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平成28年度第2回群馬県立図書館協議会の開催結果について

更新日:2017年4月24日 印刷ページ表示

1 日時

平成29年2月8日(水曜日)13時30分~15時00分

2 開催場所

群馬県立図書館3階研修室

3 出席者

委員6名、図書館10名

4 傍聴人

なし

5 議事

  1. 平成28年度事業の実施状況について
  2. 平成28年度図書館サービス目標の進捗状況について
  3. 平成29年度当初予算(案)について
  4. 平成29年度主要事業(案)について

主な意見等

(委員)

  • サービス目標の進捗状況は、研修への参加人数が123%、高校生のビブリオバトルが250%と大変高い数値であり評価できる。
  • 小学校では、読んだ冊数やページ数で賞をあげることにより、本を読むことの動機付けがなされるが高校生には効果がない。高校生になるとSNSでの情報受発信が中心で、本に親しむ機会が減少している。
  • 本を読んでいく県民を育てていくためにはビブリオバトルを実施していくことは非常に有効である。
  • 今年度ビブリオバトルの第1回県大会が開催され、来年度第2回が開催されることは本に親しむ動機付けという点では高く評価したい。
  • 中高年齢層の人たちは健康に非常に関心があるので健康関連の展示や自殺予防のイベント等を開催することは図書館に足を運んでもらうための動機付けとなる。
  • 各学校が取りに来ている「朝読書のセット」を県立図書館の協力車で運んでもらえないか。学校は予算がなく、出張旅費も非常に削られている。また、職員の負担も大きい。

(図書館職員)

  • 「朝読書のセット」は、県立図書館にストックしているセットが無く、学校に返しにきてもらったものを次に取りに来た学校に貸す仕組みである。したがって、協力車で学校に取りに行くと貸せない状態になってしまうので学校から来てもらうことにしている。ご要望の点については担当職員とよく検討したい。

(委員)

  • 資料購入の予算は、全国的にマイナスであり毎年減額されている状況にあるようだが、予算が削られても実施可能なビブリオバトルを実施することは素晴らしいことである。
  • 図書館の存在を子供たちに広めていくことが大切である。
  • 太田市では図書館と美術館の複合施設が駅近くに出来た。最初は多くの利用者がいると思うが、徐々に減るだろう。減らないような方策を考えることが必要である。
  • 県立図書館を子供たちに見学させたいと考えているので、ご協力いただきたい。

(委員)

  • 図書館サービス目標の目標値はどういう根拠で出てきた数値なのか。
  • 公共図書館では正規職員が少なく臨時職員・パート等でギリギリの状態で運営を行っている。そのような状況の中で県や協会主催事業での参加者の状況を教えてほしい。
  • ベトナム関連イベントや他部局との連携展示などを県立図書館で実施したということは評価できるが、もっと積極的に他課の福祉部局や農業部局と連携して外部で図書館資料を展示することが出来ないか。
  • 平成29年度はかなり厳しい予算である。平成19年度は全国10位の資料費だったが、平成25年度は全国44位である。財政当局にどういうアプローチを行えば資料費がつくのか考えるべきである。
  • 群馬県の振興策(群馬県公立図書館等の振興方策について:平成23年3月22日)で定めた平成23年当時の課題はどうなっているのか。また、図書館でどのように議論され、課題が解決されたのか。
  • 来年度の図書館大会は持ち回りでやるのか。また、実際に準備することは地区毎に分かれてやるのか。
  • 財政部局に「図書館というのは使える」ということを認識をさせる。外部機関に、いわゆる「御用聞き」をして図書館の存在意義、資料の持つ力をアピールすることが大切である。

(図書館職員)

  • 目標の設定の仕方は、実績を少しでも増やして努力目標とした数字にしている。また、予算がらみのものは予算を見ながら判断している。
  • 研修会への参加者の内訳は次のとおり。
    1. 学校図書館関係者実務研修会は学校司書の方である。比較的非正規の身分の方が多い。
    2. 出前講座は学校の先生や司書が対象である。
    3. 学校支援講座は公共図書館の職員の方を対象に、地元の学校との連携を活発にしていくために行うもので、市町村の図書館の職員の方が中心である。
    4. 学校図書館活用スキルアップ講座は、学校図書館の授業でのさらなる活用をねらいにして教諭の方をメインに考えている。参加者は学校司書が多いが、教諭の参加率は上がってきている。各地域(東毛、中毛、西毛、北毛)に出張して参加しやすい環境作りをしている。
  • 連携を図っている事業としては、「ぐんまこどもの国」や「ぐんま天文台」と協力して本の展示を行ったり、「天文台」に星・宇宙に関連した本を並べてトークやミニビブリオバトルを開催している。また、「ぐんまこどもの国」では絵本の読み聞かせ等をしている。
  • 資料費の来年度予算は大変厳しい状況である。県全体ではマイナス10%という中で(県立図書館の予算は)ほぼ現状維持の予算を確保している。
  • 館長が県庁に出向いて図書館のPRを積極的に行い県庁各課と連携を図っている。
  • 連携事業は図書館利用者の増加にも寄与しているので引き続き努力したい。
  • 従来の研修に加え学校図書館への支援強化策として「学校図書館活用スキルアップ講座」を行っている。

(図書館職員)

  • 金も人も無いというのがすべての課題の根本であるが、厳しい財政状況の中では図書館には予算、人が付かないのが現状である。
  • 職員で知恵を絞り、国の補正予算を活用して図書館の蛍光灯をLED照明に替えるとか環境森林部の予算を使って図書館の机を県産材で新しくするといった図書館自体の予算がなくてもできることを行っている。
  • 健康、自殺予防、がん対策等、県の施策と連携した事業実施にあたり、事業を図書館の職員が行わず県庁の職員や健康づくり財団の職員が来て企画を実行している。
  • 県内図書館相互の「相互貸借事業」を実施することによって、どこの地域の図書館からでも県立図書館の本を借りることができる。県立図書館の2台の協力車が県内を巡回することによって可能となっているこの制度は高く評価されているが、制度のPRが足りないので何か工夫出来ないか検討している。
    図書館職員
  • 図書館大会は持ち回りで実施する。今年で一回り(東毛、中毛、西毛、北毛)したが、アンケートをとった結果、担当地区制は継続することになった。来年は中毛・東毛ブロックで実施することになるので県立図書館が会場である。それ以降は県立に限らず前橋・高崎辺りで実施する方向で考えている。

(委員)

  • 県立図書館は限られた予算や人員の中で非常に多くの事業をやる気になっていると感じている。今までは人が本を借りに来るだけの図書館だと思われていたが、博物館よりも多くのイベントをやる。本という資産を使って、いろんな形で見せて行こうとしている。
  • 県立の特色は一年間誰も借りない古い本が、沢山あるということである。例えば、群馬の郷土資料のひとつの「るるぶ」という雑誌は、群馬県版が十数冊保管されている。過去の古い本により、「富岡製糸場」がこの十数年間で「るるぶ」の中でどういう風に扱われてきたかという変化が良く分かる。市町村図書館にはこれだけのラインナップは難しい。
  • 資料購入するお金が無いというが、古いものはあるということをメリットとして打ち出していくことがいいのではないか。
  • 日比谷図書館では「ナイトジャングル」というイベントがあり、図書館にある古い本を探して一番気に入った本を見つけて発表するという、ビブリオバトルの大人版をやっていて、図書館の活性化を図っている。そういった古い本に光を当てるような試みは実施可能なのではないか。

(委員)

  • 平成28年度図書館サービス目標の進捗状況をみると、100%を超えている指標は「図書館等の職員研修」と「高校生のビブリオバトル」である。成功要因は何か。どんな所に成功要因が隠れているかを探すのは面白いのではないかと思う。
  • 「レファレンス資料の受入冊数」が低い状況になっているのは県民に対してレファレンスをどういう風に位置づけるかということが課題だと考えるが、どのように情報を活用していったらいいのかをリサーチしていく必要がある。例えば、ビジネス支援がいいのか、もう少し情報を収集するということが必要だと思う。
  • 県の予算ではないところから予算を獲得するという事は可能なのか。たとえば、民間企業から寄贈をしてもらうとか。寄贈を活用して群馬県の小さい中小企業の支援になるようなデータ集を作成するとか、本のセットを寄贈してもらう事が出来るのか。
  • 違う所からの資金獲得という視点から、例えばビブリオバトルであれば、学習塾などお金のありそうな所から協力してもらうことは可能なのか。
  • ビブリオバトルがうまくいった背景には、高大接続の入試改革が背景にあり、ビブリオバトルに参加して賞をもらいましたということが学力として評価される時代がやってくる。
  • 検索機能が非常に改善されたというだが使われなくては意味がない。それを使うメリットを積極的に知らせていかなければいけない。
  • 新しい図書館情報検索機能を使って資料を見つけ出せることができた例をアピールすることが重要である。そして機能アップした結果として利用者の評価が上がったということを財政部局に対し積極的に説明していくことが今後の予算獲得に必要なことである。
  • 図書館には展望が良い部屋とか、講演会ができるホールとかの「場」があるということだけではなく、その「場」をいかに活用していくかということが重要ではないか。
  • 「場」の活用が成功すれば来場者が増え図書館の価値が高まる。種は沢山あるので入館者数増加に向け活発に活用することを期待している。

(図書館職員)

  • ビブリオバトルが成功した要因は、職員が視察し研究して仕組み作りを行ったことと高校の図書館部会が一生懸命やってくれたことの2点である。
  • 小中学校だと、非常勤の職員しかいないが、高等学校になると複数の正規職員がいる。来年度は小中学校と高等学校の図書館を分けて学校図書館にアプローチすることを考えてみたい。
  • ネット社会でのレファレンスを考えた時に高校生はそのターゲットとして、かなりわかりやすいターゲットである。レファレンスというと郷土の資料、古い群馬の歴史・文化とういことになるが、今の高校生位を対象にしたレファレンスのありかたを考える必要があるのではないか。
  • 古い「暮しの手帖」を展示したところ女性が従来より多く来るようになった。展示可能な資料が豊富であるという点では他の図書館と比べて優位性がある。
  • 今度実施する「自費出版応援講座」は予算書上はゼロ円である。講師は企業のボランティアなので、民間の資金を活用した事業といえる。
  • ホールの活用は、講演会やレコードコンサートなど継続して実施しているが、少しずつバリエーションを増やしていこうと思っている。事業を積み重ねていくことで幅が出てくる。

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