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令和5年度「いじめ防止フォーラム」の実施について
「いじめ防止フォーラム」について
「いじめ防止フォーラム」は、県内12地区に設置された地区中学校・高等学校生徒指導対策協議会が開催しているものであり、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校の代表者が校種を越えて意見交換等を行うことを通して、いじめ防止に向けた児童生徒の主体的な取組をより活性化させるとともに、他者を思いやる心を育み、良好な人間関係づくりを促進することを目的としています。「いじめ防止フォーラム」は平成25年度に始まり、令和5年度で11年目を迎えました。
令和5年度は、話合いのテーマを「互いを大切にし、助け合える人間関係をつくるために、私たちにできること~私がついているから大丈夫!!~」とし、いじめ防止に向けて助け合える人間関係をつくるためにできる行動目標について意見交換を行いました。令和5年度は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症へ変更されたため、多くの地区で対面による「いじめ防止フォーラム」を開催することができました。話合いで決められた地区ごとの行動目標やスローガンについては、啓発資料等にまとめられ、各地区の全ての児童生徒にフィードバックされることになっています。また、「いじめ防止フォーラム」の様子については各校のホームページ等で積極的に情報発信し、学校だけでなく、保護者や地域の方々と共にオール群馬で行ういじめ防止活動を目指しています。
2.地区別日程
番号 | 地区名(事務局校) | 実施日・期間 | 開催時間 | 開催方法 |
---|---|---|---|---|
1 |
前橋地区 |
8月24日(木曜日) |
14時00分~ 16時30分 |
集合(昌賢学園まえばしホール) |
2 | 伊勢崎・佐波地区 (県立伊勢崎興陽高等学校) |
6月8日(木曜日) |
14時00分~ 16時00分 |
集合(境総合文化センター) |
3 | 渋川広域圏 (県立渋川高等学校) |
8月8日(火曜日) |
13時30分~ 15時30分 |
集合(事務局校) |
4 | 高崎地区 (県立榛名高等学校) |
8月2日(水曜日) |
14時00分~ 15時50分 |
集合(高崎市市民活動センター・ソシアス) |
5 | 多野・藤岡地区 (県立藤岡工業高等学校) |
9月20日(水曜日) |
14時00分~ 16時00分 |
集合(事務局校) |
6 | 甘楽・富岡地区 (県立富岡実業高等学校) |
10月18日(水曜日) |
13時30分~ 15時30分 |
オンライン |
7 | 安中地区 (新島学園高等学校) |
7月13日(木曜日) |
13時30分~ 15時30分 |
集合(事務局校) |
8 | 吾妻地区 (県立長野原高等学校) |
6月16日(金曜日) |
13時30分~ 15時30分 |
集合(事務局校) |
9 | 利根・沼田地区 (沼田市立沼田南中学校) |
7月4日(火曜日) |
13時30分~ 15時30分 |
集合(利根沼田振興局) |
10 | 桐生・みどり地区 (県立大間々高等学校) |
8月1日(火曜日) |
13時30分~ 16時00分 |
集合(みどり市笠懸公民館) |
11 | 太田地区 (常磐高等学校) |
8月1日(火曜日) |
10時00分~ 12時00分 |
集合(事務局校) |
12 | 邑楽・館林地区 (県立西邑楽高等学校) |
10月26日(木曜日) |
13時30分~ 15時30分 |
集合(事務局校) |
3.「いじめ防止フォーラム」の活動内容
令和5年度「いじめ防止フォーラム」が開催された12地区のうち、6地区の活動内容について紹介します。
(1)利根・沼田地区 7月4日(火曜日)
利根沼田地区の小学校、中学校、高等学校の児童生徒の代表が集まり、共通テーマである「互いを大切にし、助け合える人間関係をつくるために、私たちにできること~私がついているから大丈夫!!~」について、各学校で行っている実践を交えて話合いを行いました。Kj法を用いて、各校の取組やその内容を出し合い、各校の取組や活動を、より一層共通テーマに近づけるためにできる工夫について話し合っていました。最初は緊張感に包まれていましたが、ピア・サポート体験や班別協議を通して対面の交流をしたことで、最後はとても温かく良い雰囲気になっていました。各班の発表では、緊張する小学生の背中にそっと手を添える中学生や、班のメンバー全員が発言できるようにうまく役割分担する高校生の姿などがあり、「互いを大切にし、助け合う人間関係」が体現されていました。
(2)安中地区 7月13日(木曜日)
小学校5校、中学校4校、高等学校3校、計12校の代表が事務局校である新島学園高等学校に集合し、対面で協議や発表を行いました。運営に当たっては事務局校の生徒がリーダーシップを発揮し、コロナ禍では実施が難しかったピア・サポート活動ができたことで、その後に行われる班別活動も和やかな雰囲気の中で行われていました。話合いをした各班からピア・サポート活動から学んだことも含めてテーマに沿った人間関係をつくるために必要なことを発表がありました。同じ空間に集まって直接関わりながら本フォーラムを行うことに意味があると改めて感じさせられました。安中地区は市の教育委員会や各学校の管理職の参加が多く、関心の深さが感じられました。
(3)太田地区 8月1日(火曜日)
太田地区のいじめ防止フォーラムは、4年ぶりの対面開催ということでどの班も活発に意見交流をしていました。ピア・サポート体験では、事務局校の常磐高校の生徒が分かりやすくデモンストレーションを示してくれたおかげで、参加している児童生徒は安心してピア・サポートを体験することができました。班別協議では、進行役の高校生が班のメンバーを気遣い、意見を言いやすくなるような雰囲気づくりに努めた結果、休み時間に入っても話合いを続けるほど議論が白熱した班もあり、大変盛り上がった活動となりました。対面で行うことで、一人一人の細かい様子や雰囲気を感じることができ、その中で、人間関係づくりの大切さを学ぶことができました。
(4)桐生・みどり地区 8月1日(火曜日)
桐生・みどり地区では、日頃生徒が感じているSNSに関するトラブル等に注目して共通テーマをもとに地区独自のテーマ『SNSに頼らない人間関係づくり 対面で会話をしながら大切な人間関係づくりに取り組みます!』を設定して話合いが行われました。基調提案にも独自の動画を追加したり、ピア・サポート体験も生徒の考えや工夫を取り入れたりして、このフォーラムを一層充実したものにしたいという事務局校の思いが強く感じらました。対面でピア・サポート体験を行ったことにより、同じ班の小学生、中学生、高校生の雰囲気が和み、そのあとの班別協議で活発な意見交換が見られました。
(5)高崎地区 8月2日(水曜日)
高崎地区のいじめ防止フォーラムでは、小学校・中学校・高等学校、中等教育学校・特別支援学校の代表者が集まり、校種を超えて活発に意見交換しました。ピア・サポート体験では、事務局校のスクールカウンセラーの進行のもと、児童生徒たちの緊張感がほぐれ、次第に笑顔が出てきました。班別協議では、共通テーマをもとに地区独自のテーマを設定し、(1)「いじめに気づいたり、友だちからいじめの相談を受けたりしたら、私たちにはどんなことができるだろうか?」(2)「学校やクラスの人間関係やコミュニケーションが深まり、お互いに助け合うためには、私たちには、何ができるだろうか?」について、熱心な議論が行われ、各班で提言をまとめることができました。進行役の中学生やサポート役の高校生による小学生や特別支援学校の児童生徒への気配りや声掛け等、積極的に気に掛ける様子が見られ、小学生や特別支援学校の児童生徒も自分事として協議に臨むことができていました。
(6)前橋地区 8月24日(木曜日)
前橋地区は、校種・年齢が異なる児童生徒が活発に意見交換できるよう、また、特別支援学校(特に聾学校・盲学校)の生徒も支障なく協議や発表に参加できるように、入念な準備の上で開催されました。班別協議では、はじめは各班とも高校生中心の進行で話は進んでいましたが、次第に自然と意見が交錯し合い、互いの学校の取組を深掘りしたり、良いところを認め合ったりしていました。視覚障害、聴覚障害の生徒も参加し、視覚障害の生徒は拡大用のタブレット端末を、聴覚障害の生徒はUdトークを使いながら班別協議に参加していました。いずれの生徒も班のメンバーの意見を確認しながら、自分の考えも伝えることができ、予定した時間では協議が足らなかったほど、熱心な協議になりました。