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群馬県指定天然記念物ヒメギフチョウの盗難被害の防止及び生息環境の保護について
1 趣旨
ヒメギフチョウは、国内では北海道から中部地方にかけて局所的に分布するチョウです。関東地方では渋川市域の赤城山が唯一の生息地であることから、昭和61年3月に群馬県天然記念物に指定され、群馬県、渋川市教育委員会、愛護団体、地元小学校PTA、地元有志などによる保護活動や、保護のための環境整備、普及啓発活動が続けられてきました。
指定当時のヒメギフチョウは、乱獲などにより消滅の危機に瀕していました。現在でも生息頭数は非常に限られています。近年、こうした希少性に着目した心ない人によるチョウの卵や幼虫、食草の持ち去り行為と思われる事例が発生し、増加傾向にあります。また、オフロードバイクによる生息域への進入行為も発生するなど、ヒメギフチョウを直接的に脅かす行為が後を絶たないため、ヒメギフチョウ保護連絡協議会及び渋川市教育委員会と協議の結果、生息域の所有者である渋川市とともに対策を講じることとなりました。
2 保護のお願い
- ヒメギフチョウの成虫、幼虫、サナギ、卵を採らないでください。群馬県文化財保護条例違反となり、罰金又は過料に処せられます。
- ヒメギフチョウ生息域の花や食草を採らないでください。
- 登山道以外には立ち入らないでください。
3 対策
渋川市では、生息域に保護及び被害防止のための啓発看板を設置しています。群馬県としても、今後、警察やそのほかの関係機関とも連携して、パトロール活動など生息域におけるヒメギフチョウ保護のための普及啓発活動をより一層推進します。
4 参考
群馬県文化財保護条例(抜粋)
第四十八条 県指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をして、これを滅失し、き損し、又は衰亡するに至らしめた者は、十万円以下の罰金又は科料に処する。
第四十九条 第十七条(第四十二条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、知事の許可を受けず、若しくはその許可の条件に従わないで、県指定重要文化財若しくは県指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、若しくはその保存に影響を及ぼす行為をし、又は教育委員会の現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止の命令に従わなかった者は、五万円以下の罰金又は科料に処する。
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