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令和2年度第2回群馬県障害者自立支援協議会
1 日時
令和2年11月16日(月曜日)午後2時~午後4時10分
2 会場
県庁28階 281-A会議室
3 議事概要
1 開会、2 あいさつ、3 会長の選出及び副会長の指名
- 議事録概要作成のため、会議内容を録音することを説明
- 中村精神保健室長があいさつ
- 委員改選後、初の参集会議となるため、「協議会の概要説明」「各委員からの自己紹介」を実施
- 会長には、小澤委員が選出され、副会長には、米田委員が指名された。
氏名 | 団体・所属等 | 役職等 | 備考 |
---|---|---|---|
小澤 温 | 筑波大学 人間系 リハビリテーションコース | 教授 | 会長 |
眞下 宗司 | 群馬県身体障害者施設協議会 | 会長 | |
若井 隆弘 | 公益社団法人群馬県知的障害者福祉協会 | 副会長 | |
半田 卓穂 | 特定非営利活動法人群馬県精神障害者社会復帰協議会 | 理事 | |
江村 恵子 | 一般社団法人群馬県手をつなぐ育成会 | 会長 | |
高橋 典子 | 群馬県精神障害者家族会連合会 | 副会長 | |
大島 主好 | 公益社団法人群馬県身体障害者福祉団体連合会 | 身体障害者相談員 | |
中村 建児 | 一般社団法人群馬県社会就労センター協議会 | 会長 | |
高田 晃幸 | 群馬県福祉作業所連絡協議会 | 主任 | |
仲丸 守彦 | 社会福祉法人北毛清流会 利根沼田障害者相談支援センター |
所長兼 相談支援専門員 |
|
米田 真一 | 社会福祉法人希望の家 発達・相談支援センター つむぎ |
課長兼 相談支援専門員 |
副会長 |
佐藤 あゆみ | 社会福祉法人かんな会 障害者就業・生活支援センター トータス |
所長 | |
中條 尚史 | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構群馬支部 群馬障害者職業センター |
主任障害者職業 カウンセラー |
|
山崎 孝 | 一般社団法人群馬県社会福祉士会 | 事務局長 | |
新井 孝弘 | 群馬県教育委員会特別支援教育課 | 次長 | |
川端 敦 | 藤岡市健康福祉部福祉課 | 課長 | |
橋本 恵子 | 邑楽町健康福祉課 | 課長 |
4 議事
(1)第5期障害福祉計画及び第1期障害児福祉計画の進捗について
- 県の取組状況について
- 市町村の取組状況について
- 事務局から、資料に基づき説明後、質疑応答を行った。
説明要旨
現計画である第5期障害福祉計画及び第1期障害児福祉計画の数値目標に係る県及び市町村の取組状況について説明
主な意見等
小澤会長
- 次期計画も現計画からの継続項目が多い。特に「福祉施設の入所者の地域生活への移行」に関する目標については、現状、(全国的に)実現が難しい項目となっており課題も多い。
- 今後、検討いただきたい内容が2点ある。まず、「日中サービス支援型グループホーム」「自立生活援助」について、この2サービスは、全国的に実績が伸びておらず、次年度以降、2サービスの取組を強化することを国が打ち出してくる可能性もある。そのため、この2サービスを増やすには、どのようにしたら良いか検討を進めていただきたい。
- 次に、「地域生活支援拠点等」について、地域で実情等を話し合うことで「やるべきこと」「重要性」が見えてくるため、コロナ禍で整備が難しいところもあるが、地域で議論を深めていただき、地域にあった整備となるよう、対応を進めていただきたい。
(2)バリアフリーぐんま障害者プラン8について
1)バリアフリーぐんま障害者プラン8の概要について
- 事務局から、資料に基づき説明後、質疑応答を行った。
説明要旨
プラン全体の概要や次期プランの特徴である、「計画期間の見直し(3年から6年)」 「SDGsとの関係性」「国の施策や環境の変化への対応」等を説明
主な意見等
特になし
【休憩】10分間
2)第6期障害福祉計画等に係る数値目標について
- 事務局から、資料に基づき説明後、質疑応答を行った。
説明要旨
第6期障害福祉計画及び第2期障害児福祉計画に係る7つの数値目標(※)の考え方について、説明
※第6期障害福祉計画等で設定する7つの数値目標
数値目標1:福祉施設の入所者の地域生活への移行
数値目標2:精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築
数値目標3:地域生活支援拠点等が有する機能の充実
数値目標4:福祉施設から一般就労への移行・定着
数値目標5:障害のある子どもに対する支援の提供体制の整備
数値目標6:相談支援体制の充実・強化
数値目標7:障害福祉サービス等の質を向上させるための取組に係る体制構築
主な意見等
高橋委員 <数値目標2>
- 精神病床から退院後1年以内の地域における平均生活日数について、「316日以上」を目標とするとのことだが、残りの50日については、入院期間との考え方で良いか。
→ 事務局
- 対象者で2、3年と地域生活を営まれる方もいれば、途中で再入院をされる方等もおり、それら全ての方の退院後1年以内の地域での平均生活日数を316日以上の目標としている。差し引きの50日を含め、あくまでも計算上のものであるが、 50日の主なものには再入院等が考えられる。
高田委員 <数値目標4>
- 就労定着支援事業の就労定着率が8割以上の事業所とあるが、実際、就労移行支援事業所が就労定着支援事業を行うところが多いと思うが、県内の就労定着支援事業所の数はどのくらいか。
- また、就労定着支援事業所でも定着の難しいところには、定着支援を行っていないところがあったり、加算も厳しく、確実に対象の方が、就職・定着できないと、中々、就労定着支援事業を継続することは難しいと聞いている。そのため、就労定着支援事業所は、就労定着率が良いと思うが、就労定着支援事業所が関わっていない方は、どのような状況か。
→ 事務局
- 就労定着支援事業所は、県指定が9箇所、中核市指定が10箇所の計19箇所である。御指摘のとおり、現在、就労定着支援事業所の多くは就労移行支援事業も行っているが、一方、就労移行支援事業所の中に、就労定着支援事業に取り組んでいない事業所もあるので、課題であると考えている。
- 就労定着支援事業所が関わっていない方の状況については、手元にデータ等がないため、別途、確認させていただきたい。
高田委員
- 就労移行支援から就職をされる方が、そこの就労移行支援事業所に就労定着支援があると、法人内対応となり、就労定着率が比較的高いと聞いている。
- 就労定着支援事業を利用希望する者の就労移行支援事業所に就労定着支援事業がない場合、他の事業所を利用することとなるが、利用者の情報がないことや新しい就労定着支援員に慣れるまでに時間が掛かること等から、障害者就業・生活支援センターに定着をお願いすることとなる。
- 就労定着支援のサービスが始まった経緯は、障害者就業・生活支援センターの業務量の緩和も含まれていると聞いており、就労定着支援事業を利用希望する方が、上手く活用できると良いと考える。
仲丸委員 <数値目標6>
- これまで相談支援専門員は「質を高めること」「数を確保すること」が目標としてあった。相談支援専門員の数が少ないと、利用者に関わる時間が少なくなり、障害福祉サービスを利用するために必要なサービス等利用計画を作成する業務のウエイトが大きくなる。現状、そのような状況のため、本来、相談支援専門員がやるべきことのひとつである「基本相談」が少なくなっている。相談支援専門員が不足しているのであれば、県として相談支援専門員を増やすことを示すような内容を検討いただきたい。
- また、目標の内容については、基幹相談支援センターが実施をするのか。
→ 事務局
- 相談支援専門員の不足に対する数値等については、検討させていただきたい。
- 国指針にある活動指標は、基幹相談支援センターを前提として設定されているものである。県としても全ての圏域で基幹相談支援センターが設置されていないので、引き続き、設置促進に努めたい。
仲丸委員
- 基幹相談支援センターは、各地域で少しずつ機能が異なっている。基幹相談支援センターの役割・機能充実への支援を、引き続き、お願いしたい。
佐藤委員 <数値目標7>
- 障害福祉サービスに関わる中で、障害福祉サービス事業所に温度差を感じることがある。積極的に取り組んでいる事業所は、研修会等に積極的に参加し、質を高める姿勢を感じる。指導監査や研修の実施について、積極的ではない事業所に対して、 どのように考えているか。
→ 事務局
- 指導監査については、県の監査指導課が主に行っており、国の基準等を基に事業所の適正な運営及びサービスの提供等を確認するものである。その中で、研修会への参加や法人内部での研修の実施等も確認しているが、引き続き、この点を中心に確認して行くことを考えている。
佐藤委員
- 運営側では見えない、サービス利用する側の視点で、県や市町村が事業所に対して、アプローチしていただければと思うので、検討いただきたい。
眞下委員 <数値目標7>
- 指導監査の適正な実施と関係自治体の共有等は良いことだと思うが、サービス等の質を向上させるための取組に係る体制の構築という具体性のない目標をどのように立てていくのか。障害政策課と監査指導課との連携もそうだが、国でもサービス等の質の向上について、調査等を行っていると思うが、具体性がなく何をしたらどのように評価されるのか見えない。この数値目標を達成するのに指導監査、研修の実施等だけで良いのか。
→ 事務局
- 市町村では、指導監査等のほか、給付システムにおいて、申請結果でエラーの出やすい項目等について、エラー解消方法や人員・加算の要件の状況等を検証し、事業所等を含めた関係者で情報共有し、質の向上を図る等が国から示されている。
- 県では、指導監査について、集団指導等を通じて基準の遵守のほか、利用者の処遇面にも力を入れて、監査指導課とも連携し内容の充実を図りたい。
小澤会長
<数値目標7>
- 国が数値目標7を加えた理由は、例えば「就労継続支援A型」や「放課後等デイサービス」などが、ここ数年で急増し、マスコミでも取り上げられるような課題も出ており、財務省からは、厳しい追及を受けているなどが関係していると思われる。
- 国の基本指針が、なぜこのような曖昧な表記になっているかは、第三者評価の話と非常に関連している。監査はルールを守っているかどうかであり、事業所の評価は、第三者評価が正しい。第三者評価の仕組みづくりには、全国的に予算等もかかるため、曖昧な表現になっていると思われる。良い事業所をどう評価し、問題のある事業所をどのように指摘するか。監査以上に手間暇かかる内容である。
- また、別ではあるが、都道府県の権限を強化し、市町村単位ではなく、エリアでサービスの多寡を確認し、都道府県の権限で制限が掛けられるのも、同様にサービスの質の向上を図るためのものであると思われる。
<数値目標1>
- 次期計画で宿題が積み残されているのは、この地域移行の項目である。
- まず、地域移行者数や施設入所者の削減数といった数値達成の有無は、非常に厳しい話である。逆に数値だけ達成すれば良いのかという考えもある。今までの入所施設のあり方ではなく、地域を支えるような新しい形の入所施設のあり方に見直すなど、念頭に置くことが大事であると考える。
- 次に、グループホームのあり方の見直しである。何でもかんでも地域の受け皿は、全部グループホームだという考えはおかしい。一般的なグループホームがふさわしい人もいれば、日中サービス支援型グループホームがふさわしい人もいる。また、一人暮らしがふさわしい人もいる。国では、グループホームをタイプ分けする必要があると考えている。
- 今までのように地域移行をすれば良いという考えのみでなく、地域の受け皿を整えて、利用者にあった「グループホーム」「自立生活援助」などを提供できる体制が必要である。すぐにその体制を整えるのは難しいが、そのような方向性も念頭に置き、検討していただきたい。
<数値目標2>
- 精神病床から退院後1年以内の地域における平均生活日数については、入院日数を全部なくすのは、難しい中で、長期入院に一定の歯止めをかける目標であると承知している。
<数値目標3>
- これまで県内の地域を訪問し、5つの機能がそろわなくても、地域の実情を踏まえ、拠点整備することが重要である等の意見交換を行ってきた。この目標で大事な箇所は、「整備後の評価、モニタリング」である。整備後に、自立支援協議会等で評価等を必ず行っていただきたい。
<数値目標6>
- 基幹相談支援センターを念頭においた目標である。次年度以降、国から基幹相談支援センターに関連した依頼等も想定されるので、基本指針に明記はないが、受け皿として、未設置の地域では、基幹相談支援センターの整備をお願いしたい。
(3)市町村障害者自立支援協議会からの課題等について
- 事務局から、資料に基づき説明後、質疑応答を行った。
説明要旨
10月27日に開催された「打ち合わせ会議」で各市町村協議会からあがった議題及び対応状況の概要について、説明
主な意見等
特になし
(4)新サービスの指定状況について
- 事務局から、資料に基づき説明後、質疑応答を行った。
説明要旨
平成30年度からの新サービス、共生型サービス及び日中サービス支援型グループホームの指定状況について、説明
主な意見等
眞下委員
- まず、「自立生活援助」について、実際にサービスの提供を行っており、相談支援専門員と連携しながら、地域の単身の人を見るというものである。このサービスが増えていった方が良いと思うが、中々、増えていないのが現状である。実情、「制度が分かりづらい」「報酬単価が低い」といったことが課題にある。
- 次に、共生型サービスについて、生活介護で見れば、高齢者の通所介護が多いのは当然であり、障害がとれば単価は下がる。これは、介護度と障害支援区分のロジックが異なるためである。これから共生型サービスは必要と考えるが、この点を考えていかないと数値は伸びていかないと思われる。
5 その他
江村委員
- 県へのお願い及び群馬県手をつなぐ育成会で作成中の「知的障害を理解するためのハンドブック」の紹介
- 群馬県手をつなぐ育成会が、会員向けにアンケートを実施したところ、「知的障害者が病院に行けず検査ができない」という回答が多かった。隣県で県独自のものか不明であるが、「居宅の訪問診療」という事業があると聞いている。当事業を利用し、ドクターと関われなかった人が、医療とつながれるようになったと聞いている。群馬県でもアンケート回答のとおり、困っている人がいる現状を踏まえ、検討いただきたい。
- ハンドブックは、ほぼ完成形でコロナ禍であるが、10回の作業部会を経て作成している。これから印刷し、県内の民生委員等に配布する予定である。御意見等あれば事務局にお問い合わせいただきたい。
全体総括
小澤会長
- コロナ禍で大変な状況にあるが、障害福祉の制度も大きく変革しようとしている。数値目標の「相談支援体制の充実・強化」については、国からとても重要な内容で、今回「頭出し」をしたと聞いている。次年度に向けて具体的な展開になると「基幹相談支援センター」や「共生社会に向けた相談支援のあり方」等が想定される。抽象的に書かれているが、重要であると考えていただきたい。
- また、共生型サービスの報告があった。これは入口で、本当の意味での「介護保険」「障害福祉」の見直しは、今後、弱まることはなく、むしろ強まると思われる。地域レベルで分野を超えての仕組みづくりの流れが色濃くなると思われる。そんな中、共生型サービス等で地域を補えあえるのか、考えていただきたい。
- また、従来の社会福祉法人は、分野ごと(障害、児童、高齢)にあった。これらが連携する連携社会福祉法人のあり方が、制度改革の中で出てきている。このような考え方も含め、共生型サービスを考えていくと、地域の方向性等も見えてくると思われる。地域の実情に応じて検討等を進めていただきたい。
6 閉会
閉会