「2015ぐんまの家」設計・建設コンクール受賞作品

更新日：2015年10月10日印刷ページ表示

　「ぐんまの家」設計・建設コンクールは、良質で住みよい住宅を表彰することにより、県民の住宅に関する関心を高め、居住水準の向上及び良好な住環境への啓発を図ることを目的とし、群馬県及び群馬県ゆとりある住生活推進協議会の主催により毎年開催しています。
　審査は、施主の要望が適切に満たされた設計・施工、地域景観と調和したデザイン、材料、工事費、施工品質等に重点をおき、審査委員8名によって厳正に行われました。
　その結果、46点の応募作品の中から、最優秀賞1点、優秀賞4点、住宅金融支援機構北関東支店長賞1点、優良賞5点の合計11点が受賞作品に選ばれました。

受賞作品一覧

**受賞作品**
賞	住宅名称	設計者	施工者
最優秀賞	環の家	浅見建築設計室浅見俊幸+浅見千晴	狩野建築工房
優秀賞（子育て住宅賞）	Ｌがつなぐ家	田村建築設計工房	分離発注による
優秀賞（コンセプト住宅賞）	結びの家	徳井正樹建築研究室	株式会社津久井工務店
優秀賞（エコロジー住宅賞）	大久保の家4-中心に光庭をもつ家-	WOOD'S環境計画工房	株式会社津久井工務店
優秀賞（アイデア住宅賞）	回遊の家	有限会社HIRO建築工房	有限会社阿部建築
特別賞住宅金融支援機構北関東支店長賞	総社町総社の家	株式会社小林建設一級建築設計事務所	株式会社小林建設
優良賞	上之町の家ー岩〈I・W・A〉を囲む家ー	ATELIER N	株式会社オムニバス
優良賞	高崎　江木町の家	株式会社小林建設一級建築設計事務所	株式会社小林建設
優良賞	久宮・土壁の家	工作舎	株式会社津久井工務店
優良賞	大前田の家	有限会社アーキテク・デザイン	株式会社津久井工務店
優良賞	新しくなったAさんのすまい	Corb	株式会社木万里

審査委員会総評

　今年度の「2015ぐんまの家」設計・建設コンクールは新築部門に43棟、リフォーム部門に3棟の応募がありました。

　一次審査（書類審査）では応募作品の設計主旨、施主の要望、設計・施工上の配慮、施主の満足度などを基準に優秀作品を絞り込みました。

　一次審査を通過した11作品について8月8日（土曜日）、9日（日曜日）の二日間に亘り現地に赴き二次審査を行いました。実際に生活された上での感想等、施主の方々から貴重なお話を伺い、皆様が出来上がったいえに充分満足し感謝の気持ちを持たれていることが伝わってきました。その後、討議を重ね、今回の受賞作を選出いたしました。

　最優秀賞の「環の家」は、これからの高齢化社会のなかでセカンドライフをゆたかに過ごす為の理想のすまいとも言えるような、建物と庭、周囲との関係が素晴らしい作品となっています。

　そのほか特徴的な家作りをされた4作品について、コンセプト賞、子育て住宅賞、アイデア賞、エコロジー賞を選定いたしました。

「ぐんまの家」といっても様々な家があります。県産木材をふんだんにつかった家、大家族が楽しく暮らす家、受け継がれた建物を大事に直して住み続ける家、高齢社会での住まい方や、既存宅地での建替、子育てを楽しむための家や環境に配慮した高性能住宅など。

　今回、現地審査で感じたのは、どの建物も施主の皆様がこだわりを持ち、設計者、施工者とコミュニケーションを図りながら自分達の理想の家を築かれている事でした。

　そういった施主の想いが形になり、群馬に住み続けられる家がこれからも多く建てられるための一助に当コンクールがなれれば幸いです。

　最後になりますが、施主の皆様には公私ともにお忙しい中ご協力いただきありがとうございました。ここにお礼申し上げます。

受賞作品紹介

最優秀賞「環の家」

外観写真
外観

内観写真
内観

審査委員講評

　「夫婦で暮らす為の機能的でゆったりとした平屋と建物と庭が欲しい」との施主の希望を受け、ゆたかなセカンドライフに向けた伸びやかな住まいを実現させた設計者、施工者は、かつて施主宅をよく訪れ、遊びに来ていた息子さん娘さんの同級生達でした。
　緩やかに南に下がる角地の形状に沿ってL字に折り曲げられた建物は北から吹き付ける赤城おろしを防ぎながらプライバシーを適度に保った庭を囲い取っています。低く深い軒を出すことで自然との共生を計り、垂木構造の屋内空間は一体感とともに部屋の領域が上手く区切られ使いやすく落ち着いた空間となっています。リビングと庭を繋ぐＬ字部分に設けられた広いデッキテラスは南下がりの芝庭に浮かぶ浮遊感を味わえる快適な外部空間となっています。敷地周辺に対してはオープンなつくりで、駐車場の低い石塀や通りに面した窓に飾られた建主のお気に入りの小物が道行く人達の目を楽しませ、自然と交流が生まれるようなこしらえとなっています。家作りにかける施主、設計者、施工者の想いと建物と庭、周囲、全ての三位が一体となった素晴らしい『ぐんまの家』となっています。