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「2021ぐんまの家」設計・建設コンクール受賞作品

更新日:2021年10月19日 印刷ページ表示

 「ぐんまの家」設計・建設コンクールは、群馬県及び群馬県ゆとりある住生活推進協議会の主催、住宅金融支援機構の共催で昭和62年から実施し、令和3年度で34回目となりました。
 今年度は、『近年の人口減少・少子高齢化といった、社会構造の変化に伴い生じている「住生活に関する課題」などの社会的な課題や、県産木材の積極的な活用による持続可能な地域づくりに向けた活動など、県民の安全で安心な暮らしや快適で豊かな生活環境を創造するための取組を行い、良質で住み良い群馬県内に建設された住宅を表彰し、広く県民に紹介することにより、県民の住宅に関する関心を高め、居住水準の向上及び住環境の改善を図ることへ寄与すること』を目的として募集を実施し、新築住宅部門に35点、リフォーム住宅部門に4点、計39点の応募をいただきました。

受賞作品一覧

受賞作品
住宅名称 設計者 施工者
最優秀賞 HP-59 本動堂の家 WOOD'S環境計画工房 田村建設株式会社
住宅金融支援機構賞 二層のスキップフロアのある平屋の家 株式会社関工務所 株式会社関工務所
審査員特別賞 終の棲家 株式会社城越設計 株式会社城越設計
優秀賞 土間のある平屋の家 株式会社米田横堀建築研究所 株式会社津久井工務店
優秀賞 前橋の平屋 TDLアーキテクツ一級建築士事務所 上柿建設株式会社
優良賞 上並榎サニーサイド KAAD設計舎 有限会社清水総建
優良賞 田・風・舎 工作舎 株式会社津久井工務店
優良賞 ぞうのいえ 小島光晴建築設計事務所 竹並建設株式会社
優良賞 はすかいのいえ ATelier N 株式会社関工務所
優良賞 トルサード 有限会社HIRO建築工房 阿部工務店
優良賞 ケーブルカー 生物建築舎 建築舎四季株式会社

審査委員長総評

  「2021ぐんまの家」の審査を終え、回を重ねる毎に作品の質とレベルが高くなる様を感じました。
 社会構造の変化に伴い多様化する住環境に関する課題解決や、県産木材の積極活用による持続的な地域づくりの取り組みなどは、「ぐんまの家」に求められる基本的な要素であると考えます。
 今年は「新たな日常」としてテレワークや二地域住居等の対応や「環境への配慮」として維持管理の容易性、長寿命化への工夫等も新たに審査対象といたしました。
 一次審査では拮抗する作品の質の高さから選考に悩み、二次審査では選考委員の意見の分かれる場面もありましたが、今年の「ぐんまの家」の「顔」を決めるべく、慎重にかつ十分な議論を重ね、各賞を決定しました。
 また、今年は新型コロナウイルスによる感染拡大防止の緊急事態宣言下であったため現地審査が叶わずビデオ撮影による最終審査となったことを付け加えておきます。
 最優秀賞に輝いた「本動堂の家」は建築主の職業と住まい方を良く理解し、エントランス廻りの多様な可能性を秘めた建築計画が大変魅力的であります。2つのコートを設けたプランはゾーニングが明確であり機能的でありながらプライベートな空間を切り分け、自然の採光と通風を十分確保することのできる間取りとして高い評価を得ました。また工事費も適正であり周囲の環境にも緩やかに融和する秀作であると言えます。
 審査員特別賞の「終の棲家」は大胆な減築と不使用スペースの削除により、原型を見失う程の高い完成度を誇るリノベーション住宅です。住み続けることで得られる幸福感と、地域への愛着を感じる取り組みは社会問題化する空き家対策にも一石を投じる作品であると言えます。
 リフォームの域を超えた建築計画は建築主と設計者、施工者の高い信頼関係を伺わせます。
 受賞した作品はどれも素晴らしく「家」としての新しい魅力を引き出しながら細部の工夫も見てとれるものでした。
 これからも、群馬の気候風土や地域性、県民性などを考慮しながら環境に配慮した住宅が多く生まれることを大いに期待します。
 最後に応募された全ての方に敬意を表すると共に、苦しみながらも楽しく審査をさせて頂きましたことに審査員一同、感謝と共に御礼申し上げます。

受賞作品紹介

最優秀賞「HP-59 本動堂の家」

2021最優秀賞(内観)写真
内観

2021最優秀賞(外観)写真
外観

審査委員講評

 大変恵まれた敷地を活かし、内外の繋がりと共に全居室に快適な通風と採光を確保しつつ周辺からのプライバシーを保ち、また旧来の農家住宅のイメージを払拭したデザインが高く評価されました。
 南北で明快に分けられたパブリック・ワーキング空間とプライベート空間、2つをコンパクトなダイニングキッチンで繋いでいる点も潔く、南面を通しで設けられた内土間と軒下・半屋外となる外土間は、利用状況の具体的な想像が容易で近年多作の土間を持つ住まいとは一線を画しています。
 専業農家の住宅兼作業場という枠にとどまらず、コロナ禍でのニューノーマルという視点からも多様な可能性を秘めたものとも思え、また、農家仕事をスマートにこなす若い住まい手とおおらかな周辺環境に建つ佇まいが相まって好印象を与えました。
 平面計画が単純、軒が高い南面の木製外部建具のメンテナンスが気掛かりとの意見も聞かれましたが、セオリー通りの分かりやすくシンプルな想いを形にしている点が多くの賛同を得た作品でした。

最優秀賞「HP-59 本動堂の家」(PDFファイル:2.75MB)

住宅金融支援機構賞

住宅金融支援機構賞「二層のスキップフロアのある平屋の家」(PDFファイル:1.86MB)

審査員特別賞

審査委員特別賞「終の棲家」(PDFファイル:2.43MB)

優秀賞・優良賞

優秀賞「土間のある平屋の家」(PDFファイル:2.19MB)

優秀賞「前橋の平屋」(PDFファイル:1.82MB)

優良賞「上並榎サニーサイド」(PDFファイル:1.5MB)

優良賞「田・風・舎」(PDFファイル:331KB)

優良賞「ぞうのいえ」(PDFファイル:317KB)

優良賞「はすかいのいえ」(PDFファイル:305KB)

優良賞「トルサード」(PDFファイル:1.74MB)

優良賞「ケーブルカー」(PDFファイル:235KB)

応募作品紹介

応募作品一覧(PDFファイル:1.55MB)

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