザルの被害対策を支援していきます。

平成30年7月20日
情報提供者:企画管理係

群馬県と日本獣医生命科学大学との連携事業について

1 ねらいと背景

 群馬県と大学間においてこれまで様々な獣種・鳥獣対策について共同研究を行ってきました。研究成果は鳥獣の生息状況の把握、対策手法(マニュアル)の普及、人材育成などに活かされ、成果を上げてきました。今年度は、これまでの研究成果を市町村へ広めるとともに、新たな研究テーマにより、今後起こりうる野生動物被害に備えます。

2 共同研究内容

 鳥獣被害対策支援センターでは、これまでの共同研究成果を踏まえ、平成30年度の研究を、以下の3テーマにより実施します。

(1)ニホンザルの広域管理技術の現地適応と対策効果判定

 ニホンザルの被害市町村への直接支援や、生息状況調査から群れ管理精度の向上方法を検証し、農業被害等の対策方法を研究します。

(2)都市近郊における獣類(アライグマ)の捕獲対策検証と感染症リスクの評価

 都市近郊に分布拡大したアライグマの生息状況、マダニによる感染症リスク調査、除去にかかるコスト調査等を行い、対策方法を研究します。

(3)市街地における野生動物の出没対応のための体制構築

 増加傾向にある市街地出没に対し、対応する体制、安全な確保・追い払い方法の明確化を、県内及び全国の市町村における出没事例や、対応の実態から研究します。

3 今後の方向

 今後起こりうる野生鳥獣被害に対し共同研究を実施し、研究成果を各市町村の対策に活かすとともに、農林業関係者、捕獲従事者へ情報発信していきます。

平成30年7月20日
情報作成者:調査研究係

農林大学校「鳥獣被害対策」実習

1 ねらいと背景

 鳥獣センターでは、農林大学校一年生全員を対象に、農林業すべてに係わる問題である「鳥獣被害対策」講義を行っています。被害の実態把握に必要な「集落環境調査」と被害防止対策の一つである「電気柵設置」についての実習を行い、将来農林業分野で活躍する生徒一人ひとりに「鳥獣被害対策」の実践的知識を身につけてもらうことで被害減少に寄与するものと期待されます。

2 取組内容及び成果

 「電気柵設置」は6月4日(月曜日)に2班に分かれて行いました。支柱を立てる人、ガイシをつける人、柵線を張る人等に分かれて作業を進めました。最初は皆戸惑っていましたが、何度か作業を進めるうちに慣れて設置は完了し、最後にセンター職員が本体を設置し、通電を確認して終了しました。
 「集落環境調査」は6月11日(月曜日)に実施しましたが、雨天のためスライドを用いての室内講義となりました。予定されていた実習場所で確認された足跡や糞、獣道を見て、出没場所や獣種が特定できる「手がかり」になることを学びました。最後に実際にセンサーカメラで撮影された鳥獣を確認して終了しました。実習を通して実践的な技術を学び、効果的な対策への理解を深めることが出来ました。

3 今後の方向

 実習は「鳥獣被害対策」を実感してもらうために大変有益であり、今後も内容の充実を図りつつ支援していきます。

平成30年7月20日
情報作成者:対策支援係

イノシシの市街地出没に備えて注意を徹底

1 ねらいと背景

 近年、イノシシが市街地など人間の生活環境へ頻繁に出没しており、人身被害も毎年発生している状況です。市街地に出てきたイノシシは、不慣れな環境や車との接触、人の干渉などによりパニックになっていることが多く、対応を間違えると重大事故につながる危険性があります。そこで、イノシシと出会った際の注意を記載したチラシやポスターを配布し、児童等県民に注意喚起を行いました。

2 内容及び成果

 当センターではチラシ・ポスターを、JA共済連の支援により作成し、小中学校市町村に送付しました。内容は、イノシシと出会った際に「落ち着いて行動する」「近づかない」「刺激しない」の3つのポイントを中心として、わかりやすく目立つ色やイラストを使ったものとしました。特に、小学校児童にとって、夏休みは野外活動が増える時期ですので、事前に注意点を周知できるよう、夏休み前に配布しました。
(印刷部数:チラシ11万部、ポスター1,500部)

3 今後の課題

 引き続き県民に対して鳥獣害対策情報を提供していくとともに、関係者には研修を通じて、安全な追い払い技術等の情報提供や対応に関する情報交換を行っていきます。

平成30年7月20日
情報作成者:対策支援係

平成30年度「群馬県野生動物対策科学評価委員会」の開催

1 ねらいと背景

 野生動物による農林業被害を軽減するため、県、市町村等は被害対策を計画的に実施するとともに、実施した被害対策の効果を客観的に評価することが重要です。そこで、被害対策の効果について科学的なデータに基づいて評価・検討し、より効果的な被害対策を実施するため、群馬県野生動物対策科学評価委員会を開催しました。

2 取組内容

 委員会は、農政部鳥獣被害対策担当参事、自然環境課、林政課及び技術支援課を交え開催し、表1の内容について協議しました。日本獣医生命科学大学獣医学部の羽山教授を委員長とする5名の委員と参加者とで活発な意見が交わされ、対策に対する評価の他、今後の施策への助言も多くいただきました。

表1 科学評価委員会における協議事項

  1. 平成29年度有害鳥獣被害対策の取組について
  2. 平成29年度野生鳥獣による農林業被害額及び捕獲状況等について
  3. ニホンジカ・イノシシの推定生息数及び将来予測について
  4. ニホンジカの捕獲強化対策について
  5. 野生動物の市街地出没対策について
  6. カワウの被害対策について

3 今後の方向

 今後は委員会での評価と助言を基に、より効果的な鳥獣被害対策の展開と既存の被害対策のブラッシュアップ等を行い、実効性の高い被害対策を推進していきます。

平成30年10月31日
情報作成者:企画管理係

ニホンジカの効率的な捕獲の実証について

1 ねらいと背景

 鳥獣被害対策支援センターでは昨年度、桐生市黒保根地区でシカによる森林被害緊急対策事業により関係機関と連携しながらニホンジカの捕獲に係る調査及び検証を行いました。今年度においても同地区で誘引飼料及び見回り省力化に関する検証を行うため、各関係機関と実証を行いました。

2 内容及び成果

 平成30年6月から平成30年9月にかけてニホンジカの捕獲及び効果検証を行いました。牛用飼料の鉱塩をニホンジカの誘引飼料として活用したところ、夏季においてニホンジカの誘引効果があることが確認できました。また、ニホンジカ捕獲のために設置したくくりわなに「わな管理自動通報システム」を利用して見回りの省力化を検証しました。くくりわなの設置及びわなの見回りをした猟友会の方からは、「見回りの省力効果があった」、「誘引の効果があった」という声がありました。

3 今後の方向

 今後は各関係機関を構成員とした協議会を開催し、情報共有及び事業の報告を行います。

平成30年10月31日
情報作成者:調査研究係

市街地出没研修の開催に向けてアンケート調査を実施

1 ねらいと背景

 市街地へイノシシ等が出没した場合は、市町村職員や警察、猟友会の方々が中心となって捕獲や追い払い作業を行っています。しかし、銃が使えないことや、パニックになって突進してくるイノシシの牙によって致命傷を負う危険もあるので、従事者にはかなり大きな負担が掛かります。そこで、捕獲・追い払い作業に従事する方達の一助となるべく、「イノシシ等市街地出没対応研修」の実施を、群馬県として計画しています。

2 内容及び成果

 前述の研修を充実したものにするために、平成30年7月に、県内市町村担当者へアンケート調査を実施しました。その結果、捕獲時に「従事者や周囲住民の安全確保に不安を感じる」「対応体制に不安を感じる」といった切実な内容の回答が上位を占めました。また、準備している器材についても、いろいろと試行錯誤をしている様子がうかがえました。これらの結果を踏まえて、「安全を最優先した捕獲・追い払い方法」と「行動計画等対応体制の整備」を研修テーマとして、対応事例を情報共有し、意見交換することの必要性を感じました。

3 今後の取組

 現在、対応方法に関する映像資料を作成しています。この映像資料なども材料にして、県内5地域での「イノシシ等市街地出没対応研修」開催に向けて、早急に準備を進めていきます。

平成30年10月31日
情報作成者:対策支援係

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