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群馬県アレルギー疾患医療提供体制
群馬県では、アレルギー疾患の状態に応じて適切な医療が受けられるよう、アレルギー疾患対策の充実・強化を進めることとしており、その一環として、「群馬県アレルギー疾患医療提供体制整備等実施要綱」を制定しました。
1 群馬県アレルギー疾患医療提供体制整備等実施要綱
目的
第1条 本要綱は、群馬県(以下「県」という。)におけるアレルギー疾患に関する医療提供体制の整備及び充実を図るため、県におけるアレルギー疾患医療の拠点となる病院を指定し、県内の医療機関等の診療ネットワークを形成するとともに、医療機関に係る情報の提供や、医療従事者の資質の向上を図ることにより、アレルギー疾患医療全体の質の向上を推進することを目的とする。
拠点病院及び連携病院の指定
第2条 県は、アレルギー疾患医療拠点病院及びアレルギー疾患医療連携病院として適切であると認められた医療機関について、アレルギー疾患対策推進協議会(以下「協議会」という。)に報告し、意見を聴取した上で指定する。
(1) 拠点病院
診断が困難な症例や標準的治療では病態が安定しない重症及び難治性のアレルギー疾患に対し、関係する複数の診療科が連携し、診断、治療、管理を行うとともに、県内においてアレルギー疾患の診療ネットワークの中心的存在を担う病院を、群馬県アレルギー疾患医療拠点病院(以下「拠点病院」という。)とする。
(2) 連携病院
アレルギー疾患の診療を行う診療科にアレルギー疾患に対する診療経験が豊富な専門的な知識と技能を有する医師が勤務し、診断、治療、管理を行う病院を、群馬県アレルギー疾患医療連携病院(以下「連携病院」という。)とする。
拠点病院の役割
第3条 拠点病院は、連携病院及びその他の医療機関等と連携し、次の役割を担う。
- 診断が困難な症例や標準治療では病態が安定しない重症及び難治性のアレルギー疾患に対する診断、治療及び管理
- 県内のアレルギー疾患に係る診療連携の促進
- 県から提供するアレルギー疾患に係る情報についての専門的助言及び患者向け講習会等の普及啓発活動への協力
- 標準的治療の普及等のための医師向け研修の実施及び医療従事者及び保健福祉関係者並びに学校及び社会福祉施設等の職員向け研修への協力
- 国や県が行う調査、研究等への協力
- 国が指定する中心拠点病院が開催する全国拠点病院連絡会議への出席等、中心拠点病院や他の都道府県拠点病院との情報共有及び協力
- その他、県が実施するアレルギー疾患医療の質の向上等に係る取り組みへの協力
連携病院の役割
第4条 連携病院は、拠点病院及びその他の医療機関等と連携し、次の役割を担う。
- アレルギー疾患における標準的治療の提供
- アレルギー疾患に対する診療経験が豊富な専門的な知識と技能を有する医師による診断、治療及び管理
- 診断が困難な症例や標準治療では病態が安定しない重症及び難治性のアレルギー疾患患者の、拠点病院への紹介
- 患者向け講習会等の普及啓発活動への協力
- 保健福祉関係者並びに学校及び社会福祉施設等の職員向け研修への協力
- アレルギー疾患に関する医療従事者を対象とした研修等に対する積極的な参加
- その他、県及び拠点病院が実施するアレルギー疾患医療の質の向上等に係る取り組みへの協力
かかりつけ医の役割
第5条 かかりつけ医は、拠点病院及び連携病院並びにその他の医療機関等と連携し、次の役割を担う。
- アレルギー疾患における標準的治療の提供
- 診断が困難な症例や標準治療では病態が安定しない重症及び難治性のアレルギー疾患患者の、拠点病院や連携病院への紹介
- アレルギー疾患に関する医療従事者を対象とした研修等に対する積極的な参加
- その他、県及び拠点病院が実施するアレルギー疾患医療の質の向上等に係る取り組みへの協力
薬剤師・薬局の役割
第6条 薬剤師・薬局は、拠点病院及び連携病院並びにその他の医療機関等と連携し、次の役割を担う。
- 最新の科学的知見に基づいた適切な情報提供及び服薬指導
- 服薬情報や副作用等の情報における処方を行った医師へのフィードバック等に係る取り組み
通知
第7条 知事は、第2条による指定をしたときは、アレルギー疾患医療拠点・連携病院指定書(様式第1号)を当該施設へ交付する。
指定の取消
第8条 知事は、第3条に基づく要件を満たさなくなったとき、又は当該施設の病院長から指定辞退の申し出(様式第2号)があったときは、指定を取り消すことができる。
なお、指定を取り消したときは、当該施設の病院長へ通知するものとする。
変更届
第9条 指定を受けた施設の病院長は、指定項目又は施設の名称、所在地等に変更があったときは、変更届(様式第3号)により知事に届け出なければならない。
その他
第10条 医療提供体制整備の実施について、この要綱に定めるもののほか、必要な事項は協議会において協議するものとする。
附則
この要綱は、平成31年2月28日から施行する。
2 アレルギー疾患医療提供体制の整備に関する考え方(厚生労働省通知に基づく)
アレルギー疾患を有する者が、その居住する地域に関わらず、等しくそのアレルギーの状態に応じて適切なアレルギー疾患医療を受けることができるよう、都道府県においては、アレルギー疾患医療提供体制の整備を通じ、アレルギー疾患医療全体の質の向上を進めることが必要である。
このため、都道府県は、各都道府県でアレルギー疾患医療の拠点となる「都道府県アレルギー疾患医療拠点病院(以下「都道府県拠点病院」という。)」を選定し、当該病院と日々のアレルギー疾患医療を行っている診療所や一般病院との間のアレルギー疾患の診療連携体制の整備を行い、都道府県拠点病院の活動実績等を定期的に評価し、適宜、選定の見直しを行うことが求められる。
3 経緯
- 平成27年12月「アレルギー疾患対策基本法」施行
地方公共団体の責務として、地域の特性に応じた施策を策定・実施するよう努めることを明記。 - 平成29年3月「アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針」告示
アレルギー疾患対策の総合的な推進を図るため、基本指針を策定。 - 平成29年7月「都道府県におけるアレルギー疾患の医療提供体制の整備について」厚生労働省健康局長通知
各都道府県において、アレルギー疾患を有する者が、その居住する地域に関わらず、等しくそのアレルギーの状態に応じて適切なアレルギー疾患医療を受けることができるよう、アレルギー疾患医療提供体制の整備を通じて、アレルギー疾患医療全体の質の向上を進めるよう通知。