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子どもの救急ってどんなとき?~下痢をした時
更新日:2011年3月1日
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観察のポイント
いつもの便と違うのはどのような点かよく観察してみましょう。
- におい(腐ったような臭い、すっぱい臭い)
- 性状(血液や粘液が混じっているか、赤っぽい便、白っぽい便(クリーム色の便)、どろどろの便、水様便)
- 1日の回数
- 嘔吐はあるか、腹痛はあるか、機嫌はどうか、食欲はどうか、熱はあるか
様子を見て大丈夫(通常の診療時間内に受診しましょう)
- いつもより便は軟らかいが、下痢の回数が1日数回以内
- 食欲がいつもと変わらず、水分が飲めている
- 熱がなく、機嫌もよく元気
早めに救急外来を受診した方がいい時
- 色が白っぽい便、繰り返しある水様便、血液が混じっている便、糊のような黒っぽい便
- 高熱や繰り返しの嘔吐がある
- 腹痛が強い
- 水様性の便が1日数回以上ある
- 機嫌が悪く水分をほとんど受け付けない
- おしっこの量が極端に少ない
- 半日以上おむつがぬれない
- 下痢が長引いて唇や舌が乾いている
ワンポイントアドバイス
家庭で対処すること
- 下痢がひどい時は、胃腸を休めるために固形物は与えないで下さい。また、脱水症状になりやすいので水分は十分に与えましょう。
- 下痢の回復期には、食べ物を一度にたくさん与えず、便の状態を見ながら少しずつ与えて下さい。
できるだけ加熱調理した炭水化物(おかゆ、おじや、うどんなど)から与えるようにしてください。 - おしりがかぶれないよう、こまめに洗ってあげましょう。
- 家族内の感染を予防するため、排泄物の始末をした手をよく洗って下さい。
注意すること
- 柑橘類(オレンジ、みかん、グレープフルーツなど)、乳製品、砂糖は与えないで下さい。
- 便にそのまま消化されずに排出されるもの(ニンジン、海藻など)は避けて下さい。
- 食べ過ぎにならないようにしましょう。(普段の3分の2くらいにして下さい。)
下痢をした時に良い食事
下痢がひどい時(水様便が繰り返し見られる時)
- 冷たくない経口補水液やイオン飲料水(大人用のイオン飲料などを飲ませる時は薄めて飲ませて下さい。)
- うすい番茶、湯ざまし
- ミルクしか飲めない乳児の場合は、通常の3分の2くらいの量を与えて下さい。
- 母乳(量を制限せず、そのまま飲ませて下さい。)
- 下痢の間隔が長くなったら、状態に合わせて「おもゆ」など
胃腸を休めるために固形物は与えないようにしましょう。
脱水症状になりやすいので、水分は十分に与えましょう。
下痢の回復期(軟便時)
- 野菜スープ(塩味のスープだけ)
- おかゆ(塩味のみ)
- 煮込んだうどん(うどんのみ)
- トースト(何もつけないで)
- ゆでたじゃがいも
- すりおろしたリンゴ
- ベビー用のせんべい、ウエハース
一度にたくさん与えず、便の状態を見ながら少しずつ与えましょう。
水分は十分に与えましょう。
区分 | お勧めできる食品 | 避けた方がよい食品 |
---|---|---|
穀類 | おかゆ、うどん、トースト | 中華めん、すし |
いも類 | じゃがいも、さといも | さつまいも、こんにゃく |
豆類 | とうふ、高野豆腐、みそ、きな粉、煮て裏ごしした豆類 | 大豆、あずき、油揚げ、がんもどき |
野菜類 | やわらかく煮た野菜 大根、かぶ、ほうれん草、キャベツ、かぼちゃ |
繊維の多い野菜 たけのこ、ごぼう、れんこん、キノコ類、海藻類 |
果実類 | りんご、バナナ | なし、パイン、いちご、柑橘類、スイカ、干した果物 |
魚介類 | 脂肪の少ない魚 たら、たい、かれい、しらす、はんぺん |
脂肪の多い魚 かまぼこ、干物、さば、さんま、いわし、貝類 |
卵 | 茶碗蒸、たまごとじ | 生卵、固ゆで卵 |
肉類 | 脂肪の少ないもの ささみ |
脂肪の多いもの ソーセージ、ハム、ロース、バラ肉、ベーコン |
乳製品 | (無し) | 牛乳、ヨーグルト、チーズ |
菓子類 | プリン、卵ボーロ、ウエハース | ケーキ類、せんべい、ナッツ類 |