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【1月】黒保根育苗センターにおける作業工程の改善を検討
高品質苗の生産に向けたPDCAサイクルの活用
東部農業事務所 桐生地区農業指導センター
黒保根育苗センターで発生が見られる徒長苗の発生防止のため、役員との打合せを行いました。近年の発生状況を確認した上で、発生防止対策を検討し、作業工程の改善を目指すこととしました。
1 ねらいと背景
桐生市黒保根町にある黒保根育苗センターは、水稲3品種について約12,000箱の育苗作業を請け負っていますが、近年、主にもち品種での徒長苗の発生が問題となっています。過去の病害虫診断結果からは発生原因が判然としておらず、発生要因や発生防止対策のさらなる検討が求められています。そこで、育苗センター役員とともに作業工程の見直しを行い、問題解決に向けた対策方法を検討しました。
2 取り組み内容
令和5年12月21日に黒保根育苗センター役員との打合せを行いました。これまでの作業工程を見直したところ、温湯消毒の処理時間が短いもち品種では消毒効果が不十分である可能性があることや、苗の根が育苗シートを抜けて伸長した状況から、ハウスの土壌養分を吸収したことが徒長の一因ではないかという意見が出ました。
これを踏まえ、従来もち品種とうるち品種とを同一の催芽機に入れて実施していた浸種を別処理とし、温湯消毒の効果検証を行うことで合意しました。また、育苗ハウス内の一部の区画で不透根シートを使用し、生育状況を確認することとしました。
3 今後の方向
育苗センター作業員と連携して対策の効果を検証し、作業工程を改善していきます。また、検証結果をもとに既存のGAP手順シートを適宜修正し情報共有することで、育苗センターでの適正な育苗管理及び高品質苗の生産につなげます。
徒長苗の発生の様子
浸種の様子