本文
群馬県観光振興計画(R6~R9)
本計画について
計画策定の趣旨・目的
群馬よいとこ観光振興条例第17条に基づき、本県の観光振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために策定するものです。
計画期間
2024年(令和6年)4月から2027年(令和10年)3月までの4カ年計画
計画の位置付け
本計画は、県産業経済部の個別計画に位置づけられており、県の産業政策の計画である産業振興基本計画及び県総合計画(ビジョン・基本計画)の下位に位置づけられるものです。
計画の構成
第1章 群馬県観光の現状と課題
第2章 目指すべき方向性
第3章 達成指標と基本戦略
第4章 実現に向けた具体的施策
資料編
本計画の目指すべき方向性
基本理念 「GUNMA」を世界に誇るリトリートの聖地へ
群馬県の観光産業においては、インバウンドの割合や旅行消費額単価が他県に比して低いことや、観光地における労働力不足等が課題となっています。
こうしたことから、インバウンドを始めとした旅行者の受入環境整備及び魅力的な観光コンテンツの創出により、旅行者数を増加させ、再び訪れたいと思っていただけるような満足度の高い観光地を目指すとともに、旅行の長期滞在化・高付加価値化による旅行消費額単価の向上を進める必要があります。
それにより増加した収益で、従業員の労働環境を改善し、労働力不足を解消するとともに、今後、増加する旅行者の時間や場所などの平準化を進め、自然・生活環境等への悪影響(オーバーツーリズム)を防止することで、経済・社会・環境の面において持続可能な観光地を実現していくことを、群馬県の目指すべき方向性とします。
この方向性は、県の最上位計画である「新・群馬県総合計画」に掲げた2030年(令和12年)に目指す姿にも合致しており、これを推進するための基本政策の中で、「リトリートの聖地」、「クリエイティブの発信源」、「レジリエンスの拠点」の3つの近未来イメージを実現するための政策を掲げています。
リトリートとは、忙しい日常生活から離れ、心や身体を癒やす過ごし方であり、群馬県の目指すべき方向性である長期滞在化や高付加価値化、旅行者の平準化を推進するものとなります。
群馬県では、東京から非常に近い位置にありながら、大都市圏にはない様々な魅力をいかした特別な旅の機会を提供できるという「強み」をもって、「リトリートの聖地」を実現するため、本計画の基本理念を「『GUNMA』を世界に誇るリトリートの聖地へ」として掲げ、温泉、自然、食、伝統文化などの魅力をいかし、心と身体を癒やす長期滞在型観光の一大拠点を目指します。
本計画の達成指標と基本戦略
達成指標
計画の達成指標として、以下のKPI(Key Performance Indicatorの略。重要目標達成指標)を設定します。
KPI ((1)、(4)、(5)、(7)はコアKPI) |
基準値 | 目標値 (2027年) |
---|---|---|
(1)群馬県内における2泊以上の実宿泊者数 | (2022年) 88.1万人 | 200.0万人 |
(2)延べ外国人宿泊者数 | (2019年) 29.2万人 | 60.0万人 |
(3)延べ宿泊者数 | (2022年) 709.9万人 | 1,020.0万人 |
(4)日本人旅行消費額単価(宿泊客) | (2022年) 51,353円 | 60,000円 |
(5)外国人旅行消費額単価 | (2019年) 53,029円 | 78,000円 |
(6)旅行消費額総額 | (2019年) 3,498億円 | 5,700億円 |
(7)リトリート認知度 | (2023年) 30.8% | 60.0% |
基本戦略
基本理念に掲げた「『GUNMA』を世界に誇るリトリートの聖地へ」を実現するため、本計画を観光活性化戦略として位置付け、3つの柱(基本戦略)を設定します。また基本戦略に紐付く11の主要施策を設定することで、観光振興に係る施策について戦略的に取組を進めます。
基本戦略1 持続可能な観光地域づくりのための基盤整備
戦略的な集中投資による観光基盤の整備を行い、国際競争力の高い観光地としての基礎を構築するとともに、観光地域の持続的な発展につながるよう施策の展開を図ります。
主要施策1 観光地域の基盤整備(インフラ・観光DX等)
- 基礎的なインフラや観光DX等の基盤を整備
- 行政の積極投資により民間投資を呼び込むことによるハード整備の推進
- 二次交通対策、オーバーツーリズム対策等
- 県域観光振興団体における観光Dmpの構築
主要施策2 インバウンドの受入環境整備
- 基礎的なインフラや観光DX等の基盤を整備
- 行政の積極投資により民間投資を呼び込むことによるハード整備の推進
- 二次交通対策、オーバーツーリズム対策等
- 県域観光振興団体における観光DMPの構築
主要施策3 新たな旅行スタイルを推進するための環境整備
- 地域一体となったリトリート推進に係る施設・地域整備の促進
- 新たな旅行スタイル(ユニバーサルツーリズム、ペットツーリズム、ガストロノミーツーリズム等)を確立するための施設整備の促進
- ユニバーサルツーリズム受入環境の整備や相談窓口の運営
主要施策4 観光人材の確保・育成・定着
- 観光事業者等の収益向上から従業員の処遇改善に還元する意識改革や取組の推進
- 移住してでも働きたいと思えるような環境整備及び国内外の多様な人材に対する就業機会の創出や情報発信等
- 産学官による観光人材の育成推進及び観光産業の成長を牽引するリーダーとなる中核人材の育成
基本戦略2 国内外から選ばれるコンテンツの創出
国内外の多様な旅行者に来訪先として選ばれるため、温泉、自然、食、伝統文化等をいかした高付加価値なコンテンツを創出します。
主要施策5 魅力あるコンテンツ創出(温泉・自然・食・伝統文化等)
- 長期滞在化を推進するため、各観光地を代表するキラーコンテンツを創出し、トリクルダウンにより旅行者の周遊につなげる
- 温泉、自然、食、伝統文化等の既存の観光コンテンツの磨き上げ
- 多種多様なコンテンツの創出と組み合わせによるインバウンドを含めた幅広い誘客の促進
主要施策6 新たな旅行スタイル確立
- アラカルトのように旅行者に自由に選んでもらえるような多種多様な観光コンテンツを地域を巻き込んで創出し、時代のニーズに合った新たな旅行スタイル(リトリート、ユニバーサルツーリズム、ペットツーリズム、ガストロノミーツーリズム等)を確立
- 旅行の長期滞在化や高付加価値化の促進による旅行消費額単価の向上
主要施策7 群馬ブランド創出・育成(食・物産)
- 食や物産の群馬ブランド化の推進
- 農業体験や有機農産品を使用した食の提供による環境意識の高い客層などの誘客促進
- 地産地消の促進による持続可能な観光地づくりの推進
- リアルとデジタルの双方による販売促進と認知度の向上及び販路拡大
基本戦略3 データに基づく戦略的プロモーション
ビッグデータ等を活用し、ターゲットに応じた戦略的なプロモーション等を実施することで、「リトリートの聖地群馬県」の認知度の向上・定着を図り、観光誘客と旅行消費額の増加を実現します。
主要施策8 データを活用したマーケティング体制の強化
- 観光DMPの運用による情報発信やデータに基づく観光施策の提案等の実施
- データマーケティング専門人材による各地域の観光政策立案を支援
主要施策9 ターゲットに応じた戦略的なプロモーション
- 国内外の旅行者に対して、インフルエンサー等を活用して口コミによる拡散を図るなど、リトリートの聖地化に向けた一貫性・継続性のあるプロモーションによる認知度向上と誘客促進
- インバウンドのターゲット国に応じた効果的な情報発信
主要施策10 関係機関・団体との連携強化
- 県域観光振興団体との連携による観光DMPを活用した課題解決
- インバウンドに対する県域の枠を超えた連携による誘客促進
- JNTOと連携したプロモーションや誘客施策の推進
- 市町村等と連携した地域の特色に応じた観光振興の推進
主要施策11 移住・関係人口の増加の促進
- 観光誘客やMICE開催等による交流人口の増加を契機とした関係人口の増加及び移住・定住につながる取組の推進
- インバウンド誘客や訪日教育旅行等の推進による海外との関係人口の増加促進
資料
計画の概要版、全体版及び実施計画につきましては、以下のダウンロードファイルをご覧ください。