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動物レッドリスト(2024年部分改訂版)
1 背景・目的
群馬県では2022(令和4)年に絶滅のおそれのある野生動植物種の一覧を改訂し(以下2022年レッドリスト)、解説を加えて報告書(以下レッドデータブック2022年度版)を作成しました。
その後の調査や最新の分類学的知見の蓄積により、県内初記録分類群の出現や種の細分化といった事例も少なくなく、また、災害、開発、不法な採取・捕獲などの突発的な事象による状況悪化も想定されます。このため、迅速かつ機動的な種の保全対策を行うためには、部分的であっても短い周期でレッドリストを見直していくことが必要だと考えられます。
群馬県では2022年レッドリストを短い周期で見直し、より現状に即した種の保全対策のための基礎資料を作成するため、2022(令和4)年よりレッドリストの部分改訂作業を始めました。
2 結果
(1)改訂の概要
2022年のレッドデータブック改訂後、新たな絶滅危惧種の発見や、絶滅危惧種の生育地の破壊や環境変化に迅速に対応するため、群馬県では、昨年度よりレッドリストの随改訂を行っています。
絶滅危惧1B類と評価されていたヒメギフチョウの産卵状況に、急激な減少が確認されたことから、絶滅の危険性が最も高い絶滅危惧1A類に評価しました。群馬県全体での動物版レッドリストの掲載種類数は551種類で、内訳は表1のとおりとなりました。
注:ランクの正式名称は「絶滅危惧(ローマ数字の)1、2類」ですが、ウェブページの閲覧環境によってはローマ数字の表示ができないため、ここでは便宜上1及び2を使用します。以下同様。
2022年のレッドデータブック改訂後、新たな絶滅危惧種の発見や、絶滅危惧種の生育地の破壊や環境変化に迅速に対応するため、群馬県では、昨年度よりレッドリストの随改訂を行っています。
絶滅危惧1B類と評価されていたヒメギフチョウの産卵状況に、急激な減少が確認されたことから、絶滅の危険性が最も高い絶滅危惧1A類に評価しました。群馬県全体での動物版レッドリストの掲載種類数は551種類で、内訳は表1のとおりとなりました。
注:ランクの正式名称は「絶滅危惧(ローマ数字の)1、2類」ですが、ウェブページの閲覧環境によってはローマ数字の表示ができないため、ここでは便宜上1及び2を使用します。以下同様。
ランク | 種類数 |
---|---|
絶滅 | 15 |
野生絶滅 | 1 |
絶滅危惧1A類 |
42 |
絶滅危惧1B類 | 52 |
絶滅危惧2類 | 118 |
準絶滅危惧 | 203 |
情報不足 | 120 |
計 |
551 |
3 評価区分及び基本概念
今回の部分改訂における評価については、「群馬県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータブック)植物編 2022年改訂版」と同様、次の区分を用いました。
なお、これは環境省のレッドデータブック及びレッドリストで用いられている「レッドリストカテゴリー(環境省,2020)」を準用したものです。
絶滅 Extinct(Ex)
我が国ではすでに絶滅したと考えられる種
野生絶滅 Extinct in the Wild(Ew)
飼育・栽培下、あるいは自然分布域の明らかに外側で野生化した状態でのみ存続している種
絶滅危惧 Threatened
絶滅危惧1類(Cr+En)
絶滅に瀕している種:現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、野生での存続が困難なもの。
絶滅危惧1A類 Critically Endangered(Cr)
ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの。
絶滅危惧1B類 Endangered(En)
1A類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
絶滅危惧2類 Vulnerable(Vu)
絶滅の危険が増大している種:現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来「絶滅危惧1類」のランクに移行することが確実と考えられるもの。
準絶滅危惧 Near Threatened(Nt)
存続基盤が脆弱な種:現時点での絶滅危険度は小さいが、生育条件の変化によっては「絶滅危惧」として上位ランクに移行する要素を有するもの。
情報不足 Data Deficient(Dd)
評価するだけの情報が不足している種